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生き残る社長はライバルがブレるのを待ち、潰れる社長は自分がブレてしまう。

フィアット 500・チンクエチェントというイタリア車が生産終了になりました。 2007年に開発され、日本には 16年間で 13万台も輸入されたというロングセラーです。  小さくてかわいい車です。ルパンが、映画『ルパン三世カリオストロの城』で乗っていた車の後継モデルと言えばイメージが湧くかもしれません。  どうしてこの車は売れたのでしょうか。  車としての良さもあることでしょう。デザインが良く、愛嬌もある車です。  でも私は、別の要因も感じています。それは、ローバーミニが大きくなってしまったことです。  小さくてオシャレな車の代名詞と言えば、ひと昔前までは英国車のローバーミニだったと思います。認知度が高く、あこがれを抱いていた人も多いことでしょう。  しかし、 BMWがローバーからミニを買いとり、 2001年に新モデルを発売しました。それからミニはどんどん巨大化していきました。  大きくなったことで、旧来のミニを欲しがっていた人の中には「これじゃない」と感じた人もいたことでしょう。まさに私がそうでした。  そんな人たちの目にフィアット 500が留まったのです。   BMWの戦略はきっと間違っていなかったと思います。ミニのサイズを大きくすることで間口を広げ、より多くのユーザーを獲得できたことでしょう。  ただ、フィアット側からこの現象を見たとき、強大なライバルであったはずのミニが、ブレて、勝手に土俵からいなくなりました。フィアットは何の努力も苦労もせず、ミニの受け皿になれたのです。実に、おいしい。  商売の世界では、こういった現象をけっこう目にします。  知り合いのオッチャン社長が、ニヤニヤしていました。どうやら調子がいいようです。  オッチャン社長は、商店街などに店舗をかまえ、あるアイテムの修理や加工を受けつける商売をしていました。どちらかといえば、斜陽産業に属する商売です。  でも、売上は増えているそうです。  売上を増やすために、何か特別な工夫や努力をしたのかと問えば、そんなことは全然ありません。ただこれまでどおりやっているだけだそうです。「まわりの店が閉じるから、何もしなくてもうちにお客さんが流れてくるねん」  オッチャン社長の高笑いは止まりません。  昨今の日本の経営環境では、競合相手が勝手にいなくなるケースは日常的に起きます。後継者不在だとか収益の苦戦だとかで、廃業したり、事業所を閉鎖する会社が増えているためです。成熟社会ならではといったところでしょう。  また、ライバルが勝手にブレてくれることだってあります。  経営者が「何か新しいことをしなければ」という焦りで反射的に行動を起こすことがあります。一般的にも「新しい行動はよいこと」という認識がまかり通っています。  そのために、自分の存在や商品をブレさせてしまうことになったり……。  一貫性は力を宿し、逆にブレることは命取りになり得ます。ところがブレないことの重要さを認識できていない社長は世の中にたくさんいます。  ライバルがブレてくれたら、しめたものです。  小さな会社のロングライフ戦略としては、自分たちはブレず、相手がブレるのを待つことは基本姿勢です。  ほとんどの小さな会社には、金も人も余力がありません。だから新しい商品開発やチャネル開拓等もなかなかできません。しかし、長くコツコツやっていたら、競合が勝手に変なことをして追い風が吹いてくることがあります。  できるだけ動かないようにすることが生き残りの秘訣となります。ここでも半歩遅れの戦法が有効なのです。  ただ、動かない姿勢を貫くのは、思っているより困難なことなのでしょう。  三国志などの戦の物語を読んでも、そのまま籠城していたら負けることはないというときに「打って出てしまったために負けた」という話がゴロゴロ転がっています。  焦りや見栄、怒りなどに動かされてしまうのでしょう。 13  生き残る社長は、勝つ戦いではなく、負けない戦いをする

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