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創業初期の会社の価値は、「数値」だけでは決まらない

創業初期の会社の価値は、「数値」だけでは決まらない  出資してもらうにあたり、株式の値段を算出する前に、企業価値を算定する必要があります。企業価値を算定することを「バリュエーション」と言います。  バリュエーションは DCF(割引キャッシュフロー)法で行なったり、 PER(株価収益率)を試算したり、といろいろな方法がありますが、いずれも創業初期のスタートアップには適用しづらいのが実態です。  では、どうやって企業の価値は決まるのでしょうか。  意外かもしれませんが、創業初期の場合は、おおよその事業計画は見るものの、売上の計画値等を踏まえて、実際の数値は、「まあ、このフェーズなら今後の伸びしろを含めてこんなもんでしょうかね」といった力技で着地するケースが大部分です。「将来数値」や「類似企業」という根拠はあるにはあるのですが、初期は事業内容がコロコロ変わるケースがとても多く、計画もぶれるので、あまり意味がないのです。「将来的にこれくらいの会社になりますので期待してください」「算定した価値を信じて、投資してください」と言いながら話がまとまっていきます。だからこそ、シードと呼ばれる創業初期のエクイティ調達は社長次第になるところが大きいわけですね。  そもそもスタートアップへの投資は、非常にあいまいで不確実なものです。「全部が全部、計画通りいくことはない。投資したなかで、本当に計画通り、あるいは計画以上に成長するスタートアップが一定割合あれば良い」くらいに投資家も考えています(うまくいくに越したことはありませんが)。そういう構造の中で、だいたいの相場感が決まっていると言えるでしょう。  逆に、ある程度成長が進んだスタートアップは、ミドルやレイターと呼ばれ、上場が見えてきたようなスタートアップの場合は、事業の計画や成長性がある程度計算しやすくなります。その数値をベースに算出したディスカウントキャッシュフロー( DC F)や、類似企業などの根拠をもとに交渉するケースが大半です。  特定の資金調達ラウンドをまとめるリード投資家やベンチャーキャピタルが条件を主導し、フォロー投資家と呼ばれる他の投資家とコミュニケーションをとりつつ、話をまとめます。  ちなみに、初期段階の組織ほど、「経営陣の質の高さ」もまた有効な評価指標になります。  そのため、出資の確率を上げるには(出資に限らず事業を成長させるうえでも)、社長一人ではなく、経営の能力が高く実績のある人を創業メンバーに加えることがポイントだったりします。  名が知れているというだけではなく、専門スキルの高さ、チーム間の親和性、人脈の広さといった観点から、「この経営陣であれば、この会社の成功可能性が上がるだろう」、と投資家に判断されれば、十分に出資の材料になりえます。  有名な起業家や元社長を、社外取締役や会長、顧問として迎え入れる理由の一つも、そういう「箔」をつけるためです(*)。  とはいえ、本質的には、箔だけでなく、持続的に成長し続けられるような経営チームを組成して、事業を拡大させる構造をつくり投資家にその魅力を伝えることも大切なのは言うまでもありません。*出資に関係なく、過去にスタートアップを立ち上げて、成功あるいは失敗させた経験をしている人がいたほうが、成功確度は上がりやすいと言われます。スタートアップは同じような落とし穴でうまくいかなくなるケースが多いので、失敗した経験でも貴重な財産になるのです。日本ももっと挑戦と失敗に寛容な社会になるべきですね。

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