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序章|品と知性を感じさせる人の3つの特徴

目次はじめになぜか品のある人が必ずやっていること序章|品と知性を感じさせる人の3つの特徴1人の記憶に残る人は、「見た目」「話し方」「ふるまい」が整っている2身だしなみは「TPO」を最優先に3好感度抜群の人は「表情」でも会話する4丁寧なふるまいは相手への「敬意」となる第1章|「また話したい」と思われる人の面接でのふるまい1面接では「無地の白シャツ」が最強2自然と好感度が上がる体形別アイテム選びのコツ3面接メイクは「ナチュラル」を意識する4メガネは「顔の大きさ」と「目元」で選ぶ5応募書類には「数字+具体的な根拠」を6職務経歴書は「見やすさ」が9割7履歴書写真では「白いインナー」が正解8電話は「切るタイミング」が重要9面接では「ふるまい」も見られている10質問に答えられないときは正直に伝える11オンライン面接での背景は「白」12オンライン面接では「目線」がポイント13使うだけで品格が上がる「美しい敬語」14柔らかい印象を演出する「大和ことば」15語尾を使い分けると2倍増しで品よく見える第2章|好感度の高い人がビジネスシーンで実践していること1初対面でも好印象を得られる身だしなみ2アポイントメントを取るときは「疑問形」で3リマインドメールには「返信不要」と書き添える4資料は人数分印刷して持参する5上着は訪問先に伺う直前に脱いでおく6許可をいただくまではいすに座らない7名刺交換のときは「頂戴します」の一言を8初対面の方には「称賛の言葉」を添える9座るときは「座面と背中を90度」に10席次は「おもてなし」の表れ11上着を脱ぐときは一番下のボタンから12訪問先での飲み物は同行者と同じものにする13手みやげには「常温」「個包装」「地方の名産」を14退室時は「感謝の言葉と礼」を忘れずに15オンラインは「ネット環境の整備」がカギ16オンラインでは「ビジネスカジュアル」が基本17オンライン会議で大切な4つのポイント第3章|品と知性を感じさせるお客様対応の仕方1電話に出るのはコールが2~3回鳴ってから2伝言メモは「5W3H」が命3電話で道案内するときは「労いの言葉」を4目上の人と話すときは「応対用語」を使う5来客対応時は「よろしいでしょうか」と確認を6応接室に入る前には必ず「ノック」を7お茶出しではカップと受け皿を分けて運ぶ8お見送りはお客様が見えなくなるまで行う第4章|評価の高い人が心がけている社外コミュニケーション1人と接するときは「距離感」を意識する2「が」を「も」に変えるだけで印象が変わる3アゴを内側に引いて話すと上品に見える

4舌を前歯の裏に置くと好感度が高くなる5相づちは相手の話に合わせて変える6会話に詰まったときは前の会話を深掘りする7横を見るときは一度手元に視線を落とす81対1で会話するときは「相手の片目」を見る91対多数で話すときは「一人の目」を見て話す10プレゼンは話すことに集中するとうまくいく11プレゼンでは「主語」を意識して話す12話を聞くときは「ストライクゾーン」に視線を送る13世代が異なる人の話は「気持ち」に着目する第5章|メール、ビジネス文書でも品よく見せる方法1メールは「件名」で印象が決まる2返信するときは件名に「回答」と加える3「添付ファイル」はメール本文で触れる4社内メールにプライベートなことを書かない5メールを転送するときは原文を書き換えない6目上の人にメールで依頼するときは「疑問形」に7値引き交渉のメールには「希望金額」を書く8丁寧な印象を与えたいときは「文書」が有利9相手に上品な印象を与える「頭語と結語」10書くときに迷わない「通知状」の書き方11気持ちが伝わる「詫び状」の書き方12異動・転職するときは「挨拶状」を必ず送る13挨拶状の返信には「エピソード」を入れる14請求書は「和封筒」、案内状は「洋形封筒」15封筒の裏には「〆」と書いて封をする16年賀状を送ると気持ちが伝わりやすい17FAXを送るときは忘れずに電話を第6章|社内コミュニケーションが抜群に上手な人の習慣1相手の意見は否定せず、意見を「委ねる」2「会話の内容」と「表情」を合わせる3威圧的な人には「くり返し」が有効4ハラスメントにならない聴き方・伝え方5話すのが苦手な人には「二択の質問」が効く6指示や依頼は「疑問形」で行うとうまくいく7ミスなく、印象もよくなる指示や依頼の受け方8業務報告は「催促される前に」行う9「改善策」を用意して相談すると好感度が上がる10相手が「YES」と言いたくなる話の進め方11「承認」の言葉を加えると、相手のやる気が出る12苦手な人との会話では「まとめ」を意識する13デリケートな質問は「世間話」でかわす第7章|品と知性を感じさせる食事のマナー1会食するときはお店に「目的」を伝える2職場の人との会食は「席次」がポイント3お店では「騒音」「食べるスピード」に配慮を4食べ物を口に含んだまま話すと嫌われる5食事中に政治・宗教の話はしない6ナプキンは食事前に折って膝の上へ7ナイフとフォークの角度がウエイターへの合図8フランス料理の食べ方のマナー9イタリア料理の食べ方のマナー10日本料理は「本膳」「懐石」「会席」の3種類11上品な印象を与える箸の使い方12会席料理の食べ方のマナー13焼き魚は裏側の身と骨の間に箸を入れる14中国料理の食べ方のマナー15お酌をするときは必ず一声かける第8章|プライベートシーンでも感じのいい人のふるまい

1訪問先の家電やキッチンは勝手に触れない2相手の本心は「表情」「視線」「姿勢」に表れる3親族間でのコミュニケーションは「感情」に注目する4話し好きな人との会話を品よく終わらせる方法5外食するときは「スマートカジュアル」で6お見舞いは入院直後・手術直後を避ける7お見舞いの場では「思い出話」をする8お見舞品にはタオルや日用品を9お見舞金は封筒に「御見舞」と書いて渡す10贈り物は冷凍・冷蔵物を避ける第9章|社会人として知っておきたい冠婚葬祭のマナー1訃報を受け取ったら手短にお悔やみを伝える2お悔やみを伝えるときは「忌み言葉」に気をつける3弔電は通夜か告別式当日に届ける4「通夜ふるまい」は受けるのがマナー5葬儀・通夜では「準喪服」「略喪服」を着用する6葬儀場へは30分前に到着しておく7香典袋(不祝儀袋)に新札を入れない8数珠は左手で持ち、房を下に向ける9婚礼の招待状は3日以内に返信を10御祝儀袋の名前は筆文字で書く11慶事で使ってはいけない「忌み言葉」とは12結婚式で喜ばれるスピーチのマナー13結婚式での服装は「セミフォーマル」が基本14披露宴の写真はSNSにあげる前に許可を得る15お祝いの席では前向きな声かけを16結婚祝いは「品物」と「贈るタイミング」が重要17内祝いは熨斗つき・新姓で贈るおわりに人は何歳からでも変わることができる

はじめになぜか品のある人が必ずやっていること世の中には、印象に残る人とそうでない人がいます。その差は、いったいどこにあるのでしょうか。私が新卒として入社した会社に、誰からも好かれ、上司の評価も取引先の評価も高い女性の先輩がいました。「〇〇さんみたいになりたいよね」「◯◯さんって、素敵だよね」などと、社内でもよく話題に上がっていたことを思い出します。とくに服装が派手なわけでも、個性的なメイクをしているわけでもありません。けれどもその先輩には、どことなく品を感じたのです。あるとき、運よくその先輩と一緒に食事をする機会に恵まれた私は、「先輩が好かれる理由を知るチャンス!」とばかりに、彼女の行動に目を光らせていました。すると、やがて一つの事実に気がつきました。先輩の所作の一つひとつに、相手を思いやる気持ちがあふれていたのです。料理をオーダーするときのふるまい、カトラリーを手にするときの所作、ご飯の食べ方、コミュニケーションを取る際の気づかいなど、全てのふるまいに、周囲への配慮が感じられました。しかも、彼女はそれらのふるまいをごくごく自然に行っていたのです。子どもの頃から「相手のことを考えなさい」と言われて育ってきた方は多いと思います。ですが、実際に行動に移すとなると、なかなか難しいですよね。相手が喜ぶだろうと思って取った行動が、実は相手に不快な思いをさせてしまったり、困惑させてしまったりすることもあるのではないでしょうか。そうならないための、相手に心地よく過ごしてもらうための指針として「マナー」があると思うのです。そのマナーを習慣にしていたからこそ、彼女は周りを心地よくすることができ、誰からも好かれていたのだと思います。あれから20年以上たった今、私は20~40代の方向けに、マナーを通じて印象をよくするお手伝いをしています。これまで1万人以上の方と接してきて感じるのは、見た目などの表面的な部分だけ変えても、全体の印象は決して変わらないということです。もちろん、見た目を整えることは大切なことです。ですが、キャリアを積めば積むほど、それだけでは通用しなくなります。見た目だけではなく、「ふるまい」「話し方」の3つをバランスよくすることで、はじめてトータルの印象がよくなり、「多くの人の記憶に残る人」になることができるのです。実際に、私の講座を受講した方の多くが受講前と後で大きく印象が変わり、86%の方が半年以内に昇進しています。就職率も1・2倍にアップしました。印象がよくなると、それだけで志望する企業に就職・転職できたり、社内で昇進したり、やりたいことができるチャンスを手にする機会が増えます。短時間で相手の心をつかむこともできるため、早々に信頼を得て、仕事の効率や生産性も上がります。マナーを学ぶことは、コスパが良いことでもあるのですね。今は自分のふるまいや行動に自信がない方でも、心配いりません。この書籍で紹介する方法は、誰でも簡単に身につけられ、実践していただけるものばかりです。日頃、何気なく行っている所作で相手を不快にさせることのないよう、これまでのマナーを復習しましょう。意識を少し変えるだけで印象は磨かれ、好感度も大きく変わります。印象は、気づいた瞬間から変えることができます。この本でぜひ、品のよいふるまいを身につけ、印象が変わる喜びを味わっていただければ幸いです。冨澤理恵

1│人の記憶に残る人は、「見た目」「話し方」「ふるまい」が整っている「はじめに」でもお伝えしたように、どんなに見た目が良くても、話し方やふるまいが残念だと、悪い印象を持たれてしまいます。人の印象を決めるのは、見た目・話し方・ふるまいの3つになります。印象をよくするためには、この3点がバランスよく整っていることが重要です。私はこれを「印象のトライアングル」と呼んでいます(図0─1)。このトライアングルを正三角形となるように整えていくことで、誰からも印象よく感じてもらえるようになります。

では、どうすれば見た目・話し方・ふるまいの3つを整えることができるのでしょうか。それは、相手に心地よく過ごしてもらうための知識を持ち、実践することです。といっても難しいものではなく、どれもちょっとした工夫で印象が変わることばかりです。本章では、印象のよい人が実践している見た目・話し方・ふるまいの特徴について紹介します。2│身だしなみは「TPO」を最優先に私は、その人の体つきや顔つきに合った「自分本来の良さ」を活かす服選びの講座を開講しています。そこでお伝えしているのが、ファッションで最優先すべきは、TPOであるということです。好印象を得る人は、TPOを優先した身だしなみを心がけています。ビジネスシーンであれば、どの業界の方にお会いしても不快感を与えることのないベーシックな身だしなみが必須となります。男女ともに、派手すぎる髪の色はNG。男性の場合は不精ヒゲに、女性の場合は、露出の多い服や香りの強い香水、メイクなどに注意が必要です。とくに会食の場などでは、香りの強い香水は、料理の風味が損なわれる恐れがあるため、控えたほうが良いでしょう。エレベーターや個室においても同じです。香水が苦手な方もおられるので、つけすぎは要注意です。服装は、清潔感のある上品なアイテムを選ぶことで、初対面の方にも好印象を持たれます。どんなに似合う、個性的な格好であったとしても、その場にふさわしくない服装は、相手に不快感を与えてしまいます。初対面の場では、奇抜なデザインよりも、色などで明るい印象を与えるほうが良いでしょう。人の脳は、デザインよりも「色」を記憶します(色や服装については、後で詳しくお伝えします)。また、初対面では好印象であっても、2回目にお会いしたときの服装が極端にカジュアルになっていたり、だらしなくなっていたりすると、それだけで好感度が下がる原因にもなりかねません。初対面で得た好印象を損なわれることのないよう、シーンごとにふさわしい服装を心がけましょう。3│好感度抜群の人は「表情」でも会話するコミュニケーション上手な人というと、どのような人を思い浮かべるでしょうか。話し上手な人、聴くことが得意な人を思い浮かべた方も多いと思います。私が考える好感度の高い人とは、単に言葉を伝えるのが上手な人、受け取ることがうまい人ではなく、表情や身ぶり手ぶりなどの「言葉にしない部分」でも上手にコミュニケーションを取ることができる人です。コミュニケーションには、「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」の2種類があります。私たちは言葉だけではなく、非言語の部分からも無意識に相手の印象を判断しています。私はファッションのほかに、コミュニケーションに関する講座も開講していますので、受講生の方からよく「こんなときはどのように伝えれば良いでしょうか」という質問をいただきます。その場合、単純に言葉だけでなく、非言語のコミュニケーションが必要ですと回答しています。とくに表情や声のトーンなどの非言語の部分を見ることで、私たちは「理由はわからないけど、何となく嫌だ」「なぜかわからないけど、あの人は素敵」などと相手のことを無意識に判断しています。印象が抜群によい方は、この非言語コミュニケーションに長けている方が多いのです。非言語コミュニケーションと聞いて、「何だろう?」と感じた方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。この後、第4章で紹介します。私たちが無意識のうちに取っていた行動の意味がわかると、非言語表現がさらに磨かれることでしょう。そして、「抜群に感じがいい人だな」と多くの方々に感じられるようになるはずです。4│丁寧なふるまいは相手への「敬意」となる身のこなしが美しいと、自然と上品な印象を持たれます。一方で、どんなに丁寧で気遣いのできる人であったとしても、ふるまいがガサツだと、人柄も同じように感じられてしまいます。たとえば、落ち着いた雰囲気のお店で音を立てて食事すると、「この人、配慮が足りない人なのだな」と思われても仕方がないですよね。身のこなしは、その人の品格を表します。一つひとつの所作を丁寧に行うことは、相手への敬意を表すことにもつながります。自分を大切に扱ってくれた人のことを、あなたは忘れるでしょうか。忘れませんよね。そう、上品なふるまいをすることで、相手を心地よくさせるだけではなく、記憶にも残ります。言ってみれば、ふるまいもコミュニケーションの一つなのです。身のこなしを上品にするだけで、相手を大切に感じていることを表現できるのであれば一石二鳥ですし、ぜひとも身につけておきたいところですよね。次の章からは、シーンごとに「印象のトライアングル」を完成させるための具体的な方法についてお伝えします。見た目・話し方・ふるまいの3つを整え、上品で知的な印象を持ってもらえる人になりましょう。

1│面接では「無地の白シャツ」が最強就職活動や転職のサポートを行っていると、志望先に採用されたいという気持ちが強すぎて、自分の考えに集中してしまい、採用側の気持ちに立つ視点が欠けている人がいます。他の受験者と差をつけたいのであれば、採用側の心理を考えた身だしなみやふるまいを意識することが大切です。面接時の服装は、新卒の場合と転職活動の場合では異なります。新卒の面接では、いわゆるリクルートスーツの着用が基本となります。転職の面接では、服装からもセルフプロデュースができるか、それに見合ったキャリアを積んでいるかどうかが問われます。図1─1~1─2は新卒面接での、図1─3~1─4は、転職面接での理想的な服装になります。それぞれ、新卒時のスタイルと転職時のスタイルの違いに着目して参考にしていただきたいと思います。

◆「私服」と指定された場合の正しい服装「私服でお越しください」と指定のあった場合にも、男性・女性ともにジャケットを着用したほうが安心です。仕事で社外の人にお会いするときにも問題ない服装を心がけましょう。ただ面接時に、企業側から画像付きで私服スタイルを推奨される場合もあります。その場合は、推奨されたスタイルにします。男性の場合、ジャケットとパンツの色や素材が異なっていても問題ありません。ただ、カジュアルな素材感を選んでしまうと、業界によってはNGとなる場合もありますので、注意が必要です。女性の場合はブラウスにスカートなどのビジネスカジュアルになりますが、その場合もジャケットを着用したほうが無難でしょう。「私服」の指定の場合には、ジャケットは黒や濃紺でなくても問題ありません。ベージュなどの明るめのジャケットを着用し、ブラウスにもパステルピンクやパステルブルーなど淡い明るめの色を着ると印象がよくなります。業界によって、理想とされる服装にも傾向があります。私が日頃、学生や受講生の方を指導する際には、「会社のホームページやパンフレットなどを参考に、その会社の先輩社員がどのような服装をしているかを観察するといいですよ」と伝えています。◆オンライン面接での服装最近では、オンライン面接を行う企業も増えています。オンライン面接の際にも、基本的には対面のときと同じ服装になります。体の一部しか映らないからといって、上半身だけ身なりを整え、ボトムスは普段着で臨まないようにしましょう。いつ席から立ち上がるかわかりませんし、一部でも普段着を着用していると気持ちがゆるみ、失礼なふるまいをしてしまう危険性もあります。緊張感を持って臨むことが大切です。2│自然と好感度が上がる体形別アイテム選びのコツ装いからも好感度を持ってもらうためには、アイテム選びのマナーを知っておくことも必要です。面接に限らず、普段でも使えるワザを紹介しましょう。◆印象をよく見せるメンズスーツの選び方ブリティッシュタイプのスーツは、良質な素材でパットもしっかりしているので、細身の体形の方に向いています。Vゾーンも浅めなので、華奢な体形をカバーしてくれます。がっちりとした体形の方が選ぶ場合には、パットが薄めのものを選ぶと良いでしょう。イタリアンタイプのスーツは、ブリティッシュタイプに比べると柔らかな質感になります。がっちりとした体形の方は、胸板の厚い男性的な体形を魅力的に見せることができます。また、細身の方が着ると、スラリとしたスタイリッシュな印象になります。アメリカンタイプのスーツは、ウエストシェイプのないボックス型シルエットのため、お腹回りや腰回りが目立たず、ゆったりとしたシルエットになります。ぽっちゃり体形の方に合うスーツと言えるでしょう。最近では、ユニクロなどのファストファッションのお店でも、面接用のスーツを販売しています。「カスタムオーダー」などのサービスを利用することで、格安で自分のサイズにぴったり合うスーツを手にすることができます。◆シャツは首回り+2~3センチがポイント清潔感のある白シャツはどんなスーツにも合うので、一枚持っておくと心強いです。サイズがわからない場合は、お店で採寸してもらいましょう。ワイシャツは、「ネック(首回り)」が印象を大きく左右します。首回りがゆるいとだらしない印象になり、キツいと窮屈な印象になります。最初はサイズをきちんと測って購入し、体形に変化があったときはサイズを確認するようにしましょう。ネックは実寸+2~3センチ、首元に指2本入るくらいがベストです。裄丈は実寸+3~4センチ、腕時計が隠れる長さが理想です。袖は、ジャケットから1~2センチが出る長さになります。

サイズは紳士服の量販店などでも採寸してもらえます。店員さんに声をかけて採寸を行ってもらうと良いでしょう。なお、色つきのボタンやカフスは派手な印象を持たれることがありますので、避けたほうが無難です。◆印象がよく見えるカラーとシーンの組み合わせ・パーティーや面接などのフォーマルなシーン……レギュラーカラー・ピンホールカラー(面接ではピンホールカラーはNG)・ビジネスシーン……ワイドカラー・セミワイドカラー・クールビズ、私服指定の面接時……ボタンダウン

◆品よく見える、男性のボトムスの選び方男性のボトムスは、ジャストサイズを選ぶのがおすすめです。ウエストよりもヒップでサイズを合わせ、太ももの後ろをつまんだときに4センチほどゆとりのあるものを選ぶと、センタープレスがきれいに出やすくなります。また、スラックスを選ぶ際は、「丈」がポイントになります。フォーマルシーンやビジネスシーンでは、靴下の見えない「ワンクッション」がおすすめですが、シルエットがゆったりとするため、裾幅20センチ以上のパンツに適しています。洗練されたイメージを与えたいときは、最も汎用性が高い「ハーフクッション」が良いでしょう。面接に臨むときも「ハーフクッション」がおすすめです。レギュラーフィットから細身のパンツまで、幅広いパンツに適応します。「ノークッション」はカジュアル度が増すため、銀行や官公庁などにお勤めの方やフォーマルなシーンには適しません。また裾ですが、ビジネスシーンやフォーマルな場では、裾を折り返さない「シングル」が一般的で、スタイリッシュな印象を与えることができます。裾を折り返した「ダブル」は、シングルよりもカジュアルな印象になります。

◆女性のスーツの選び方女性のスーツは、紺や黒などのダークな色と、白やベージュなどの明るい色のスーツの2種類があると着回しが利いて便利です。体形に合っていて、体のラインを強調しないものを選びます。襟の形は、ノーカラー(襟なし)だとスッキリとした、テーラードだと、よりきちんとした印象になります(テーラードとは、上着だけで販売されているジャケットを指します)。面接ではテーラードを選ぶのが良いでしょう。

なお、体形別に合うジャケットは、次の通りです。・骨格が目立つ体形の人……ジャケットはゆったりしたものを選ぶと洗練された印象に。襟の形はテーラードがおすすめ。パンツスタイルが似合う。・ほっそり体形の人……華奢な人がテーラードジャケットを着ると、胸元の開きが大きく、寂しい印象に。面接でなければ、ノーカラージャケットがおすすめ。体のラインに合ったスリムなものを選ぶのがポイント。・ぽっちゃり体形の人……ジャストサイズを選んだほうが体形をカバーすることができる。襟の形はテーラード、もしくは面接でなければ、Vカラージャケット(テーラードの襟がないもの)がおすすめ。◆女性のインナーの選び方スーツのインナーには、シャツかブラウスを選びましょう。ポリエステルやナイロンの入った素材を選ぶとシワになりにくく、お手入れもしやすいです。選ぶ際は、胸元のサイズに注意しましょう。胸囲に対してシャツが小さいと、胸元が目立ってしまいます(イラスト参照)。シャツを着たときにボタンが浮いている場合は、ワンサイズアップするようにしましょう。

