通常の二代目社長よりもさらにややこしくなりやすいのが、先代社長の娘婿が跡を継いで、二代目社長になるケースです。
オーナー企業で先代社長のお子さんが娘さんしかいないときなどにそうなるのですが、実の子どもが継ぐよりも、社内の反応はネガティブになることが少なくありません。 これまで働いていた古参の幹部や従業員から見ると、「娘さんの旦那さんか知らないけど、何も知らない人がいきなり社長になって、何ができるんだ」となるのですね。 だから、実の子どもが継ぐ以上に、「お手並み拝見」になりやすいのです。 最悪なのは、その新社長が、「私が前にいた会社はこうだった」「どこどこの大手はこういうやり方をしている」と言って、新しい仕事のやり方を押しつけることです。新社長はいきなり経営を任されるぐらいなので、前職が大手企業の役職者であったりすることが多く、その会社のやり方が良いと考えています。 しかし、中小企業と、前職の大手企業とは環境や考え方が全然違います。それを無視して新しいやり方を押しつけてもうまくいきません。たとえ良いやり方だったとしても、人間には感情がありますから、今までのやり方を頭ごなしに否定されたら面白くないでしょう。 すると、余計に、娘婿の新社長 vs.旧組織の対立構造が生まれてしまいます。実際、そうなってから相談に来られるケースもたくさんあります。 こうした対立を防ぐためには、まず、新社長が組織の社風や文化などを理解することが必要です。この会社がどういう成り立ちで、みんながどういうモチベーションで働いているのか。こうしたことを知ることで、どうすれば自分の言葉が幹部や従業員に受け入れられるかが見えてきます。 できることなら、社長としての業務を始める前に、現場に入って働かせてもらうといいでしょう。経営報告の資料だけ見ていても、現場のことはわかりません。現場を蔑ろにすると、孤立します。 M& Aで買収した会社の社長になる人が、就任前に現場で働いて、店長にボロカスに言われるなんてことがありますが、そういった経験が経営にすごく活きてくるのです。 このように、まずは雪解けの努力をする。それから、どういう会社にしていくのか、方針を示しても遅くはありません(*)。*私も企業再生の現場では、立場を伏せて一定期間様子見で働かせてもらった経験があります。もちろん、一生懸命やりましたが、後から驚かせてしまった方々ごめんなさい。
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