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未来事業

どんな優沢た商品でも、

斜陽化してゆくことは

避けら沢ない。

どんな優れた商品でも、斜陽化してゆくことは避けられない、という社長

の認識こそ大切である。この認識の上に立って、わが社の将来を考えなけれ

ばならないのが社長である。

商品が斜陽化してゆく限り、わが社の現在の商品が、わが社の将来の収益

を保証することはできないのである。

とするならば、わが社の将来の収益を得るための商品を、まだ現在の商品

の収益力があるうちに開発しておかなければならないのだ。……

社長たるものは、現在の好調に酔うことなく、たえずわが社の商品、事業

をチェックし、長期的な視野から、どうすべきかを考えていなければならない。

一倉定の社長学第4巻 「新事業。新商品開発」より

社長とは、企業の将来に

手を打つ人である。

新事業というものは、それが軌道に乗って、わが社の収益の柱になるには

少なくとも三年はかかると思わなければならない。ということは、三年後の

ことを今日から始めなければ間に合わないということを意味しているのだ。

私が会社のお手伝いをして、まず短期経営計画を社長と共に作りあげると、

そこには大きな収益不足を生ずるのが常だ。その収益を売上高に直すと、そ

の大きさに、たいがいの社長がびっくりしてしまうのである。ということは、

社長が如何にわが社の将来― それもたった一年後のことである――を知ら

ないか、ということを意味している。………

前向きに物を考え、前向きの手を打つ、これが社長の仕事である。社長とは、

企業の将来に関することをやる人である。そして、それは社長以外には誰も

やってはくれないことなのである。

一倉定の社長学第4巻 「新事業。新商品開発」よ

社員によかせても良いような

新事業は、はじめから

「わが社の将来の根益」など

期待できない。

新事業というものは、第一に、社長自ら身を挺してやるものだ。

世の中の社長の中には、新事業に自らはたずさわろうとせず、他人まか

せにする人がかなりいる。

難しい新事業は他人に任せ、自らは永年手慣れた事業の方をみている。

やさしい方を自分がやり、難しい方を他人にまかせるとは、いったい、ど

ういう了見なのだろうか。成功など夢の夢である。…

社員にまかせてもよいような新事業は、はじめから「わが社の将来の収益」

など期待できないのである。…

新商品。新事業の成否は、そのまま企業の将来の運命に直結する。社長

の役割が企業の未来をつくることにある限り、社長自ら新事業に取り組み、

総指揮をとるのが当たり前である。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」よ

「危険がない」と感じた事業こそ、

失敗の危険が大きい。

ブームというのは供給過剰の直前の状態だと思うべきである。

その時に乗り出してもすでに時機を失している。だから、ブームになっ

たものは、いくら食指が動いても、絶対に乗り出してはいけないのだ。

特に大企業が乗りだしたときは、供給過剰が間違いなく起こると思って

よい。… 新事業のタイミングというものは、まだブームにならず、先行き

がどうなるか見通しの難しい時にあるのだということを知らなければなら

ない。そして、その時には失敗の危険も多いのである。危険のないと思わ

れるときは、すでに時機を失しているのだ。「危険がない」と感じた事業

あいなか

こそ失敗の危険が大きいのである。・‥ 「成否相半ばする」と感じた時が、「失

敗の危険の少ない最後の時機」というべきである。新事業を興すタイミン

グは難しい。その難しいことを決めるのが社長である。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」よ

新商品は、

「そ漁を詐が買うか」を

一番先に考えよ。

新商品は「それを誰が買うか」を一番先に考えるのである。顧客と思わ

れるところに現物見本を持っていき、売れるかどうかを確かめてから、新

設備なり新会社なりをたてるのであって、まだ売れるか売れないかも分か

りもしないうちから、製造することを考えてはいけないのである。…

新事業・新商品の難事中の難事は「販売」である。

今まで世の中になかった商品は、市場がない。消費者やエンド・ユーザ

ーは、その商品のあることを知らない、販売実績のない商品は流通業者は

扱いたがらない、という全くゼロの状態から出発しなければならない。…

だから不用意に走り出すことは絶対に慎まなければならないのである。

そして、早急に成果を期待せず、長期的な育成をはかることが肝心である。

これが成功へ導く秘訣である。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」よ