レギュラーカラーシャツ(襟の開きが75~90度のベーシックなもの)を着用するときは第1ボタンを留め、シャツの襟はジャケットの中にしまいます。スキッパーシャツ(襟元にボタンがなく首元が開いたデザイン)の場合は、襟はジャケットの外に出します。カットソーをスーツのインナーにする場合もあります。その場合は、胸元が大きく開いていないものを選びます。また襟元がヨレていたり、伸びていたりすることのない、清潔感のあるものを選びましょう。◆印象を格上げする体形別インナーの選び方・骨格が目立つ体形の人……シャツはレギュラーカラーがおすすめ。面接でなければボタンダウンでもOK。・ほっそりした体形の人……面接時はレギュラーカラーで、シャツよりもブラウスのほうがベター。リボンやタイのブラウスだと体形がカバーできる。・ぽっちゃりした体形の人……首元が詰まっていないほうがスッキリ見えるため、スキッパーシャツがおすすめ。リボンブラウスやボウタイなどは胸元を強調してしまうため、要注意。

◆女性のボトムスの選び方スカートの場合は、座ったときに膝上5センチ以内のものを選びます。フレアースカートよりもタイトスカートのほうが、かっちりとした印象になります。ヒップラインやボディラインを強調しないものを選びましょう。サイズが合っていないと、後ろから見たときにヒップラインがヨレます(イラスト参照)。購入する前に必ず確認しましょう。

パンツの場合は、ストレートなラインのものを選びます。丈は短いほど、カジュアル感が強くなります。ハーフクッションが基本ですが、テーパードパンツ(太ももから足首にかけて細くなるパンツ)であっても、くるぶしから5センチくらい上までにすると良いでしょう。スカート、パンツともに、色はベーシックカラー(黒・紺・グレー・茶・ベージュ・白)のアイテムを選ぶと、着回しがしやすく便利です。3│面接メイクは「ナチュラル」を意識する面接時のメイクは、とくに自然な仕上がりを心がけることが大切です(図1─5参照)。派手すぎるメイクや個性の強いメイクは印象が悪く、ノーメイクも「だらしなく見える」「顔色が悪く見える」ことなどからNGです。

4│メガネは「顔の大きさ」と「目元」で選ぶメガネを着用している方は、顔のパーツに合わせたアイテムを選ぶと、より好印象を与えることができます。とくに面接などのオフィシャルなシーンでは、フレームの色は黒か茶、ゴールドやシルバーなどのオーソドックスなものが良いでしょう。フレームは太すぎるとカジュアルな印象が強くなりますので、選ばないようにします。・目元に丸みがある人……丸いフレームだとソフトな印象を演出できる。・目元がシャープな人……四角いレームを選ぶと好印象に。丸いものだと目とフレームの間に空間が多くでき、目の細さを強調してしまうので要注意。・顔の大きさが気になる人……レンズの大きいメガネがおすすめ。小さめのレンズだと、顔の大きさを強調してしまうので慎重に。・顔の小さい人……小さめのレンズを。大きすぎるレンズはアンバランス。

5│応募書類には「数字+具体的な根拠」を履歴書やエントリーシートで自己分析や志望動機を書く際は、過去の経験から自己分析を行い、そのエピソードを書くことが多いのではないでしょうか。しかし、そのやり方では、採用担当者の目には留まりません。具体的な根拠を、数字を用いて伝えるようにしましょう。また、自分のアピールポイントだけではなく、短所も冷静に分析し、長所と結びつけて伝えることが大切です。そうすることで、採用担当者もあなたの人柄をより理解してくれますし、好感度アップにつながります。なお、応募書類は手書きで行うケースとパソコンで入力するケースがありますが、応募先から指示がある場合は、それに従います。「市販の履歴書を使用すること」とある場合は、手書きにするのが一般的です。手書きの書類は、丁寧に書くことで人柄を伝えることができます。字が上手か下手かは二の次です。誤字・脱字に気をつけ、修正液や二重線で文字を消すことのないよう慎重に書きましょう。◆記憶に残らない自己分析の例(新卒)私の強みは、自分がやりたいと思ったことを継続できることです。幼い頃から水泳を16年間続け、高校時代にはインターハイに出場することができました。また大学時代には4年間塾講師のアルバイトを続け、高校受験のサポートを行ってきました。継続することが結果につながると実感しているので、社会人となっても興味を持ってやりたいと思うことを続けていきたいと思います。◆記憶に残る自己分析の例(新卒)私の強みは継続することができることです。幼い頃から水泳を16年間続け、大学時代にも水泳部に所属しました。途中何度もやめたくなることもありました。その度に自己を分析して、やめたくなっている理由を見つけ出し、改善する工夫を行うようにしました。その結果、やめたいと感じるのは、自分が思うような結果が出ないときだと知ることができました。タイムが上がらず挫折しそうになったときは周囲に相談をし、コーチから改善ポイントを指摘してもらい、素直に実践することを心がけた結果、全国大会に出場することができました。私は正直、すぐに結果を出せるタイプではありません。ですがその分、周囲の力を借りながら、先を行く人の意見を素直に実行できることが私の継続する力の源でもあり、強みです。社会人になっても、周囲の力を借りながら、素直に実践することを心がけたいと思っております。◆記憶に残らない志望動機の例(中途採用)新卒で〇〇社に勤務し、5年間営業経験を積んでまいりました。貴社の社風や社員を大切にするという考え方に非常に共感しており、貴社であれば自分の持っている力を最大限に活用することができるのではないかと考えております。即戦力となれるよう尽力してまいります。中途採用の場合は、入社後のイメージや転職に向けて努力している姿勢が伝わる志望動機となるように心がけます。福利厚生・待遇などの条件面が志望動機とならないよう注意しましょう。◆記憶に残る志望動機の例(中途採用)新卒で〇〇社に入社し、5年間自動車販売の営業に従事してまいりました。営業として様々な職種のお客様と触れる中で、不動産業界のお客様の話から、貴社で開発された〇〇タウンの街並みに非常に興味を持ちました。そのため貴社でぜひ仕事がしてみたいと思い、宅地建物取引士の資格を取得しました。自動車営業で培った顧客との信頼関係構築の技術と販売スキルを、今後は不動産営業にも活かしていきたいと思っております。

6│職務経歴書は「見やすさ」が9割職務経歴書は自由に書く形式が多いので、見やすさに注意して作成することが大切です。自身の職歴やスキルを、採用者が読みやすい形で伝えましょう。自身の経歴やスキルを整理したら、フォーマットを決めて作成します。フォーマットには、3種類あります(図1─6参照)。

・編年式……時系列で過去から順に経歴を紹介する、最もオーソドックスな形式。20代や転職経験の少ない方に向いているフォーマットです。・逆編年式……直近から過去へと経歴を紹介していく形式。直近の経歴を採用者にアピールしたいときに向いています。・キャリア式……職務経歴や職務内容ごとにまとめる形式。転職経験が多い方に向いています。いずれの形式であっても、採用担当者に興味を持ってもらうためには、アピールしたい経歴やスキルが明確に表現されていることが重要です。7│履歴書写真では「白いインナー」が正解応募書類で採用担当者がまず目にするのが、履歴書の写真です。第一印象を大きく左右するため、次の点に気をつけてプロの方に撮影してもらいましょう。・写真は写真館で撮影する。スナップやスマートフォンでの撮影はNG。・写真は、履歴書に記載されている規定のサイズ(縦4センチ×横3センチ)で、3ヶ月以内に撮影したものを使用する。・写真の背景色は白・ブルー・グレーが基本。・女性は、紺やグレー、黒などの落ち着いた色のジャケットを着用して撮影する。シャツのボタンはリクルートの場合は第1ボタンまで留める。転職用写真の場合は、前を開けすぎず(外すのは第1ボタンまで)、シャツやブラウスは無地で白、またはパステルカラーの明るい色のものを着用する。・男性は、紺か黒の落ち着いた色のスーツ、ネクタイを着用して撮影する。ネクタイは派手すぎないものを選ぶ。シャツの色は白。ボタンダウンなどのカジュアルなシャツはNG。髪形は、落ち着いた感じにする(図1─1参照)。・撮影時、口は閉じ、口角を上げて微笑む。目を細めた笑顔にならないように注意する。軽くアゴを引き、背筋を伸ばし、姿勢が左右のどちらかに傾くことのないように正面を向く。・写真の裏には名前を記載して履歴書に貼る(万が一写真が剥がれてしまったときのために)。

8│電話は「切るタイミング」が重要書類選考を通過すると、志望先から電話で連絡を受けるケースがあると思います。面接会場へ向かう途中、道に迷ってしまった場合は、電話で問い合わせを行う場合もあるでしょう。そこで、印象をアップさせる電話対応のやり方についてお伝えします。突然の電話対応が必要なシーンでもあわてず前向きに対応できるよう、受け答えの仕方を準備しておきましょう。◆電話を受ける場合相手から名前を伝えられたら、「お世話になっております。冨澤(名前)です」と挨拶をします。用件を確認したら、「復唱させていただいてもよろしいでしょうか」と尋ねたうえで、内容を復唱します。とくに日付や時間などは間違えやすいので、必ず復唱して確認するようにしましょう。電話を切るときは、「ご連絡ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます」と、お礼を伝えます。相手が電話を切ったことを確認してから、自分も切るようにしましょう。

◆電話をかけるときまず挨拶をして、用件を伝えます。「お世話になっております。私、〇〇(学校や企業などの所属先名)の冨澤(名前)と申します」といったイメージです。面接の予定がある場合は、「本日10時に面接のお約束をいただいております冨澤(名前)と申します」と伝えましょう。道に迷ってしまい、電話で案内をお願いする場合は、代表電話に出られた方に道を聞いても問題ありません。ただし、人事担当者に取り次いでもらう場合には、次のようにお願いします。「お忙しいところ誠に恐れ入ります。本日10時に面接でお伺いする予定なのですが、現在〇〇駅から道に迷ってしまいまして、御社までの道順を確認したいと思っております。人事ご担当の〇〇様はお手隙でしょうか」このように用件を先に伝えると、先方もアクションが取りやすくなります。用件が済んだら、「お忙しいところ、ご丁寧にありがとうございました。後ほど伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします」などとお礼の言葉を伝え、数秒待って電話を切るようにします。9│面接では「ふるまい」も見られている面接日当日はあわてることのないよう、30分前には最寄り駅に到着しておくと良いでしょう。約束の10分前より早く面接会場に行くことは避けましょう。コートを着用している場合は、脱いだ状態で受付に向かいます。◆受付での対応受付に到着したら、まず用件を伝えます。「お世話になっております。私、10時に面接のお約束をいただいております冨澤(名前)と申します。よろしくお願いいたします」と、挨拶をします。その後、受付の方の指示に従います。受付にはいすが用意されているケースもありますが、案内されるまでは勝手に座らないようにしましょう。また、控室で他の受験者と一緒になることもありますが、大きな声で話さないように気をつけます。携帯電話を見る、化粧を直すなどの行為もNGとなります。化粧直しは、会場に着く前に済ませておきましょう。◆入室するときのマナードアは軽く丁寧に、3回ノックします(2回は化粧室のノック)。「どうぞ」と声をかけられてから、「失礼します」と声をかけてからドアを開け、入室します。ドアを閉めるときはドアに向かって行い、後ろ手で閉めないようにしましょう。入室したら面接官に一礼し、「どうぞおかけください」と、着席を勧められてから着席します。◆品よく見える座り方着席は、「失礼します」と言ってから行います。女性の中には、一度座った後に座り直してスカートを直す人もいますが、これは上品なふるまいとは言えません。スカートを整えながら着席しましょう。カバンは足元に置きます。女性の場合は足を閉じて、おヘソの下あたりに手を組んで座ります。男性の場合は肩幅くらいに足を開き、両手を軽く握って膝の上に置きます。背筋を伸ばして座面に垂直になるように座ると美しく見えます。

◆去り際まで印象に残る退室時のマナー面接が終わったら、いすから立ち上がります。そして、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」と言い、一礼してからドアに向かいます。ドアの前でさらに一礼したら、「失礼します」と言って、ドアに手をかけて退室しましょう。ドアは音を立てず、静かに閉めると品よく見えます。10│質問に答えられないときは正直に伝える面接では、面接官があえて答えにくい質問をすることがあります。これは予期しない質問に対し、とっさにどんな対応をするのかを見たいという意図があります。あわてずに回答しましょう。即座に答えられない場合は、「少し考えてもよろしいですか」などと伝え、少し間を取っても大丈夫です。よくないのは、無言で固まってしまうことです。また、その場を取り繕おうとするあまり、思ってもいないことを口走ったり、しどろもどろになってしまったりすると、不信感を持たれてしまいます。どうしても回答できないときは、「わかりません。勉強不足でした。ですが、今回貴重な機会をいただきましたので、これから家に帰って真っ先に考えてみたいと思います」などと、前向きな回答を心がけます。また、グループ面接などで他の人と意見が重複する場合は、同じ意見であることを伝えたうえで、なぜそう思うのかについて、自分の経験談を踏まえて話しま

しょう。意見が被ったことに対して焦る必要はありません。むしろ、なぜその意見と同じなのか、筋道を立ててきちんと説明することが大切です。11│オンライン面接での背景は「白」2020年頃から、オンラインで面接を行う企業も増えてきました。オンライン面接では事前準備ができているかどうかで、面接官が受け取る印象は大きく異なります。オンライン面接を受ける場合、画面の背景色は「白」が基本となります。白い壁の前にパソコンを用意して臨みましょう。難しい場合は、せめてベッドや洗濯物など、生活感のあるアイテムが映り込まない場所を選びます。カフェなどの自宅以外の場所でも、バーチャル背景のアプリなどを利用して、白い背景になるようにしましょう。他の人や景色が映り込まないように工夫するのも、相手への配慮です。その他、光がパソコン画面に反射して顔がぼやけてしまったり、逆に照明が暗く、顔に影ができたりするだけで印象が悪くなってしまいます。必ず面接が始まる前に設定を終えておきましょう。また、雑音や音声の途切れも相手にストレスを与えてしまいます。Wi‐Fiなどの電波環境を整え、採用担当者があなたとの会話に集中できるよう、十分に準備をしておきましょう(第2章の15で詳しくお伝えします)。

12│オンライン面接では「目線」がポイントオンライン面接は対面に比べ、人柄や雰囲気が伝わりづらいものです。表情や表現を豊かにするよう心がけ、好感度をアップさせましょう。第一声をはっきり話すと、ハキハキとした印象になります。「おはようございます」の場合、最初の「お」の音をはっきりと出すイメージです。またジェスチャーを加えて伝えることで、表現の手助けとなります(ジェスチャーを多めに入れる参照)。オンラインでは「目線」も重要なポイントです。目線がズレていると、原稿を読んでいると勘違いされたり、会話に集中していないとみなされたりするケースがあります。話すときは、パソコン画面に映る自分の顔を見ると目線が合います。面接官が話をするときは、その人の顔を見て聞くようにしましょう。13│使うだけで品格が上がる「美しい敬語」敬語は目上の人に敬意を表す、日本語独特の表現です。適切な敬語を使うことで品を感じさせ、関係を良好にすることができます。正しい敬語を使いこなしてより品のあるふるまいとなるよう、心がけていただきたいと思います。敬語は、尊敬語・謙譲語・丁重語・丁寧語・美化語の5種類に分類されます。◆尊敬語目上の人に対して、相手を高めるときに使う表現となります。「行く→いらっしゃる」のように、言葉自体を変えて表現する「置き換え式」、「出かける→お出かけになる」のように、動詞の前に「お」、動詞の後に「になる」をつけて表現する方法、「話す→話される」のように、動詞に「れる・られる」をつけて表現する方法などがあります。◆謙譲語自分の動作をへりくだることで相手を高め、敬意を表する表現となります。敬う対象がいるときは、謙譲語を使います。「行く→伺う」のように、言葉自体を変えて表現する「置き換え式」、「話す→お話しする」のように、動詞の前に「お」や「ご」、動詞の後に「する」「申し上げる」などをつけて表現する方法、「連絡する→連絡いたします」のように表現する方法などがあります。◆丁重語謙譲語の一種ですが、敬う対象がいない場合、場所などに対して使う敬語となります。「行く→参る」「する→致す」などが丁重語にあたります。謙譲語と丁重語のどちらを使うべきかで迷ったときは、訪問先に敬う人がいるかどうかが判断基準となります。たとえば、尊敬する人(仮にAさんとします)に会うために東京へ行く場合、「Aさん」は敬う対象となりますので、謙譲語を使って表現します。つまり、「Aさんのもとへ伺う」となります。敬う対象がいない場合は、丁重語を使います。「東京へ参ります」などと表現することができるでしょう。◆丁寧語語尾を丁寧にすることで、相手に敬意を表す表現となります。「言う→言います」のように、動詞に「です」「ます」「ございます」をつけて使います。

◆美化語(敬語の一種)名詞に「お」「ご」をつけて丁寧に表現し、敬意を表す表現です。「名前→お名前」「家族→ご家族」などと使います。「お」や「ご」は、外来語にはつけません。「おビール」「おソース」などの表現は使わないようにしましょう。◆間違って使いがちな敬語╳「お名前を頂戴できますか」→◯「お名前をお伺いできますか」╳「受付でお伺いください」→◯「受付でお聞きいただけますか」╳「拝見されましたか」→◯「ご覧になりましたか」╳お聞きになられる→◯お聞きになる╳ご連絡させていただきました→◯ご連絡いたしました╳ご伝言をお承りしました→◯ご伝言を承りました図1─7も参考にしてください。

14│柔らかい印象を演出する「大和ことば」大和ことばとは、言葉遣いを変えるだけで柔らかくなる、日本語独特の表現です。ビジネスシーンで取り入れると、上品な印象を演出できます。図1─8を参考に、意識して使ってみていただきたいと思います。

15│語尾を使い分けると2倍増しで品よく見える品のよい印象を持ってもらうには、「語尾」を意識して使い分けることも重要です。語尾が単調だと自信のない印象を与え、聞いている方に悪い印象を持たれてしまいます。次にある表現方法を意識して使いましょう。・断定……〇〇です。〇〇ます。・推察、可能性……〇〇ではないでしょうか。〇〇かもしれません。・疑問……〇〇ということはないでしょうか。・伝聞……〇〇だそうです。〇〇ということです。・考察……〇〇だと思います。〇〇と考えております。

1│初対面でも好印象を得られる身だしなみ初対面で相手に好感を持たれる服装とは、どのようなものでしょうか。面接での服装については第1章でお伝えしましたので、ここでは知的で好印象になる「ビジネスカジュアル」「オフィスカジュアル」についてご紹介します。◆ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルの違い「ビジネスカジュアル」と「オフィスカジュアル」という言葉を聞いたことはあっても、違いについてはよくわからない、という方も多いかもしれません。ビジネスカジュアルは、他社を訪問しても問題のない服装。オフィスカジュアルは、自社に来訪者があっても対応できる服装と考えると良いでしょう。とくにオフィスカジュアルは、仕事をするうえで失礼にあたらない、最低限の礼儀を意識した服装になります。ビジネスカジュアルよりも、「ラフ」な服装と言えるでしょう。ビジネスカジュアルは「上下スーツの正統派ビジネススタイルとまではいかないけれども、お客様の対応もできる服装」という曖昧な定義なので、どのような服を着れば良いのか迷う方もいらっしゃるかもしれません。ここからは、ビジネスカジュアルで迷ったときの服装についてお伝えします。

◆ビジネスカジュアルの定番(男性)男性の場合、「ジャケット+パンツ」といったスタイルが定番となります。ビジネスカジュアルのポイントは、主に次の3つです。①ジャケットジャケットは、ネイビーやチャコールグレー(黒灰色)・黒といった定番の色から、明るめのグレーやベージュなどを取り入れると良いでしょう。チェック柄などでも問題ありませんが、柄が大きくなるほどカジュアルな印象が強くなるので、注意が必要です。②襟付きのアイテムジャケットのインナーとして襟付きのアイテムを選ぶと、オフィシャルなシーンでも対応できるうえに、相手への敬意も伝わります。また、いざというときの来客にも対応ができるので、一着持っていると便利です。③素材同じアイテムであっても、素材によってはカジュアル感が出てしまう場合があります。ビジネスカジュアルにおすすめの素材は、ウール・ポリエステル・ナイロンなどを含んだ素材です。一方、ニット素材やコットン・ジャージー・麻やリネン・デニムなどはカジュアルな印象になります。靴は、革のレースアップシューズ、もしくはローファーを選ぶと安心です。◆ビジネスカジュアルの定番(女性)女性のビジネスカジュアルも男性同様、「ジャケット+スカート、もしくはパンツ」といったスタイルになります。インナーは襟付きのシャツではなく、ブラウスでも構いません。次の3点を意識すると印象がよくなります。①ベーシックなデザインと色を選ぶ個性的なデザインや派手な色を避け、トップスもボトムスも、ベーシックなデザインのアイテムを選びます。色は黒・白・紺・ベージュ・グレーといったベーシックカラーを選ぶと清潔感が出ます。インナーに明るい色を取り入れたいときには、パステルカラーやグレイッシュな色を選びましょう。②露出を避け、ストッキングはワントーン暗い色を体のラインがわかるデザインや肌の露出は避けます。スカートも、膝が出ない丈を選びましょう。またスカートをはく場合、オフィシャルなシーンでは素足はNGです。ナチュラルカラーのストッキングを必ず着用しましょう。ストッキングの色は、ナチュラルな足の色よりも、ワントーン暗めの色を選ぶと良いでしょう。足の色よりも白っぽい色を選ぶと、足だけが浮いて見えます。店頭のサンプルで確認しましょう。靴はパンプスが基本となります。③アクセサリーピアスやイヤリングは、大ぶりなものや揺れるタイプのものは避け、耳にフィットするものを選びましょう。電話を受けるときなどに、アクセサリーが受話器にかかりにくくなります。ストーンやパールなどのモチーフも、大きすぎないワンポイントのものにします。ネックレスやブレスレットも同様に、厚みのあるチェーンやモチーフの大き

