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朝令暮改は正義か、悪か

社長が見ている景色、社員が見ている景色「営業部長にこんなことを言われたんですよ。僕が間違えているのかなぁ」と、悩みを相談する社長さんがいます。話を聞いてみると、一週間後に始まる年末セールのことだと言います。  私は、「そんなことで悩んでいるの?  一週間後のことばかり考えていると、会社が潰れちゃうよ」と、発破をかけました。  会社の中には、たくさんの社員がいます。そして、課長や部長という幹部、それに役員も数名ずついるでしょう。  しかし、社長だけはたった一人しかいません。  社長が見ている景色は、他の社員や部長が見ている景色とは違います。考え方が違って当然なのです。見ている景色の違い  では、見えている景色はどう違うのでしょうか。  社長は 5年後の会社の姿を考える必要があります。 「3年後、 5年後に会社をこうしたい」  そういうビジョンを持って、今日は何をすべきを考えて、毎日を過ごさなければいけません。そうすれば、自ずと見てくるものが違ってきます。  普通の社員は、明日のことだけを考えています。部長にしても、せいぜい一週間先のことでしょう。  社長一人だけが、遠くを見ているわけです。別の言い方をすれば、社長は近くのものを見る近視用のメガネと、遠くを見る遠視用のメガネをかけていなければいけません。  だから、部長に来週の年末セールのことで文句を言われても、平然としていればいいのです。課長や部長に自分の考えを説明するのはけっこうですが、本当の意味での理解を求めてはいけません。見ている景色が違うのですから、理解できなくて当然です。極論を言えば、社内に相談できる人はいないと考えたほうがいいでしょう。  社長は孤独な存在なのです。社長にしか見えない景色は、時として朝令暮改として現れる  外部のコンサルタントにしても、実際に社長業を経験して修羅場を潜り抜けてきた人は少ないのが現状です。私のところに相談に来る人が多いのは、私が社長として同じ景色を見た経験があるからだと思っています。  それも阪神淡路大震災で大きな損害を受け、 140億円の借入を抱えながらも、自力再生したからこそ、信頼して話を聞きに来るのだと思います。他人が思いつかない、考えないプランを示すからでしょう。  私は父親の会社で働いてきました。当時の父親はすぐに意見を変える社長でした。  社員の私からすれば、「また舌の根が乾かないうちに違うことを言い出した」「優柔不断だ」「いい加減にしろよ!  このクソ親父め!」とよく反抗したものです。  ところが、後から考えてみると、それは平社員の私と社長の父親が見ている景色が違ったということなのです。それが理解できたのは、ずっとあとのことでした。「朝令暮改」という言葉があります。  中国の漢書に由来する言葉で「朝に出された法律が夕方には改められる」、つまり、政策が安定しない政府への揶揄と考えられます。  しかし、一方で臨機応変にやり方を変える、柔軟性のある人物の形容にも使う言葉です。  社長は、交際している人脈が社員とは違うわけですから、情報の量、質ともに比べものになりません。新しい情報をキャッチすることによって、最初の判断と違う結論に覆ることもあるわけです。  途中経過を知らない社員は、「また違うことを言っている」「せっかく決めたことを変えるのは社長の悪いクセだ」などと文句を言うかもしれません。それをいちいち相手にする必要はありません。「よく考えたら、こちらが正解だと判断した」  そうひと言だけ言えばいいのです。  求められれば、説明をするのは悪くありませんが、理解を期待してはいけません。  実際に私も社員のときは、いくら食い下がって説明を聞いても理解することはできませんでした。昔の成功パターンは通じないからこそ、意見を変える勇気が必要  現在は「変化の時代」と言われます。特にコロナ以降、昔の成功パターンが通じなくなってしまいました。機動力を活かして、フットワークよくいろいろなことを試す力が重要になっていると思います。  先を見据えて、必要ならば朝令暮改をできる社長が成功すると言えるでしょう。  意見を変える勇気が社長には大切です。そして、なぜ、そうなったかを説明できれば最高です。

役人が間違った判断でもいつまでも変えないで、大きな失敗をして、甚大な無駄な税金を使うこともあります。そんなことにならないようにしたいものです。

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