会社経営で最も重要なことは、社長自らが自分の都合でものごとを判断しない、ということにあります。 不安や恐れというものは、自らが勝手に作り上げてしまう妄想にすぎません。しかし、この不安と恐れは経営者にとって必要不可欠なものでもあります。 決して無理なことはしない、という飲食店の社長が次のような考え方を話してくれました。「私は、基本的には、無理をしないことが経営の最善な方法だと思います。無理をするから苦しくなるし、自分の都合のよいことばかりを考えたり、現実を無視するようになります。無理をするから不安に陥るし、無理をしたために恐怖心が育ってしまいます。分相応といいますか、能力以上のことをするから苦しくなるのです。 私の会社経営はすべて最悪の覚悟から出発しています。たとえば、借金をします。しかし、この借入金の返済ができなくなったらどうしようかを考えます。ある日、取引先が倒産してしまった場合はどうしようか。重要なポジションにある社員がやめてしまったらどうしようか。私が病気になってしまったら。銀行が突然お金を貸してくれなかったら。というように、すべてのものごとを最悪に考えています。 会社経営も人生も、いつなにが起こるかわかりませんし、なにが起きても当たり前な世の中です。大地震が起こり、住まいがなくなっても住宅ローンの返済は残ります。銀行は決して勘弁はしてくれないでしょう。それではなにもできなくなってしまうではないか、という意見もあると思いますが、そのようにしている結果、無理のない社長業として経営ができると信じています。 また、反対に最高のことも考えます。考えることには費用などかかりません。タダです。悪いことも考えますが、それだけでは片手落ちです。よいことも考え続けるのです」
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