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四、店頭公開・上場を目指すには

業績と経営形態

店頭登録したり、上場したりして資本市場から資金調達することを、男の生き甲斐と考えている社長も数多くいる。

なぜ、店頭公開や上場をするのか、それは、まず、資金調達力が増すからである。たとえば、何らかの目的で五千円という金額を調達するとする(もちろん、これは説明を簡単にするために、単位を極端に小さくしている)。

銀行から借金をすると、利率が仮に五%とすれば、五千円に対して三百五十円の利息がかかる。おまけに、五千円を、十年にわたって分割返済するとしたら、五百円、五百円、五百円……と十年間返し続けて、やっと元金がゼロになる。当然のことながら、元金はすべて返さなければならない。

金利は初年度が三百五十円で、次年度からはだんだん減っていくが、とにかく、 一年目は三百五十円と返済金五百円で合計七百五十円を、内部留保金という形で余計に確保しておかなければならない。そうしないと、返せない。経常利益から税金を持っていかれるから、返済金のだいたい三倍の経常利益を出しておくことが不可欠だ。

経常利益から、まず税金で五七%持っていかれて、純利益が出る。純利益から配当金と役員賞与を払い、その残りの内部留保金で銀行に返済していく。そういうことをきちっと考えて経営をやっていかなければならない。

ところが、五十円額面の株式を一株売って、五千円調達したとする。紙きれの印刷代が一円か二円かかるが、とにかく五千円調達した。元手が五十円でもゼロでも構わないが、調達した五千円に三割配当しても、 一株当たり十円である。残りは自分のものだ。元本を返済する必要も、何もない。あとは配当しながら、ずっと事業を続けていくだけである。配当率の上下はあるだろうが、株主にはプレミアムが物すごくつく。

上場するのに手数料が多少かかるが、たとえば、六十円かかったとして、四千九百四十円は使える金になる。借金と株式上場とは、システムが全然違う。だから、多くの社長は上場を目指すのである。

しかし、上場とは、形式的には確かに紙きれを相手に売ることに違いないが、実質的には財産を売ることだということを知っておいてほしい。ベースがそこにないと、大きく間違ってしまう。

株式で資金調達するには、東京、大阪、名古屋、福岡、広島、札幌、京都、新潟などで上場または店頭登録をする。

その際、まず大切なことは、業績である。東京の場合は、大体、直前の経常利益を四億円以上出していないと、上場できない。

大阪で一億円、名古屋で一億円、地方で五千万円以上である。

店頭の場合は、 一株当たりの配当が十円以上ないと、上場の資格がない。上場したいなら、必ず右のような金額を経常利益で達成しなければならない。

審査の対象としてこのほかに、純資産すなわち税引き前利益、それから発行株数、株主数、一般株主の比率、配当、会計士の監査、会社設立後何年かという通年……などの項目がある。東京の場合は、税引き前利益が四億円と述べたが、純資産でいうと十億円ないとだめだ。会社を評価して、十億円以上の財産がないといけない。大阪で二億円、名古屋で二億円、地方でも二億円ぐらいだが、店頭では二億円あれば良い。

発行株数は、東京で四百万株以上、大阪で二百万、名古屋で二百万、地方で二百万、店頭でも二百万以上ないといけない。

株主数も、大体、東京では八百人、大阪で三百人、名古屋で三百人、店頭で二百人ぐらいとなっている。

一般株主の比率は、公開時に、東京で二〇%、大阪で三〇%、名古屋で二〇%、地方で二〇%、店頭でも二〇%ぐらいである。

会計監査は三年以上受けていないといけないし、また会社設立後の通年は三年以上ないとほとんどだめだ。

以上が必要条件だが、詳しくは監査法人とか、証券会社に聞けば分かる。私は、コンサルタントとして、これまで数多くの会社を上場させてきたし、今も指導先の中で二十社近くが上場をもくろんでいる。そして、上場を目指す会社には、まず第一に売上と経常利益を上げさせるようにしている。

もう一つ、上場を目指すなら、経営形態ということについて熟知しておいて欲しい。上場に際しては、子会社、関連会社のすべてが合併させられる。合併しないで、子会社などの社長を兼務したままでいることは認められない。要するに、上場する一社の社長にしかなれないということである。そういう経営形態をとることが条件づけられている。

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