第六図をご覧いただきたい。長期計画作成の手順を示した図だが、この図のうち実証作業
の手順を示した部分だけを箇条書きにしてまとめると、次の①〜⑦のようになる。実証作業
は、この手順を踏んでいかなければならない。
①人件費計画
運営基本計画の中で、の中で、配分のパーセンテージの最も高いのが人件
費である。しかも一人当たりの人件費は今後確実に増えつづける。こ
れが狂えば長期計画そのものが狂ってしまうほどの最重要項目だ。五
年後も現在のパーセンテージで収まるのか収まらないのか。収めると
したら新規採用を含めた要員体制をどうするのか。給与水準は社員に
対して社長としての役割を果たしたといえるものになっているかどう
か。まず「ひと」の面から検証する。
「―――――――‐――――――――――∃
豚瞳隠問順旧巨胆」――社長の経営ビジョンを実現させるためには、設備の拡充にも前向
きに取り組まなければならない。だが資金には限界がある。経営の安
全面も考慮に入れながら、もっと生産性が高く効率のいい設備に重点
を移していく必要があるが、それをどのくらいの範囲に収めるか。「か
ね」と「もの」の両面から検証を加える。
③運転資金計画
基本計画を実行に移していくには、そのための運転資金が要る。
いわゆる「資金繰り」だが、それは十分か。短期の資金計画を検証す
る必要がある。それには、売掛金の回収、買掛債務の支払い、手持ち
資金、在庫などについての定石を社長は把握していなければならない。
④税金計画
税金計算には守らなければならないいくつかのルールがある。社
長は大体これを勘に頼りがちだ。基本計画の数値どおりになるかどう
か、資金面の補足的なチェックだが、これは経理の担当者にやらせて
もいいだろう。
⑤資金運用計画
資金をいかに有効に使うかというのが資金運用計画である。それ
には、バランスシートの右側(資金の調達)と左側(資金の使途)の
調和が、無駄なくうまく取れていなければならない。それがどうなっ
ているかの実証作業が必要だ。これにも社長として知っていなければ
ならない経営の定石がある。
⑥金融計画
必要な資金は金融機関から調達しなければならないこともある。
その場合の金利に対する対策は万全か。借入増加に対する固定預金は
大文夫か。野望だけで突っ走ると、多くはここでつまずき、とんでも
ない結果を招くことになる。バブル時代の教訓を生かし、十分なチェッ
クが必要だ。
⑦財務計画
以上の実証作業を経て、その結果を一枚のバランスシートにまと
めたのがこの財務計画である。ここまできて、社長の経営ビジョンは
具体的な資金の裏づけを得ることになる。
以上が、実証作業の具体的な手順である。
作業の各段階で用いるそれぞれの表が、実証作業を経て七枚の資料になる。この七枚の資
料ができて、はじめて会社としての長期計画となるわけである。
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