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医療機関インタビュー

目次

1 患者様を中心とした医療の専門家集団となるために

竹島徹氏つくばセントラル病院

――病院の歩みを聞かせてください。

竹島 スタートは、28 年前に私個 人が開設した小さな病院です。そ の後法人化して規模は大きくなり ましたが、巨大化する組織を私自 身が管理する術を持ち合わせてい ませんでした。 そこで目をつけたのが、世の中 のさまざまなマネジメント手法で す。業績発表会、コスト削減委員 会、そしてIS014001シリ ーズ、医療機能評価と、あらゆる ものを導入してきました。個人病 院という狭い視野から脱却して、 社会基準に沿った客観的な組織に 成長させたかったからです。 ――そして5Sに進むわけですね 竹島 そうです。それぞれの活動 は確実に成果を生んできましたが、 ある時期にさしかかると停滞して しまう。そこで、もう一度内部に 目を向けて、基本的なところから やり直したいと思いました。「組織 横断」で、経営者だけでなく現場 も実感できるように、もっと直接 的で日で見てわかる活動にしたい、 それには5Sが最適だろうと考えたのです。 私自身、経営者であり医師であ るという立場できたものですから、 「患者様を中心とした医療の専門家 集団」を動かす難しさを痛感して いました。ある意味、その弱点を 解決する術を探し続けていて、5 Sに行き着いたと言えるのかもし れません。 ―15Sと医師の関係について 竹島 導入当初から、医師を中心 に回そうとは思っていませんでし た。医師は、技術で患者を治療す る専門家です。5Sによるメリツ トを享受して、仕事がやりやすく なれば、それでいいのです。この 点は、他の医療機関とは少し違う ところかもしれません。 ただ、周りに触発されたのか、 医師自身の協力や、ヒャリ・ハツ トの報告件数などが増えてきまし た。このような5Sの広がりはと ても嬉しいところです。 ――キツクオフ当時の話を 竹島 キックオフ以前から、全体 的に広報活動して5Sの導入主旨 を全員に理解してもらうように働 きかけました。同時並行して、他の病院だけでなく、5Sを実践し ている工場見学を企画して、16 0人いる役職者全員が参加して、 5S のよさを実感してもらいまし たc 導入するからには、「病院全体 で本気になって取り組むのだ」と アピールすることが大切ですね。 こうした意志表明によって、全体 のベクトルを合わせるのは、私の 仕事です。 ――全体の組織を教えてください 竹島 介護を含めると、1100 人の大きな所帯です。大きく分け ると5 つの部門、 43 の部署になり ます。5S の推進委員会の委員が 14 人、その下に活動推進の管理者 がいて、さらにその下に実践部隊 の長である5Sリーダーがいると いう組織です。 具体的には、月1回の推進委員 会で決定したことを推進管理者が 部門に展開して、リーダー中心に 活動する。そこでは、外部も巻き 込んで、 一緒に活動しています。 ――外部も巻き込んで? 竹島 たとえば、委託している清 掃会社にも参加してもらっていて、 正しい清掃のやり方や薬品の選定 など、アドバイスをもらっていま す。いろいろな提案もいただいて おり、共に活動しているというイ メージです。 ――変わったと思うのは? 竹島 5Sのいいところは、誰も が見た日でわかるというところで すね。また各ラウンドで職場のレ ベルが点数ではっきりわかります から、管理者も含めて手抜きは一 切できません。そうした個人個人 の意識が一番変わったと言えるで しよう。 また、これまであまり目立たな かった人材が、5Sによって人が 変わったようにイキイキと活動を して、その人が周囲に影響を与え るといった事例が、どの部署にも 生まれてきました。 ――個人が周囲に影響を与えてい るのですか? 竹島 不思議なもので、どこもそ う、組織が変わるんですよ。そし て、組織が変わると、抱えていた 課題の打開策が生まれてきます。 PDCAが1回回ると少しよくな る、そしてそれを認めてあげると、 もう1回PDCAが回る、こうし た連鎖が職場を確実に変えていく のでしょうね。 ――今後は「業務の5S」に注力 されるようですね 竹島 医療の世界に「効率」とい う言葉はそぐわないように思われ がちですが、決してそうではあり ません。組織である以上、最低限 の利益も得なければなりませんし、 効率が上がればそれだけ投資もで きて、患者様のメリットにもつな がります。業務の5S によって効 率化を推進することは、医療機関・ 患者様ともにメリットを享受でき るのです。 これまで培ってきた5Sの活 動によって、進め方や考え方のト レーニングはできてきました。手 法やツールを身につけたのだから、 絶対に課題は解決できます。そう した風土ができてきた。私が望ん でいるのは、まさにこの部分です。 作業の効率化、コストの低減、 そして何よりも、ここに集うメン バー全員がイキイキと仕事に取り 組むことによって、地域医療に貢 献できる存在となること、「患者 様を中心とした医療の専門家集 団」となることが私の夢であり、 つくばセントラル病院の究極の姿 でもあるのです。

