二重スリット実験と観測問題
あなたはこれまでの人生に満足していますか?もっと自分には可能性があるのではないかと思っていませんか?もし、これまでの人生を断ち切って新たな人生が歩めるとしたらどんな人生にしますか?実は人生を大きく変えるためのヒントは、第一章でご紹介した「二重スリット実験」(こちらを参照)からさまざまなことを学ぶことができます。
二重スリット実験において、1つの電子や光子などの素粒子が2つのスリットを同時に通ってスクリーン上に干渉縞が生じることから、素粒子は波動性を持っているということがいえます。
そして、素粒子がどちらのスリットを通過しているのか観測しようとすると、干渉縞が消え、粒子の性質を示すことが分かっています。
このような観測の仕方によって実験結果が変わることは「観測問題」として物理学者の間でも長年、議論され、この現象を説明するためにさまざまな解釈が生まれました。
その1つが、コペンハーゲン解釈です。
コペンハーゲン解釈では、電子は無数の可能性の重ね合わせの状態であり、波のように存在確率の分布を広げている電子が観測された瞬間に一点に収縮し、波の状態から粒の状態に収束するという考え方です。
例えば、子どもの頃、遠足でお弁当を持っていくことがあったかと思います。
中身を知らされないまま持たされて、「今日のお弁当は何だろう?」とワクワクしたことがあるのではないでしょうか。
その際、お弁当の蓋を開けるまでは中に何が入っているか分からないため、あらゆる可能性があります。ウィンナーが入っているかもしれないし、唐揚げかもしれないし、海苔弁かもしれない。もしかしたらお弁当の中身のおかずがグチャグチャに混ざり合っているかもしれない(笑)。
あらゆる可能性が重ね合わせの状態で、蓋を開けた瞬間にある特定の状態に収束し、唐揚げ弁当を観測するようなイメージですね。唐揚げ弁当だと分かった瞬間、波の状態から粒の状態に収束して物事が確定するのです。
もう1つ有名な解釈に、1957年にアメリカの物理学者ヒュー・エヴェレットが提唱した、多世界解釈(エヴェレット解釈)があります。
これはミクロの世界だけなく、世界のすべてが重ね合わせの状態であり、確率的に決まる出来事の数だけ、世界そのものが多数に分岐していくというものです。
つまり、あらゆる可能性の世界が並行に同時に存在していて、観測した瞬間に1つの世界に入り込むようなイメージです。
この多世界解釈は、一般にはパラレルワールドという言葉で知られています。
パラレルワールドはよくSF小説や映画、アニメでも取り上げられますが、もしかしたらこの宇宙は私たちが住んでいる以外の世界が多数存在しているかもしれないという考え方です。
例えば、レストランでメニューを見て料理を注文するときを思い出してみてください。注文する前までは、何を食べるかはあらゆる可能性の世界が同時に存在していますよね。
ここでハンバーグ定食を注文するとハンバーグ定食を食べている世界が現実に現れてきますが、別の世界ではカルボナーラを食べている宇宙やてんぷら定食を食べている世界が同時にあるイメージです。
また、優しい女性と結婚するのか、明るい女性と結婚するのか、ドSの怖い女性と結婚するのかなど、結婚するまではあいまいであらゆる可能性の世界が重なり合っていますが、もしドSの怖い女性と結婚すると、この世界ではその女性との結婚生活が始まりますが、他の世界では優しい女性との結婚生活、別の世界では明るい女性との結婚生活が同時に並行に存在しているイメージです。
このような話を聞くとSFのような話で非現実的だと思う人もいるかもしれませんが、実際に多くの物理学者がパラレルワールドに関してまじめに議論しています。
例えば、マサチューセッツ工科大学のマックス・テグマーク博士が提唱する多元宇宙論(マルチバース理論)が有名です。
マックス・テグマーク博士によると理論的には10の500乗通りの宇宙があるとされています。
あらゆる可能性の世界がある状態のことを専門用語で「重ね合わせの状態」といい、世界はこのように重ね合わせの状態があり、まさにあらゆる可能性の世界がパラレルに存在していると考えてください。
しかし、私たちは1つの宇宙しか見えないので別の世界は現実には起きないのです。
多世界解釈から学ぶ人生選択理論
人生も多世界解釈や多元宇宙論(マルチバース理論)と同じようにたくさんの分岐点があります。
例えば、どこの大学に進学していくのか、就職先はどこにするのか、仕事は何を選ぶのか、結婚相手を誰にするのかなど、人生においては生きている間に無数の選択肢があり、その選択肢の数だけ世界や宇宙があるのではないでしょうか。
何かを選択するまでは、あらゆる可能性の重ね合わせの状態ですが、1つに決めれば人生はその道を進んでいくのです。
ここで選択肢が1つしかない場合は、可能性は1つしかありません。
例えば、親が望んだ大学に進学したり大企業に勤めることができたのであれば、親の敷いたレールの上の限られた人生の範囲内で生きることになります。
一方で選択肢が2つ、3つと増えていくと可能性は広がっていきます。
まさに、量子力学の観点でいうと答えが1つしかないが粒子性、あらゆる可能性があるのが波動性だといえるでしょう。
また、人はどうしても現在や過去の延長線上で物事を考えがちです。
