学習する場合は、学習する日数と時間も決めておかなければなりません。 これも、私の経験によると次のようになります( 1日当たりの学習時間は 6時間とします)。 ① 1人 ~ 10人規模の会社――年間 24日 × 6時間 = 144時間 ② 10人 ~ 30人規模の会社――年間 36日 × 6時間 = 216時間 ③ 30人 ~ 100人規模の会社――年間 48日 × 6時間 = 288時間 ①の従業員 10人以下の会社では、ほとんどの場合、社長自身が繰り返し作業である「戦術」も担当しながら、従業員に対する仕事の指示と指示した仕事
のチェック、売掛金の回収状況のチェックや資金繰りもします。さらに社長としてしなければならないその他の雑用もあるので、時間的に余裕がつくれません。 つまり社長の中でいちばん忙しいのは、従業員 10人以下の会社の社長なのです。これでは平日に経営戦略の学習ができないので、休日を使わざるを得なくなります。「休日は趣味や付き合いもあるから」と言って、戦略の学習を怠ると、戦略と戦術の区別がつかなくなり、目で見える戦術だけが経営の大事な仕事だと思い込んでしまいます。それでは「戦略なき経営」となってしまい、なかなかそこから伸びていくことができなくなるのです。 こういう社長はたいがい「忙しくてバタバタしている」と口ぐせのように言いながら、気ぜわしく走り回っているので、外からは仕事熱心で立派な社長に見えます。 しかし「戦略なき経営はムダが多い」と言われるとおり、会社のあちこちからムダが出るので赤字になり、結局、会社も社長個人もお金に困り始めます。 こういう現象を「バタバタ貧乏」を略してバタビンと言いますが、従業員 10人までの会社の社長には、こういう人が非常に多いのが現実です。 こうならないためには、 1カ月のうち、休日の 2日間を戦略の研究日に充てて、その日の 6時間は身を入れて経営戦略を学習する必要があります。 ②の従業員 10人 ~ 30人までの会社の場合は、社長が戦術上の仕事に追われることは少なくなりますが、その代わりに戦術リーダーの仕事量が多くなります。 従業員に対する仕事の指示やチェック業務も、 10人以下のときより、人数が多い分時間をとられます。覚えが悪い人には、教育もしなければなりません。 売掛金の回収状況のチェックや資金繰り、社長としてやるべきその他の雑用もたくさんあるので、経営の学習は、やはり休日にせざるを得ませんが、経営規模は 10人時代より大きいので、戦略も複雑になるため、 3日は学習の時間に充てなければなりません。 もしこれを怠ると、やはり社長がバタビンになる恐れは十分にあります。 ③の、従業員 30人 ~ 100人の規模の会社になると、社長と一般従業員の間に戦術リーダーが何人か置かれるので、社長は日々の繰り返し作業である戦術から解放されるばかりか、社長としてやるべき雑用もグンと少なくなります。 しかし従業員が 30人を超すと、商品の幅、営業地域が広くなり、競争相手の数が増えて、手強い競争相手が何社も出てきます。 さらに従業員が多くなると、経営計画書づくりや従業員教育の仕事のウエイトがグンと高まってきます。 この状態で勝ち残るためには、よりレベルが高い経営戦略知識が欠かせなくなります。そこで経営戦略の学習にはもっと力を入れ、戦略実力を同業の社長よりも高めておかなければなりません。 そのためには、平日も含めて、 1カ月当たり 4日間の学習日が欠かせなくなります。もしこれを怠ると、強力な競争相手に敗れ去り、業績低迷にあえぐばかりか、倒産の危険さえ出てくるでしょう。
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