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特許を取る VS特許を取らない

特許を取る VS特許を取らない  厨房機器の配管に関して国際的な特許を持っている会社がありました。非常に優れた配管設備で、通常は油汚れなどがつきやすいダクトがこの会社の製品を使うと清掃がほとんどいらなくなるということで、大手企業の指定商品にも選ばれるほどでした。  特許があったため市場も独占状態で売上も好調だったのですが、数年経つごとに少しずつ様子が変わっていったのです。一体何があったと思いますか?  実は特許は、その権利が保護される期間が 20年と決まっています。そして、特許の申請をすると、その製造方法はすべて公開されるのです。その代わり、真似してはダメですよという権利保護の期間が設けられ、その期間が 20年なのです。  つまり、保護期間が過ぎてしまえば、他の企業がこぞって同じものを生産できるようになるということです。  私がこの会社にかかわるようになったのは特許を取った後でしたが、顧問になった当初「大手の企業に特許を売却したらいかがですか、今なら 10億円程度ですぐに売れると思いますよ」と提案しました。先述した通り、特許が切れたときに現状の売上が維持できないことが明らかだったからです。  しかし社長は「この特許で売上を上げているのだから売るなんてとんでもない」と、売却を検討することはありませんでした。そして数年が経ち、権利保護の期限が段々と近づいてくると、予想通り製品の売上は目に見えて落ちてきました。取引先の大手企業も、もう数年待てば自分たちで作ることができるということもあり、取引自体も強気で交渉されることが多くなってきたのです。  結局、社長は特許を売却することを決意し、最終的に大手の企業に 1億円でその特許を売却しました。「あのとき売っておけばもっと高く売れたのに」と社長は言っていましたが、私としては期限が切れかかっている特許を買ってくれただけでも儲けものだなと、ほっと安心したことを覚えています。特許は出口戦略が大事  このように特許は、権利が保護されている期限が切れそうになると、製品そのものの価値が落ちてきます。ですから、特許を取ろうとしているお客様には、「特許を取ったら最初のおいしい利益を取って、売却することを検討してください」と伝えています。  製品のライフサイクルには「導入 →成長 →成熟 →衰退」という4つのフェーズがあります。成熟から衰退のフェーズに差し掛かっているタイミングで特許を売却しようとしても、実際に売れることはほとんどありません。  特許として一番価値が高いタイミングは、導入から成長に差し掛かったときですから、このタイミングで売却を検討するのが一番利益を出せると考えるべきでしょう。  資金力豊富な大手の企業であれば、戦略はまったく異なります。しかし、中小企業の事業規模で考えると、優れた特許の製品は買い叩かれるか、権利保護の期限が切れ、真似されてまったく売れなくなり、市場から真っ先に消えていくのが一般的です。  逆にバイオテクノロジーなど他社が真似できないような技術の場合には、特許を取らないで一人勝ちしているほうがいいでしょう。いざとなれば会社ごと売却すればよいわけですから。  つまり、出口戦略まで考えている場合のみ、特許を取ることをおすすめめします。

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