なものは避けましょう。レザーやカラーのものも派手すぎる印象になるので、ゴールドやシルバーの華奢なイメージのもののほうが品よく見えます。◆オフィスカジュアルの定番(男性)オフィスカジュアルの服装は、社内の雰囲気によっても変わってきます。急な来客時にも対応できる服装が望ましいので、男女ともに派手な色の服装や短パン、清潔感のない服装などは避けるようにしましょう。男性の場合は、素材感がカジュアルなアイテムを選びます。たとえば、ビジネスカジュアルにも使用できるジャケットにチノパンを合わせるだけで、カジュアルダウンします。靴の選び方ですが、カジュアル度は、革のレースアップシューズ→ローファー→スニーカーとなります。スニーカーはレザースニーカーを選ぶと、洗練された印象になります。ビジネスカジュアルよりラフな格好だからといって、素足にサンダルは避けましょう。また靴下は、スネが見えない長さでダークな色を選ぶようにします。白い靴下は、幼い印象になるため注意が必要です。◆オフィスカジュアルの定番(女性)女性の場合は、ジャケットをカーディガンに替えるだけで、カジュアル度の度合いが下がります。靴はビジネスカジュアル同様、パンプスが基本となります(企業によってはスニーカーやサンダルの着用がOKの場合もあります)。長時間の移動などで足の疲れが心配な場合には、ローヒールのパンプスを選ぶと良いでしょう。どうしても市販の靴が合わない場合は、オーダーシューズもおすすめです。自分の足にぴったりと合った靴は長く愛用できますし、結果的に合わない靴を何足も購入するよりもコスパが良いケースもあります。2│アポイントメントを取るときは「疑問形」で営業などの方は、顧客候補先にアプローチする機会があると思います。感じのいい応対をすることで相手の反応が大きく変わる場合もありますので、この後紹介することを意識して実践しましょう。訪問先には、事前にアポイントメント(面会の約束)を取り、日時や場所を調整します。アプローチは電話、もしくはメールで行います。訪問先に突然伺うのは失礼なので、注意しましょう。◆電話でアポイントメントを取る場合①丁寧な挨拶から始める相手先にはじめて連絡する場合は、最初に「突然のご連絡、失礼いたします。私、株式会社〇〇、〇〇部の〇〇と申します」と名乗りましょう。一度連絡をしたことのある相手であれば、「いつもお世話になっております」と、丁寧な挨拶から始めましょう。自社名も略さず、正式名称で伝えます。②用件を伝える相手が電話に出たら「今、お時間をいただいてもよろしいでしょうか」と聞き、OKの場合は、次のように用件を疑問形で伝えます。「弊社の新サービスである〇〇について、〇〇様に直接お目にかかってお話をしたく、面談のお時間をいただくことは可能でしょうか」紹介者がいる場合は、その方から伺った話などもあわせて伝えると、アポイントメントを取りやすくなります。「╳╳会社の△△様よりご紹介をいただきまして、本日連絡をいたしました。今お時間をいただいてもよろしいでしょうか。△△様より、御社の新製品が『これまでにない画期的な商品』と伺っております。直接〇〇様よりお話をお伺いする機会をいただけますと、私どものサービスが御社の商品にお役に立てるかどうかご判断いただけるかと思いまして、ご連絡差し上げました」などと伝えると良いでしょう。③日程の調整面談に応じていただける場合は、その場で日程をいくつか提示します。「ありがとうございます。それでは◯月◯日◯時以降、◯月◯日◯時以降、◯月◯日◯時以降のご都合はいかがでしょうか」といった具合です。先方と都合が合わない場合は、調整を行います。日時が決まったら、最後に必ず復唱します。午後の時間帯は「2時」ではなく「14時」などと2桁で表現したほうが、間違いを減らすことができます。「それでは、◯月◯日◯時に御社にお伺いしますので、よろしくお願いいたします。お忙しい中、面談のお時間を頂戴しましてありがとうございます。当日、どうぞよろしくお願い申し上げます」日時の確認が終わったら、このようにお礼を伝え、締めくくりましょう。

◆メールでアポイントメントを取る場合①紹介者の名前を件名に入れるメールでアポイントメントを取る場合、最初に先方の目に入るのが件名です。紹介者がいる場合は、その方の名前を件名に入れると、迷惑メールに間違われる可能性が低くなります。

「件名:△△様よりご紹介いただきました〇〇と申します」のような感じです。紹介者がいない場合にも、「〇〇(商品・サービス名)のご紹介」などと必ず件名を入れ、メールを開いてもらえるように工夫しましょう。②本文の冒頭に宛名、メールを送った経緯を書く宛名は略さずに正式名称を入れましょう。「〇〇株式会社〇〇部部長〇〇様」のような具合です。冒頭では、挨拶文とともに、メールを送った経緯を伝えます。・紹介者のいる場合「突然の連絡、失礼いたします。╳╳会社の〇〇と申します。この度〇〇会社の△△様よりご紹介をいただきまして、ご連絡差し上げました」・はじめてメールを送る場合「突然の連絡、失礼いたします。╳╳会社の〇〇と申します。貴社のホームページを拝見し、弊社の〇〇という新サービスでお役に立てるのではないかと思い、ご連絡差し上げました」・過去にお会いしたことのある場合「いつもお世話になっております。╳╳会社の〇〇です。以前は〇〇の件で大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。本日は弊社の新事業〇〇の件でご連絡差し上げました」③用件を伝える面談の依頼は疑問形で伝えると、ソフトな印象になります。「弊社の新事業〇〇につきまして、一度お目にかかってお話しすることは可能でしょうか。お忙しい中恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます」④日程の調整日時の候補は、面談の了承をいただいてから伝えるようにしましょう。了承をいただく前に日程を提示してしまうと、「厚かましい人」という印象を持たれる恐れもあります。メール文には、面談を了承いただいたお礼と、面談の日程を提示します。先方が選びやすいように複数の日程を伝えましょう。3│リマインドメールには「返信不要」と書き添えるアポイントメントが取れ、相手のメールアドレスがわかっている場合は、前日にリマインドメールを送ります。なお、リマインドメールは初対面の相手に限らず送ることで、丁寧な印象を持たれます。とくに商談を行う場合には、リマインドメールを送ることで、先方に事前協議していただける可能性が出てくるためできるだけ送るようにしましょう。相手に返信の手間を取らせないよう、文末に「返信は不要です」と追記しておくと印象が良いです(図2─1の❶)。複数人で伺う予定であることを訪問先に伝えていない場合は、リマインドメールの中でその旨に触れるようにします(図2─1の❷)。すると先方から、先方の出席者を教えていただけるケースもあります。こちらから先方の出席者を尋ねる場合には、その理由を明記しておくと丁寧な印象となります。例「明日はご参加いただく皆さまへのサンプルをご用意したいと思っております。大変恐れ入りますが、参加人数がおわかりでしたらご教示願えますでしょうか。どうぞよろしくお願い申し上げます」といった具合です。理由もなく先方の参加人数を尋ねるのは失礼にあたるので、避けたほうが良いでしょう。

4│資料は人数分印刷して持参するはじめての訪問先では、名刺を忘れずに持参します。当日、同席者がいらっしゃるケースもありますので、多めに準備しておきましょう。商品やサービスについて説明するときは、詳細が伝わる資料も忘れずに準備します。資料を事前にデータで送るケースもあると思いますが、その際も、資料をプリントアウトして持参します。打ち合わせに相手が資料やパソコンを持参していないケースなど、万が一のときに役立ちます。また、外出先で面談をする場合には、先方が資料を持ち帰りやすいように封筒なども準備しておきましょう。2回目以降の面談の場合は、前回の面談の内容を復習しておくとスムーズに話が進みます。先方との会話はもちろん、渡した資料などにもあらかじめ目を通しておくと、会話が噛み合わないといった事態を避けることができます。5│上着は訪問先に伺う直前に脱いでおくコートなどの上着は訪問先のエントランス前で脱ぎ、片方の手にかけます。訪問先で、「預かりましょうか」とお声がけいただいた場合は、預けても問題ありません。そうでない場合は小さく畳み、カバンの上に置きます(イラスト参照)。自分が座ったいすの背にかけてしまうと、裾が床につく可能性もあり、不衛生です。コートかけがある場合も、先方から「どうぞ」と案内されるまでは、勝手に使用することは避けましょう。

そのほか、打ち合わせに必要のない荷物で両手がふさがっている場合は、最寄り駅のコインロッカーに預けておくと、見た目の印象もよくなります。6│許可をいただくまではいすに座らない第1章の9でもお伝えしたように、訪問時間は厳守しましょう。当日迷わないよう、事前に交通経路や到着時間、場所を確認しておきます。最寄り駅には早めに到着し、ちょうど良い時間になるまでカフェで過ごすなど、余裕を持って行動しましょう。訪問先に到着したら、受付で用件を伝えます。「いつもお世話になっております。私、〇〇会社の〇〇と申します。◯時に〇〇部の〇〇様とお約束をいただいております。よろしくお願い申し上げます」と、挨拶をします。その後は、受付の方の指示に従います。案内されるまでは、たとえロビーにいすがあったとしても、勝手に座ることのないように心がけましょう。7│名刺交換のときは「頂戴します」の一言を名刺交換は、やり方によって第一印象が大きく変わるため、基本的なマナーをしっかりマスターしておきましょう。いただいた名刺は相手と同じとみなして、大切に扱うようにします。①名刺交換の手順面談場所に相手がいらっしゃる前に、名刺を出して準備しておきましょう。名刺は、目下の人(訪問した側)から差し出すことが基本となります。自分の名刺入れを台座にして手元に構え、自分の名刺を両手で手渡しましょう。その際に、自分の名前を名乗ります。名刺入れは、輪のほうを相手に向けるようにします。名刺を受け取る際は、「頂戴します」と言い、両手で受け取ります。先方が読みづらいお名前の場合は、「〇〇様でいらっしゃいますね」と、一言確認を入れましょう。名刺をいただいた後に確認することは、失礼にあたります。もし自分から名刺を差し出す前に、相手から差し出された場合は、受け取って問題ありません。自分が渡すときには、「申し遅れました」などと一言添えると、好感度がアップします。②同時に名刺交換する場合最近は名刺交換に時間をかけないよう、相手と同時に交換するのが主流となっています。その場合は、目下の人が目上の人より下の位置から名刺を差し出すようにしましょう。ただし、相手の下に名刺を出すことが難しい場合は、そのまま上から出して問題ありません。「上から失礼します」と一言添えてお渡ししましょう。渡す位置に固執しすぎず、スマートに名刺交換するほうが印象はアップします。

③複数名で名刺交換を行う場合上司と同席する場合など、複数名で名刺交換を行う場合は、目上の方から名刺交換を行います。上司にはじめて取引先に同行してもらう場合などは、上司から先に名刺を交換してもらいます。自分が先方とアポイントメントを取り、取引先に上司と同行する場合は、自分が上司を紹介し、上司から先に名刺交換をしてもらった後、名刺を交換するようにします。「この度は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。弊社の部長の〇〇です。部長、いつもお世話になっている〇〇会社の〇〇様です」と、自分の上司を紹介した後に、相手を上司に紹介します。

④いただいた名刺の取り扱い名刺はすぐにしまわないことがマナーとなります。名刺入れの上にいただいた名刺を置いて、自分の席の左上あたりに置きます。複数の方から名刺をいただいた場合は、肩書が上の方から一列に並べます。肩書がわからない場合は、座席順に並べておくと良いでしょう。名刺は、相手がしまうタイミングに合わせて名刺入れにしまいます。退室のタイミングが来ても相手がなかなか名刺をしまわないときは、自分が席を立つタイミングで、「頂戴します」と一声かけて名刺入れにしまいます。

◆名刺入れの選び方名刺入れは革製の黒か茶などダークカラーのものを選び、派手な色やキャラクターつきのものは避けましょう。カラフルな色のものやデザイン性のあるものは、カジュアルな印象を与えてしまいます。また汚れも目立ちやすく、手入れが行き届いていない印象を与える恐れがありますので、注意が必要です。8│初対面の方には「称賛の言葉」を添える

初対面で相手の記憶に残る人になるには、最初の挨拶が重要です。これは対面も電話も同様です。「おはようございます」などの挨拶では、最初の母音(あいうえお)を意識して発声するようにしましょう(第1章の12参照)。その後はまず、会って話す機会をいただけたことに対するお礼と、相手(もしくは会社)を称賛する言葉を添えると、その後の会話が弾みます。名刺交換が終わった後、次のように伝えましょう。「改めまして、〇〇と申します。本日は貴重なお時間をありがとうございます。素敵なオフィスですね」といった具合です。このほかにも、話が弾む、印象がよくなる話し方を第6章で紹介しますので、参考にしていただければと思います。9│座るときは「座面と背中を90度」に座席には、先方に勧められてから座ります。西洋ではいすに向かって右側が上座となるため、座る前にいすの左側に立つ、もしくは下座に近いほうに立つのがマナーとなります。いすに案内をされたら、「失礼いたします」と声をかけて、いすの左側から座面の中央に向けて一歩踏み出し、膝の裏でいすの座面を確認できたら垂直に腰を下ろします。かかとから膝が地面に対して90度、座面と背中が90度になるように座ると美しく見えます。背もたれにもたれかかることなく、背もたれとお尻の間にこぶし1つ分(10~15センチ)くらい空けて座ります。◆美しく見えるいすの座り方男性の場合は面接時と同様、足は肩幅と同じくらい開いて座ります。足を開きすぎると偉そうな印象になるので、注意が必要です。手は膝の上でこぶしを握り、足先も膝と同じくらい開きます。女性の場合は膝を閉じ、足先をそろえて座ります。膝を閉じているのに足先が開いていると、幼い印象になります。足先も閉じて座るようにしましょう。品よく見える座り方でもお伝えしたように、座面に腰を下ろした後、スカートのシワを伸ばすためにお尻をなでる所作をすると幼く見えるため、注意が必要です。

◆ソファーでは「浅く」腰かけるソファーに座るときは、浅く腰かけます(奥深く腰かけるとだらしなく見えるため)。背もたれや肘かけは、主に目上の人が使用します。◆カバンはいすの横や床に置くカバンや手荷物、コートなどを空いている席に置くのはNGとなります。断りもなく他の席を使うことは、マナー違反です。カバンは自分が座ったいすの横や床に置きます。カバンは外から持ち込んだもので、底が汚れている可能性もあります。机の上やいすの上に置くことは失礼にあたるため、注意が必要です。ただし、先方が空いているいすの上にカバンを置くよう勧めてくださった場合は、ありがたく使わせてもらいましょう。10│席次は「おもてなし」の表れ席次には、相手への敬意やおもてなしの意味が含まれています。目上の人やお客様にはできるだけ良い席に座っていただけるよう配慮するのがマナーです。上座に案内するべき人を下座に案内してしまうと、「軽く扱われた」と感じる方もいらっしゃいます。逆に、正しい座席にご案内することで、大切に扱われていると感じていただけるので、信頼されやすくなります。◆応接室での席次入り口から一番遠い席が「上座」、一番近い席が「下座」となります。お客様をお迎えする場合、入り口から遠い席が上座となります。①~③の席は、来客の中でも役職が上の方や年長者に座っていただきます。②の席が入り口から最も遠く、最上位の席に思えますが、来客が複数人の場合、最上位の方には中央の席となる①の席に座っていただきます(図2─2の2番目の図)。

先方から上座に案内された場合は、「お気遣いただきありがとうございます。失礼します」と言いましょう。上座であることを理解したうえで座らせていただいているという感謝の気持ちを伝えると、感じがよいです。◆ソファーでの席次ソファーの場合も同様に、入口から一番遠い席が上座となります。ソファーは、複数人がけのソファーの方が上席となります。複数人がけのソファーは、真ん中の席よりも、入口から一番遠い席ほど上座となります。応接室以外でも、上司や目上の人と出張や外出をすることがあるかと思います。乗り物の席次のマナーを知っていると、スムーズに動くことができ、信頼を獲得しやすくなります。◆列車での席次列車での席次は進行方向と、何人がけの席かによって、上座と下座が異なります。2人がけの席の場合、上座は窓際となります。また出入り口に近いほうが下座となりますが、窓際は上座となります(図2─3)。

BOXシートになると、進行方向と反対側の席は下座になりますので、上席は窓際の次は、進行方向の通路側の席となります。3人がけのシートの場合、上席は窓際、次の上席は通路側、真ん中の席が下座となります。3人がけのBOXシートでは、進行方向側が上席となります。窓際の次の上席は通路側となり、真ん中の席が下座となります。◆飛行機での席次飛行機の場合も、窓際に近い席が上席となり、次いで通路側の席が上席となります。通路に挟まれた席では、進行方向に向かって左側から上席、次いで通路側、真ん中の席は一番の上席に近いほうから上席となります。乗り物の席次は、上席は窓際、席から出入りのしやすい通路側が上席となります。列車の場合は、進行方向や入り口の位置を確認するようにしましょう。◆写真撮影での席次写真撮影にも席次があります。写真は記録にも残るため、セミナーや表彰式などで写真撮影を行う場合には注意が必要です。2人で撮影を行う場合は、撮影者から見て左側が上座、右側が下座です。3人の場合は撮影者から見て中央が上座で、続いて左側、右側の順となります。複数人の場合も、撮影者から見て中央が上座で、3人の場合と同じように左側が上座、続いて右側となり、その後は左側、右側と続きます(図2─4)。

11│上着を脱ぐときは一番下のボタンから上品な印象を与えるには、一つひとつの所作を丁寧に行うことが重要です。立つとき、座るときは、背筋を伸ばすだけでも上品な印象を与えることができます。落ちているものを拾うときは必ず膝を折って拾いましょう。足を伸ばした状態で拾うと、見栄えが良くありません。女性の場合は、かがんだときに膝を開かないように気をつけます。玄関先での靴の脱ぎ方も同様です。玄関の正面に向かって靴を脱いだら、膝を折って床につけた状態で靴を回転し、そろえると丁寧に見えます。上着を脱ぐときも、一番下のボタンから外します。上着の襟を持ち、最初に肩を抜いてから袖を抜くと、スマートです(イラスト参照)。こうした日頃のほんのちょっとした所作で、あなたの印象はよくなります。

なお、近年のビジネスマナーでは、外のチリやほこりを持ち込まないという意味で、上着の裏地を表にするのがマナーとされています。しかし、「上品に見える」という点では、本来裏地は中に畳むのがマナーです。裏地にはタグなどがあり、他人に見せる仕様になっていないからです。12│訪問先での飲み物は同行者と同じものにする顧客先を訪問すると、メニューを提示され、希望の飲み物を尋ねられることがあります。あるいは、自動販売機の前で「お好きなものをどうぞ」と勧められるケースもあるでしょう。何をいただくと良いのか迷うこともあるかもしれませんが、基本は自分の好きなものを頼んで問題ありません。希望の飲み物を尋ねるのは、コーヒーやお茶が飲めない方でも好きなものを選べるようにという先方の配慮になります。ただし同行者がいる場合は、複数の種類を準備していただくのは大変なので、同じものを頼むと良いでしょう。自動販売機の場合には、自分の好きなもので問題ありません。なお、ペットボトルで提供された飲み物を飲み干せなかった場合は、開封していたら持ち帰るようにしましょう。その際には、「頂戴します」と一声かけてから持ち帰ると丁寧な印象となります。13│手みやげには「常温」「個包装」「地方の名産」をビジネスシーンでは、日頃のお礼を伝えたいときや契約成立時、担当者変更のご挨拶、謝罪時などに手みやげを持参することがあると思います。手みやげにはお菓子など、職場の方々で召し上がっていただけるものが良いでしょう。個包装で切り分ける必要のない品、常温で保存ができ、日持ちするものを選びます。先方の人数がわかる場合には、人数分の個数の入った手みやげを準備しましょう。手みやげの金額は5000~8000円程度が相場となります。何にするか迷ったときには、渡す際に話題になりやすいものを選ぶと良いでしょう。たとえば、テレビで取材を受けたというお店の商品や、地元の名産を使った商品などは、その後の会話が弾むきっかけになります。◆手みやげを渡すときのマナー手みやげを渡すときは、外袋から出してお渡しします。持参した紙袋や風呂敷は持ち帰りましょう。

はじめてお会いする相手の場合は、名刺交換が終わったタイミングで、「皆さまでお召し上がりください」と、一言添えて渡します。上司と同席している場合には、上司から上席の方へ渡すようにします。商談の際は、商談が終わってから渡すようにします。最初に渡してしまうと、下心があるように受け取られてしまい、失礼にあたります。接待の会食の際などは、会食が終了したお見送りのタイミングで渡します。最初に渡してしまうと、先方が保管場所に困ってしまいます。外出先などで手渡す場合は、お持ち帰りいただく袋も一緒に渡します。謝罪の際は、謝罪を終えたタイミングで渡しましょう。謝罪をする前に渡すと心証が悪くなります(謝罪時の手みやげ参照)。◆お菓子以外の品物を選ぶとき先方の好みがわかる場合には、好みに合わせた品を準備しましょう。お酒を好まれる方の場合、グラスや地方の名酒など、エピソードを加えられる品物だと話題にしやすく、コミュニケーションが深まるきっかけになります。季節の品や、地元の名産品なども良いでしょう。ちなみに私は、自分ではなかなか購入しないけれども、いただいたらうれしい物を選ぶようにしています。夏なら扇子、冬には暖かいルームシューズなどは、非常に喜んでいただけることが多いです。◆取引先へのお中元・お歳暮を選ぶとき日本には古くから、お世話になった方にお中元やお歳暮を贈る風習があります。お中元は一般的に、関東では7月初旬~15日まで、関西では7月中旬~8月15日までが贈る時季とされています。お歳暮は関東では12月1日~20日頃まで、関西では12月10日頃~20日頃までに贈るのが一般的です。地域によって多少異なりますので、時季はインターネットなどで調べておくと安心です。金額の目安としては、5000円から1万円程度の品を選ぶようにします。お中元・お歳暮にはのし紙をかけ、表書きは「お中元」「お歳暮」とします。会社宛てに送る場合は、皆さんで召し上がっていただけるように個包装のお菓子や飲み物などが良いでしょう。お菓子の場合には、日持ちするものを選びます。パッケージなどで季節感のあるものを選んでも良いでしょう。

14│退室時は「感謝の言葉と礼」を忘れずに訪問時には、退室時のふるまいも大切になってきます。帰る際の所作がきれいな人は、「感じのいい人」「品のある人」として、相手の記憶に残りやすくなります。席を立つ前に「今日はお時間を頂戴してありがとうございました」と、本日のお礼を伝えて退室します。コートやマフラーなどは着用しないようにしましょう。相手が「どうぞ」と声をかけてくださった場合は、「それではお言葉に甘えて失礼します」と言った後、着用しても問題ありません。上司や目上の方と同席している場合は、上司や目上の方から退室していただきます。エレベーターの前までお見送りいただくことが通常ですが、その際はエレベーターに乗る前にお礼を伝え、エレベーターが閉まる際にも一礼をします。お見送りしてくださる際には、先方の後ろを歩くようにします。車までお見送りいただいた場合も、乗る前に一礼してから失礼しましょう。15│オンラインは「ネット環境の整備」がカギ

