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生き残る社長はわざと少し損をし、潰れる社長は完全勝利をしようとする。

プロフィール写真を撮りなおすため、カメラマンの方とやりとりをしていました。  私は自分がどのように他者から見えるのか。どのように自分を見せるべきなのか。自分ではまったくわかりません。  そのため「自分で写真を選ぶよりも、プロのあなたに選んでもらいたい」というリクエストを出しました。  カメラマンさんには、撮影前の服装選びから、終わったあとの写真選びまでお付き合いいただきました。やりとりを通じて、自分はどんな雰囲気があるのか、どんな癖があるのかなども教えてもらうことができました。  信頼のおけるプロからこうしたフィードバックをもらえることはありがたいです。  自分の特徴をわかっていれば、マーケティングやブランドづくりがうまくできるわけです。いただいた助言や注意が、人生を変えてくれることだってあり得る、撮影料金のもとは十分にとったと、私は満足しました。  そして「写真を撮ってもらいながら、指導や印象のフィードバックまで受けられるから、お客さんが受けとれる価値は大きいですね」と伝えました。  ところが「そうでもない」と否定されてしまいました。「皆さん料金を安くすることしか考えないから……。多くの仕事が、ただ撮っておしまいという感じになってしまいます」と。  実にもったいない話だと感じました。  専門家や職人が相手のとき、彼ら彼女らの気分を盛り上げて、よりよい仕事をしてもらえるように接してはどうでしょうか。変に値切ったり、よその見積もりと比較して金額を下げさせるより、気持ちよく払うべきものは払って、より大きな価値を引き出せたほうが、結果お得になるはずです。  しかし、そう考えるタイプは少数派なようで、実際は「とにかく安くやれ」タイプが多数派なのでしょう。  こんな話をしていて、私は「自分が少し損をする感覚」が大切だと思いました。  損して得とれ、という意味合いももちろんあります。  加えて、少しの損を課す習慣が、自分の心を整えることにつながるためです。  専門家や職人への支払いでは、自分が少し損をしてでも、相手に多めに払ってあげているという感覚が、仕事や相手への感謝や敬意につながります。「値切ってやったぜ」という気持ちでいるより、ずっと安らかな気持ちになれます。  交渉事や論争ではどうでしょうか。  ガチンコにやれば、 100対 0で勝てそうでも、あえて 10くらい譲ってあげてもいいかもしれません。やっぱりこれで、心はずいぶんおだやかなものとなります。  完全勝利をおさめたら、そのときの気分はいいかもしれませんが、後はどうなるかわかりません。根深い恨みを買ってしまい、別の機会に手痛い反撃を受けることもありえます。  弁護士の中には「裁判は判決よりも和解でおわるほうがベター」と言う先生がたくさんいますが、その心はこのあたりにあるはずです。  経営者にはおなじみの会社の税金も同様です。  儲かれば税金を払うのは当たり前なのですが、これをトコトン払わないで済ませようとする社長がたまにいます。その情熱たるや、もはや異常だったり……。  それで過度の節税や脱税があだとなって、会社にお金がなくなって倒産したり、後になって追徴課税を食らっていてはお話になりません。  節税をするなとは言いませんが、少しは損するくらいのほどほどがいいのです。  いつも「ちょっと損する」という習慣を持ち続けることで、社長が楽な気持ちで生きていけるようになります。  そして、人生のトータルで損得計算をするときがあれば、多少損するつもりだったはずが、実は得になっていると私は信じています。 22  生き残る社長は、目の前の利益を最大化しようとしない

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