組織を変革しようとするときには必ず摩擦が起こります。 うまくいっていないチームがあれば、そのチームのキーマンと話すことが必要ですが、当然、その場で反発されることはあるでしょう。でも、それが改革に向けた第一歩なのです。 場合によっては、 H R責任者が、社長と対峙しなくてはなりません。 あるスタートアップでは、新たに策定したミッションやバリューに、社長自身が本気で腹落ちしているとは言えませんでした。かといって、人事担当者が頼んだ外部の理念策定コンサルの言うことを否定するわけでもなく、気づいたら、よその会社で見たような平凡なミッションと会社制度が出来上がっていました。 こうなると悲惨です。行動規範(バリュー)の一つに「相互信頼」を意味する言葉を掲げたのに、社長自身は誰も信用していないから、経営陣を次々とクビにしていく始末。 ギスギスした雰囲気が組織に充満し、社員は上を見て仕事をするようになります。それでも事業が回っているうちは良かったのですが、社長がバリューと矛盾したスタイルを貫くので会社のコアメンバーはどんどん離反してしまいました。 こうした状況に危機感を覚えた H R責任者は、社長と斬り合う覚悟で、改めてどういう思想で経営をするのかを何カ月にもわたり話し合い続けました。そうやって初めて、その組織は改革に舵を切ることができたのです(*)。 このように経営視点を持って、組織の課題に向き合おうと思えば、時には社長と戦う覚悟も必要です。摩擦を恐れていたら、何もできなくなります。 摩擦が起こるのを覚悟のうえで立ち向かい、社員を巻き込んで改革を推進していく。それができる人は、まさに H Rのプロフェッショナルと言って良いでしょう。*私自身も、企業変革の現場に立ち合う際は、クライアントの社長と膝を突き合わせて何十時間も話し合うこともあります。それがその会社のためになると考えているからです。
2社長はどこまで現場に介入していいのか
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