最近は、オンラインではじめて対面するケースも増えているのではないでしょうか。画面を通して行う会話は実際の対面とは異なり、距離感を縮めることが難しく感じられるものです。私たちはコミュニケーションを取るときに、ノンバーバルの領域(言葉以外の所作や視線)からも相手の印象を判断していますが、オンラインだと相手の所作や視線を感じることが難しいですよね。そこで、オンラインでも良い印象を持ってもらうためのコツをお伝えします。オンラインでは、打ち合わせに入る前に次の項目を確認しておきましょう。❶ネット環境は整っているか(Wi‐Fiが途切れたりしないか)❷雑音の多い場所にいないか(発言内容が問題なく聞こえるか)❸背景に他の人や物が映り込まないか❹生活感のある場所からの配信になっていないか❺画面上の自分の大きさは画面の3分の1ほどになっているか❻必ず事前にマイクチェックを行うネット環境が整っているかどうかをチェックすることは、最も大事なポイントです。途中で音声が途切れたり、通信が途切れたりすると、打ち合わせが中断するだけでなく、相手にもストレスがかかります。十分配慮しましょう。外出先で打ち合わせを行う場合は、確実にネット環境が整っている場所から行うようにします。私は万が一の場合に備え、ポケット型Wi‐Fiや携帯電話のテザリング機能も準備しています。相手の貴重な時間を無駄にすることのないように配慮したいですよね。雑音の多い場所も注意が必要です。自宅からリモートで打ち合わせなどを行う場合も、子どもやペットの声が入らないよう気をつけます。カフェや自宅でオンライン会議を行う場合、背景に他の人が映り込んだり、動くものが映り込んだりすると、会話に集中することができません。人は動くものを追いたくなる習性があります。話に集中してもらうためにも、背景に他の人やモノが映り込まないように注意しましょう。オンラインで相手の顔が大きく映ると、画面を見ている側は見づらく感じます。画面に対して自分の大きさが3分の1に収まるようにカメラの位置を調整しましょう。背景は第1章の11でお伝えした通り、白が望ましいです。また、対話を始める前に、マイクがきちんと入っているか、音声が割れないかをチェックしておきます。携帯電話やタブレットなどで同時に入室するとハウリングを起こし、音声が割れてしまうことがありますので注意しましょう。16│オンラインでは「ビジネスカジュアル」が基本オンラインで打ち合わせを行う場合は、ビジネスカジュアルを心がけましょう。部屋着のような格好や襟元の伸びたTシャツなどは失礼にあたります。女性の場合であればブラウスにスカート、男性の場合は襟付きのポロシャツにスラックスといったように、そのまま実際の対面で打ち合わせに行っても失礼にならない服装にします。その際、トップスはビジネスカジュアルなのにボトムスは部屋着ということのないようにしておきましょう(オンライン面接での服装参照)。17│オンライン会議で大切な4つのポイント◆目線を意識するウェブ上では視線がブレてしまいがちです。とくに、相手が自分を見てくれていないと感じると、「きちんと話を聞いていない」という印象を与えてしまいます。かといって上目遣いになると、媚びている印象になりますし、顔の下からのカメラは偉そうな印象になります。オンラインでは、パソコンのカメラレンズを見るよりも、画面上の自分の顔を見て話すと視線がブレにくくなります。自分の顔を見て話しながら、時々画面上の相手に視線を送るなど工夫すると良いでしょう。◆表情に気をつけるオンラインでは、表情も乏しくなりがちです。実際に対面するときと比べ、少し大袈裟なくらい表情を作るようにすると、相手が安心して話しやすくなります。相づちも、実際の対面時より深く頷くようにすると、相手も、自分の話を聞いてくれているなと感じてくれるでしょう。◆ジェスチャーを多めに入れるオンラインでは視線や表情などが伝わりにくい分、ジェスチャーを多めに入れることでコミュニケーションをサポートしてくれます。ジェスチャーをするときは、ゆっくり行うように心がけると相手が受け取りやすくなります。「3つのポイントがあります」などと数字を伝えるときは、指を広げて3本立てるジェスチャーを取り入れると伝わりやすくなります(イラスト参照)。

◆語尾をはっきり発音する

オンラインでは、とくに語尾まではっきりと発音することを意識して話しましょう。会話が聞き取りづらいと、頼りない印象を与えてしまいます。また、相手の反応が鈍いときには、「今申し上げましたこと、問題なくお聞き取りいただけましたでしょうか」などと伝え、音声が届いているかどうかを確認すると安心です。

1│電話に出るのはコールが2~3回鳴ってから第1章の8でも少しお伝えしましたが、電話では相手の表情が見えない分、より丁寧な対応が求められます。電話では感じが悪かった人が「実際にお会いしてみると感じのいい人だった」ということがよくありますよね。これは、非常にもったいないことです。私は話す仕事を20年以上続けていますが、とくにラジオやナレーションなどの仕事のときは、顔の表情が見えない分、「声」で柔らかさが伝わるように意識しています。声のトーンやスピードなどでも印象は変わりますので、ゆっくり丁寧に話すだけでも、品よく感じてもらうことができます。電話のコールが鳴ってすぐに出ると、相手を驚かせてしまうことがあります。コールが2~3回鳴った後に出るようにすると、相手とのタイミングも合うでしょう(電話の受け方は職場によって異なります)。電話を受けたらまず、「〇〇株式会社です」と、社名を伝えます。相手が名乗ったら、「いつもお世話になっております」と挨拶を入れます。相手が担当者を指名したら、担当者名を復唱して担当者につなぎます。「〇〇でございますね。少々お待ちいただけますでしょうか」といった具合です。2│伝言メモは「5W3H」が命担当者が不在のときは、次のような対応をします。①担当者が離席しているとき「申し訳ございません。〇〇は今席を外しておりますので、戻り次第折り返しさせていただきますが、よろしいでしょうか。念のため、お電話番号を頂戴できますか」と伝え、相手の電話番号を確認します。その際、必ず復唱します。「復唱いたします。〇〇─〇〇◯〇─〇◯〇◯△△△株式会社╳╳様ですね。それでは後ほど、〇〇より連絡差し上げます。失礼いたします」と伝え、電話を切ります。②担当者が不在のとき「あいにく〇〇は本日外出しておりまして、◯時頃帰社の予定でございます。戻り次第連絡させていただきますが、よろしいでしょうか」と伝え、その後は①と同じ対応をします。相手がその時間の都合が悪い場合は、「それでは、お電話を頂戴したことを申し伝えます。ご伝言がございましたら、承りますがよろしいでしょうか」と伝えます。③担当者が休暇の場合「あいにく〇〇は△日まで休暇をいただいております。◯日に出社予定です。お電話をいただきましたことを申し伝えますが、伝言がございましたら、承ります」と伝えるようにします。伝言がある場合は、メモを作成します(図3─1参照)。書くポイントは、次の3つです。・誰へ……誰宛ての伝言かを明確にする・誰から……先方の会社名・部署名・名前を確認・用件(5W3H)……WHEN(日時)、WHERE(場所)、WHO(誰が)、WHAT(目的)、WHY(理由)、HOW(方法)、HOWMUCH(金額)、HOWMANY(数量)図3─1のように、既製品のメモや、メモをパソコンで印刷して手元に用意しておくと、すぐに対応できて便利です。伝言を書いた後は、メモを担当者のデスクに貼って床に落ちないようにしましょう。

3│電話で道案内するときは「労いの言葉」をかかってくる電話の中には、会社までの道案内を求めるものもあると思います。道に迷ったときは、誰しも不安なものです。そんなときに電話で感じのいい対応をしてもらえると、その後の足取りも軽くなりますよね。道に迷ってしまったという電話を受けたときは、「それは大変でしたね」などと、相手を労う一言を入れると好感度がアップします。さらに、次のようなご案内を心がけましょう。「今どちらにいらっしゃいますか。目の前にどのような建物が見えますか」などと伝え、まずは相手の位置を確認します。相手の位置がわかったら、「〇〇を背にして」「〇〇を正面に見ていただいて」などと、進むべき方角を伝えます。「〇〇という看板が見えたら、そのまま約◯メートル、約何分程度歩いていただけますか」と伝えましょう。そうすることで、相手はどのくらい歩けば良いのか、見当をつけることができます。最後に「どうぞお気をつけてお越しください。また迷われることがありましたら、ご連絡ください」などと伝えると、安心していただけるでしょう。4│目上の人と話すときは「応対用語」を使う電話であれ対面であれ、お客様と話をする際に知っておきたいのが、ビジネス敬語(応対用語)です。応対用語とは、ビジネスシーンで相手を敬いながら、よりわかりやすくお伝えするための言葉です。たとえば、「わかりました」という言葉は敬語表現ですが、ビジネスシーンでお客様や目上の方と話すときは、「かしこまりました」「承知しました」と伝えることがマナーとなります。つまり、たとえ正しい敬語を使っていても、しかるべきときに応対用語を使っていないと、ビジネスシーンでは「この人、大丈夫かな」と思われてしまう危険性があるのです。図3─2に応対用語の一覧をまとめたので、参考にしてください。

5│来客対応時は「よろしいでしょうか」と確認を職場にいると、来客を案内するケースがあると思います。とくに来客対応はやり方次第で、会社の印象を大きく変えてしまうことがあります。対応するときは、「会社の顔」としてふるまうことが大切です。◆アポイントメントがある人へのご案内「〇〇様、お待ちしておりました。ただ今〇〇(担当者)に取り次ぎますので、少々お待ちください」◆アポイントメントがない人へのご案内「〇〇(担当者)でございますね。ただ今確認してまいりますが、失礼ですが、どのようなご用件かお伺いしてもよろしいでしょうか」アポイントメントがなくても、訪問者が大切なお客様である可能性もあります。単に「失礼ですが、どのようなご用件ですか」と聞くだけではなく、「よろしいでしょうか」と、相手に委ねる言い方にすると、感じがよくなります。6│応接室に入る前には必ず「ノック」をお客様を応接室にご案内するときは、安心していただけるよう、丁寧な対応を行いましょう。そうすることで、お客様に「この会社は社員教育がちゃんと行き届いているな」と、好ましく感じていただくことができます。その一方で、対応がよくなければ、担当者に面会する前に不快な気持ちにさせてしまいます。大切な商談であればなおさら、それは避けたいですよね。次のように、お客様の立場に立ったご案内を心がけましょう。①行き先を告げる「応接室にご案内します」などと、行き先を告げてから案内します。あらかじめ行き先を告げることで、お客様に安心していただけます。②お客様の先導ご案内の際には、お客様の1メートルほど前を歩き、案内をする人は左側、お客様には右側を歩いていただくことがマナーとなります。段差がある場合などは、「段差がございますのでお気をつけください」と声かけをしましょう。③エレベーターのご案内エレベーターに乗る際は、案内者が先に入って操作ボタンの前に立ち、開くボタンを押して来客がエレベーターに乗られるのを待ちます。エレベーター内にすでに人が乗っている場合は、エレベーターホールの開くボタンを押したまま、来客に先に乗っていただきます。降りる際には、開くボタンを押しながら来客に先に降りていただきます。その際に「降りて右手でお待ちください」などと、お降りになった後の方向を伝えておくと丁寧です。④応接室へのご案内応接室に入るときには、念のため扉をノックし、誰もいないことを確認します。その後、お客様に「こちらにお入りください」と伝え、先に入っていただきます。そして、「こちらにどうぞ」と、上座へ案内します(図2─2参照)。担当者がいない場合は、「こちらで少々お待ちください」と伝え、声かけをして退室します。すでに担当者が応接室で待機している場合には引き継ぎ、「失礼いたします」と言って退室しましょう。

7│お茶出しではカップと受け皿を分けて運ぶ来客の方にお茶出しをするときは、タイミングとスムーズなふるまいがポイントとなります。お客様を待たせている場合はすぐに対応し、お客様が担当者と挨拶をしている場合は、挨拶が終わるタイミングでお出しします。お茶出しをするときは、担当者との会話を遮らないように注意しましょう。

①入室扉の外で挨拶が終了しているかどうかを確認してから、ドアをノックします。挨拶をしている最中に入室すると、お客様が起立されている可能性もあり、挨拶の邪魔になることもあるため注意が必要です。ドアが開いている場合でも、必ずノックしましょう。ドアを開けたら両手でお盆を持ち、「失礼します」とお辞儀をして入室します。②セッティングサイドテーブルがある場合は、そこにお盆を置いてお茶をセッティングします。サイドテーブルがない場合は、テーブルの上座に置きます。湯呑みと茶托(グラスとコースター)はテーブルの上でセッティングをします。運んでいる間にお茶がこぼれ、茶托が濡れてしまうと大変です。見た目にも美しくないので、必ずセッティングは運んだ「後」で行いましょう。茶碗を使用する場合は、柄がお客様から見て正面にくるようにセッティングをします。ソーサーを使用してコーヒーや紅茶などをお出しする場合には、取っ手が右手になるようにします。ティーカップなどの場合は、取っ手が左手にくるようにセッティングしましょう。

③お茶出しお茶のセッティングができたら、上座のほうから順にお茶出しをします。お客様の右後方から「失礼します」と声をかけ、飲み物をテーブルに置きます。会議の最中で声かけが会話の妨げになってしまいそうな場合には、声かけをせず、そっとテーブルに置きます。④退室お茶を出し終えたら、お盆を左脇に抱えて、ドアの前で「失礼します」と、お辞儀をして退室します。8│お見送りはお客様が見えなくなるまで行う最後のお見送りの印象が悪いと、それまで好印象を得ていても、台無しになってしまいます。最後まで心を込めて応対しましょう。打合せや会議が終わったら、お客様が立たれてから席を立ちます。こちらが先に立ってしまうと、帰りを促しているように見えるため注意が必要です。退室するときは先回りしてドアを開け、お客様を先にお通しします。エレベーターの前でお見送りする場合は、エレベーターのボタンを押し、エレベーターが来るのを待ちます。エレベーターが来たら「開くボタン」を押したままの状態でお客様に入っていただきます。そしてエレベーターが閉まるまでお辞儀をし、お見送りします。出口までお見送りする場合は、出口までご案内をした後に感謝の言葉を伝え、お辞儀をします。その後はお客様の姿が見えなくなるまでお見送りします。お客様が乗車される場合、ドアマンがいないときは、お礼とご挨拶をした後、車のドアを開けてお客様を車内にご案内します。扉が閉まったらお辞儀をします。お客様の車が見えなくなるまでお辞儀をし、丁寧に見送りましょう。

1│人と接するときは「距離感」を意識するパーソナルスペースという言葉を聞いたことがあるでしょうか。人が近づいてきて不快に感じない距離感のことを言います。人により、他人と接するときの心地良いと感じる距離感は異なります。その人のパーソナルスペースに合ったコミュニケーションを取ることで親近感が増し、近しい関係となることができます。一般的にパーソナルスペースは、次のように定義されています。①公衆距離3・5m以上講演会や演説、公共の場などでの距離感です。見ず知らずの人と接する際に不快に感じない距離感となります。②社会距離1・2~3・5m職場の同僚や上司、取引先との距離感です。会議や打ち合わせなどでは、この距離感を保つようにすると良いでしょう。③個体距離45㎝~1・2m親しい友人や同僚との距離感です。手を伸ばせば届く距離で普通に会話するときには、この距離感を意識しましょう。④密接距離0~45㎝家族や恋人などスキンシップを行っても不快に思わない、ごく限られた人だけの距離感となります。その人の考えるパーソナルスペースによって、コミュニケーションの取り方は変わると言われます。パーソナルスペースは狭い(相手との距離が近い)、広い(相手と距離を取りたい)と表現されます。パーソナルスペースが狭い人は「人懐っこい人」で、パーソナルスペースが広い人は「人見知り」という表現をするとわかりやすいかもしれません。◆パーソナルスペースが狭い人親和性欲求が強く、社交的な人が多いのが特徴です。コミュニケーションもボディタッチが多い、話すときの距離が近いという特徴が挙げられます。最初から親近感を持って接してくれる人が多いので、堅苦しい態度だと、相手が気にする場合もあります。◆パーソナルスペースが広い人人見知りで初対面の人と会話することが苦手、慎重で警戒心が強いといった特徴があります。そのため、初対面でなれなれしい態度を取ったり、急に距離感を縮めたりすると、相手に警戒されてしまうか、失礼な人という印象を与えてしまうことがあります。◆パーソナルスペースの探り方初対面の人や、距離を感じる人と接するときには、相手のパーソナルスペースがどのくらいなのかを意識してみましょう。自分以外の人に対して、どのような距離感で接しているのかを観察することでもわかりますし、失礼にならない程度に距離を縮めて相手の反応を見ることで明らかになるケースもあります。こちらが距離を縮めて、相手に上半身を反らすなどの反応が見られた場合には、即座に距離を置くことが必要です。コミュニケーションを取るときには、どうしても自分のパーソナルスペースを優先させてしまいがちです。相手のパーソナルスペースを知り、それに合わせたコミュニケーションを取ることで、近しい関係となることができます。2│「が」を「も」に変えるだけで印象が変わる人と話すときは、普段使っている言葉を一文字変えるだけでも、よい印象を与えることができます。たとえば次のようなケースです。例花がきれいですね→花もきれいですね先の例では、「花」がきれいと伝えていますが、花「も」とすることで、花を持っている人、花がある場所もきれいだと称賛することができます。花だけを褒められるより、きっと気持ちよく感じていただけるはずです。例コーヒーでいいです→コーヒーがいいです右の上の例は、コーヒーを飲みたいという意思ではなく、「仕方がないのでコーヒーでいいです」というニュアンスを感じさせてしまいます。「お飲み物はコーヒーと紅茶、どちらがよろしいですか」などと聞かれた際には、「ありがとうございます。コーヒーがいいのですが、お願いできますでしょうか」と前向きに答えるようにしましょう。例あなたでお願いします→あなたにお願いします前の文章と同じように、「で」とすると、あなたで間に合わせるというニュアンスになりますが、あなた「に」とすると、あなただからこそお願いしたいという気持ちが伝わります。感じのいい人は、こうした一文字にも気を配りながらコミュニケーションを取っています。たった一文字変えるだけでも、印象は全く異なります。何気ない会話の中でも、意識して言葉を発するようにしましょう。3│アゴを内側に引いて話すと上品に見える

話すときに品よく見せるには、「語尾の伝え方」もポイントになります。語尾の音声が強いとぶっきらぼうに感じられてしまいます。怒っていないのに「怒っていますか?」などと聞かれた経験がある方は、語尾の発声を変えるだけで印象を柔らかくすることができます。また、「語気」と言って、言葉の勢いが強いと、それだけでキツイ印象になりますので、語尾を丸めるように話します。言葉を発する瞬間に、少しアゴを内側に引くようにすると、音が柔らかくなります。ただ、語尾の音が柔らかいだけだと、自信のない印象になってしまいます。柔らかな音でもはっきりと伝えることを意識しましょう。その際、語尾が上がると軽い印象を与えますので注意が必要です。落ち着いたトーンで、かつ柔らかい音で発声することを意識するだけで、上品な印象に変わります。4│舌を前歯の裏に置くと好感度が高くなる仕事をしていると、気がつくと表情が険しくなっていることはないでしょうか。何かに集中しているときや考え事をしているとき、人は険しい表情になりがちです。しかし、好感度の高い人が急にマイナスの表情になってしまうと、マイナスの表情のほうが相手の記憶に残ってしまうため、注意が必要です。表情のスイッチがオフになっているときも好感度を下げないようにするには、タングスポット(舌の位置)がポイントになります。常に舌を上アゴの前歯の裏の位置に置くことで自然と口角が上がり(イラスト参照)、穏やかで好感度の高い表情になります。

最初は難しいかもしれませんが、習慣化することで、いつでも好感度を高める表情に変わります。5│相づちは相手の話に合わせて変える会話をする際は適切な相づちを打つことで、相手がより話しやすくなります。しかし、無意識のうちに失礼な相づちを入れることがあるかもしれません。いつも同じ相づちばかり打っていると、相手に「この人、ちゃんと私の話を聞いてくれているのかな」と思われてしまいます。相づちを入れるときは、次の例のように、相手の感情や話の内容によって異なる言葉を選びましょう。・肯定、同意……そうですね。左様でございますか。おっしゃる通りです。・驚き……びっくりしました。知らなかったです。存じ上げませんでした。・悲しみ……それはお辛いですね。大変でしたね。・落胆……がっかりされましたね。肩を落とされたのではないでしょうか。・喜び……それはうれしいですね。良かったですね。おめでとうございます。6│会話に詰まったときは前の会話を深掘りする初対面で会話に詰まると、気まずい思いをすることもあるかもしれません。そんなときは少し前の相手の会話を掘り下げて質問すると、会話が弾みます。たとえば、「そういえば、先ほど伺った御社の〇〇のお話ですが、いつ頃から取り組んでいらっしゃるのですか?」のように、相手が提供してくれた話題に関する質問をしてみましょう。相手の話をきちんと聞いていたということが伝わり、印象がよくなります。7│横を見るときは一度手元に視線を落とす人は相手の言葉以外の様子からも情報を受け取り、印象を決めています。表情や視線、身ぶり・手ぶりなどの言語以外で行うコミュニケーションのことを「ノンバーバルコミュニケーション」と言います。ノンバーバルの領域を磨くことで、より一層好感を与えることができます。ここからは、ノンバーバルコミュニケーションの中でも大きな役割を占める「視線の使い方」についてお伝えします。視線一つでガサツな印象に見えてしまうこともあれば、その一方で上品な印象を持ってもらうこともできます。とくに注意したいのが、「横目」と言って、顔の向きを変えずに目線だけを動かす視線です。横目は、相手にとても不快な印象を与えてしまいます。横を見るときは、いったん自分の手元に視線を落とし、きちんと相手に顔を向けて視線を送るようにすると上品に見えます。このような視線の使い方をすることで、話をしている相手はもちろん、周囲の人たちからも好印象になります。8│1対1で会話するときは「相手の片目」を見る人と会話をするときは「相手の目を見ること」と、幼い頃から教わってきた方も多いと思います。もちろん相手の目を見て会話をすることは大切ですが、相手の目を直視すると、相手に緊張感を与えてしまうことがあります。これを私は「直視のタブー」と呼んでいます。異性に対する場合には、直視することは性的対象として見ているというメッセージを送ることにもなりかねず、あらぬ誤解を与えてしまうケースもあるため、注意が必要です。1対1で会話するときは、相手の片目だけを見ることを意識してみてください。左右の目どちらからでも構いません。相手の片目に視線を集中させ、その後、相手の鎖骨のあたりに目線を落とします。次に、相手の反対の目を見るといった視線の運び方をしてみましょう。

これを「視線のV字移動」と呼びます。視線を外すタイミングは、相手が視線を外すタイミングに合わせます。相手がなかなか視線を外さないときは、自分が疲れたタイミングで外しましょう。V字移動を取り入れると直視よりも柔らかい印象になり、相手に「目を見てきちんと会話をしてくれている」というメッセージを伝えることができます。実際に、私の講座で行うワークの中で、直視して相手と会話をしたときと、V字移動で会話をしたときの体感時間の長さについてヒアリングをしたことがあります。すると、参加者全員が、V字移動で会話をしたときのほうが時間が短く感じると話していました。実際には直視して会話をしたときの時間のほうが半分の時間であるにもかかわらずです。視線が心地良いと、会話の体感時間が短くなるのですよね。

9│1対多数で話すときは「一人の目」を見て話すでは、1対多数で会話をするときはどうでしょうか。セミナーやプレゼンなど、1対多数のときは、どんなに聞き手の人数が多くても、一人の人を見て話します。そして話の区切りがきたら、次の人に視線を移していくのです。このような視線を送ることで、聞き手は「自分に話してくれている」という印象を抱いてくれるようになります(図4─1参照)。

