しかしすべての増員をパートというわけにもいかない。
この会社の社長は、こうも考えた。
「ただし増員をすべてパートにしてしまうと、今年九八番目の社員は、五年たっても九八
番目ということになってしまう。いつまでも新入社員が入ってこないと、この社員も辞めか
ねない。社員の構成もいびつになってしまうから、毎年一人は新卒を採用しよう。パートは
毎年二人採用していこう」と。
このような方針決定は、社長がやらないとできないものである。
なぜなら、この増員計画はかなり厳しいものだからである。第1
3表をもう一度ご覧いただ
きたい。
増員計画は各年度正社員一人、パートニ人の採用で、五年後の要員は正社員一〇二人、
パートが一六人、計一一九人ということになる。これで一一億八三〇〇万円の付加価値を
一九億九五〇〇万円に約七〇%増やそうというわけだ。それを約一五%の増員でやろう、そ
れもパートを増やしてやろうと。なにしろ労働生産性で五〇%近く上げようというのだから、
社長の社員に対する相当強引な要請である。
そうする以上、年間四カ月のボーナスでやれと言ってもやってくれっこない。会社も待遇
を思い切って改善しなければ、いくら一五%の増員だ、と計算してみても数字のうえのこと
で終わってしまうのである。
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