竹島徹氏 1966年 千葉大学・医学部を 卒業し、同第二外科に入局。74 年 から1年間、米国マウントサイナイ 大学医学部に勤務し、筑波大学臨 床医学系外科を経て、88 年につくば セントラル病院を開設する。199 3年から現職。趣味は、最近習いは じめた詩吟。

 

2部署、職種を超えてコミュニヶlションが広がる5Sの力

―15Sを導入するきっかけは? 俣木 当院の外来には、日に20 00人の患者がいらっしゃいます。 また、歯科医師をはじめとするス タッフ数も圧倒的に多いという特 徴があります。限られたスベース の中で、医療ミスをなくしサービ スを向上させるにはどうすべきか、 これが病院サイドとしての取り組 むべき課題となっていました。 また当時は、日本医療機能評価 機構(病院機能を評価する外部団 体)の審査を歯科の病院として日 本で初めて受審することになり、 職種を越えた教育テーマを模索し ている時期でした。 ちょうど、看護部と歯科衛生保 健部が一緒に5S活動をスタート しようとしていた時期が重なり、 病院長に相談したところ「病院全 体として5Sを導入」することに なりました。そこで私が委員会の 委員長となって、平成23 年5月に、 スタッフを集めて5Sのキックオ フ大会を開催しました。 ――周囲の反応はどうでしたか? 俣木 トップダウンの強い表明も あつて、やらざるを得ない雰囲気 はありましたね。他の病院では、 「周りは一生懸命やっているのに、 医師だけが消極的」という話を聞 いていたので、歯科医師の巻込み 方は意識して進めました。 というのも、他の病院と違って、 当院は看護師や歯科衛生士などよ りも、歯科医師の方が多いという 特徴があるのです。5Sを導入す ると決まった時点から、歯科医師 を除くという発想はまったくあり ませんでした。 ――どのように進めたのですか? 俣木 工夫したのは、全員が5S を体験することです。まず、5S 推進委員15 人を4、5人のグルー プに分けて、通常業務が終了した 時間帯に実際の5S活動を行いま した。核となる委員自ら、まず実 際に手を動かしてみた。この経験 がのちの活動に大きく影響してき ます。その後、病院全体27の部署 で活動が始まりましたが、各委員 がそれぞれのグループのアドバイ ザーとなって、活動の推進役とし て機能しました。 ―15Sの伝達教育ですね 俣木 中にはアドバイスがうまい委員も現れて(スーパーアドバイ ザーと呼ばれる)、進捗が芳しく ない部署にはそのメンバーを投入 しました。すると不思議なもので、 一挙に現場が変わり、メキメキと 成果が上がってきました。 ―15S推進委員会委員と5Sリ ーダーが大活躍ですが、中には、 不満分子も現れたのではないです か? 