新商品は、まず少量で試売してみよ。

大量に作るのは、

売れると分かってからで遅くない。

新商品というものは、最初の発売時には、少量作るものである。むろんた

くさん作るよりはコストが高いが、本当に売れる商品かどうかは分からない

のであるから、まず第一には売れなかった時の損害を最小限に留めることを

考えるのである。そのためにはまず、少量を作って、売れるかどうかをテス

トし、売れなかったら捨てるのである。売れると分かったら、次から大量に

作ればよいのであって、その場合に、最初のロットのコスト高など、天下の

大勢に全く関係はないのだ。

最初の試売は、まず少量作り、このうちの半分とか三分の一とかをバラまき、

あとはストックしておく、売れたなら、返り注文があるから、これはストッ

クの出荷で時をかせぎ、その間に作ればよい。こうすれば、お客様に迷惑が

かからない。これが事業経営の知恵なのである。

一倉定の社長学第9巻 「新。社長の姿勢」よ

自分の性格に合わない事業には、

手を出さないほうが無難である。

新事業といっても業態が大きく違ったり、技術的に未知なものにいきな

り飛び込んだり、社長の性格に合わなかったりすると、どうもうまくいか

ないケースが多い。

人間というものは、急に大きな意識革命をしようとしても、なかなか一

気にはできない動物らしい。過去の経験や考え方が障害になってしまうの

である。性格も急には変えるわけにいかない。

とするならば、そのような大きな意識改革を要するものや性格に合わな

い事業には手を出さないほうが無難である。何も自ら苦手の分野に乗りこ

んで苦労することはない。自らの企業の特質を生かす事業、自らの性格に

合った事業を見つけるべきである。

一倉定の社長学第4巻 「新事業。新商品開発」より

下請けの低収益から脱出したけ沢ば、

販売という「難行薔行」に

耐えなけ沢ばならない。

下請会社の社長は、申し合わせたように「自社商品」を持ちたいという。

下請加工の低収益から脱したいからだ。

そこであれこれ新商品を工夫する。しかし絶対に自ら売ろうとはしない。

下請加工というのは、事業経営で最も大切で、最も難しく最も苦しく、最

も根気強く推進しなければ成功しない「販売」という活動をしなくてもすむ。

一番苦しいことを避けているのだから、低収益は当たり前であり、その難

しく苦しい販売をやっている親会社をうらみに思うのは明らかに間違って

いる。下請の低収益から脱出したければ、販売という「難行苦行」に耐え

なければならないことを知ってもらいたい。

販売の苦労はご免こうむりたいが、高収益だけは手に入るような新商品は、

世の中にないのである

一倉定の社長学第4巻 一新事業・新商品開発」よ


単品では事業になりにくい。

私のところに新商品の相談に来る会社のほとんどすべてが、単品だけを

ひっさげてくる。しかも、その大部分が日用品雑貨類である。

単品だけを考えるのは、事業を知らないからなのだ。単品だけですぐに

商売になると思いこんでしまい、まずチラシをつくって特約店を募集しよ

うとする。特約店は直ちに見つかりたちまち売上が伸びると思いこんでし

まう。そして、その夢は実現しない場合がほとんどなのだ。

新しいマーケットにいきなり単品で乗りだしても、おいそれと売れるも

のではない。仮に販売が成功したとしても、販売費が割高になって、採算

を維持することは極めて難しい。もう一つの欠陥は「陳腐化」である。も

しも陳腐化したらそれで終わりである。…新商品を事業化するには、単品

ではなくて、どうしても「商品群」の開発を考えなければならないのである。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」より


開発部門は独立させ、社長直轄とせよ。

未来事業は、それが新商品の開発であれ、販売促進であれ、マーケット

の開拓であれ、現事業と完全に分離しなければならないのである。

現事業と未来事業を兼任させるくらいなら、むしろ未来事業などという

きれいごとはやめた方がよい。形だけつくっても、実質的には何もないの

と同じだからである。人がいないというなら、社長自ら取り組むべきである。

それができないなら、専任者をおくということになるのだ。…

次に、未来事業部門は必ず社長直轄でなければならない。専任者を、技

術部長などのもとにつけるようなことをしてはならない。現事業の兼任と

同じことだからである。…

もし未来事業部門を社長直轄としなければ、わが社の将来の運命を決め

る未来事業を社長自らやらないということになる。こんな大きな誤りはない。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」より

