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定石14:固定費を変動費化する努力をせよ これからの企業経営にとって大事なことは安定である

これからの収益向上の要となるのは、やはり「安定」「安全」であろう。すなわち、売上の大幅な伸びが期待できないなかでも確実に利益が出る体勢を築くこと、理想としては、たとえ減収しても増益できる減収増益体勢の確立である。

そこで減収増益体勢をつくるためには、経費に占める固定費の割合を減らして変動費の比率を高めることによって、売上の増減が利益の増減に与える影響を減らすようにすればよい。なぜなら、売上高に占める固定費が多ければ多いほど、売上の増減によって利益の増減も大きくなってしまうからだ。

これを第13表で説明する。上下2つの図は、売上高、利益が同規模の会社で、上図が固定経費比率が変動経費比率よりも高い会社、下図が変動経費比率が固定経費比率よりも高い会社である。

固定費というのは、人件費や賃借料など売上の増減に関係なしにかかる費用のことだ。たとえば、今月は売上がゼロだったとしても、人を雇っている以上、給料は払わなければならない。あるいは、事務所の家賃は売上がゼロでも払うものだ。 一方の変動経費というのは、原材料など売上が発生したときに初めて発生し、売上が増えるにしたがって増える経費である。

ところで、上下それぞれの図の損益分岐点から売上が増加した場合、そして減少した場合の斜線部分の面積に注目していただきたい。

ちなみに、損益分岐点というのは売上高線と総費用線のクロスした地点で、利益ゼロ損失ゼロということだ。すなわち、損益分岐点より売上が下がれば、売上高線よりも総費用線が上に位置するようになり、総費用線と売上高線の幅だけ損失が出る。反対に、損益分岐点より売上が増えれば売上高線が総費用線を上回り、売上高線と総費用線の開きの分だけ利益が出る、というように図を見ていただきたい。

そうすると、上下それぞれの会社の斜線部分の面積は、固定費が高い会社の方が大きいことに気づかれるだろう。つまり、固定費の高い会社というのは、低い会社に比べて、たとえ売上の減少幅が同じでも利益の減少が大きくなるのだ。

逆に、固定費の低い会社というのは、売上が増えても利益の増え方が少ないともいえる。上下2つの会社の損益分岐点から右側の斜線部分の面積を比較すればわかるように、売上が同じだけ増えた場合、固定費比率の低い下図の会社の方が斜線部分の面積は小さい。

要するに、固定費比率の高い会社というのは固定費比率の低い会社に比べて、売上高の増減が利益の増減に大きく影響するということである。売上が増えた場合の利益の増加は大きいが、そのかわりに売上が減った場合は利益の減りが大きい。

そうすると、これからの企業経営としてどちらを選ぶかを考えた場合、冒頭にお話ししたように、低成長、低収益の時代はとくに、売上の減少によって利益が大きく変動する会社よりも安定した企業形態を求めていくことが必要になってくるといえよう。

そうなるとやはり、固定費を減らして、変動費比率を高めるやり方が、企業収益確保の定石なのだと申し上げたいのである。

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