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将来への見通し 次にとるべき行動(高度0メートル)

目次

対象範囲

高度0メートル、すなわち最も地に足のついたレベルで考えるべきことは、「必要な行動は何か」である。

これには、車を洗う、企画書を書く、思いついたアイデアのことを上司に相談する、インターネットで兄弟へのプレゼントを探す、ホームセンターで釘を買う、ボイスメールをチェックする、などが該当する。

このカテゴリーに含まれるのは、実行可能な、日に見えるすべての物理的な行動だ。このレベルのことを洗い出すと、ほとんどの人は100件以上の項目を含むリストができるだろう。

これらはあらゆる分野においてあなたが抱えている「済んでいない行動」のリストだ。

管理の仕方

次にとるべき物理的な行動が明らかになったら、その場で実行するか、他の人に任せるか、適宜思い出せるようにリマインダーをシステムに入れておこう。

システムで管理すべきさまざまなカテゴリーについては第7章「状況のコントロールー整理」で解説した。

特に「次にとるべき行動」は大量にあるため、簡単に管理するためのさまざまなサブカテゴリー(「カレンダー」「電話」「パソコン」「会社」「自宅」など)も積極的に活用していこう。

いつ、どのように取り組むか

あなたは、いつどのように何に取り組むかについて、常に考えつづけなくてはならない。ただ、ほとんどの行動は日常的に行なっているものでそれほど意識しなくていいはずだ。

ランチをとる、犬の散歩をする、プリンタの給紙、秘書への挨拶、メールチェック、切れた電球の交換といった行動は、その場その場で必要に迫られるもので、特にリマインダーを設定する必要はない。重要なのはそれ以外の行動だ。

それらはあなたがカレンダーに記入したり、「次にとるべき行動」リストに入れておいたもので、そのときどきで適切な行動を選択していかなくてはならない。

例えば、いつ、どこにいるべきかを確認するためにはカレンダーを見直すことになるだろう。1日に何度もチェックすることもあれば、1回か2回で済むこともあるだろう。

見直す頻度はそこに書かれている内容によって変わってくる。「次にとるべき行動」リストについても時間があるときに適切な頻度で見直そう。

そうすれば自分が今どのような選択肢を持っているかを明らかにすることができるようになる。

高度0メートルと優先順位

「次にとるべき行動」のリストが完璧なものであるほど、自分が今やっていること(そして自分が今やっていないこと)に自然と自信が持てるようになる。

だが、これほど当たり前のことなのに、どうして多くの人がそのようなリストを作ちて維持しないのだろう。

私のセミナーでは通常、数分間割いて次にとるべき行動の「収集」「見極め」と「整理」をやつてもらうことにしている。

そのあとに私が「やるべきことの優先順位がはっきりしてきた人はいますか」と訊くと、ほぼ全員が手を挙げる。たった10分程度でそのような成果が上がるのだ。数時間かけて(初めてやるときはそれくらいかかる)

現在のすべての「次にとるべき行動」を把握したらどのような効果が上がるか、少し想像してみてほしい。

これは6つのレベルのすべてで言えることだが、一部を管理した場合と全体を管理した場合には、結果に天と地ほどの差が出てくる。

何より残念なのは、わずかにやっただけでも気分がよくなるためにはとんどの人が最後までやろうとせず、その真価を実感できないままでいることである。

一部を管理しているか、全体を管理しているか、あなたの潜在意識はきちんと知っている。

全体を管理できていないとなんとなく不安になり、さらに上のレベルもやつてみようという気持ちにもブレーキがかかる。

その結果、今行なつている行動がベストだという確信が持てなくなつてしまうのだ。

もちろん、一部だけを実践したとしても、それなりの自信を持つことはできるだろうが、それは全体を管理し、完璧にやったときの体験とは違う。

物事を効率的に進めていくのに重要なことは、自分にとってベストな選択ができたという自信が持てるかどうかにかかっている。そしてそのような自信は全体を管理したときに最大化されるのだ。

「行動」のレベルは現代のフロンティア

高度0メートルのレベルは、客観的かつ完璧に把握するのが最も難しいレベルである。何より日常的な部分でありながら、量と種類、変化という点においていちばん複雑だからだ。

第7章で説明したように、低い高度のことほど、管理するにはより高度な仕組みが必要になる。

「行動」レベルに関してシステマチックなアプローチを確立するには、さまざまなことを考えて試行錯誤していく必要がある。

このレベルは実践できるようになるまでに最も長い時間がかかり、習慣を維持していくのに最も努力が必要となる。

私たちがやっている2日間の個別指導では、プログラムの9割がこのレベルに当てられる。未体験の作業であることに加え、扱う量がかなり多いからだ。

GTDには、高度0メートルのレベルを管理するための、極めて有効な手順が組み込まれている。

「次にとるべき行動」を考え、行動のリマインダーを状況別に整理するやり方は、多くの人々が好んで実践していることだ。

「次にとるべき行動」を整理することには大きなパワーが秘められており、行動のリマインダーを状況別に整理する手法はややユニークなやり方だが大きな効果をもたらしてくれる。

『はじめてのGTD』でGTDを知った人が私に会うと、「次にとるべき行動」のリストを作って活用していることを得意げに話してくれることが多い。

ビジネスの世界では、このレベルで状況をコントロールしていく重要性がますます認知されるようになってきた。

「行動」というキーワードは今、ビジネスにおいて最も重要なものになっており、自己管理やリーダーシップの分野において今後もホットな話題でありつづけることだろう。

また、ビジネスにおける失敗の最大の原因として、このレベルでの問題が挙げられることも多い。

ただ、この「行動」に関する書籍やトレーニングの多くは、組織における「仕組み」の部分に目が行ってしまっているのが現状だ。

もちろん、そうした「仕組み」を改善することも有用ではあるが、それらは現場で実際に行われている行動レベルまではカバーしきれていないことも多い。

実際に仕事を成し遂げていくのに必要なのは、個人レベルの物理的な行動ステップに注意を向けることなのだ。

現状がどのようなものであるかにかかわらず、行動のレベルに注意を向けていくと、現実が大きく変化していく。

組織において高いレベルで行われた思考と意思決定は、最終的にリソースの配分(どういう行動をとるか、ということだ)というかたちでようやく現実化する。

個人の場合も、自分に課した約束、目標や価値観を現実のものにするには結局体を動かさないといけないのだ。

何か問題がありそうなときはこのレベルに注意を向けていこう。つまり「次にとるべき行動は何か」と考えるのだ。

日常的作業の不確定要素

状況のコントロールと将来への見通しを定める作業は、行動のレベルで重なり合うことになる。

思考やビジョン、注意の向け方がどんなにエレガントで知性にあふれていたとしても、物理的な行動にならない限りそれらには何の意味もない。

また、すべての「やるべきこと」の収集、見極め、整理、見直しをすることで高い水準でコントロールが達成されたとしても、その状態を維持していくには結局、行動していかなければならない。

あなたが望むべき結果に向かって前進していくには、一歩でも半歩でも踏み出して行動を起こしていく必要がある。

その際には、状況のコントロールと将来への見通しが明らかになっていればいるほど、行動に伴うリスクは減り、新しいことに挑戦していく意欲も湧いてくる。

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