10│プレゼンは話すことに集中するとうまくいくプレゼンの話が出たので、ここで少し、プレゼンする際の話し方のポイントについてもお伝えしたいと思います。相手が商品を購入したくなる話し方と、聞いている人に興味・関心を持ってもらい、すぐに行動に移してもらう話し方には、大切な共通点があります。その一つが、プレゼン前の準備です。人前で話をするときに、原稿を準備される方も多いかもしれません。ですが、原稿を準備することは、とくに人前で話すことが苦手な方には、あまりおすすめしません。原稿を準備してしまうと、原稿を忘れてしまったときに言葉が出なくなってしまいます。これは、原稿を丸暗記しようとしてしまうからだと考えられます。また、原稿を用意すると接続詞まで丸暗記をしてしまうので、プレゼン当日、接続詞を一つ間違えただけでも緊張してしまいます。聞き手にとっては、接続詞や「てにをは」の間違いなどは全く気になりませんし、文脈が変わらなければ問題ありません。そのため、私のセミナーを受講する方には、原稿を準備しないようにと伝えています。その代わりに、次の方法で文章を組み立てて準備してもらっています。❶話したいテーマ(結論)を決める❷テーマや結論に説得力を持たせるための具体的な事例を考える❸話す順番を決めるこのように、話すことにだけ集中することで、仮に考えていた言葉が一文抜けてしまっても、落ち着いて話せるようになるのです。たとえば、カメラに興味を持つお客様に、商品のプレゼンをする場合に当てはめて考えてみましょう。例カメラは必要だけれども操作が面倒。そうしたお客様の声にお応えすべく、弊社が開発したのがこちらのカメラです。お孫さんの写真を撮りたい、リタイア後に趣味で写真を始めたい。高齢者の需要は高まっていますが、その一方でますますデジタル化が進み、操作方法が複雑化したことで、スマートフォンで気軽に撮影することを難しいと感じる方も増えています。そこでこちらのカメラは、操作に従うことで音声での案内を可能にしました。高齢者の方でも、被写体にピントが合うようになっています。もしピントがズレてしまったときには音声で案内をするので、カメラ初心者でもプロが撮影したような写真を撮ることが可能です。ですが、その分本格的なカメラの技術を求める方には物足りない仕様になっているかもしれません。このカメラにはマニュアルモードも搭載していますので、本格的なカメラの仕様を好まれる方はマニュアルモードでの対応が楽しめます。ご夫婦で使用される場合、写真好きなご主人はマニュアルモードで、手軽にお孫さんのベストショットを撮影したい奥さまはオートモードで、と、ニーズに合わせて使用していただくことが可能です。このように、実際に使用するイメージや、商品のデメリットをカバーする点などを盛り込むことで、より魅力的なプレゼンに変わります。

11│プレゼンでは「主語」を意識して話すプレゼンなどでもそうですが、人前で話をするときに、聞き手に共感してもらいたいときは、主語を意識すると共感してもらいやすくなります。主語が変わると、聞き手が「自分ごと」として捉えることができます。次の2つの文章を比べてみてください。・人はいつでもこのような思考に陥りがちです。・私たちはいつでもこのような思考に陥りがちです。同じ意味の文章であっても、「人」といった一般的な言葉を使うよりも、聞き手も含まれた言葉を使うことで共感を呼ぶことができます。「スピーチの達人」と言われたアメリカのオバマ元大統領も、「我々」という言葉を頻繁に使って聴衆を引き込むことで、共感を生みました。そのほかにも、語尾の発声の仕方や表情に気をつけると大きく印象が変わり、共感を得やすくなります。第4章の3~4で紹介していますので、不安な方はプレゼン前に再度読んでおくと良いでしょう。12│話を聞くときは「ストライクゾーン」に視線を送る

自分ではきちんと話を聞いているつもりなのに、「話を聞いている?」と言われてしまった経験はないでしょうか。「あなたの話をきちんと聞いている」というメッセージを相手に伝えるには、次の視線の使い方を意識してみてください。相手のバストトップから頭上までを四角く囲った範囲を「視線のストライクゾーン」と言います。対話をしているときに、視線がストライクゾーンから大きく外れると、「きちんと話を聞いてくれているのかな?」と、相手が不安な気持ちになります。視線を外すときは、相手のストライクゾーンの中で外すようにすると、「話を聞いてない」という印象を与えずにすみます。

13│世代が異なる人の話は「気持ち」に着目する取引先の方と話すとき、世代が違うと話題が噛み合わず、苦痛に感じることもあるかもしれません。自分が知らない話やなかなか興味の持てない話題が多くなる傾向にあるためです。興味のない話題で会話を成立させるのは難しいですよね。そのようなときは、相手が話している内容よりも、その内容を伝えている「気持ち」にフォーカスすると、話がしやすくなります。たとえば次のようなイメージです。取引先の方:「我々の若い頃は、上司に毎晩飲みに付き合わされたものだけど、最近は若い子を飲みに誘ったりするのも気を遣っちゃうんですよ」あなた:「〇〇さまのように気遣ってくださる方がいらっしゃるからこそ、私たち若い世代は恵まれているのかもしれません。私などには想像もできませんが、上司とのコミュニケーションも、私どもの世代よりもご苦労されてきたのでしょうね」相手の話題を深掘りしてしまうと、昔話に花が咲いて、あなたの興味からどんどん遠ざかってしまう可能性があります。世代が異なる方の話題に興味が持てないときは、相手の気持ちにフォーカスして返答をする習慣をつけると、スムーズに会話がしやすくなります。

1│メールは「件名」で印象が決まるメールを送る際には、次のことに注意しましょう。◆件名ビジネスメールでは、必ず件名を入れましょう。用件がわからないと、開封されないケースも出てきてしまいます。「お世話になっております」といった件名ではなく、「〇〇の件についての回答」のように、ひと目見てわかる件名を心がけましょう。◆メール本文文頭には「株式会社〇〇〇〇部〇〇様」のように、先方の社名・部署名・名前を入れます。社内の人とやりとりする場合は、「◯◯さん」などと書き、部署名などは省略して良いでしょう。冒頭の挨拶文は手短に表現します。「いつもお世話になっております。〇〇会社の〇〇です」本文では、用件を簡潔に伝えましょう。箇条書きにできる部分は端的にまとめ、数字で伝えられる部分は数字を入れて伝えます。日付や曜日、時間などを書く場合は、誤りがないかどうか、送信前に確認しましょう。用件を書き終えたら、文末に次のような締めの挨拶を入れます。「ご対応(ご確認)のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」たとえば商品のご案内を送る場合は、図5─1の上のようなイメージです。サンプルなどを持参したい場合は、数や日程の確認が必要となりますので、必要数を明記していただくよう促します。会食のお礼をメールで伝えるときは、会食で話した内容などを盛り込みましょう(図5─1の下)。

このとき、仕事の用件も一緒に送ってしまうと「ついで」のような印象を与えかねませんので、別に送ることをおすすめします。◆署名(シグネチャー)を入れる文末には署名欄を作り、会社名・部署名・役職名・氏名・住所・電話番号・FAX番号・メールアドレス・ウェブサイトのリンクなどを入れておきます。このとき、「♡」や「☆」などの記号を使った過度な装飾は避け、最低限の情報を入れるようにします(図5─6参照)。◆一斉送信メールに要注意メールには宛先(To)のほかに、Cc(受信者に同時送信者がわかる)とBcc(受信者に同時送信の相手がわからない)があります。一斉送信のメールをCcで送ってしまうと、メールアドレスなどの個人情報が流出するだけではなく、受信者が不快な思いをすることがあります。送信前に、必ず宛先の確認をしましょう。私は、メールがきちんと配信されているかどうかを確認するために、Bccに自分のメールアドレスも入れて送るようにしています。2│返信するときは件名に「回答」と加えるメールは受信後、1~2日以内に返信をします。文頭の挨拶で一言「ご連絡ありがとうございます」と加えるとより丁寧です。1~2日での返信が難しい場合は、その旨を先方に伝えます。また、返信する際は件名を変えずに「Re:」で返信をします。ただし、「〇〇の件」で来たメールに対して「Re:〇〇の件の回答」などと加えると、先方がよりわかりやすくなって丁寧な印象を与えます。3│「添付ファイル」はメール本文で触れる添付ファイルがある場合は、送信時に添付漏れがないか必ず確認します。本文中にも「添付のファイルをご確認ください」と一言付け加えておくと、先方も気づきやすくなります。添付ファイルの容量にも気をつけましょう。4│社内メールにプライベートなことを書かない社内メールは、社外メールよりも伝達要素が強くなりがちですが、正しいマナーを知っておくと、受信者に不快な感情を持たれずにすみます。社内メールでも、件名に気をつけるほか、宛名は、肩書がある方の場合は「◯◯部長」などと書きます。目上の方の場合は社内の人間であっても「〇〇様」、同僚や後輩などには「〇〇さん」とします。社内メールでプライベートな内容を伝えることはマナー違反です。メールを送る際は、私用などを書かないように気をつけましょう。5│メールを転送するときは原文を書き換えないメールを転送する際も、送信先に誤りがないかどうか、入念に確認をしましょう。なお、メールを転送するときは、転送元のメールの原文は書き換えないことがマナーとなります。また、転送元のメールアドレスや個人情報など、あなたがメールで知り得た情報を勝手に流出させることのないように注意しましょう。個人情報などを転送する場合には、面倒でも必ず転送元の許可を取るようにします。6│目上の人にメールで依頼するときは「疑問形」にメールを社外の方に送る際は、次の点を意識しましょう。◆催促メールを送るとき社外の方に返信の催促を行うとき、件名に「至急」と入れて送るのは大変失礼にあたります。「◯月◯日が期日となっているのですが、この期日までにお願いすることは可能でしょうか。難しい場合には、遠慮なくおっしゃってください」などと一言添えると良いでしょう。また、入金の確認などをメールで行う場合には、「すでにご入金をいただいておりましたら大変申し訳ないのですが」などと、一言断ったうえで用件を伝えるようにします。◆目上の人にメールを送るとき目上の方に対してとくに誤解が生じやすいのは、依頼のメールになります。目上の方に依頼をする際には「〇〇についてお願いします」ではなく、「〇〇についてご教示いただけないでしょうか」のように、疑問形にして表現するようにすると失礼にあたりません。◆親しい相手にメールを送るときビジネスシーンでは「親しき仲にも礼儀あり」です。打ち解けたからといって失礼があると、業務にも支障をきたす場合があります。打ち解けた相手にメールを送るときは、「〇〇さんのおかげでいつも本当に助かっております」「〇〇さんが先日おっしゃってくださった言葉がとても励みになっております」などと、感謝や労いの言葉を書いたり、人柄について触れたりすると、関係性がより良くなります。7│値引き交渉のメールには「希望金額」を書くメールで金額の値引きなどをお願いする場合は、どのくらいの金額の値引きを希望しているのかを明記しましょう。金額の提示がないと、上層部に相談する場

合や検討する場合に、交渉ができないからです。「ご提示いただいた金額が弊社の予算を20%ほど超えておりますので、金額のご相談をすることは可能でしょうか。もしご相談できるようでしたら、ぜひ貴社の商品を取り入れたいと思いますので検討いたします。再度ご検討いただけますと幸いです」といった具合です。メールでの交渉が難しい場合には、再度アポイントメントをいただけるよう交渉をしてみます。その際には、こちらもできるだけ先方の希望に沿った提案ができるように努力していることを伝えましょう。「弊社の商品をご検討いただきまして、誠にありがとうございます。上司とも相談をしまして、再度対面でお話しする機会をいただくことは可能でしょうか。できるだけ貴社のご希望に沿う提案となるよう尽力しますので、ご検討のほどどうぞよろしくお願い申し上げます」といった感じです。8│丁寧な印象を与えたいときは「文書」が有利以前、対面で会ったときは印象のよかった方であっても、文書を見てとてもがっかりした経験があります。実際にお会いしたことがない場合は、文書だけで人柄を判断されてしまうケースもありますので、注意が必要です。普段はあまりないかもしれませんが、ビジネスシーンでは、FAXや封書で文書を送る機会は多いものです。ビジネス文書のマナーがしっかりしているだけで、相手に会えなくても信頼を得ることができます。近年はメールでやりとりする機会も多いと思います。急ぎの連絡や地図などを送るときはメールが適していますが、大切なご案内や書類、挨拶状などで丁寧な印象を与えたいときは文書を用います。最近では、メールで急ぎの用件を伝えた後に、文書をお送りすることも増えてきました。ここでは、取引先など社外の人に向けた文書作成のマナーをお伝えします。社外文書には、①取引に関わる「業務文書」と②業務を円滑にする「社交・礼儀上の文書」の2種類があります(図5─2)。どちらも相手を尊重し、失礼のないよう丁寧に書きましょう。

9│相手に上品な印象を与える「頭語と結語」社外文書では、いきなり本文に入らず、文章の始まりに頭語(拝啓など)、文末に結語(敬具など)を入れて表現します。頭語と結語を入れることで丁寧な表現となるほか、相手を敬う気持ちを伝えることができます。図5─3に、頭語と結語の組み合わせをまとめています。場面によって使い分けましょう。

10│書くときに迷わない「通知状」の書き方業務文書であれ、社交・礼儀状の文書であれ、いずれも正確で簡潔な内容が求められます。ここでは業務文書のうち、通知状(記念式典のお知らせ)の書き方についてお伝えします。図5─4をご参照ください。

ポイントは、挨拶文の後に、記念式典の実施日時、場所などの詳細を箇条書きにするところです。頭語と結語も使用し、当日の概要が端的に伝わるようまとめます。11│気持ちが伝わる「詫び状」の書き方業務を円滑にするための社交・礼儀上の文書の中に、「詫び状」があります。これは、社外のお客様に対して、こちらの不手際によって不利益を与えたことをお詫びする文書のことです。先方に失礼のないよう、率直な謝罪を心がけるとともに、ミスが起こった原因や経緯に対してもきちんと伝えましょう。図5─5のように、冒頭の挨拶・起こったことへのお詫び・対応策・結びの言葉を端的に伝えます。

お詫びの文書は、問題の発生が発覚した後、迅速に作成・対応します。遅くとも、問題が発覚してから2~3日以内に対応するようにしましょう。12│異動・転職するときは「挨拶状」を必ず送る異動や退職、転職する場合には、お世話になった方へ挨拶状を送ります。このお知らせを怠ると、後任者への引き継ぎをはじめとする業務が円滑に進みません。相手に迷惑をかけますので、注意が必要です。異動の挨拶文書は正式な辞令が出てから、転職の挨拶文も同様に、退職するタイミングで送るようにしましょう。挨拶状には、「、」や「。」などの句読点を入れません。文章に句読点をつけることは、相手を子ども扱いすることにつながるためです。また句読点には文章を「切る」意味もあることから、句読点を使わないことで、ご縁を切らない意味もあるとされています。最近では、メールで異動や退職、転職の挨拶をする機会も増えてきました。メールで送る場合は、図5─6を参考に書いてみましょう。

なお、急な異動のときにはメールでお送りしても失礼にはあたりませんが、目上の方や異動までに時間的な余裕のある場合には、図5─7のように、文書でお送りすると丁寧な印象を与えます。

13│挨拶状の返信には「エピソード」を入れる挨拶をいただいた後の返信メールでは、挨拶に対するお礼のほかに、送り主にお世話になったエピソードについても一言触れると、より印象深い返信となります。一例を紹介します(改行は省略)。「お世話になっております。異動(退職)のご挨拶をいただきありがとうございました。ご一緒したプロジェクトで、◯◯様の柔らかな接客を通して多くのことを学びました。私の営業人生の転機となった出来事と言っても過言ではありません。新しい部署(職場)でもさらなるご活躍を祈念いたします。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」14│請求書は「和封筒」、案内状は「洋形封筒」ハガキに印刷されていない案内状や請求書・見積書・詫び状・重要な文書、他人に見られたくない文書、複数枚にわたる文書などは、封筒に入れて郵送する場合があります。書類ごとに使う封筒は異なるため、知っておくと便利です。❶和封筒……蓋が封筒の辺の短いほうにある封筒で、一般的な社封筒や茶封筒が該当します。見積書や請求書などを送るときに用います。「角形封筒」は、折り畳みをしたくない書類やパンフレットの送付時などに使用します。「長形封筒」は、折り畳みをしても差し支えない書類の送付時に使います。それぞれ書類のサイズに合うものを選びましょう。長形封筒に書類を入れる際は、3つ折りにします。❷洋形封筒……フタが封筒の長い辺にある封筒で、招待状や案内状の送付に用います。「ダイヤモンド貼り」は、招待状など、フォーマルなお知らせを送る封筒として適しています。「カマス貼り」は開口部が広いので、DMや、送付する書類が多いときに最適です。

15│封筒の裏には「〆」と書いて封をする次に、封筒の表書きや裏書きの書き方をお伝えします。手書きの場合は、字に自信がなくてもいいので、丁寧に書くようにしましょう(図5─8参照)。

❶住所は、郵便番号の欄から1文字空けて書き出します。数字は漢字で記しましょう。横書きの表書きでは、封筒の端から2文字空けたところから書き始め、算用数字を用います(裏書きも同様)。❷会社名は、住所の下に一文字空けて書きます(表書き、裏書き共通)❸部署名は社名の横に、さらに一文字空けて書きます。裏書きの場合は、部署名を名前の上に、名前よりも小さな文字で記します。部署名が5文字以上の場合は名前の横に小さく書きます。❹役職名は、5文字以下であれば名前の上に、5文字以上の場合は、名前の横に小さく記します。❺日付は封筒の左上に、投函日を和暦で記します。横書きの場合は、西暦で記載しましょう。❻封筒を閉じたら、封印の印として「〆」と記載します。封をした後に「〆」と記すことは、受け取り手以外の第三者が開封していないことを意味します。「〆」よりもより丁寧なものが「緘」となります。重要書類などには「緘」と記します。封緘印でも構いません。封はセロハンテープやシールは見た目もよくないですし、剥がすことができるので、必ず糊づけをするようにしましょう。16│年賀状を送ると気持ちが伝わりやすい日本では季節ごとに挨拶状を出す習慣があります。ここでは仕事上お世話になっている方にお送りする季節の挨拶状の書き方をお伝えします。友人や親戚に送るものとは異なり、失礼のない内容で、なおかつ相手を敬う内容であることが必要になります。近年は季節の挨拶をメールで行う場合もありますが、やはり古くからの慣例になぞって書面で送ると、お相手によっては気持ちが伝わるものになるでしょう。挨拶状は第5章の12でもお伝えした通り、句読点をつけずに書きます。◆年賀状の書き方元日から3日まで、遅くとも松の内(1月7日)までに届くよう送ります(地域により異なる)。取引先から年賀状をいただき、こちらがお送りしていなかった場合の返信も、松の内までに行いましょう。松の内を過ぎた場合は、2月4日の立春までは「寒中見舞い」として返信します。年賀状を書くときの注意点を図5─9にまとめます。

◆寒中見舞いの書き方寒中見舞いは、松の内(1月7日)を過ぎてから節分の日(2月3日)までに送るようにします。すでにお伝えしたように、年賀状の返信が遅れてしまった方への返信や、喪中ハガキを出していなかった方からの年賀状への返信として送ることもあります(図5─10)。

◆暑中見舞いの書き方取引先などへ送る暑中見舞いで伝える内容は、主に「日頃の感謝の気持ち」「先方の健勝を祈る言葉」の2つになります。例日頃は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます今後もより一層のお引き立てをお願い申し上げます酷暑の折ご自愛くださいませなお、通常ビジネス文書では挨拶状にも日付を入れますが、暑中見舞いの場合は日付ではなく、「令和◯年盛夏」や「令和◯年晩夏」とします。「盛夏」とは、梅雨明けから立秋までの期間を指します。8月上旬をすぎると「晩夏」となります。8月7日の立秋後は、残暑見舞いとしましょう。寒中見舞いの場合は「令和◯年◯月」のように、月まで記載します。17│FAXを送るときは忘れずに電話をFAXでビジネス文書を取引先などに送る際は、次の点に気をつけましょう。送付状には、受信者・送付文書の内容・FAX送信枚数・発信者を記載します(図5─11)。枚数の記載がないと、受信がきちんとできているかどうかの確認ができません。FAXを確実に受信者に届けるためにも、FAXを送信する前後に電話で確認を入れましょう。

大量の文書を送ってしまうと、送信に時間がかかります。受信する側もその間は他のFAXを受信できないため、業務に支障をきたすケースもあります。送る枚数は必要最低限にとどめ、10枚を超える場合はメールか郵送で送付しましょう。また送信したFAXは、受信先の誰が見るかわかりません。FAXでは機密情報や個人情報を送らないのがマナーとなります。

1│相手の意見は否定せず、意見を「委ねる」社内外問わず、相手の話を「聴くことができる」人は好感を持たれます。人は、自分の話を真摯に受け止めてくれる人に好意を持つからなのですね。社内では、日常的に同じ人と会話をする機会が増えます。自分では聴いているつもりでも、相手からは「話を聴いていない」と思われてしまうこともあるかもしれません。この章で紹介するマナーをマスターして聴き上手になり、好印象を持ってもらえるようになりましょう。◆話を聴くときの姿勢腕を組んだ姿勢やいすの背もたれにもたれかかった姿勢を取ると、相手の話に興味・関心がないように思われてしまいます。相手に失礼な印象を与えないようにするには、話を聴くときの姿勢に注意しましょう。背筋を伸ばし、胸を開いた姿勢を取ると、落ち着いて話を聴くことができ、印象もよくなります。

◆会話の途中で遮らない相手が話を終える前に会話を遮ってしまうことのないようにします。相手が話しやすいよう相づちを入れながら、最後まで話を聴くようにしましょう。◆否定的な言葉で返さない相手の会話に対して、「でも」「だけど」などの否定的な言葉で返さないようにします。否定的な言葉を入れることで、相手の会話する意欲を奪ってしまいます。反対意見を伝えたいときには、相手の話をいったん受け止めてから自分の意見を伝えるようにしましょう。「そうしたお考えもいいですね。私は〇〇というように考えたのですが、いかがでしょうか」などのように、相手に意見を委ねるようにします。◆アイコンタクトを取る相手が話しているときは、アイコンタクトを取りながら会話をするようにしましょう。第4章の8でもお伝えしたように、直視することは、相手に緊張感や威圧感を与えかねません。視線のV字移動を意識しながら会話をすると良いでしょう(視線のV字移動参照)。2│「会話の内容」と「表情」を合わせる寄り添うように話を聞いてもらえると、人は、「この人なら自分の話を否定せず受け入れてくれるのでは」と感じ、そっと本音を伝えたくなります。人の話を聴くときは、次の3点を意識してみましょう。◆相手の会話に表情を合わせる相手の話が楽しい内容であれば楽しそうな表情で、会話の内容が辛いものであれば、その辛さを表情で受け止めましょう。とくに、負の感情を受け止めるときは無表情になってしまいがちです。表情が乏しいと感じる方は、日頃から、鏡を見たときに自分の喜怒哀楽の表情を確認しておくと良いでしょう。◆感情を顔で表現する・喜……人は緊張すると、口元に力が入ります。喜びの感情を受け取るときは、口元をゆるめるようにしましょう。・怒……目に力を入れると、怒った表情になります。・哀……悲しいときには奥歯を食いしばるように、力が入ります。口元はゆるまないようにします。・驚……本当に驚いたときには、目の見開きが大きくなりますよね。驚きを表すときは、目元を見開くように意識しましょう。