今付き合っている人と将来結婚しようとか、今勤めている会社で定年まで勤めようとか、ある限られた範囲内で物事を判断しがちです。
しかし、これでは人生は大きく変わりません。一般に、人生で成功する人になることは大変だといわれます。この「大変」とは、大きく変わる、つまり大きく変化する人が人生の成功者と呼ばれているのです。
では、人生を大きく変えるにはどうしたらいいのでしょうか?それは、大きな決断をすることです。大きな決断ができる人は、人生を大きく変えることができるのです。
私はエレベーターに乗っていてしばらく動かない状態が続き、「あれっ?エレベーターが動かないなぁ」と思うことがよくあります。
そして、行先のボタンを押してなかったことにハッと気づいて慌てて行先のボタンを押すのです(笑)。人生もこれと同じです。
行先を決めない限り、動かないエレベーターのように現実は何も変わりません。
あなたがどうなりたいのか、どうしたいのか、その都度考えて行動を起こす必要があります。そして、そのビジョンに沿った大きな決断ができる人が人生を大きく変化させることができるのです。
このパラレルワールドの考え方から、人生とは決断の連続であることが分かります。あなたが何を選択し、どう行動するかによってあらゆる可能性の世界を選択することができるのです。
もし、結婚したければ、いつまでに結婚するか決断してください。もし、お金持ちになりたければ、資産をいくら貯めると決断してください。もし、長生きしたければ、何歳まで生きると決断してください。
決断するパワーが現実を大きく変えるパワーとなっていくのです。
では、決断するときはどのような基準で決断したらいいのでしょうか?それは、あなたの人生の可能性が広がると思うほうを選択してみてください。
人生の可能性が広がる選択とはそれを選択することによってワクワクするか、しないかです。あなたの人生の未来が明るいほうに向かっていくか、向かっていかないかです。
もし、その選択によってワクワクする感情が湧いてきたり、明るい未来を想像できたりするのであれば、思い切ってそれを選択してみてください。
きっとそれがベストな選択になることでしょう。因果応報という言葉を聞いたことがありますか?過去になしたことがすべて返ってくるという法則です。
仏教ではカルマの法則とも呼ばれていますね。
前世や過去に悪いことをすると現世で悪いことや嫌なことが起き、前世で善いことを行えば、今生でも善いことが起きるという考え方です。
例えば、・志望校に合格できなかったのは、受験勉強をおろそかにしていたからだ・なかなか結婚できないのは、真剣に婚活をしてこなかったからだ・メタボになったのは、運動不足だったからだなど、何か原因があって結果が生じるというのが原因と結果の法則です。
すべての現実は思考が源となってつくられます。
つまり、カルマの法則を信じる人はカルマの法則に従って現象が起き、カルマの法則を信じない人にとっては、全く関係のない世界になるということです。
つくり出す世界が違うのです。
これはどちらの考え方が良い悪いではなく、多世界解釈と同じようにあなたが信じる考え方や哲学によって見える世界が異なるということです。
決定論VS確率解釈
カルマの法則や因果応報の考え方は、物理学でいうとマクロ世界の物理学であるニュートン力学や古典力学と同じではないかと私は考えています。
例えば、「初速度が時速100km、角度45度でボールを投げると、放物線を描いてボールがどこに落ちるのか」という問題は、ニュートン力学における運動方程式である程度予測することが可能です。
ボールの初速度や投げる角度が変わったらボールが落ちる場所が変わります。これはまさに原因から結果を導き出す決定論の考え方です。
一方、量子力学の世界はこれとは全く考え方が異なります。量子力学では、ドイツの理論物理学者ハイゼンベルクが提唱する不確定性原理というものがあります。
この不確定性原理によると、電子の位置と速度(厳密には運動量)を同時に測定することはできません。
これは電子の位置を測ろうとすると速度が分からず、速度を測ろうとすると位置は分からないということです。文字通り、「何事も不確定であり、確率的に決まる」ということです。
つまり、電子が〝そこにいるのか〟〝あそこにいるのか〟が分からないのです。
そこで、不確定であいまいで確率的にしか表現できないため、電子の存在確率を波動方程式により計算し、波動関数を使って分布図で表しています。
目に見えないミクロの世界では「絶対的にここにある!」と断定できるものはありません。素粒子は波かもしれないし粒かもしれない。現実はそうなるかもしれないし、そうならないかもしれない。このようなあいまいな確率的な表現でしか、この世界を表せないのです。
つまり、カルマの法則のように何かが原因となって結果に表れるのではなく、確率的にしか予想ができないということです。
この考え方を取り入れると、あなたの人生は過去に何をなしたかではなく、今この瞬間を変えることによって可能性は無限に広がっていくということです。
過去にどんな人生を歩んでいても、今どんな状況であっても、人生はいくらでも変えることができ、無限の可能性があるといえるのです。
宿命と運命の違いを科学的に解明
