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利益は引き算でなく足し算で考える

利益というものをもう少し別の角度から眺めてみよう。

企業経営とは、何らかの営業活動を通じて売上を発生させ、利益を生み出していくことで

ある。これは、どの会社でもそうだ。だが、利益を生み出すまでのプロセスを考えてみれば

分かるように、そのすべてを企業一社で成し遂げることはできない。

たとえばメーカーでも、製品のすべてを自社だけでつくることは、現在では不可能である。

材料は他社から仕入れてこなければならない。そして専門の加工業者や下請け工場の協力を

得て、はじめて製品が出来上がっていく。また、それを販売する場合には、何らかの流通機

構の協力を得なければならない。

このように、外部からのいろいろな協力によって、はじめて売上が発生し、利益が生まれ、

企業というものが成り立っていく。言い換えれば、外部からの協力を得ながら、企業内で資

本と労働が協力し、利益を生み出していくというのが企業経営なのである。

要するに、利益は経営者と社員が一体となり、外部のさまざまな協力を得て生み出されて

いく。ということは、利益は足し算でとらえていく必要があるということだ。

だが、 一般には、損益計算書を見てもわかるように、利益は引き算で求められるのが通念

となっている。まず最初に売上高があって、それから売上原価を引いて売上総利益が出てく

る。さらに売上総利益から営業経費を引いて仮営業利益が出、そこから事業税を引いて営業

利益となる。営業利益から営業外損益を引いたのが経常利益であり、経常利益から特別損益

を引いたのが税引前利益で、そこから納税充当金を引いて当期純利益となる。そして最後に

役員賞与と配当金を引いたのが内部留保である。

このように一番上に売上高があるということは、「はじめに売上高ありき」という発想に

ほかならない。売上高を基準にしてすべてを考える。これが実は、これからの企業経営にとっ

て大いなる弊害となっていくのである。第一に、ここからは後に述べるような分配の発想が

生まれてこない。分配の発想なくして長期計画はありえないのだ。

利益を引き算ではなく、足し算で求める発想がここから生まれてくる。そのためには、利

益を次項で述べるような付加価値という概念でとらえていくのが本当だろう。付加価値経営

こそが、これから求められる経営の本質なのである。

′ヽ0

付加価値経営のすすめ

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