◆感情に寄り添う言葉をかける人の話を聴くときは、どうしても起こっている事柄に目を向けてしまいがちです。ですが、会話をしている人が受け取ってもらいたいのは、起こっている事実ではなくて、その事実が生じたときに自分に湧き上がってきた感情です。相手は感情を受け止めてもらいたくて話をしている、ということを汲み取って話を聴きましょう。

例「取引先から無理な要望を言われて、それを上司に報告したら、私の伝え方が悪いと責められてしまったのですよね」NG例「そういうこともあるよ。気にしないほうがいいよ。きっと上司も虫のいどころが悪かったんじゃない」OK例「○○さんのせいにされてしまったのですね。いつも真摯に取引先に向き合っている〇〇さんですから、辛かったですね」◆讃える言葉を添える相手の話を聴くときは、日頃その人を見ていて感じたことを讃えながら聴くようにします。相手が初対面の方の場合には、その場の対応などに関心を示し、讃えるようにしましょう。先に紹介したOK例のように一言添えるだけで、相手の心に寄り添う話の聴き方(傾聴)となります。3│威圧的な人には「くり返し」が有効社内で威圧的な人と会話をすることが苦手という方は多いのではないでしょうか。相手のことを威圧的だと感じると、決断時や自分の意見を求められたときに萎縮してしまい、考えていることをきちんと伝えられないかもしれません。そうなると、相手がより威圧的になるケースもあります。ですが、たとえ相手がプレッシャーをかけてくるような人であっても、話を聴くときは「感情」にフォーカスします。相手の言葉に対して、否定することなく、承認の言葉を挟んでから自分の意見を伝えましょう。また、相手の言葉をくり返すことで、威圧的な人の感情を抑えることができます。例部長:A社の案件は、どうなってる?報告が遅いのではないかね。君はA社の状況についてどう思っているんだ?部下:A社の案件ですね。報告が遅くなりまして、気を揉ませてしまったのではないでしょうか。大変申し訳ございませんでした。部長がA社の〇〇部長に先にお話を通してくださっていたおかげで、とてもスムーズに商談が進みました。ありがとうございました。ですが、私としましてはA社の〇〇な状況が気になる点でしたので、部長の意見をお伺いしてもよろしいでしょうか。4│ハラスメントにならない聴き方・伝え方セクハラやモラハラといった様々なハラスメントが社会問題となっています。これは、自分の価値観を相手に押しつけて話を聴いてしまったり、会話をしてしまったりすることが原因の一つでもあります。「話の聴き方」を意識することで、ハラスメントと思われてしまうのを避けることができます。ハラスメントと思われやすい話の聴き方として、次のようなものがあります。・相手の話を遮る・自分が求める回答を相手に言わせる「何を求められているかわかるよな」・自分の価値観でジャッジする「女性だから、〇〇だと思うよ」「新入社員なんだから普通は〇〇だよね」・相手の話を最後まで聞かずに否定する「そうじゃないだろ」「もっと〇〇しないとダメじゃないか」・相手の話したいことに対して「そんな話はどうでもいいから」と発言する・相手の人格を否定する言葉を入れる「だから、お前はいつもダメなんだよ」「そうじゃないだろ」とくに自分の価値観でジャッジする・相手の話を最後まで聞かずに否定する話の聴き方はハラスメントになる可能性がありますので、注意が必要です。この章にある話の聴き方を知ることで、相手が気持ちよく話せるような場づくりを心がけましょう。そうすることで、あなた自身の印象もアップします。5│話すのが苦手な人には「二択の質問」が効く緊張しがちな人や、話すことが苦手な人と会話するときは、相手から言葉が出てくるまで待つことも重要です。「緊張していますか」などの声かけは、かえって相手を緊張させることがあります。相手の緊張がほぐれる世間話をする、相手がYESかNOで答えやすい質問をするなど、会話するきっかけを作ると良いでしょう。6│指示や依頼は「疑問形」で行うとうまくいくビジネスの場では、明確な指示がなければ業務がスムーズに進まず、責任問題に発展することすらあるかもしれません。明確な指示や依頼をしようと思うばかりに口調がキツくなってしまうと、威圧的に捉えられてしまいます。指示や依頼をするときは疑問形で行い、相手を労う言葉を入れましょう。NG例明日のプレゼンの資料を準備しておいて。OK例忙しいところ申し訳ないのだけれど、明日のプレゼンの資料を準備しておいてもらえますか?7│ミスなく、印象もよくなる指示や依頼の受け方指示や依頼を受けるときは、相手の意向と相違がないように必ず数字や期限を入れたうえで確認をします。

NG例かしこまりました。OK例かしこまりました。プレゼンの資料は何部、用意すればよろしいでしょうか。明日の会議までとなりますと、本日の終業までに用意できていれば大丈夫でしょうか。こうした受け方をするとミスが減り、依頼者も安心することができます。依頼者から細かな指示があった場合も、必ず復唱するようにしましょう。8│業務報告は「催促される前に」行う業務報告をするときは、上司や先輩にもその場の状況や進捗が伝わるよう、次の5点を意識して伝えましょう。❶業務終了後、直ちに報告をする・催促される前に行う❷簡単なことでも報告を怠らない❸指示を受けた人に直接報告する❹簡潔に述べる❺長期の仕事は中間報告をする進捗を報告するときは、必ず数字を入れて伝えます。また、指示されたことに対する進捗具合に加え、課題や問題点も報告します。課題や問題点を報告するときにも感情論ではなく、「なぜそう感じるのか」を数字やデータから分析して報告すると、知性を感じてもらいやすくなります。9│「改善策」を用意して相談すると好感度が上がる相手に相談事を丸投げすると、相手の時間を奪ってしまうことになります。「どうしたらいいでしょうか?」のように漠然と相談するのではなく、状況を分析し、具体的な数字を入れた改善策を含めて報告すると回答が得られやすくなり、好感度も上がります。次のようなイメージです。例「本日の売り上げが当初の予想を大幅に上回る前年比200%となり、店舗の在庫が不足しています。この売り上げは、本日の来店客がイベントから流れてきたことによるものと予想されます。明日もイベントは開催される予定なので、在庫が明日も不足することが考えられます。A店より在庫を100ほど借り入れる手配は済んでおりますが、よろしいでしょうか」10│相手が「YES」と言いたくなる話の進め方相手の提案に思わずYESと頷いてしまうときはどんな場合でしょうか。「自分の意向に合っているとき」だと思いませんか。何か提案を行うときは、事前に相手の意向を把握しておくことが必要です。そのために、相手がどのくらい自分の提案に譲歩できるのかを探る質問を準備しておくことが欠かせません。たとえば、職場で同僚から次のような相談を受けたとします。「上司が私にミスを押しつけるんだよね。私だけの責任になってしまって、もう会社を辞めてしまおうかと思っているくらいなの」このときあなたは、「会社を辞めるなんて早まらないで、まずは上司の誤解を解いてみたら」と、アドバイスを送りたいと考えたとします。ですが、その同僚が上司と会話をするのも嫌だという場合、あなたの提案は拒否されてしまいます。では、このケースの場合、どのように話を進めていけば良いでしょうか。①同僚の気持ちに寄り添う褒め言葉を入れながら、感情に寄り添う言葉をかけていきます。「それは辛かったよね。いつも〇〇さんは、上司に言われたことを実直にこなされているし、取引先にも真摯に対応されているものね」②現状の確認をするなぜそのように感じたのか、ほかにも同様のことがないかを確認します。「〇〇さんのせいにされたと感じているのですね。どうしてそう感じたの?今回のことのほかにも、同じようなことがあるのかな?」と、現状の確認をすることで、相談者がどのような状況から現在のような思いに至っているのかを推しはかることができます。③現状を確認したうえで、二者択一の選択をしてもらう現状が確認できたら、あなたの思う最適案と、別の未来を提示します。「もしも会社を辞めてしまうと、同じ条件で再就職することは難しいかもしれないですよね。一生懸命に頑張ってこられたからこそ、会社からの評価も上がっていますものね。上司と直接話をされるのが難しければ、第三者を介してそれとなく上司になぜ誤解が生じているのかを聞いてもらってはどうですか」と、A案とB案を提示します。提示するときは「誤前提暗示」といって、よくないほうの未来を先に提示します。後から聞いた未来のほうがよく思えるからです。そして選択を委ねると、相談者は自分で決定したことになります。大切なことは、相談者が自分で決めることです。人は自分で決めて行動したいもの。誤前提暗示が有効なのは、人の行動原則に当てはまるからなのです。

11│「承認」の言葉を加えると、相手のやる気が出る相手のやる気をアップさせるためには、相手の言い分を聞き入れ、日頃の行動などを褒めること(承認)が大切です。他人のできていないことに目が向きがちですが、注意するときは、必ず承認を行います。その人の過去の行動、考え方などを讃えるようにしましょう。唯一無二の存在であることを認める一言をプラスすることで、相手のモチベーションが上がり、やる気がアップします。例なかなかできることではないよね。あなただからできたんじゃないかな。12│苦手な人との会話では「まとめ」を意識する価値観が違ったり、会話のテンポが違ったりする人と会話をすると、違和感を覚えることがあるかもしれません。苦手な人と話すときは、まず、会話のスピードを合わせます。そして自分の価値観でジャッジをするのではなく、相手が伝えてくれた話をまとめるようにすると、会話が円滑になります。また愚痴を聞いたときは、自分も一緒に言わないように話をまとめ、相手の気持ちにフォーカスするようにします。例「Aさんが、私(B)がし終わった仕事を、再度確認するかのようにまたやり直すのよ。もう本当に嫌みったらしくて」「それはお辛いですよね。Bさんは日頃から周りに配慮して、Aさんに嫌な感情があっても表に出すことがないから、AさんもBさんの気持ちに気づかないのかもしれないですね」13│デリケートな質問は「世間話」でかわす中には貯金額などのデリケートなことを聞いてくる人もいます。質問に答えたくないが、場の雰囲気も壊したくないという場合は、世間話でかわします。相手「貯金ってどのくらいしているの?」自分「40代の人の平均貯蓄額って、〇〇くらいらしいよね」相手「どこに住んでいるの?」自分「東京から1時間くらいのところです」それでもしつこく尋ねてくる場合は、思い切って話題を変えましょう。「そういえば最近、郊外のスーパーって大型店舗が増えていますよね。都心よりもずっと買い物には困らないんですよ」話題を変えることで、答えたくない質問を回避することができます。

1│会食するときはお店に「目的」を伝える取引先との会食をセッティングするときは、会食が円滑に進み、参加者同士の関係性が深まるよう、次のような行動を意識しましょう。

①飲食店の選定会食の場所選びは、事前に会食の日時・参加人数、参加者の好みを調査しておくとスムーズです。接待の場合は、接待相手の好みをできる限りリサーチしておきましょう。何気ない会話の中から探ってみたり、社内で接待経験のある先輩や上司に聞いたりします。お店は周囲の音が気にならず、ゆっくりと話のできる場所がおすすめです。個室のあるお店であれば、安心して食事を楽しむことができます。②飲食店の予約予約するときは、飲食店の方に「はじめてのお客様で、商談が目的です」などと、会食の目的や同席者の好みを伝えます。すると、食事を出すタイミングなどを配慮していただける場合があります。参加者に苦手な食材がある場合は、別メニューでの対応が可能かどうかを確認しましょう。お店の人が配慮してくれるケースもあります。③参加者への連絡参加者に場所・日時を伝えます(図7─1)。このとき、出欠も確認しましょう。予約の人数に変更がある場合は、早めにお店に連絡を入れます。

④会食当日会食の当日は参加者が道に迷わないように、できるだけ早めに現地に到着しておきます。早く到着しすぎてしまうとお店の迷惑になるので、15分ほど前の到着が良いでしょう。お店の人と最終確認をして、来客を迎える前に参加者の席の確認などをしておきます。参加者が到着したら来客を上座に案内し(図2─2参照)、自分はお店の人との対応がしやすいように一番下座に座ります。⑤会計デザートが出るタイミングなどで席を立ち、会計を速やかに済ませます。その際、来客の帰りの車の手配などをしておきます。⑥お見送り来客を先にお見送りします。手みやげがある場合は、乗車前にお渡しするとスムーズです。来客が乗車したら、車が出発するまでお見送りしましょう。来客が電車やバスなどでお帰りになる場合にも、お店の前で見送ります。お客様の姿が見えなくなるまでお辞儀をすると、丁寧な印象となります。⑦お見送り後上司が同席している場合は、先に上司の見送りを済ませ、その後店内に戻り、忘れ物がないかどうかをチェックをします。最後に、お店の人に挨拶と感謝の念を伝えるようにしましょう。2│職場の人との会食は「席次」がポイント職場の方たちと会食を行う際は、従業員同士の親睦が目的であるケースが多いと思います。参加者が不快な思いをすることのないように配慮しましょう。取引先との会食同様、参加者の好みや希望日時を把握し、お店を決定します。スケジュール調整ツールなどを使用すると、参加人数を早めに把握できます。参加者の中に食材アレルギーなどがある場合には、お店に連絡を入れて事前に把握し、別メニューで対応可能かどうかを確認しましょう。お酒を召し上がらない人もいらっしゃいますので、お店を選ぶ際は、予算に対して飲み物と食事のバランスが良いお店を選びます。日程やお店など詳細が確定したら、できるだけ早く参加者に連絡をします。その際は、お店までの道順や地図も添えるようにしましょう。社内の会食の場合、席次への配慮も重要です。関係性がよくない人同士を隣り合わせの席にしてしまうと、気まずい思いをする危険性が高くなります。そのため、事前に席を決定する、あるいは「〇〇さんはこちらにどうぞ」と、当日声かけをして席が離れるよう配慮します。こうしたことも、幹事としての大切な役目になります。3│お店では「騒音」「食べるスピード」に配慮を食事の際は、お店の雰囲気を損なわないよう気をつけましょう。大人数での食事会の場合は、とくに次の3点に気をつけると安心です。◆声のトーン楽しそうに大声で話している人を注意するのは難しいですよね。そこで、「楽しそうな声がこちらにも聞こえてきましたよ。ほかのお客様にも会話が筒抜けになってしまうと、個人情報保護の時代ですから、ほんの少しだけ小さな声でお話しくださいね」などと、笑顔でお伝えしてみましょう。◆食事のペースあまりにも食事のペースが遅いと、コース料理などの場合はお店の人が困ってしまいます。温かいものは温かいうちにいただくように心がけます。なかなか料理が進まない場合は、「〇〇さん、召し上がっていますか?これ美味しいですよ」などと声をかけましょう。◆遅れて参加した人がいたときの対応遅れて参加する人がいる場合は店員に一声かけ、座席を用意していただけるまで待ちます。勝手に店内の席を移動するなどしないようにしましょう。4│食べ物を口に含んだまま話すと嫌われる食事中、口の中に食べ物を入れたまま話すのは、最も嫌われる行為です。必ず、口の中の食べ物がなくなってから話すようにしましょう。また、クチャクチャと音を立てながら食べると、周囲の人が不快に感じやすいです。蕎麦やきゅうりなどの音が出やすい食べ物については、大きな音を立てないよう注意しましょう。自分が食べているときに咀嚼音が出ているかどうか不安な方は、家族や親しい人に聞いてみることをおすすめします。5│食事中に政治・宗教の話はしない食事とともに楽しみたいのが「会話」です。食事中の正しい会話のマナーを知ることで、より良いコミュニケーションを図りましょう。食事中の話題としては、季節の話や時事ネタなどが良いでしょう。食材のネタや料理にまつわる話なども、食事にふさわしいテーマです。一方で、政治や宗教の話題、一部の人にしかわからない話題、下品な話は食事中にふさわしくないと考えられています。その場にいる人全員が和やかに食べられるよう、話題にも配慮したいですね。6│ナプキンは食事前に折って膝の上へ

西洋料理はヨーロッパやアメリカなどの西洋諸国の料理の総称です。ここでは代表的な「フランス料理」と「イタリア料理」を例に、入店時や、食事の際の注意点についてお伝えします。入店時、大きな荷物やコートはクロークに預けます。着席はいすの左側から行います。ウエイターがいすを引いてくれたら、その前に立ち、膝の裏にいすが当たったら着席をします。バッグはいすの左側に置くか、背もたれと自分の間に置きましょう。テーブル上のナプキンは、料理が出るタイミングで2つ折りにして膝の上にのせます(イラスト参照)。口元が汚れた際はナプキンの内側で拭き取ります。

7│ナイフとフォークの角度がウエイターへの合図カトラリーとは、食事用のフォーク・ナイフ・スプーンなどの総称です。左右端のものから使用します。右手にナイフ・左手にフォークを持つのが基本で、人差し指を添えることで安定します。

落としてしまった場合は、ウエイターを呼んで拾ってもらいましょう。自ら拾うことはマナー違反となります。食事中にカトラリーを置くときは、皿に対し8時20分の角度に置き、ナイフの刃は内向きに、フォークの先は下向きにします。食事を下げてもらいたいときには、皿の右端にそろえましょう。このときもナイフの刃は内向きで、フォークの先は上向きとなります(イラスト参照)。

8│フランス料理の食べ方のマナー①アペリティフ(食前酒)コースのスタートの前に食前酒をオーダーします。食前酒は食欲を刺激する効果があるとされますが、迷ったらシャンパンでも良いでしょう。②アミューズ・オードブル(前菜)皿に取り分けた状態で提供されるケースが多いです。大皿で提供された場合は、自分の分を小皿に取り分けます。手でいただくものもあります。

③パンパンを食べるときは、お皿の上でそのつど一口大にちぎって口に運びましょう。最初から小さくちぎっておくのはマナー違反になります。メインディッシュが終了するとパンも下げられます。

④スープスプーンで音を立てず、手前から奥にすくうようにしていただきます。残りの量が少なくなってきたら、皿の手前を傾けてすくっていただいてもOKです。⑤ポワソン(メインの魚料理)魚は骨つきの場合、頭をフォークで押さえ、中骨に沿ってナイフで開いて骨を取り除きます。骨は皿の手前に置きましょう。⑥ヴィヤンド(メインの肉料理)左側から一口ずついただきます。繊維の方向に沿って切ると切りやすくなります(イラスト参照)。最初から全てを小さく切ってしまうのはNGとなります。

⑦レギューム(サラダ)肉料理と一緒に提供されます。葉のないものはフォークで、葉が大きいものはナイフで切り分けていただきます。⑧デセール(デザート)コースの締めくくりのデザート。カトラリーはテーブルの上部にあるものを上から下に向かって使用します。高さのあるケーキやミルフィーユなどの崩れやすいケーキなどは、横に倒してからいただいても大丈夫です。⑨プチフール小菓子とコーヒーや紅茶などのドリンク。小菓子は手でいただいてOKです。コーヒーや紅茶のソーサーは持ち上げないようにしましょう。9│イタリア料理の食べ方のマナー①パスタスプーンを使うのはNGです。フォークに巻きつけていただきます。②貝類パスタなどにある貝類の貝殻を最初から全て外すことはマナー違反となります。面倒でも、食べるときに外すようにしましょう。③ピザ1カットずつお皿に取り分けていただきます。チーズがピザからはみ出てしまっている場合には、フォークでピザの上にのせてからいただきます。ナイフとフォークが準備されていない場合やカジュアルなお店では手でいただいても構いませんが、ナイフとフォークが準備されている場合はそれらを使いましょう。

10│日本料理は「本膳」「懐石」「会席」の3種類日本料理は主に、次の3種類に分類されます。・本膳料理……日本料理の原型。一の膳から五の膳まで出される場合もある。・懐石料理……本来「茶会」で出される料理。料理の後に濃茶をいただく。一汁三菜を基本とする。・会席料理……一汁三菜を基本とし、飯と汁が最後に提供される。お酒を嗜むための料理とされている。11│上品な印象を与える箸の使い方箸の使い方には、「迷い箸」(どの料理を食べようか、皿の上で迷うこと)や「探り箸」(皿の中で食べたいものを探すこと)など、NGとされる所作があります。一方で、所作を少し変えるだけで品よく見せることもできます。たとえば箸は両手で持ち上げ、両手で置くようにすると上品に見えます。持ち上げるときは、まず右手で持ち上げ、左手で箸を受けたあと、右手で持つようにします(左利きの人は全て左右逆)。箸は上から3分の2あたりを持ち、料理をつまむときは下の箸を動かさず、上の箸を動かすようにするときれいな所作に見えます。椀物(汁物、煮物などの椀を使った料理全般)をいただくときは、両箸を椀の中に入れると品よく映ります。湯呑みのような細いお椀で汁物をいただく場合は、左手(左利きの人は右手)をお椀の底に添えると印象がいいでしょう。12│会席料理の食べ方のマナー会席料理をいただいていると、途中で次の料理が運ばれてくることがあります。しかし、急いでいただく必要はありません。目の前にある料理をいただいてから次の料理に移れば大丈夫です。

①先付け(前菜)串つきのものは箸で押さえて抜き、抜いた串は皿の奥へ置きます。小皿や小鉢は持ち上げて、盛りつけを崩さないように手前からいただきましょう。②吸い物蓋を開けるのは、目上の人が開けてからにしましょう。開けた蓋は食事が終わったら元に戻します。戻すときは、斜めに置くと椀に傷がついてしまうため、椀の蓋がズレたりしないように、運ばれてきたときと同じように戻します。③向付け(お造り)左手前、右手前、中、奥の順番で、盛りつけを崩さないようにいただきます。わさびは醤油にとくのではなく、刺し身の上にのせます。

