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土地は利用すれど所有せず

ほとんどの経営者は、企業というものは、土地を所有すべきであると信じ込んでいる。

「なぜ、土地が必要か」

と聞くと、「土地というものは回転しなくても、いつの間にか値上がりして含み資産がで

きる」と答える。この事実があることは認めるが、土地の値上がりは何も経営努力によるも

のではない。

じ― っと値上がりを待っていて資産の含みが増えていくことを、ただ祈りながら会社を経

営していくのでは、経営者とは言えない。それは「浮利」を追っているだけの存在にしかすぎない。

経営者として大切なことは、土地を使って、いかに有効に経営をするかであり、それが本

来の目的のはずである。だから企業が「土地を持つ」というときは「値上がりを期待」して持つ

べきではない。その土地を有効利用することによって利益を上げるためにこそ、持つべきも

のなのである。

ところが、世間一般を見回すと、いろんな無理までして土地を、しかも必要以上に多く買っ

ている例が少なくない。たぶん、広い土地を持ち、より広い所へ進出するという気分のよさ

に浸って自己満足しているのだろうが、企業経営者としてはこのような土地の持ち方は本末

転倒も甚だしいと言わぎるを得ない。バブル時代に投機目的で土地を買いあさり、いましみ

じみとホゾをかんでいる経営者がいかに多いか、これは決して他人ごとではないのである。

安い土地を探すか、高い土地で商売するか。この選択は、自分の商売なり、取扱商品を考

えて決めるべきだろう。例えば、軽くて、腐らないものであれば、土地の安い地方なり田舎

のほうがよい。逆に、腐りやすく、かさばるものを扱っているのなら、輸送の便からも消費

地=都会に近い場所を選ぶべきだろう。そして消費地に工場を建てるときは、平屋でなく高

層化した、敷地面積を多くとらない省スペース化の建物に徹するべきである。

小樽市にある和弘食品、佐賀県の有明食品は、スープメーカーとして北の和弘、西の有明

と言われているが、いずれも原材料が手に入りやすく、しかも地価の安い所で製造して経営

的なメリットを発揮している。 一方、フレッシュでかさばるものは、配送面の便がよく、物

流費が少なくてすむところへ工場を建てたほうがよい。国際化時代ということで、なんでも

加工・製造は台湾や韓国ヘシフトしようという短絡的な考え方は禁物で、国内でも地域を選

べば逆に有利な事業、商売はまだまだある。どこで製造。加工し、どこで事業なり商売を行

なうかは、自分のところの商品、サービスに最も合った場所を選ぶのが賢いやり方である。

いくら国際化時代といっても海外では不向きのものもかなりある。要は自分の頭でよく考え

ることである。

消費者金融で大儲けしている社長の自宅で食事をご馳走になった時の話である。

「社長、私はあなたのことだから、もっとすごい豪邸にお住まいと思っていましたが、ご

く普通のお家で安心しました」

「なぜですか?」

「私の知っている同業者の社長は千坪の豪邸で、車も子供の分を含めて5台もある贅沢な

生活をされていますから、社長もリッチな生活をされていると思ってました」

「アホですね! 私はそんなお金があるなら、お金を必要としている顧客へ回しますよ。

貸金業者が銀行から借金して金利・元金を支払うのはアホの極みですよ!」

「社長 この家は?」

「もちろん借家ですよ!」

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