判断を人に委任することを覚えれば、自分以外の誰かと組んで、会社を共同経営することもできるようになる。私も現在、複数の会社の経営に携わっているが、その多くは共同経営だ。 パートナーである共同経営者と私とでは、性格や性質、持っている資質が違う。そのことが、自分ひとりでの経営では得られない相乗効果を発揮することにつながっている。また、判断を委任できるようになれば、 1社だけでなく何社もの経営を同時に行うことも可能になる。 また、自分が会社にいなくてもビジネスが回る仕組みを作ってしまえば、時にはプライベートを優先して悠々自適に暮らすことも可能だ。 自由な生活に憧れて社長になる人は多いが、実際に社長になってみると、思い描いていた理想の生活とは程遠く、日々の仕事に忙殺されている人も多い。私の感覚で言えば、 8〜 9割の社長が、残念ながら忙しい後者だと思う。 言うまでもなく、判断をうまく委任できていないことが、その大きな原因だ。社長が自由な生活を送るための鍵は委任が握っている、と言っていいだろう。 判断を委任することには、「委任された人が育つ」というメリットもある。 社長の代わりに判断ができる人が増えれば、会社の裾野が広がる。判断できる人が多くなるほど、会社としての柔軟性と可能性が増す。だから、ピンチを回避し、チャンスをつかみやすくなる。すると、売上にも直結し、会社の成長も加速する。 社長がすべての判断を下す組織では、社長が他の仕事をしている間は、会社が止まってしまう。しかし、判断を委任できると、社長が寝ていてもビジネスが回り、会社はどんどん前に進む。 特に、社長が代替わりする場面では、社長以外の人間に経営全体の判断を委任できるかどうかが、非常に重要になる。社長しか判断ができない状態では、その職を引き継ぐことができず、社長の寿命が会社の寿命になってしまう。 また、どんなに優秀な人でも、必ず思考の癖やパターンというものが、良くも悪くもある。だが、判断のできる人が複数いれば、判断のパターンも広がる。すると、より大きな成果につながりやすくなる。 結局のところ、社長と同じ人間が 3人いるよりも、社長以外に判断できる人がたくさんいたほうが、会社はうまくいくのだ。 判断を委任することで、社長の限られた時間の枠を超えて、効率的に判断を行えるようになる。 すると、会社の目的に到達するまでのスピードが速くなる。しかも、社長の能力の限界を超えて、より速く、より効率的に、目的を達成できるようになる。会社の目的へ向かうための最短ルートの上に判断の委任があるのだ。 判断を委任するという考え方は、会社の可能性を高めるには必須だ。何が何でも委任しなければいけない、とまでは言わないが、委任したほうがビジネスの基盤が強くなり効率も圧倒的に良くなる、ということを理解してほしい。
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