因果応報やカルマの法則などの決定論的な考え方は、占星術でいわれている宿命と同じです。生まれた日時や場所など星の位置によって統計学的に「こういう人生を送る可能性が高い」と予測するものです。宿命は、まさにニュートン力学だといえるでしょう。
しかし、たとえ全く同じ場所、同じ時間、同じ星のもとに生まれたとしても、人生は全く同じになるでしょうか?答えはNOですよね。
例えば、双子の兄弟であれば、生まれる場所や時間も同じですが、選ぶ大学も違えば、就職する会社も違う、恋をする相手も結婚する相手も違うでしょう。
これは宿命が同じ人でも運命が違うからです。運命は、量子力学的にいうと不確定性原理で説明できます。つまり、「人生がこれからどうなるのかは、確率的にしか分からないもの」ということですね。
前述したように初速度やボールを投げる角度が決まれば、ニュートン力学によってボールが落ちる位置を予測することが可能です。
このように初速度や角度の条件が決まっているというのは宿命だといえるでしょう。
しかし、全く同じ条件でボールを投げたとしても、風が吹いたら、ボールの軌道や到達点は全く違うものになります。
大雨や台風など天候が変わったらボールが落ちる位置は変わりますよね。これが、運命なのです。最近、趣味でゴルフを始めたのですが、ゴルフコースは人生の縮図ではないかと気づきました。
ゴルフコースを回るとき、どのコースになるかは宿命だといえるでしょう。そして、そのときの天候や風向きなどのコンディションは運命です。
与えられた宿命と運命のなかでベストを尽くし、ホールという人生の目的に向かってボールを打っていく。
途中でOBになったり、バンカーにボールが入ったり、なかなか失敗から抜け出せないときもありますが、諦めずにホールに向かってボールを打ち続ければ、いつかはグリーンにボールがのってコースをクリアできます。
これは人生でも同じであるといえるのではないでしょうか。宿命は変えられません。しかし、運命は変えられます。今、自分がどんな状況であれ、今から未来はいくらでも変えることはできるのです。過去に何をしようが関係ありません。
今この瞬間から、誰かを助けたり、笑顔や優しさを与えたり、愛の言葉を与えたり、人に感謝されることをたくさんすれば、幸せなお金持ちになることだってできます。
今お金があろうがなかろうが、能力があろうがなかろうが、人間関係が悪かろうが、離婚してようが、そんなものは一切関係ないのです。
今、この瞬間に運命を変える行動をどれだけするか、ただそれだけです。
人生は選択の連続ですから、何を選択し、どう行動するかは、今この瞬間に決めれば変わることです。
どの会社に転職すれば年収が上がるか、どの人と結婚すれば幸せな毎日を過ごせるかは、ある程度予測できますよね。
大事なことは、自分が何を選択してどう行動するかです。今、この会社を辞めて違う会社に転職すると決めれば運命は変わります。今、この人と結婚するか結婚しないかを決めれば運命は変わります。
過去の延長線上に未来があるわけではないのです。自分は幸せになると決めるだけです。その選択によって人生は変わります。人生には無限の可能性があり、どんな未来もつくることができます。
このことに気づけば、人生は自分で自由自在にコントロールできるのです。
過去や過去生を背負ってでも、今この瞬間からどう生きるのか。それを一瞬一瞬選択して決めるだけなのです。
だからこそ、これからの未来はすべて自分の選択と決断に責任があるのを自覚することが大事なのです。そして、無限の可能性を引き出していくのがコーチの私の役割です。多くの人は、自分の思い込みの枠のなかで考えて可能性を狭めて生きています。
私も、もともとは元妻に「ミジンコ以下」と言われ、ダメダメなサラリーマンでした。
まさか会社を辞めて独立してコーチングの仕事に携わることになるなんて、自分自身でも思ってもいなかったくらいです。
しかし、ミジンコ以下の状態から、会社を数社経営し、従業員を雇わずにセミナー事業だけで売上8億円に達しました。
たくさんのファンがいてくれたり、コーチングをしたことで涙を流して喜んでくれる人がいたり、多くの人たちに喜んでもらえるようになりました。
その経験があるからこそ、「すべての人にはいかに無限の可能性があるのか」ということを多くの人に早く気づいてほしいと思っています。
人生がうまくいかないことを、過去の出来事や過去生のせいにすることは簡単です。
しかし、繰り返しますが、過去がどうであれ今ここから「自分はこうする」と決断するかどうかによって人生はいくらでも変えることができるのです。
過去にとらわれて今を苦しむより、今ここをどう生きるかに集中し、望む未来を力強くつくっていってほしいと願っています。
その力はあなたにもあるのです。
■まとめ
・人生は選択の連続であり、何を選択し、どう行動するかで決まる
・人生を大きく変えたければ、大きな決断をすればよい
・宿命は変えられないが、運命はいくらでも変えられる
■ワーク
質問❶人生をさらに飛躍させるため、チャレンジしたいことは何ですか?
質問❷チャレンジするために、今日から実践できることは何ですか?
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