④焼き物切り身や尾頭つきの魚。エビや貝などの殻を取りにくいものは、手を使っていただいても大丈夫です。⑤煮物小さめの器に盛りつけられているものは、器を持ち上げていただきます。野菜のヘタがついている場合は、箸を使って器の中で取り除きます。⑥揚げ物天ぷらなどのつけ汁がある場合は、器を持ち上げて口に運ぶようにしましょう。盛りつけを崩さないように手前からいただくようにします。⑦蒸し物・酢の物蒸し物は水滴が垂れてしまうことが多いので、蓋がある場合には、内側で水滴を落としてから蓋を取りましょう。手前からすくって蒸し物を味わった後、蓋を元に戻します。⑧ごはん・止め椀・香の物料理の後に提供されるごはんと香の物(漬物)、止め椀は汁物になります。止め椀が出たら、お酒はストップします。⑨水菓子(デザート)果物の場合は右側からいただくのがマナーです。抹茶と水菓子が提供された場合は、水菓子からいただきましょう。

13│焼き魚は裏側の身と骨の間に箸を入れる日本料理の中には、魚や貝料理など、食べにくいものもあります。そのようなときでも上品に見える、食べ方のマナーをお伝えします。◆焼き魚焼き魚は尾頭つきで提供されることが多いです。魚の中心を数ヶ所、軽く箸の側面を当てて圧を加えると身が離れやすくなります。頭は左側になっていますので、魚の表の上側(皿の奥側)を左から右に向かっていただきます。次に魚の表側の下側(皿の手前側)を左から右に向かっていただきましょう。骨は、裏側の身と骨の間に箸を入れると、きれいに骨を取ることができます。取った骨は皿の左奥にまとめ、懐紙があれば、包んでおくと良いでしょう。その後は魚の裏側を左側からいただきます。骨を外すときは手を使っても構いませんが、手が汚れないように箸を使って外せるようであれば外していきます。◆土瓶蒸し土瓶蒸しは土瓶の上にお猪口とすだちをのせて提供されるのが一般的です。次の順番でいただきましょう。

❶お猪口に出汁を入れ、香りと出汁を楽しみます。❷蓋を取り、すだちを土瓶の中で搾り、一度蓋をして再び出汁を楽しみます。❸土瓶の蓋を取り、具材をいただきます。蓋を取ってお皿にすると上品に見えます。❹その後は具材と出汁を楽しむようにしましょう。土瓶蒸しをいただいた後は蓋を元に戻し、お猪口も土瓶の上に置きます。器が傷ついてしまいますので、蓋やお猪口は裏返すことなく、運ばれてきたときと同じようにします。

◆串物串物は器の上で串を外します。左手で串を持ち、箸を持った右手で、種を押さえて串を引き抜きます。串を回しながら抜くときれいに外すことができます。抜いた串は、皿の奥に置くようにしましょう。◆貝料理汁物の貝は、汁を少しいただいた後のほうが身を外しやすく、食べやすくなります。身は椀の中で外し、殻は椀の中に入れたままにします。箸で外しにくいときには、殻を手で持って外しましょう。14│中国料理の食べ方のマナー中国料理は、地方によって使われる食材や調理方法に違いがあり、大きく次の4種類に分類されます。・広東料理……あっさりとした味付けが特徴のポピュラーな料理。八宝菜・フカヒレスープ・酢豚など。・四川料理……唐辛子や生姜、山椒などを使用したピリ辛料理が多いのが特徴。麻婆豆腐・エビチリなど。・上海料理……淡白な味付けが基本。小籠包・上海蟹・ワンタンなど。・北京料理……中国王朝の宮廷料理がルーツ。塩や味噌、醤油などを使った濃い味付けが特徴。北京ダック・チンジャオロースなど。

◆円卓のマナー中国料理は円卓で提供されるケースが多く、目上の人から料理を取ります。そして、目上の人が箸をつけたのを確認してからいただきます。円卓の回転(時計回り)を逆にしたり、座席から立ち上がって取り分けたりすることは、マナー違反です。気をつけましょう。◆皿への取り分け中国料理は、円卓に大皿で提供され、各自が小皿に取り分けていただきます。小皿は料理ごとに換えるのがマナーとなります。中国では、自分の箸を使用して取り分けるのが一般的です。ただし、日本には馴染みのない方法になりますので、自分の箸で取り分けることに気が引ける場合には、ウエイターに取り分けてもらいましょう。

小皿に取った料理は全て残さずに完食しますが、大皿料理は「食べきれないほどもてなしてもらった」という意味を伝えるために、少し皿に残すことが良しとされます。◆食べ終えた貝や魚料理をいただいた後の魚の骨や、エビの殻などは皿に戻さないようにします。中国料理では、一度口の中に入れたものを皿にのせないことがマナーだからです。食事で残った魚の骨やエビの殻などはテーブルの上にのせましょう。◆麺類や飯類の食べ方麺類は皿を持ち上げず、蓮華の上に取ってからいただくようにします。チャーハンなどはチリ蓮華を使用します。チリ蓮華は中央の窪みに人差し指を入れ、中指と親指、3本の指で持ちます。垂直にした状態で口へ入れるようにしましょう。スープ類やチャーハンなどは手前からすくっていただきます。

15│お酌をするときは必ず一声かけるお酌は、上席の方から行うようにします。年長者から年少者へ、クライアントから取引先へ、という順番になります。お酒を持って席を移動することはマナー違反です。お酌をする人の席にあるお酒を注ぐようにしましょう。お酌をする前に、「次も〇〇でよろしいですか?」などと一声かけてから注ぐと丁寧です。◆ビールの注ぎ方お酒の種類によって、お酌の仕方が異なります。ビールの場合は、相手のグラスが空いていたら、ラベルを上にして、相手のグラスへ注ぎます。片手で注ぐのは無作法です。ビールは勢いよく注いでしまうと、泡だらけになってしまいます。ゆっくりと瓶を傾けて相手のグラスへ注ぐと泡立ちを防ぐことができます。◆日本酒の注ぎ方右手で徳利を持ち、左手を添えてお酌をします。八分目くらいまで注ぎましょう。日本酒の場合、お猪口を相手が持ち上げてから注ぎます。テーブルに置いたままお酌をするのはマナー違反となります。◆ワインの注ぎ方ワイングラスをテーブルの上に置いたままゆっくり注ぎます。お酌では、ワインボトルを片手で持ち、グラス3分の1くらいまで注ぎましょう。◆お酌を受けるときのマナービールと日本酒のお酌を受ける場合は、相手が注ぎやすいように両手でグラスを持ち上げます。ワインの場合、グラスはテーブルの上に置いたままにし、グラスに手は添えなくて大丈夫です。

1│訪問先の家電やキッチンは勝手に触れない親しい関係であっても、訪問前には必ず連絡を入れましょう。できれば数日前までに連絡を入れ、相手の予定を確認します。パートナーの実家など、訪問する頻度が高い場所では気がゆるんでしまいがちです。しかし、案内されていない部屋や家具の引き出し、冷蔵庫を勝手に開ける行為はマナー違反なので、注意が必要です。家電製品に勝手に触れたり、キッチンを許可なく使ったりするといった行為もNGです。使用したい場合は、必ず一声かけましょう。

また、会話が盛り上がると時間を忘れてしまいがちですが、食事の時刻や夜遅い時間になったら、帰宅する意思を伝えるようにします。相手が「食事を用意しているから」などと誘ってくださった場合は無理に断る必要はありませんが、食事が終了したら、早めに帰宅しましょう。とくに小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんの食事や就寝時間が決まっている場合も多いので、配慮が必要です。2│相手の本心は「表情」「視線」「姿勢」に表れる親しい間柄だからこそ、本心を伝えづらいこともあるかもしれません。もちろん、逆も然りです。相手の心に寄り添える会話ができると良いですよね。相手の本心を読み解く聴き方をすることで、相手が本心を伝えやすくなります。話を聴くときは、話をしている相手の会話の内容だけではなく、相手の表情や視線・姿勢にも目を向けるようにしましょう。◆表情心からリラックスしているときには、口元がゆるみます。口元をキュッと食いしばっている所作が見られるときは、まだ緊張しているかもしれません。世間話など、リラックスできる会話を心がけましょう。◆視線目が泳いでいるのは、緊張している証しです。視線を逸らさない場合は、あなたに警戒心を抱いていることになります。もしくは、相手の親和性欲求(誰かと一緒にいたい気持ち)が強い傾向にあることを示しています。◆姿勢相手の姿勢が後ろに傾いているときは、会話に興味を持っていない可能性があります。逆に前傾になっていると、あなたとの会話に興味を持っている証拠となります。3│親族間でのコミュニケーションは「感情」に注目する親族間では、間柄が近しい分、遠慮なく質問をしてしまいがちです。しかし、質問ばかりだと、相手が疲れてしまったり、質問に答えること自体を億劫に感じさせてしまったりすることがあります。円滑なコミュニケーションを行うには、「5W1Hの質問をできるだけしない」「自分の価値観でジャッジをしない」、この2つがポイントになります。たとえば、姑が舅の愚痴を言ってきた場合に、「お義父さん、お義母さんに何とおっしゃったのですか」「それはお義父さんが悪いですよね」といった会話をしてしまうと、お舅さんの悪口を言うことにもなりかねません。こうした場合には、「お義母さんはいつもお優しいので、お義父さんにも、気配りされていらっしゃるのではないでしょうか」「たまには骨休めをしてくださいね」などと伝えます。相手が具体的な情報を話す前に、こちらから「どんなことがあったのか」「どういった会話に対して怒っているのか」などと質問してしまうと、どちらかの肩を持たなければいけなくなります。その回答によっては、より相手を不快な気持ちにさせてしまうことにもなりかねませんよね。親しい関係だからといって、状況を全て把握する必要はありません。起こっている事実よりも、その出来事を通じて生まれた感情を汲み取った話の聴き方をしていくことで、親族間のコミュニケーションも円滑となり、トラブルに発展しにくくなります。万が一コミュニケーションがうまくいかなかった場合、お詫びをしなければいけない場面も出てくるかもしれません。その場合は、きちんとお詫びの気持ちを伝えましょう。謝罪を軽く扱うと、相手はがっかりした気持ちになります。場合によっては、お詫びの品を添えましょう。親しき仲だからこそ、腹立たしいことにもなりかね

ません。誠意を込めてしっかり謝罪することが大切です。4│話し好きな人との会話を品よく終わらせる方法親族の中には、話し好きな方もいらっしゃると思います。そのような方との会話は、余裕のあるときは良いですが、時間のないときなどは対応に困ることもありますよね。そんなときは、次の2点を意識してみましょう。①相づちを大きくし、話をまとめるいつまでも相手の会話が終わらないと感じるときには、相づちのトーンや声の大きさを少しずつ大きくしていきます。そして、会話を遮るのではなく、さりげなく相手の話をまとめるようにします。例ええ、ええ。そうなのね。それは〇〇ということかしら。②会話の途中で「最後に」と質問を入れる会話の途切れたところで「最後に一つ聞いても良いですか」と、話を終わりにしたいことをさりげなく伝え、相手の話に関わりのある質問をします。このような方法を取ることで、相手にさりげなく会話を終わらせたい気持ちを伝えることができます。5│外食するときは「スマートカジュアル」で親族や家族の誕生日、結婚記念日、長寿のお祝いなどのお祝い事は、できるだけ記念日にお祝いするようにしましょう。当日が難しい場合は、前倒しして行うようにします。記念日を過ぎてしまうと、お祝いされるほうは「忘れられているのかな」と、がっかりすることもあります。どうしても祝うタイミングが過ぎてしまう場合は事前に連絡を入れ、お詫びを伝えておくと、申し訳なく思っている気持ちを受け取っていただけるでしょう。記念日の贈り物は、相手の好みに合わせたものを送りましょう。縁起が悪いものは避け、お花を贈る場合には「花言葉」に注意します。親族間の場合、相手に欲しいものをリクエストしてもらうのも良いでしょう。親族でお祝いの席などを設ける場合にも、早めに予定を確認し、できるだけ全員がそろう日をセッティングします。外食に出かける場合には、家族同士の外出であっても、お店の雰囲気を損ねない服装を心がけます。ホテルのレストランなどを予約しているときは、スマートカジュアルが良いでしょう。スマートカジュアルとは、フォーマルよりもカジュアルで、普段着よりもきちんとした感のあるスタイルのことを言います(スマートカジュアル参照)。

6│お見舞いは入院直後・手術直後を避ける大切な方が病気や事故で入院した場合、すぐにでも駆けつけたい気持ちもあるでしょう。ですが、相手の病状や相手のご家族の心情、病院側の事情などナーバスな部分も多いので、お見舞いには十分な心配りが必要です。お見舞いは、相手の体調が安定し、回復に向かっているときが良いでしょう。入院してすぐのタイミングや術後などは避けるようにします。病状がわからない場合は、事前にご家族などに確認が取れるようでしたら連絡し、お見舞いに行っても迷惑にならないかどうかも確認しましょう。病院の面会時間を守るのはもちろんですが、長時間の面会は病人の負担になりかねません。必ず短時間で見舞うようにしましょう。大勢で押しかけることや、子ども連れでの面会もNGとなります。また、婦人科系の病にかかった女性を男性が見舞うことも避けるようにしましょう。7│お見舞いの場では「思い出話」をする大部屋に入院されている方を見舞う場合は、同室の方々への配慮が必要です。「顔色が悪いですね」「まだ長引きそうですか」などのマイナスな気持ちになる言葉をかけるのはNGです。また、同じ病気にかかったことがあるからといって自分の家族の話をするのも避けましょう。ナーバスになっている方にとっては不快に感じることもあるからです。職場の同僚や上司を見舞う場合は、本人が気にするような仕事の話題は避けるようにします。一緒に旅行に行ったときの思い出話や楽しい話をして、「元気になったらまた一緒に行きましょうね」などと元気づけると良いでしょう。8│お見舞品にはタオルや日用品をお見舞いの品には、マナー違反となるものもありますので注意が必要です。一つは、食べ物です。病状によっては食事制限がある場合もありますので避けましょう。食事制限がない場合であっても、保管に困ることもあります。もう一つは生花です。生花は、香りが室内に充満してしまうなどの衛生上の理由から、避けたほうが良いでしょう。花を贈りたい場合は、プリザーブドフラワーなど、加工された花がおすすめです。ほかにもタオルなどの衛生用品や日用品、読書などができる状況であれば、書籍や雑誌なども良いでしょう。

9│お見舞金は封筒に「御見舞」と書いて渡す親族や友人に現金を贈るときは、次のことに注意しましょう。封筒は、紅白の結び切りの祝儀袋を選びます。おめでたいことではないからといって不祝儀袋を選ぶことは失礼となりますので、注意が必要です。表書きには「御見舞」と記します。「お見舞い」と記すと、4文字で縁起が悪いとされるためです。お見舞金は中封筒に入れ、お札の肖像画が前にくるように入れましょう。金額の相場は次の通りです。・親戚、親族……5000~1万円・友人……5000円・同僚……3000円なお、お見舞いの相手が上司や目上の方の場合、現金を渡すのは失礼にあたりますので気をつけましょう。

10│贈り物は冷凍・冷蔵物を避ける贈り物をするときは、受け取る相手のことを考えて品物を選ぶと思います。せっかく選んだ品物が失礼にならないよう、贈り物のマナーをプラスして、あなたの気持ちがより相手に伝わるようにしましょう。◆親戚や親しい友人への手みやげ親戚や親しい友人に手みやげを渡す場合は、相手が過去に話していたものを贈ると、「自分との会話を覚えていてくれたのだな」と感じ、より喜んでいただけます。価格帯は2000~5000円程度の品を準備しましょう。ただし、次のものは避けたほうが無難です。・冷凍、冷蔵物で保管スペースが必要なもの(鮮魚やカットケーキなど)・刃物や櫛など縁起の悪いもの(相手との縁を切るイメージのあるもの)手みやげをお渡しするタイミングは、親しい間柄であっても、挨拶が済んだ後となります。◆初対面の方への手みやげはじめて会う親族への手みやげは、事前に好みをリサーチすることが難しい場合も多いので、焼き菓子などで見た目や包装が華やかなものを選びます。高価すぎると相手に気を遣わせてしまうこともありますので、3000~5000円程度の、日持ちのする品を選ぶようにしましょう。私は第2章の13でもお伝えしたように、その後の会話が弾むよう、エピソードを盛り込んだものを選ぶようにしています。「こちらのお菓子屋さんのお菓子が好きで、よくお店の方とお話しするのですが、こちらの焼き菓子に使っているオレンジは、店主がご実家の農家から取り寄せたものを使用されているそうなんですよ」このように、地元のお店で、その商品が開発されたエピソードを知っていると会話が弾み、持参した手みやげも楽しんでいただけることでしょう。自宅にお招きいただいた場合は、案内された場所に腰かける前にお渡しするようにします。外袋から出して、「お口に合うと良いのですが」などと一言添えてお渡しすると丁寧です。

◆謝罪時の手みやげ謝罪時に持参する手みやげは、華やかすぎず、控えめなものを選びます。高価すぎるものを持参すると、自分の不手際を物で精算しようとしているという印象を与えてしまいます。謝罪の程度にもよりますが、5000~1万円程度の品を選ぶようにします。華やかな包装の洋菓子よりも、落ち着いた包装が多い和菓子などを選ぶと良いでしょう。私は老舗の羊羹や最中などを選んでいます。甘いものが苦手な方には、高級ふりかけやお茶漬けなどでも良いでしょう。熨斗はお祝い事をイメージしてしまうので、つけないほうが無難です。お渡しするタイミングは、手みやげを渡すときのマナーでもお伝えした通り、謝罪が済んだ後となります。「この度は本当に申し訳ありませんでした。お納めいただけますでしょうか」と、誠心誠意のお詫びの気持ちを伝えてからお渡しするようにしましょう。

1│訃報を受け取ったら手短にお悔やみを伝えるお悔やみの場面では、故人に敬意を表すだけではなく、ご遺族の悲しみに寄り添うふるまいが必要になります。突然の訃報を受け取ったら、関係性と受け取った方法によって対応しましょう。◆メールで連絡を受けた場合訃報を受け取ったら、本来は対面でお悔やみをお伝えするのがマナーです。しかし、メールで訃報の連絡を受け取る場合もあります。そのときは、相手が出られない状況も考えられますので電話はかけず、メールで速やかに返信するようにしましょう。お悔やみでの文面は、句読点をつけずに書くのが通例です。例突然の知らせに大変驚いております〇〇様のご逝去を心よりお悔やみ申し上げます大変なときかと存じますがどうぞご無理をなさらずご自愛ください本来であればお目にかかりまして直接お悔やみ申し上げたいところですが略儀ながらメールにて失礼いたします改めまして心よりお悔やみ申し上げますメールへのご返信は不要です◆電話で連絡を受けた場合電話で訃報を知らされた場合は、先方が時間的にも精神的にもゆとりのない中で連絡をくださっていると考えられます。できるだけ手短にお悔やみを伝えるようにします。「突然のことに大変驚いておりますが、心よりお悔やみ申し上げます。大変なときにお電話をいただきありがとうございます。お辛いところにお尋ねすることになり、大変申し訳ないのですが、今後のご予定などお決まりでしたら、今この電話にてお伺いすることは可能でしょうか」先方が何度も連絡する手間を省くことができるように、できれば通夜や葬儀の日程なども確認しておきましょう。「お辛いことと思いますが、ご無理なさらずご自愛ください。ご連絡ありがとうございました」と伝え、先方が電話を切ってから受話器をそっと置くようにしましょう。◆ハガキや手紙で連絡を受けた場合喪中ハガキなどで訃報を知った場合、「喪中見舞い」という形でお悔やみ状を送るか、お悔やみ状とともに、香典や供物を贈ります。お悔やみ状の文面は、仏式の場合、図9─1のようなイメージです。

2│お悔やみを伝えるときは「忌み言葉」に気をつける訃報を受け取った際には、いずれの方法であったとしても「忌み言葉」を使わないように注意しましょう。忌み言葉とは、不幸が重なる、不幸が度々くるということを連想させる言葉のことです。「重ね重ね」「再び」「くれぐれも」「度々」「返す返す」のように、重ね言葉(同じ言葉を2回使用することで悲しみが二重になることを連想させる)は避けましょう。数字の「9」や「4」、「苦しむ」「追って」などの言葉も避けたほうが安心です。3│弔電は通夜か告別式当日に届ける弔電を送る際には、通夜か告別式の当日に届くように手配します。先方には開催場所・日時・葬儀の形式「仏式」「キリスト教式」などを確認しておきます。弔電では、故人と弔電の受取人での間柄で敬称を記します。代表的な「敬称」は次の通りです。・受取人の実父……ご尊父様・お父様・受取人の義父……ご岳父様・受取人の実母……ご母堂様・お母様・受取人の義母……ご岳母様・受取人の夫……ご主人様・ご夫君様・受取人の妻……ご令室様・ご令閨様・受取人の兄弟……ご令兄様・ご令弟様・受取人の姉妹……ご令姉様・ご令妹様・受取人の息子……ご子息様・ご令息様・受取人の娘……ご令嬢様・お嬢様◆弔電の宛名、文面弔電の宛名は、喪主の名前で送ることが一般的です。喪主の名前がわからない場合には、「〇〇〇〇様(故人名)ご遺族様」とします。また文面は、告別式が仏式かキリスト教式かなど、どの宗教の形式で執り行われるかによって異なります。キリスト教式の場合、死は「終焉」ではなく「祝福すべきもの」と捉えられていますので、弔電でもお悔やみの言葉を述べるのは避けましょう。例(仏式の場合)〇〇様のご訃報に接し心からお悔やみ申し上げますとともにご冥福をお祈り申し上げます例(キリスト教式の場合)神の御許に召されました〇〇様が安らかな眠りにつけますよう心よりお祈り申し上げます4│「通夜ふるまい」は受けるのがマナー通夜は夜通し灯を消すことなく、故人を見守る儀式です。親族や友人をはじめ、故人と縁のある人が故人との別れを偲び、惜しむ儀式となります。本来は故人と縁の深い人が参列するものなので、とくに親しい関係でなければ、告別式のほうに参列するようにします。ただし、仕事の都合などで告別式に参列するのが難しい場合は、通夜に参列するかたちでも問題ありません。通夜に参列をすると、受付でお悔やみの言葉を述べて一礼をしたのちに、袱紗から香典を出し、名前が受付の人から見て上になるように手渡します。その後は記帳(葬儀の参列者が芳名帳に名前や住所などを書くこと)して一礼します。葬祭場の人の案内に従い、通夜会場へ入室をして、焼香の案内をされたら焼香を行います。通夜が終了して、通夜ふるまい(通夜が執り行われた後にふるまわれる食事)に誘われた際には、受けることがマナーとなります。一口でもいいのでいただくようにしましょう。長居をすることは好ましくありませんが、閉式より前に退席しなければいけないときには、ご遺族に「お先に失礼します」と声をかけて退席するようにしましょう。5│葬儀・通夜では「準喪服」「略喪服」を着用する喪主や遺族は「正喪服」を着ることがマナーとされてきました。男性の場合には、和装であれば黒紋付袴、洋装であればモーニングコート。女性の場合には、ブラックフォーマルドレス、黒紋付の着物が正喪服にあたりますが、近年では簡略化され、喪主であっても参列者と同じ「準喪服」とされています。準喪服は男性、女性ともにブラックスーツとなります。通夜に参列する場合、予期していなかった事態に「取り急ぎ駆けつける」という意味合いから、「略喪服」で出席をしても大丈夫です。略喪服とは、男性の場合にはダークスーツ・女性の場合には地味な色のスーツやワンピースとなります。以下、男女別に通夜の服装のマナーをお伝えします。◆男性の略喪服・準喪服・略喪服(通夜)ダークスーツ・準喪服(葬儀)ブラックスーツ・ワイシャツ……白/ワイドカラー・レギュラーカラー・ブロード素材・ネクタイ……黒(葬儀)通夜の場合は黒、もしくは地味な色・靴下……ダークカラー・靴……黒(エナメルなどの素材は避ける)・アクセサリー……結婚指輪以外のアクセサリーはNG・腕時計……腕時計代わりに携帯電話を持たない。派手な色は避ける◆女性の略喪服・準喪服・略喪服(通夜)ダークスーツ・地味な色のワンピース・準喪服(葬儀)ブラックスーツ・足元……黒無地のストッキング・靴……黒・光沢のないデザイン・アクセサリー……結婚指輪とパール以外はNG。パールの色は白・黒・グレーの3色以外はNGとなります。・腕時計……派手な色の時計は避けるパールは涙を意味するものとして、葬儀や通夜のシーンでもOKとされています。ロングネックレスは悲しみを長引かせる、二連のものは悲しみが二重になるという意味から避けたほうが良いでしょう。

