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大胆と細心の使い分け方

創業、すなわち事業を興す時には大胆に、逆に、守成は細心にというのが基本である。創業時は大胆にやっていかないとだめだ。大胆でない人は、チャンスをなくす。大胆が、創業時のテーマである。

一方、守りに入ったなら、細心がテーマとなる。状況に応じて使い分けができないとだめだ。

創業してから十年、二十年たって、市場の中での占有率がかなり高くなった時は、社長は自分の性格を変えて、大胆を縮小して、守成を身につけていかなければならない。

小林一三さんは、創業者だったから、阪急電鉄をつくり、宝塚をつくり、映画会社の東宝をつくり、デパートをつくり、次々に手を打って、ついには大臣になり、東電の社長までやった。その後を清水雅さんが引き継いで、阪急グループのリーダーになり、東宝の社長もやったが、彼は守りに徹した。創業者で、事業の多角化を推進してきた小林一三さんが亡くなったので、守りに徹していったのである。清水雅さんは、守りでは相当な器の人だった。

東宝の当時の副社長で、清水さんの直接の部下だった馬淵武雄さんに、私が「清水雅さんは、どういう人物ですか」と聞いたら、「清水さんは、守成の人だ。それも、たぐいまれな守成の人だ」と言っていた。映画会社のことごとくが低迷を続け、どうしようもなくなった時でも、黒字を見事に出していった。

波瀾期に、何かやろうとした時にも、創業期の心構えたる大胆を忘れてはいけない。また、一応安定したなら、細心の注意を払って事に当たるようにする。

いざ、後継者として息子が会社に入ってきたら、「創業の任」と「守成の任」を、よく叩き込んでおくようにする。先に書いたように、創業時は、激しく野性味豊かな方がいい。息子にも、関連会社などの創業時には、そうなれと教えておく。

事業が軌道に乗り、守成になると、自分の性格を変え、大局をよく掴んで、バランスとか平和とかいうものを重視していくようにする。創業や守成の状況に応じて、性格を変えることを自分の息子に叩き込んでおく。もし、息子が偏った性格であるなら、有能な部下を用いて補完しつつ、凌いでいくようにさせる。

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