正社員を採用 VS派遣社員と契約 外注と社員では、外注をうまく使うという点に分があるとお話ししましたが「正社員と派遣社員」で考えたときはどうでしょうか。 十数年前には、「派遣切り」という言葉がニュースで流れていました。契約を切られた派遣社員の方がインタビューで「これだと雇用が安定しない」というようなことをよく言っていました。 たしかに、長く働こうと考えていたのにいきなり契約を切られてしまってはたまったものではありません。しかし、契約という側面から考えると、人件費を削るのであれば、正社員よりも派遣社員のほうが切りやすい状況にあるのが現状です。 ちなみに、私の事務所も派遣切りで大変な思いをしたことがあります。と言っても、私の場合は派遣切りをした側ではなく、逆に派遣切りをされてしまったのです。 税理士事務所の中で比較的多い仕事として、「仕訳の入力作業」があります。顧問先から領収書などを受け取り、それらを経費として会計ソフトに入力していく作業です。ある程度慣れてくると事務的に処理できるのですが、会計の知識が少し求められるため、私の事務所は会計の専門学校から紹介を受け、仕訳入力の派遣社員を事務所に迎え入れていました。 その方は会計の専門学校にいて会計の知識もあったため、こちらも来る繁忙期に備えて丁寧に仕事を教えていたのですが、繁忙期の直前にいきなり「辞めます」と言われてしまったのです。こちらとしては、完全に繁忙期の戦力として考えていたので、非常に困ってしまいました。 それ以降、ニュースなどで派遣切りが話題にのぼると、逆側で切られたほうの立場の話も聞いてほしいなと思ったりしたものです。 私の事務所ではそのような経緯もあり、ある程度労働力を確保したいと考える場合には、正社員を採用することにしています。 正社員と派遣社員の大きな違いとして、派遣社員はあなたの会社の社員ではありませんから、正社員と比べて、会社に対する忠誠心が低くなるのは当然です。そのため、仕事の内容もどうしても重要な仕事や裁量が大きい仕事ではなく、定型的な内容を依頼することが多くなります。 派遣社員もそれを受け入れる会社も、お互いさまの部分は大きいので、そこは仕方ないでしょう。 また、私の事務所のように顧問先の情報や重要な書類を扱う会社の場合は、派遣社員に任せられる仕事が制限されることもあるため、業種によっては派遣社員の扱いが難しい会社もあるのではないでしょうか。 しかし、逆に言うと情報管理がそれほど求められない会社や、教育がそれほど必要のない事務的な業務が多い会社などは、派遣社員にお任せするほうがメリットが大きいと思います。 社会保険料も派遣元の会社が持つため、コスト面を考えると、派遣社員を検討する余地はあると言えるでしょう。
目次
コメント