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女性が顧客、価格政策に迷いが出る

女性の購買意識をとらえる場合、女性の価値判断の複雑さが議論になる。スーパー・サミッ

トの社長であり作家でもある荒井伸也氏は、バブルの最盛期に評論家や学者先生が「成熟化

社会では感性が重要」とか「付加価値をつけて売ろう」とのたまわったときも、「バカ言え、消

費者は価格意識が強いんだ」と言い続けていた。

バブルが弾けて、その先生方が「消費者は価格に目がいく時代になった」「日本の消費者も

価格に目覚めた」と発言したが、そのとき、荒井氏は「何を言うか、いまごろになって。消費

者の価格意識の目覚めはいまに始まったことではない」とおっしやっている。毎日、スーパー

の経営に努力し奥様方やモニターの声に耳を傾けている真摯な社長であればこそ、そうおつ

しゃるのは当然であろう。

だが、景気情勢によって顧客の志向、重点ポイントは目に見える形で変化するのも事実で

ある。私が後で述べるように、不況期には「価格」、上昇期は「品質」、好況期には「サービス」

と変化する。

ただ、消費行動を云々する場合、もう一つ大事なポイントがある。それは、日本ではいまや、

消費・購買決定権の八〇%までを女性が握っているという現実である。男性の下着、シャツ

はもちろんのこと、耐久消費財である住宅や車、家具、家電製品も妻が「ノー」と言えば、家

に入らない時代になっている。しかも、この女性の購買意識が、複雑に、千差万別と言って

いいほど微妙に揺れ動くから、商品提供者の意思決定は混乱し、顧客ニーズがつかみにくく

なっているのである。

そこで私は、企業経営者の皆さんに対しては、女性をよく研究して、女性に好まれる企業

になるよう、女性に好まれる商品を提供せよと、かねてから口がすっぱくなるほど申し上げ

示したように、四面性、四つの側面を持っている。

少々誇張した表現となるが、それを説明すると次

のようになる。

①女は女―  (世の中の流行について)同年代の

女性は、自分より少し若い女性が、いま何を

身に着け、どんなスタイルで、どんな文化な

り情報に目を向けているのか、つねに気にな

り、それに遅れまいとする。 一〇〇円化粧品

には見向きもせず、ミエのために少々高くて

もお金を使う。

②女は妻―  (夫に対して)いろいると世話を

し、面倒を見、夫がほかの女に目を向けない

ようせっせとかしずき、夫を独占しようとす

る。女はセクシーなのであり、「愛」しか頭にない。

③女は奥様― 日本の八〇%の奥様は財布を握り、消費生活で毎月十数万円以上の買い物

をする。 一家の大蔵大臣であり、 一円でも安いものを欲する低価格志向の権化となる。

スーパーでの買い物行動はまさにこの現われであり、経済第一主義。

④女は母― ‐妻として夫に向けた愛は、子供ができると一変して、子供にすべての愛を捧

げ、やれおけいこだ、塾だ、お洋服だ、やれ遊園地だとお金を衝動的に使いまくる。

このように女性は、女、妻、奥様、母の四側面を持つわけだが、皆さん方、経営者は自社

の商品がこうした女性のどの面を対象にした商品なのか、どんなサービスを提供し、ビジネ

スを行なっているのか、明確な座標軸を決めておかねばならない。それによって価格政策、

商品政策などのすべてが変わってくるのであるから。

世の評論家、先生方をバカにしたり、自分の体験だけが正しいとすると問題があるが、仮

にスーパーの経営者が価格訴求を最重点にして、店内のデザインなど雰囲気から什器備品ま

で金をかけずに安くあげて、店員の態度も愛想のない店づくりに徹したら、果たして奥様方

は喜ぶであろうか。

とくに経営陣の普段の生活スタイルや趣向と異なった場合には、商品決定会議でも間違っ

た判断を下しがちだ。というのも、経営陣にターゲットクラスター(主な対象となる客層)

とも言うべき女性が加わっておらず、またそのような判断ができる経営者がほとんどいない

からである。

いずれにせよ、いま求められているのは、明確な自社の主張なリコンセプトを持って他社

とマーケットの棲み分けによる競争を行なうことであり、自社のターゲットクラスターを重

視した差別化にエネルギーを集中して優位性を確保すべきである。

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