俣木 1〜2割の人たちは、最初 のうちは悲観的でしたね。そうし た人の中には、リーダーをやって もらうと、見違えるように5S活 動に取り組み、大活躍してくれる ようになった人もいます。 また、実際に活動して5Sのよ さがわかってくると、現場は一挙 に変わるものです。階段を上がる と景色が変わるように、経験を積 むうちに、これまで気づいていな かった課題が、見えてくるように なりました。「動線がさあ」といっ た言葉が日常会話に出てくるよう になりました。「気付きとやる気に よって人が変わる」姿を目の当た りにしてきました。 ――運営にあたってのコツとは何? 俣木 ひと言で言えば「5S活動 をしてもらうための環境づくり」 です。裏方に徹しながら、常に働 きかけること、次々と新しい課題 と目標を与え続けることだと思い ます。 1 5Sをやってよかったと実感 したことは? 俣木 当初はスペースの確保を目 的にスタートした5Sですが、実 際にやってみると、想定していた よりももっと大きな成果を体感で きました。当院の場合はコミュ二 ケーションです。病院には、歯科 医師、歯科衛生士、看護師、薬剤 師、歯科技工士、放射線技師、臨 床検査技師、事務職などさまざま な立場の人々が、それぞれの部門 の中で仕事をしています。仕事上 の触れ合いがあまりないこともあ ります。 たとえば、5S推進委員会委員 はあらゆる立場の人間が一緒に行 動します。従来つながりが少なか ったところにコミュニケーション が生まれ、これが5S活動以外の 日常業務で役立っている例が数多 く出てきました。 人が変わる、コミュニケーショ ンが円滑になる、想定していた以 上に、5Sの成果が生まれてきて いるのです。 ―12016年度からは、業務の 5Sが評価項目に加わるとか… 俣木 歯科医師をはじめとして、 当院の職員は非常に優秀な人ばか りです。新しい目標を与えれば、 必ず新しいステージで活躍してく れると信じています。確かに業務 の5Sはわかりにくいかもしれな い。しかし、これまで培ってきた モノの5Sで、進め方やコツ自体 は身に付いています。 彼らには、時間はかかっても、 自分たちだけでやり遂げてきたと いう自信があります。5Sを切り 口とした仕事そのものの改善は必 ず進むと期待しています。 業務となると、他部署を巻き込 んだ形の活動になるでしょう。そ こでさらにコミュニケーションが 活発になって、人が変わっていく、 今から楽しみですね。 こうした流れは、医療安全にも サービス向上にもつながるでしょ う。5Sによって構築された素地 というか土台が、職員全員の意識 を変え、病院全体を変えていく姿 を、これからも内側から見守って いきたいと思っています。