6│葬儀場へは30分前に到着しておく通夜や葬儀には遅刻をしないように、開式の30分前までには会場に到着するようにしましょう。万が一遅れてしまいそうな場合は、ご遺族への連絡は迷惑となりますので、会場に連絡を入れる、もしくは会場に到着後、案内係の方に声をかけ、案内してもらうようにします。焼香や香典については、次の点を参考に行いましょう。◆焼香のマナー焼香とは、故人や仏様に対して良い香りを焚いて拝むことを指します。仏教における供養の一つで、良い香りを焚いて自らを清め故人への感謝と敬意を表すという意味があります。焼香の際に手順がわからず戸惑ってしまわないように、焼香の正しいマナーを確認しておきましょう。❶焼香は喪主から行い、順に遺族や近親者が行います。案内をされたら、焼香台の手前で遺族に向き直って一礼し、焼香台の故人(遺影)に向かって一礼して合掌します。❷焼香台の左側が香炉、右側が抹香となります。右側の抹香を親指、人差し指、中指の3本の指で摘まみ、額に押しつけて左側の香炉にくべます(宗派によって1~3回など、回数は異なります)❸焼香を終えたら故人に向かって合掌し、一歩下がって遺族のほうへ向き直り、一礼をして自席に着きます。

◆香典のマナー香典は線香や香、お花の代わりに故人の霊に供える金銭のことを言います。金額は故人との関係性や自分の年齢によっても異なりますが、図9─2が一般的な香典の金額の目安となります。

職場の方たちと連名で香典を包む場合は、金額を合わせて包みます。個人で香典を包む場合は、上司よりも金額が高くならないような配慮が必要です。故人がとくに親しかった友人の場合は、年齢に関係なく1万円以上を包む場合もあります。自分が喪主を務める場合や、親に扶養されている人は、香典は必要ありません。7│香典袋(不祝儀袋)に新札を入れない香典袋は、涙で墨が薄まってしまったという意味から薄墨で書くのがマナーとなります。中袋に入れるお札は、新札は「以前から予期していた」ように感じられるため、マナー違反となります。中袋を裏にして開けたときに、お札の人物が表になるように入れます。また、人物が下になるように入れましょう。2枚以上になるときには、お札の向きをそろえるようにします(イラスト参照)。

外袋の上段に表書き、中袋の表に金額、裏には名前と住所を記載します。宗派によって、表書きが異なります。・仏式……四十九日前「御霊前」、四十九日後「御香典」「御仏前」と書きます。・キリスト教式……香典袋はキリスト教式のものを準備します。表書きには仏式と同じ薄墨で「お花料」「御花料」と書きます。・神式……不祝儀袋は白無地のシンプルなものを準備します。「御玉串料」「御神料」と書きます。8│数珠は左手で持ち、房を下に向ける数珠は人間の煩悩と同じ108の玉があしらわれています。ご自身の宗派のものを持参しましょう。数珠の貸し借りは望ましい行為とは言えませんので、家族であっても各自が準備するようにします。パワーストーンなどのブレスレットで代用することはできません。葬儀の間は常に左手に持ちます。焼香の途中でカバンから数珠を出すのはマナー違反となりますので、移動するときには左手で数珠を持ち、房を下に向けるようにします。

9│婚礼の招待状は3日以内に返信を

祝賀の席では、それにふさわしいふるまいをすることで、祝福の気持ちが伝わります。新郎新婦にとっては記念となる、大切な日です。祝賀の席に水をさすことのないよう、婚礼の席にふさわしいふるまいやマナーをお伝えします。招待状への返信は、到着から3日以内に行いましょう。SNSやメールで連絡をいただいた場合も、招待状を返信するようにします。返信の際は、出席か欠席かによって多少異なりますが、必ずメッセージを添えるようにしましょう。メッセージは、図9─3のように、簡潔に書きます。新郎新婦と親しい場合は、メッセージ欄にエピソードなどを書いても問題ありませんが、忌み言葉には注意を払いましょう。

10│御祝儀袋の名前は筆文字で書く結婚式の御祝儀は、新札を準備しましょう。偶数で割り切れる数は「別れる」をイメージさせるのでよくないとされています。御祝儀袋は、一度結ぶと結び直せないという意味から、「結び切り」や「あわじ結び」が一般的です。御祝儀袋は筆文字で書くことがマナーとなります。筆で書いた文字は線が太く残ることから、「二人の縁が消えないように」との意味があります。ただし、使用するのは「筆ペン」で問題ありません。筆文字が苦手な方でも、文字を消せるペンや線の細いペンで書くのは避けるようにしましょう。表書きには、「寿」「御祝儀」と書き、外袋の下のほうに名前を書きます。お札は向きをそろえ、中袋を開けたときに人物が表になるように入れます。人物が上になるように入れましょう。御祝儀袋は袱紗に入れて持ち歩くのがマナーとなります。受付で袱紗から出し、「この度は誠におめでとうございます」と一言添え、受付の人が名前を確認しやすいように、相手に向けて渡します。◆ご祝儀の金額ご祝儀の金額は3万円が基本です。披露宴の料理や引き出物の金額の平均は2万5000円とされているため、3万円以下だと、新郎新婦に負担をかけてしまいかねません。また2で割り切れる数字は縁起がよくないため、奇数で準備しましょう。金額の相場は、新郎新婦との関係性によって異なります。・友人……3万円(家族で出席する場合は5万~7万円)・会社の部下……5万円・会社の同僚……3万円・親族……5万~10万円11│慶事で使ってはいけない「忌み言葉」とは弔事と同じように、慶事でも使ってはいけない忌み言葉があります。披露宴でのスピーチはもちろん、祝賀の言葉をかけるときにも注意しましょう。主催者へのお手紙などでも同様に気をつけます。・別れを連想させる言葉切る・離れる・別れる・短い・去る・冷める・終わる・欠ける・不幸、不運を連想させる言葉苦しい・辛い・忙しい・涙・焦る・浅い・悲しむ・枯れる・冷める・重ね言葉(結婚を繰り返すことを連想させる)重ね重ね・くれぐれ・ますます・またまた・度々・みるみる12│結婚式で喜ばれるスピーチのマナー結婚式のスピーチでは、主役である新郎新婦に祝福の気持ちを伝えるとともに、新生活への励ましの言葉を送ります。主役であるお二人の人柄が伝わるエピソードを交えて祝福の言葉を送ると、参列者も喜んでくださるでしょう。結婚式でのスピーチには次のようなものがあります。◆主賓のスピーチゲストの中でも格の高い人が行います。通常は新郎側、新婦側と両家のゲストが1名ずつ代表して話します。職場の上司や恩師などが行うことが多いです。乾杯前の、比較的厳かな雰囲気の中で行われます。宴席が始まって最初に祝辞を述べる人になりますので、挨拶の中で「僭越ながら」という一言を入れるようにします。例〇〇家・〇〇家御両家の皆さま、この度は誠におめでとうございます。私、新郎〇〇さんの会社の上司の〇〇と申します。僭越ではございますがご指名をいただきましたので、一言ご挨拶申し上げます。どうぞ、おかけください(新郎新婦・両家両親は起立しているため)。〇〇君(さん)は、職場ではムードメーカーで、私は同じ職場になって◯年ですが、いつも〇〇君(さん)の周りは笑顔が溢れております。私などは仕事が立て込んでくると、ついつい表情も険しくなりがちですが、〇〇君(さん)は、仕事はきちんと行ったうえで、その忙しさや大変さを周囲に感じさせることなく、進めるタイプなのです。そんな〇〇君(さん)ですから、きっとご家庭でも、明るいムードを大切にしてくれるのではないかと確信しております。しかし、外でも気遣いの達人である〇〇君(さん)ですから、家庭では〇〇さん(君)に甘え、ほっと寛げる時間を作っていただけたらと思います。結びにお二人の末永い幸せを心よりお祈りしまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。◆乾杯の挨拶乾杯の挨拶の際は、ゲストがグラスを持って立った状態で発声をする人の話を聴くことになります。祝辞が長くなる場合は、一度ゲストに座っていただくよう声かけしたうえで、次の文例のように、できるだけ手短に話します。なお、乾杯の発声者は乾杯が済んでゲストが着席をしたら、自席に戻ります。

例新郎新婦、並びにご両家の皆さま、誠におめでとうございます。ご紹介にあずかりました、新郎の勤務先の〇〇と申します。僭越ではございますが、乾杯の音頭を取らせていただきます。皆さま声高らかにご唱和をお願いします。新郎新婦とご両家の末永い幸せをお祈りしまして、「乾杯」。◆友人のスピーチのマナー友人のスピーチは、一般的には食事の時間がスタートしてからの和やかな時間に行われますが、下品な会話や過去の異性関係などを連想させる話題はマナー違反となります。主役であるお二人の人柄がお相手のご両親や親族にも伝わるような温かいエピソードを交えて話しましょう。例〇〇さん、〇〇さん、並びに御両家の皆さま、本日は誠におめでとうございます。私、新婦の高校時代からの友人の〇〇と申します。いつも新婦を〇〇ちゃんと呼んでおりますので、本日も親しみをこめて〇〇ちゃんと呼ばせていただきますことを、どうぞお許しください。〇〇ちゃんとは高校時代、ともにバレーボール部で活動しました。〇〇ちゃんは、私が試合でミスをして負けてしまった試合の帰り道、励ますでもなく、ずっと私が好きなアーティストの話をして何事もなかったかのように、ずっと話してくれて、気づけば自分が試合でミスをしたことを忘れてしまっていました。大学時代、私の友人関係がうまくいかず悩んでいたときにも、あえてその話題に触れないようにしてくれているのではないかと感じるほどに、夜電話をかけてきては、家で飼っている犬の〇〇ちゃんの失敗ネタなどを話して笑わせてくれるんです。困ったときに、人に相談をすると余計に落ち込んでしまったりすることのある私ですが、〇〇ちゃんには相談をすると、いつしか何で自分が悩んでいたのかわからなくなって自然と元気になっていました。〇〇ちゃんは、そのような気遣いのできる素晴らしい女性です。きっと新郎の〇〇さんもこれから先、〇〇ちゃんのそうした素晴らしさにより一層惚れ込むのではないかと感じております。〇〇さんも穏やかな優しい方だと伺っております。そんなお二人が築かれるご家庭はきっと思いやりと笑顔に溢れた温かいものになると確信しております。お二人の末永い幸せをお祈りして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。本日は本当におめでとうございます。◆スピーチを依頼されたら次の3点を確認しておきましょう。❶相手の名前(名前の間違いは失礼にあたります。初対面の場合はとくに念入りに確認しておきましょう)❷どのシーンで話すのか(スピーチの順番を聞いておくと、お手洗いなどで席を外すこともなく、心の準備もできます)❸話してほしくないことはないか(人に知られたくないエピソードもあるかもしれません。事前に聞いておくと安心です)◆テーブルスピーチやインタビューをお願いされたら突然のスピーチは緊張してしまうものですよね。ですが、テーブルスピーチやインタビューを依頼されても、原稿などを準備しないようにしましょう。新郎新婦はあらかじめ準備された話ではなく、その場での声が欲しくて依頼するものだからです。緊張しても、司会者のインタビューする内容に対して自分の言葉で答えると盛り上がります。13│結婚式での服装は「セミフォーマル」が基本結婚式では主催者である新郎新婦と両家のご両親よりも派手な服装にならないよう注意が必要です。主催者はフォーマル、ゲストはセミフォーマルとなります。男女別に結婚式で適した服装をお伝えします。◆男性の結婚式の服装・スーツ……ブラックスーツ、ダークスーツが基本主賓として出席する場合には、タキシード・ディレクターズスーツ・シャツ……白のワイドカラー・レギュラーカラー・ウィングカラー親族として出席する場合には、白無地のレギュラーカラーが基本ですが、サックスブルーのシャツやパステルカラーのシャツもOKです。・ネクタイ……白かシルバーが一般的。白やシルバーに近いゴールドも可。友人として出席する場合はダークな色のネクタイは喪を連想させるので、ブルー・イエロー・ラベンダーなど淡くて明るい色を選びましょう。柄は小紋やドット・ストライプなど控えめな柄にします。・靴……紐付きの革靴。基本は黒。光沢のあるエナメルも可。ワニ革やスエードなどは動物殺傷をイメージさせるのでマナー違反です。

・腕時計……結婚式では時間を気にするということはNGとされていますが、ファッション性の高い腕時計でファッションとして取り入れるという分にはOKと解釈される場合もあります。ですので、男性用のボリュームのある目立つ腕時計などは避けたほうが無難でしょう。◆女性の結婚式の服装・ドレス……セミフォーマルドレス・露出の少ないもの・ニットやデニムなどカジュアルな素材感はNG。ファーをあしらったデザインも動物殺傷をイメージするのでマナー違反です。また膝上丈のドレスなども露出が多くなるので、控えましょう。肩が出るデザインのドレスもストールやボレロなどで露出を控えるようにします。また、白は花嫁の色とされているため、白を含む服装には注意が必要です。ライトの光が当たると白っぽく見えるものも、写真に写ったときのことを考えて避けたほうが無難でしょう。・足元……タイツや靴下はマナー違反となります。ナチュラル系のストッキングを着用しましょう。・靴……ヒールが5センチ以上のパンプス。ミュールやブーツなどはNGです。オープントゥ(つま先の開いたデザイン)も避けましょう。・アクセサリー……新婦よりも派手なアクセサリーにならないように注意します。夜の披露宴(18時以降)であれば光沢のあるアクセサリーを身につけますが、昼間の披露宴では、光沢を抑えたアクセサリーを身につけることがマナーとなります。

14│披露宴の写真はSNSにあげる前に許可を得るゲストにとって、披露宴で行う主役のお二人との記念撮影は楽しみの一つだと思います。写真撮影のマナーを守って撮影するようにしましょう。披露宴の進行を妨げるシーンでは撮影しないようにしましょう。退場するシーンなどで引き止めて撮影をする、スピーチする人の準備ができているのに撮影をしようとすることなどは、マナー違反です。またSNSに写真をアップするときは、必ず新郎新婦の許可を得てから行いましょう。中にはSNSに写真をアップされると不快に感じ、困るという方もいらっしゃるかもしれないため、配慮が必要です。15│お祝いの席では前向きな声かけを結婚式に出席して新郎新婦が近づいてきたときは、お祝いの言葉をかけましょう。次のような点に気をつけると、印象がよくなります。・他の人と会話をしているときに割って入らず、タイミングを見計る・冗談でも批判することは言わない(「馬子にも衣装だね」など)・他人の噂話や新郎新婦を心配させるようなことを言わないNG例「〇〇が遅刻しそうなんだよね」「〇〇ちゃん、スピーチ頼まれて緊張して昨日は一睡もできなかったんだって」OK例「素敵な披露宴にご招待いただいてありがとう」「花嫁姿が素敵ですね」「花嫁姿を楽しみに来ました」「幸せそうな姿を拝見して感激しています」16│結婚祝いは「品物」と「贈るタイミング」が重要結婚式に出席できないときや、親しい間柄で御祝儀とは別にお祝いの品を贈りたい場合は、状況に応じて贈り方のマナーが異なります。◆結婚式に出席できないときのお祝い結婚式の招待をいただいたものの、残念ながら出席が難しいという場合、お祝いの品は挙式の1週間前までに贈りましょう。金額は1万円程度となります。新生活で使用できる食器や家電などがおすすめですが、親しい間柄であればリクエストを聞いても良いでしょう。◆出席を予定していたが急遽キャンセルした場合やむを得ない事情でキャンセルをした場合でも、出席時と同程度の御祝儀を包みますので、友人であれば3万円を贈りましょう。結婚式の1週間前までに届くように現金書留で送ります。出席できないお詫びとお祝いのメッセージを添えるようにします。◆結婚式に出席し、別にお祝いを贈る場合結婚式に出席し、さらにお祝いの品を贈る場合には、招待状が届いてから式の1~2ヶ月前に送るようにしましょう。挙式当日は新郎新婦が忙しいので、品物を直接渡すことは避けます。品物の金額は式に参列する場合は、3000~5000円が相場となります。◆結婚式に招待されていない場合結婚式に招待されていない場合には、挙式前に送ってしまうと新郎新婦に気を遣わせてしまうので、挙式後1ヶ月以内に送るようにしましょう。金額は1万円程度が相場となります。◆喜ばれる結婚祝いの品新生活で使えるものやお二人の好みの品が良いでしょう。新生活を送るうえで必要な品やおそろいの品などは喜ばれます。ただし、薄いグラスや刃物は縁起が悪いとみなされるので、避けるようにしましょう。

◆結婚祝いの熨斗結婚のお祝いには熨斗をつけることが一般的です。包装紙の上から熨斗をつける「外のし」が一般的ですが、郵送で送る場合には包装紙が破れてしまうと縁起

が悪いので、包装紙の内側に熨斗をつける「内のし」とする場合もあります。水引は「結び切り」で、表書きは「寿」や「ご結婚祝い」とします。

17│内祝いは熨斗つき・新姓で贈る内祝いとは、本来は「身内にあったおめでたいことのお裾分け」という意味で親しい人やご近所に配られていたものになりますが、最近ではお祝いをいただいた方への「お返し」の意味となっています。内祝いの金額はいただいた額の半分の額を目安にしますが、目下の人からいただいた場合には、同額程度のお返しをしましょう。また、内祝いにも熨斗をつけるのがマナーとなります。お祝いを贈る場合には「外のし」となりますが、お返しのときには「内のし」となります。表書きは「内祝い」として、二人の名前を入れるようにします。その場合、男性が右側で、女性が左側となります。内祝いは新姓で贈るようにします。

おわりに人は何歳からでも変わることができるある日、Aさんという女性からメールをいただきました。「職場でも家庭でも、誰も私の話なんか聞いてくれません。(私の講座で)話し方を学んで、もっとうまくコミュニケーションを取れるようになりたいです」というのです。Aさんに会って話を聞くと、話し方よりも、その表情や所作が気になりました。会話中、視線はずっと別のところにあります。「私なんて」「でも」という否定の言葉も多く、私の話もどこか響いていないようでした。それでも話を聞いたところ、Aさんは職場の方から軽く扱われ、親子関係も悪く、娘さんが家を出てしまうなど、公私ともに大変な状況であることがわかりました。本当は職場を良くしたい、娘さんとの関係を良くしたいと思って人一倍努力しているのに、周りから否定され続けることでその良さが影をひそめ、いつの間にか「私なんて……」という思考になっていたのです。私はAさんに、「話し方を変えるだけでは、印象は変わりませんよ」と伝えました。人は、相手の話し方はもちろん、所作やふるまいも含めて見ています。人の話を聞くときに相手の目を見ようとしなかったり、「でも」と否定の言葉をかけられたりしたら、誰だっていい気持ちはしませんよね。そこで、本書で紹介している「品のある人が行っているふるまい」を伝え、練習を始めてもらいました。すると半年後、こんなメールが届いたのです。「冨澤先生、ご無沙汰しています。Aです。先生にお世話になっていた頃、関係が険悪だった娘は家を出ていました。その娘が帰ってきてくれたのです。先日、二人でファミレスにパフェを食べに行きました。こんな暮らしができるようになるとは、思いもよりませんでした。あれから転職して職場も新しくなり、なんと、昇進までしてしまいました。先生のおっしゃるように、自分自身のふるまいや所作を変えたことで、バカにされるどころか、周りから大切にされるようになりました。先生には何度も何度も練習に付き合っていただきました。先生のことを信じて練習してきて良かったです。本当にありがとうございました」Aさんのように、状況に合わせたマナーを実践することで、誰に対してもスムーズなコミュニケーションをとることができるようになります。また、身につけたマナーに加え、心配りを意識することで、今はコミュニケーションに自信のない方でも、きっと周りから「あの人は品があって印象がいい人だよね」と言われるようになるはずです。美しいふるまいのできる人は、何年経っても相手の記憶から色あせることがありません。これは女性に限らず、男性も同じです。印象がよくなれば、必ず「次もまた会いたい」「誰かに紹介したい」と思ってもらえるようになります。人生で出会う人の「質」も上がり、チャンスを得る機会も増えます。常に求められる人材になるでしょう。あなたもこの本で、新たな一歩をスタートしていただければとてもうれしく思います。

冨澤理恵RieTomizawaランクアップスタイル株式会社代表取締役東京都生まれ。大学卒業後、大手アパレルメーカーに勤務。ファッションのノウハウを学んだ後、フリーアナウンサーとして20年以上活動する。並行して企業や行政、専門学校などでマナー研修、印象アップ研修の講師を務め、「見た目、話し方、ふるまい」を変え、印象をアップさせる独自の理論を1万人以上に講演。2016年には受講者の86%を半年以内に昇進させ、就職率も20%アップさせる。また、5000人以上の顔のパーツを計測し、そこで得た数値を基に同年、一般社団法人格上げおしゃれプランナー協会を設立。「顔のパーツとバランスの数値」からその人に似合う服を提案する独自理論「格上げ顔診断」を提供する。2019年には傾聴コミュニケーション協会を設立。相手の気持ちに寄り添い、本音を引き出す「聴き方」と「伝え方」には定評がある。著書に、『顔診断×骨格診断で最高に似合う服を選ぶ!』(三笠書房)がある。格上げおしゃれプランナー協会ホームページhttps://kakuage.com/

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