新商品・新事業の開発は、

「易より難に入る」の原則に従って、

考えるのが得策である。

新商品。新事業開発を、やさしい順序にあげていくと、

一、現在の市場に新商品を投入する。二、現在の商品をひっさげて新市

場に進出する。三、新商品を開発して新市場に乗り出す、ということになる。

一の場合の新商品とは、必ずしも新規開発商品でなくてもよい。すでに

世の中にあって、まだわが社が取り扱っていない商品でもよいのだ。この

場合気をつけなければならないのは、お客様の要求のどの部分を満たすのか、

ということである。あれもこれもと中途半端な商品構成となってしまうか

らだ。二の新たな努力は、販売だけである。しかし他業界に進出する時に「こ

れまでの業界の占有率を下げない」ということを絶対に忘れないことだ。

三は非常に難しい。何もかも新しずくめだからだ。初めのうちは小規模

に行い、三年は収益を二の次にして勉強する覚悟が必要である。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」より183

一切のコストを無視して、

まず鬼璧な試作品を作k。

はじめからコストを考えると、優れた新商品はできない。…

試作品ではまずコストを考えずに、考えられる最高の品質を追求するの

が正しい態度である。そして期待した品質が得られた後に、今度はコスト

低減に取り組む。そのコスト低減も、あくまでも「品質を落とさない」と

いうことを大前提にしなければいけない。それは可能なのだ。…

世の中に次々と出てくる商品の品質をみると、欠陥の多いのに驚かずに

はいられない。その根本原因は品質マインドの不足であり、それに拍車を

かけるものが、ほかならぬ「安価でなければ売れない」という「コスト病」

である。コストのためには、平気で品質や性能を無視する。

商品というものは、お客様の要求を満たすために存在するのだ。「安か

ろう悪かろう」では、やがてお客様から見放されてしまうのである。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」より

新たな収益をあげる最も早く、

確実な道は、

今ある商品の欠陥を見つけだし、

こ沢を直すところにある。

新商品開発といっても、その狙いは新商品そのものにあるのではなくて、

そこから得られる新たな収益が狙いである。

新たな収益をあげる最も早く、確実な道は、今ある商品の欠陥を見つけ

だし、これを直すところにあるのだ。

いたずらにアイデアだオリジナルだと格好良いことを考える前に、じっ

くりと現在の商品の改良に取り組むべきである。

今ある商品の欠陥を見つけだす最良の道は、社長自らが外に出て、流通

業者、エンドユーザー、消費者の要求や意見、不満に耳を傾けることである。

そこには、思いもかけなかったような欠陥が見つかるのである。見つけ

だした欠陥を、わが社の責任と感じて、これを直す。この基本的態度こそ、

社長に最も必要なもののひとつなのである。

一倉定の社長学第4巻 「新事業。新商品開発」より187

「世の中になくてよいもの」は、高収益を期待できることを知れ。

世の中になくてもよいものは、顧客が値段のことをあまり言わない。

本人の好みに合ったものならば、値段は二の次だからである。おまけに、

こうした商品はマーケットがあまり大きくない。そのために人々の注目を

ひかない。

多くの人々は、「たくさん売れるもの」に魅力を感じる。「市場が大きい」

というだけで、たくさん売れ、儲けも大きいと思いこむらしい。沢山の人

が手を出し、過当競争に陥り、低収益に泣くことになるのである。

高級品になると収益性もよくなるし、過当競争も緩和されてくるものだ。

だから、中小企業のねらいは常に高級品にあるというのが私の年来の主張

である。大企業とは競合せず、他の中小企業もあまり目を向けず、高収益

を得られる結構な事業こそ「世の中になくてもよいもの」なのである。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」より


特許は販売保証ではない。

特許というものは、「今までになかった機構」だということであって、

商品化の可能性とは関係ないのである。

それを、「特許をとったのだから売れる」と考えるのは、早とちりである。

私は「万人」という言葉を使うことにしている。特許の商品化の可能性は、

「万に入つ」しかないということである。このくらい商品化の可能性は低

いことを知らなければならないのである。

くれぐれも、特許をとったからといって、有頂天になることはやめなけ

ればならない。

一倉定の社長学第4巻 「新事業・新商品開発」より

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