月次推移変動 P/ Lの数字を「年計グラフ」で見る 正しく経営の舵取りをするためには、毎月月次決算をして、「月次推移変動損益計算書」(月次推移変動 P/ L)や「月次貸借対照表」(月次 B/ S)などの月次決算書を見て、そこから経営指標(実績値)をチェックし、経営計画の計画値と照らし合わせることが必要です。 ここでは、さらに一歩進んで、年計グラフを毎月見る重要性について解説します。 年計グラフとは、当月から過去 1年分の合計値を並べたものです。「年計」とは耳慣れない言葉ですが、「移動年計」とも呼びます。 年計グラフを作るのは、数字の後ろに潜んでいる真実を見抜いたり、時系列のお金の流れを見極めたりするためです。 表形式で単月の数字を丁寧に見てもなかなか本質を把握できませんが、年計グラフにすることによって、途端に本質的な動きが見えるようになります たとえば、年末の大売り出しなどで、 12月に突発的に売上高が上がる会社であれば、 12月単月の売上高だけを見ると、その月だけ数字が跳ね上がっているので、世間の景気や需要の増減を見誤る可能性があります。 しかし、売上高を年計グラフで見れば、 12月時点の数字は1月から 12月までの 1年間の売上高として並べられます。 こうすることで、 12月単月の突発的な数値ではなく、季節要因によらない、「売上高」の純粋な傾向値を把握できます。 弊社では、月次決算で必ず 2種類の年計グラフを作ります。 1つは、収益の状況を月次で精査するために、「売上高」「粗利益」「固定費」「人件費」の年計グラフを 1枚にまとめたものです。 もう1つは、利益と資金繰りの状況を見極めるために、「経常利益」と「営業キャッシュフロー」の年計グラフを 1枚にまとめたものです。 ここで、年計グラフについて、具体的に見ていきましょう。 左の図は売上高を年計グラフにしたものです。
「売上高」以外に、「粗利益」「固定費」「人件費」「経常利益」など、月次推移変動 P/ Lの項目はすべて年計グラフで表すことができます。 さらに、商品別売上、得意先別売上、担当者別売上、支店別売上なども年計グラフで表すことができます。 月次決算時に得られる重要指標は、すべて年計グラフにできるのです。 年計グラフが上向きになっていればプラスの傾向、下向きになっていればマイナスの傾向になっているとわかります。毎月の単独の数字を前月と比較するだけでは、まとまった期間に起こったこと(需要の変化など)をとらえることはできません。 なお、月次決算は、毎月、当月からさかのぼって過去 1年間の数字を出すので、毎月、年度決算しているのと同じことになります。少し細かいことをいうと、年計グラフはできれば 3年分は取りたいところです。 3年分取れば、特殊な変動要因を取り除いた「流れ」が現れ、会社の長期的な傾向が見えてきます。 弊社では、左のような「売上高」「粗利益」「固定費」「人件費」の年計グラフを 1枚にまとめて提供しています。毎月、これを見て、事業の「趨勢」や「潮目」といったものを把握できます。
今月はどれくらい「売上高」が立ち、それがどのように動いていて、翌月以降どうなりそうなのか、流れが変わるポイントはないかといったことです。「粗利益」と「固定費」との差額である「経常利益」も見えます。 また、「固定費」の中で最も重要な「人件費」の年計グラフも合わせて見ることで、数字の裏に潜む会社の「真の」状態や「まだ世間では顕在化していない」市場の動きなどがあぶり出されてくるのです。 年計グラフのパターンからは「流れ」「動き」を見つけ、ある程度の仮説を立てることができます。そこから自社についての詳細な分析と、競合他社を含めた市場動向をつぶさに見て、状況を見極め、正しい対策を立てていきます。
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