設備投資を決める際に社長を迷わす案件のひとつに、設備投資の予算が足らなくて、何を優先的に投資したらいいのかわからない、ということがある。この場合の答えとして、設備投資の優先順位は、耐用年数の短いものから実施する、これが定石である。
そもそも、機械設備と一口にいっても、その償却率や償却年数は大きく異なる。たとえば、一般機械設備だと償却年数10〜12年で、年間の償却率がおおむね20%ぐらい、工具・金型のようなものであれば償却年数は2〜3年からせいぜい5年、年間償却率が50%くらいで大変な違いがある。つまり、耐用年数の短いものは償却率が高いということである。
減価償却費は実際にキャッシュアウトしない経費であるから、資金繰りの重要な源泉になる。したがって、設備投資で何を優先したらいいのかという問題が起きたときには、迷わずに耐用年数が短いものからやる。たとえば、短期間に収益性の優れた会社にしたかったら、建物やマザーマシンのような償却年数の長いものへの投資は当分止め、利益増大にすぐにでも貢献でき、しかも償却年数の短い設備、すなわち新製品開発のための金型とか合理化機械のような即効性のある設備に、投資の重点を置くといった具合だ。
このように、設備投資を決めるときに社長は、償却年数の長い設備への投資と短い設備ヘの投資とを区別し、状況によって使い分けるという視点を持っていただきたい。そして、優先順位を決める場合のルールとしては、耐用年数の短いものから優先的に設備投資枠の中に繰り入れていく、これが資本効率を上げて資金繰りを良くする、大事な定石である。
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