オーナーシップ経営では、家庭生活とか親戚とのつき合い方が、永続繁栄の成否を決定するくらいに重要なポイントとなる。
親戚や一族の幸福を、自分がリーダーとして絶対に守っていく。
常に医者と仲よく友達つき合いをしていて、 一族のだれかが病気をしたら、その友達の病院へ入れてあげる。学校の受験で困っていたら、絶対に合格させてくれるぐらいの家庭教師をつけてあげる。就職で困っていたら、自分の責任で就職させてあげる。
一族の中で争いが起こったら、調停してあげる。どうしようもなければ、弁護士を立ててあげるが、ただし、そのときは、 一族から破門だということを教えておく。 一族の縁は、争い事で互いに弁護士を立てたら、そこで終止符が打たれ、以後、仲よく暮らすことなどできなくなる。
ハッカ(客家)という一種の華僑や、あるいはユダヤやヨーロッパの長く繁栄している旧家には、 一家の掟が必ずある。そういうものをよく勉強すべきだ。
私には、こんな経験がある。中華街のハッカで、娘さんが日本人と結婚した。そして、日本人の男に中華店とビルの何軒かを任せた。ところが、その日本人は油断したのか、ハッカの人たちが爪に火をともすような生活から叩き上げてきたいろいろな苦労がわからなかったのか、とにかく競馬に明け暮れ、金を湯水のごとく使う。
ある時、「会社の経営者のことで、実は娘の婿なんだが、一家みんなで家族会議を開くので、来て欲しい」と言われた。、行ってみて驚いた。同席した中国の人たちが百人以上いる中で、親が娘に、
「お前の旦那もここに来てるが、お前に、今日この場で決断をしてもらう。 一家を取るか、旦那を取るか、いますぐ決めろ」と言った。
娘さんは、涙を流して、
「一家を取ります」と言った。
途端に、その一件はおしまいになった。要するに、旦那は放り出された。ただそれだけだ。非常に厳しい掟がある。
たまたま、日本人の男性は、 一族に立派なリーダーがいなくて、人間としての本来の生き方を修行できなかった。自らも経営者としての手腕を鍛え上げたり、あるいは、いろいろな友人や医者や弁護士を得て、十全に育つことができなかったのだ。娘が好きだというだけで、急に飛び込んできて結婚すれば、こういう失敗もする。だから、家長としての心構えを自分の息子にも注意深く教えておいて欲しい。
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