俣木志朗氏 1953年生まれ。1978年に 東京医科歯科大学を卒業し、長崎 大学歯学部を経て、1995年に 東京医科歯科大学に戻る。200 5年から現職。仕事を離れると、 1976年モントリオール五輪で は、日本代表エイトクルー(ボート) のメンバーとして参加している。

3 5Sは、人を変え、風土を変える最高のツール

―15S導入のきっかけは? 谷敷 検査センターでは、平成21 年にリスクマネジメントの活動が スタートしました。その3年後、 次年度の活動目標を決めるときに、 委員会の各グループが「5Sがや りたい」と言い出したのです。 ――なぜ5Sを? 谷敷 以前私が、医療5Sの先駆 者・竹田綜合病院(福島県会津若 松市)の5S監査に立ち会ったこ とがあり、その中身を委員会で報 告していました。5Sは国で説明 するよりも、実際の現場を見れば わかります。そこで意識的に写真 を多く掲載して、職場がどれだけ キレイになるかを見てもらいまし た。やっぱり、写真の威力は大き くて「あんな職場になりたい」と いう意見が多く集まって、それが 5Sを導入するきっかけとなりま した。 ――確かに、キレイな職場は見れ ばわかりますからね 谷敷 そうなんです。しかし、5 S本来の意味からすると、表面上 キレイになるだけでは意味があり ません。管理を見える化して、決 め事を守る、職員の意識を変える、 当たり前のことを当たり前にでき る職場になることが大前提です。 全員やる気になってくれたのです が、中途半端にやるくらいなら、 やらないほうがいい。逆に不安に なってきたことを覚えています。 ――しかし、全員の総意? 反対 意見はなかったのですか? 谷敷 リスクマネジメントを3年 間やってきて、人や組織に関する 課題が見えてきたところでしたか ら、それを5Sで解決したいとい う意識が組織全体にあったのだと 思います。 ――その仕組みはどうしたのです か? 谷敷 まず、役員に目的と効果を 説明し、5Sの全社的な導入を承 認していただきました。次に組織 づくり。中核となる専門組織をつ くって、まず管理職に推進メンバ ーになってもらい、その下に主任 クラスの実行メンバーを組織しま した。このメンバーには高原先生 の講義を受けてもらい、5Sに対 する理解を深めてもらいました。 次に全職員を対象とした研修会を数回開催して、3年計画で、1 年目、2年目、3年目と、ゴール のイメージと進め方について理解 してもらいました。 ― その時点で反対勢力はいなか った? 谷敷 「活動しない」というおと なしい反対はありましたけどね (笑)。半年後のアンケートでも、 「お金をかけてキレイにするのは ムダ」「帰宅時に片付けて、また翌 日元に戻すのはムダ」といった意 見があったのも事実です。 ― その後彼らはどう変わりまし た? 谷敷 活動を進めていくと、①率 先する先行グループ、②様子見グ ループ、③否定的なグループに分 かれます。①がどんどん成果を出 していって、それが実感できると、 ②や③ のグループも興味を示すよ うになりました。そして同じよう な成果を実感する、そうしていく うちに、徐々に反対する声は小さ くなっていきました。 1年目は「全部捨ててしまうと 仕事がやりにくくなるのでは?」 「何でも片付ける必要があるのか?」 「環境が変わるのは、インシデント、 エラーのもとになるのでは?」と の声がありましたが、自主的な活 動に変わってくるにつれて、後ろ 向きな意見はなくなっていきまし た。 ―15Sの定量的な効果は? 谷敷 導入1年目で、経費が13 百 万円削減できました。もちろん5 Sだけの効果ではありませんが、 5Sの先行グループはすべて、売 上げがアップした中で経費を削減 させています。5Sが経営に貢献 しているのです。 ―1 5年目を迎え、変わったと思 うのは? 谷敷 見た目が変わったことは当 然ですが、全体的に、自分たちで 職場を変えていこう、そのために PDCAを回そうという意識が芽 生えてきたと思っています。変わ ることに対する抵抗感がなくなっ て、「人が変わった」と実感できる ようになりました。当初の目標で あった「風土改革」「人の成長」は、 確実に達成しつつある、 いい傾向 がずっと続いています。 ――何が変わったのでしようか? 谷敷 個々人の自信じゃないでし ょうか。5Sの成功体験が仕事に もつながっていって、「変化を受 け入れよう」「職場をよくしよう」 という意識が高まっています。よ く5Sは基盤整備の活動だと言わ れますが、ウチでは仕事そのもの と言えるかもしれません。 ――今後は「業務の5S」にチャ レンジしていきますね。 谷敷 私自身、スゴク期待してい るんです。業務全体を洗い出して、 要らない業務、ムダをなくして、 要る業務を整頓する、考え方自体 はモノの5Sと同じです。 これが軌道に乗うてくれば、生 み出される成果は従来と比較にな らないほど大きなモノになるでし ょう。今からとても、期待してい ます。 ――最後にひと言 谷敷 始まりは「職場をキレイに したい」でかまいません。だけど、 結局5Sは人を育てる最高のツー ルですから、必ず思いがけないほ どの成果が生まれます。 ただ、中途半端にやることだけ は止めてくださいc中途半端にや って成果が出ないからといって、 「5Sはダメだ」と判断することだ けはしないでほしい。5S本来の 力を信じてほしいのです。

