「皆さん、お金はほしいですか?」 ほとんどすべての方が、 YESと答えるのではないでしょうか。「では、何のためにほしいのですか?」 その理由を深掘りされると、口ごもってしまう方もいらっしゃることでしょう。 お金というのは、考えれば考えるほど不思議なものです。 あなたがどんな風に生きてきたかによっても、そこから呼び起こされるイメージは変わってくるのでしょう。 お金があることで魔が差してしまったケースはいくつも見ました。 雇われ社長や経理担当者が横領をする事件はよくあるのですが、会社に置いてあるお金が黒い欲望を呼び起こしてしまうのでしょう。 そのような理由で、大きな現預金をむき出しでポンと会社に置いておくこと(あくまで比喩として)は、オススメしません。 あるとなぜか使いたくなってしまうもの、それがお金です。 事業をしていた私の祖父は、ヤクザ絡みの事件を起こされて、引退間際にほぼすべての財産を失いました。 ことの発端は、会社と祖父のお金を管理していた私の母が「お金はたくさんあるし、少しぐらいなら動かしても……」と魔が差したことによる模様です。「高齢の父が死んで相続になれば、自分には数億円のお金が入ってくる」くらいの皮算用をしてしまうのは普通のこと。大金を前にすれば、気が大きくなり、道徳心は薄れてしまってもおかしくありません。お金にはそれくらいの魔力があります。 お金には、その人の性格を加速させてしまう性質もあるようです。 もともと立派だった人は、金を手にすると、より立派な立ち居振る舞いをするようになります。面白いことに、ケチだった人は大金を手にしてもケチで、何だったら前よりケチになる気すらします。 心の弱い人、自分というものをしっかり持っていない人が、大金を手にするとどうなるか。弱さが加速してしまうわけです。 とある成功したベンチャー企業では、初期メンバーはストックオプションの権利をもらっていました。上場したことで、 2、 30代の若者が、普通のサラリーマンが一生かかっても稼げないくらいの金を手にしました。 その後、彼ら、彼女らは幸せだったのでしょうか。 たしかに儲けました。しかし、メンバーの 8割方は、心を病み精神科通いをすることになったと聞きました。 お金と付き合うには、人間性や成熟度が問われるということでしょう。 もちろんお金には良い面だってあります。 お金があれば、安心できます。とても重要なお金の力です。 不安が、人を眠れなくさせて、身体の健康を奪うこともあります。逃げなきゃいけないときなのに、不安が足をすくませることもあります。不安が無謀なチャレンジをさせて、挽回不能な傷を負わせてしまうこともあります。 社長のロングライフのためには、不安を上手に飼いならさなければいけません。お金には、こんな不安をなだめ、心を落ち着かせてくれる機能があります。 ただし、お金を増やすことへの欲は尽きないという、人間の悲しい性もあります。 私のクライアントには、驚くほどの資産家が何名もいました。生きている間にどうやっても使いきれないくらいのお金を持っています。それなのに、まだまだお金を増やしたいと、目をギラギラさせていた人の割合はけっして少なくはありません。「もっと」を求める欲はなかなか鎮まりません。しかしお金を求める気持ちが、焦りと不安につながっては本末転倒です。 自分なりの、お金との素敵な付き合い方を見つけたいところです。 15 生き残る社長は、お金とのよい付き合い方を見出す
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