商品開発をいかに成功させるか、そのカギは二つに絞られる。それは、
①好奇心
②体当たり
である。
①好奇心というのは、執念と深い関わり合いがある。自社商品に関する情報の収集をした
り、街頭へ出て、現地現場を這いずり回る。何を見ても興味をもって眺める思い入れの精神
の強さというか、豊かな感受性も、情熱を発揮する。これが、ここでいう好奇心である。
②体当たりというのは、 一つの商品化について責任感を持ち、寝食を二の次にして取り組
むという旺盛な行動力のことをいう。
別項でもいったようにサラリーマン的な思考の持ち主とか、責任はできるだけ回避したい
という人達では、できるものではない。
失敗すれば、その被害は我が身に及び、最悪の場合、私財を投入しても穴埋めをしようと
する決意。これは雇われの精神しか持ち合わせていないサラリーマン根性では至難である。
体当たりとは、組織をつくって一般社員に命令し、かくあれとゲキを飛ばしておれば実現
するというものではない。
また、商品開発とは百発百中はおろか、成功率は非常に低い。それだけに商品開発業務は、
トップの責務として持つべきである。
世界で初めての真珠の養殖に成功した御木本幸吉氏は、並大抵の苦労ではなかった。数度
にわたる真珠貝の全滅、そのたびの借金とその返済による私財の投入、破産寸前に追い込ま
れるという試練の中で、遂に初心を貫いている。
ブリヂストンの創始者である石橋正二郎氏は、タイヤの返品に泣いた。売り出してわずか
の間に数万本という返品がきた。この会社の存在を危なくするようなクレームを、天の声と
して受けとり、歯を食いしばって改良に明け暮れ、今日の基盤を築いたといわれる。
こうした体当たりの実行力を学ぶべき実例は、多くある。
好奇心と体当たりは、ライフサイクルの短い商品を取り扱っているところでは、当たり前
として行なわれている。
失敗のチャンスを与えない、失敗の経験も与えないというやり方では、体当たりの精神や
好奇心が社内で育たない「ムコウキズ」が自慢になる社風でないとダメだ。しかし、トップま
たはこれに準ずる人達が老齢化してくると、好奇心も体当たりの精神もなくなってくる。企
業も老化が始まるというわけだ。
老いた好奇心と体当たりはあるにしても、それは、過去の栄光の延長にあるもので、現状
まぬが
認識から見れば、認識不足を免れな
後継者が育たないと、こうした商品開発の面でも、初代だけで尻すぼみになってしまう。
大ヒットの後にヒットの出ないといわれるゆえんである。
開発組織体制を重点的に考えて先行させていても、逆に潰すことになる例も多い。
当初から開発企画書やマニュアルがあって実施しても、必ずそのプラン通りにはいかない
ことが多い。
また、詳細な計画で事を進めているわけではないという企業のほうが、成功実例は多いよ
うに見受けられる。要は、体当たり精神を継続することである。戦わないから弱くなるので
あって、戦い続けるから強くなる。挑戦をやめれば弱くなるということだ。
組織にこだわらず、企業内で自由人たれとする運営、自由奔放な発想をバランスをとって
生かし、その決断、実行はトップまたはトップの後継者の責任において行なうことにつきる
と思う。
商品開発の活発な企業の社長、トップ陣は共通して「その領域の詳しいことは私はわから
ない。君に任すからやってくれ」といって予算を組ませる。そのようなトップ。社長はまた、
グループ化して子会社を各地に持っているが「のれん分け」の運営で、できる者はトップにさ
せる方針で権限委譲をうまく実行しているのである。
大企業に多い大企業病「新しいものに挑戦してもバカバカしいだけだ」。この大企業に勝つ
方法は、中堅。中小企業においては、若手の間にこんな考えを持つ者をなくすことである。
民
υ
コメント