4 モノの5Sから業務の5Sへ継続発展するために

――竹田綜合病院は、医療の5S でフロンテイア的存在です。業界 全体が注目していますよ 湯田 5S活動がスタートしたの は平成13年ですから、もう15 年に なります。当時私はメンバーの1 人でしかありませんでした。その 頃は病院の建て替え前で、古く狭 く、とにかくモノが溢れている状 態でした。この雑然とした状態を 何とかしたいとの思いから5S 導入が決定したと聞いています。 ――見習うべき前例がない中で、 どうやって進めたのですか? 湯田 モノが溢れていることはわ かっていても、どうすればいいの かがわからない。基準も何もない 中で、誰も5Sを理解していませ んでした。 そこでまず、高原先生の研修を 受けて、先生から紹介していただ いた電子部品製造メ!ヵlを何回 も見学させていただきました。 ― 製造業の55が医療に通用す ると思っていましたか? 湯田 正直に言うと、成果が出る かどうかは、誰もわかっていなか ったでしょう。医療で5Sが導入 されていた例がありませんでした から。最初はとにかく盲目的にマ ネをする、手探りの状態から始め ました。 ― この15 年を振り返ってどう? 湯田 戸惑うよりも先に、まず手 を動かすことに専念しました。表 示をして置き場と定数を決め、ム ダだと思っても、トライ& エラー で何度でも繰り返して、それを積 み重ねるうちに15 年が過ぎたとい う感じです。 ― 全体の組織を教えてください 湯田 各職種の代表者が30人で推 進委員会を構成して、全体の方針 決めをしています。それを支える のが5Sリーダーで、全部署の職 場にいる130人ほど、さらにそ の下に5〜20 人のメンバーがいま す。とにかく、竹田綜合病院の5 Sは、全員参加が大前提です。 ――医師はどうですか? 湯田 お医者さんも同様ですよ。 医局の代表として、委員会に必ず 入ることが決まりとなっています。 院長の号令のもと、法人事務局が 中心となって、もう15年も病院全 体が組織として動いていますから、5Sが仕事そのものという雰囲気 が確かにあります。 ――長年の経験から得たコツをひ とつ 湯田 まず、悩む前にやってみる ことですね。やってみなければ不 便さはわかりません。ダメだった らまた変えればいい。変わって当 たり前だと思えるようになること が進化につながります。 ――ただ、導入当初と比べると、 日に見える劇的な変化はなくなっ てくるのでは? 湯田 長くやっているからこその ジレンマは確かにあるでしょう。 だからこそ、質を上げるための「業 務の5S」に移行しなければなり ません。モノの5Sは停滞するか もしれませんが、業務改善のテー マはなくなることがありません。 考え方や展開方法が身についたと ころで、5年前から計画書に組み 入れて、評価の対象として取り組 んできましたc l ‐どのような取組みですか? 湯田 まず、高原先生から5S の 考え方や進め方についての講義を 受け、5S の視点から、時間のム ダ、スリム化、とくに見える化と 標準化について再確認しました。 各部署の参加者は、自部署の業務 上のテーマを持ち寄って改善提案 をつくるワークを行いますから、 その場でアドバイスを受けて、職 場に持ち帰ります。 また、全部署共通のシート(96 ベージ)に記入するので、そのテ ーマの目的が安全なのか品質、コ スト、効率なのかが共有できるよ うになりました。何が問題なのか、 それをどうしたいのか、シートに 記入することで頭の整理ができて、 またそれに目を通す上司にも伝わ ります。他部署との連携では、上 司同士がシートを元にディスカッ ションするようなことが頻繁に現 れるようになりました。 ――問題の共有化に役立つ? 湯田 業務改善となると、自部門 だけでの解決は少なくなります。 ただ、他部門の仕事内容がわかり ません。こういう理由でこうした 流れにしたいのだけれど、何か支 障はあるだろうか、できないのは なぜだろうか、他部門と協議する には、「5Sは仕事そのもの」「全 員が一丸となって取り組む」「何の ために5Sをやるのか」などの共 通認識が必要です。それさえしっ かりしていれば、連携は難しくな いですよ。 ――これから5Sをやってみよう としているところに向かってひと 言 湯田 5Sは自分のためではなく、 人のためにやってください。共有 物を使ったら元に戻す、「人のた め」という考え方を1人ひとりが 持つことで、全員の仕事がやりや すくなります。結果として医療安 全や院内感染防止、接遇、患者満 足度の向上、経費節減など、さま ざまなところに間違いなく効果が 出ます。さらには、職場の雰囲気 は確実に良くなります。これは、 自信を持って言えます。 以前、機能評価を受けたときに、 「竹田さんは明らかに他の病院とは 違う」と言われました。それは「5 Sが徹底されているからで、皆さ んは気づかないかもしれないけれ ど、他にはない強みを持っている からだ」とお褒めの言葉をいただ きました。みんな、涙が出るほど 嬉しかったんですよ。 5Sを通じて、こうした思いを、 皆さんの職場でも味わってもらい たいですね。

湯田ひろ子氏 竹田看護専門学校を卒業し、19 82年に竹田綜合病院に入職し、 脳外科病棟に配属。その後、精神 科、透析、救急病棟、腎臓内科、 放射線、脳外科と幅広い部門で活 躍し、現在は精神科に勤務。 13 年 前の5S導入時から5S に関わ り、 ‐0年前から現職。

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