強みを伸ばす VS弱みをなくす 事業を続けていくと、経営者としての「個性」が出てくると思います。たとえば営業力があったり、リサーチ力に長けていたり、資金繰りが上手だったり。人間の個性と同じように、経営にも個性があるのです。 その中で会社の強みや弱みが出てくると思いますが、はたしてどちらを優先的に強化していくといいでしょうか。 もし私がクライアントから、「うちは営業力が弱いから、今後は積極的に営業部隊を作っていこうと思っているんだけど、松岡さんはどう思う?」と相談を受けたとしたら、反対するかもしれません。 なぜかと言うと、弱みを強くするのには、ものすごい労力とコストがかかるからです。 たしかに営業力の強化は必要なのかもしれませんが、一から営業部隊を育てるのであれば、営業代行などすでに営業が強いところと組んで弱みを補強するか、資金力があるのであれば、 M& Aでクライアントを持っている会社を買収したほうが、圧倒的に効果があります。 そして、たとえば自社にリサーチ力が高いという強みがあれば、リサーチ力にリソースを集中して強化し売上につなげていくほうが、圧倒的に効率がいいのです。 過去には、こんな事例がありました。私のクライアントで、精密機器製造業を営んでいる会社のケースです。 この会社は技術力が非常に高く、また資金力もあったことで機械も最新鋭のものを揃えていました。ただ、営業力がないのが弱みで、売上が年々減少していきました。そんな折に、社長の奥さまから「この状況をどうしたらいいでしょうか?」と相談を受けたのです。 私は、営業に自信がないのであれば……と、2つの提案をしました。一つは、同業で後継者不足の会社を事業買収する。もう一つは、同業の腕のある営業マンで「転職したい」と言っている方がいらっしゃればヘッドハンティングする。いずれも、その会社の「資金力」という強みを使った解決策です。 すると、思い当たる営業マンがいるというではありませんか。その方は業界でもちょっと名の知れた営業マンでした。 結局、半年かかりましたが、その方を口説き落として入社してもらったところ、今では売上は倍以上になり、毎年数千万円の利益を上げるまでに回復しました。 第 2章でご紹介したドミナント戦略もそうですが、まずは一点に集中してそこを究めていく。弱い部分であれば失敗する可能性もありますが、強い部分はすでにある程度のノウハウがあるため、集中的にリソースを割いたとしても大きな失敗にはならず、売上につながる可能性が高いのです。 ですから、弱みと強みがあるならば、しっかりと強みに目を向けるようにしましょう。
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