資金繰りを考えるには、 B/ S(貸借対照表、バランスシート)もチェックしておく必要があります。自社には資産もありますが、創業初期に多いのは債務関連です。 たとえば、借り入れを増やしすぎて、借りているお金の比率が高くなりすぎると(自己資本比率が下がると)、銀行の「与信(*)」が下がります。「ビジネスの実態以上に借りているんじゃないか」「利益が出ていないのにそんなに借りて大丈夫か」と審査されて与信が下がっていくと、利率が高くなったり、お金が借りられなくなったりします。ちなみに、高い利率はあとでジャブのようにじわじわ利いてきます。 ビジネスを持続的に拡大したいのに、利息を返さねばならず、返済にも追われているという状態に陥ります。「社長は財務三表を一気通貫で見る」という話をしましたが、なかでも重点的に見るべきポイントがあります。 会社の規模や事業特性(日銭商売なのか、中長期的な投資からリターンを得る商売なのかなど、ビジネスの内容)によってまったく変わりますが、まず、共通して見ないといけないのは、「キャッシュフローの見込み」です。 資金繰り表をつくる会社は多いですが、創業初期だとしても、今、お金がどれくらいあり、これから会社に入るお金と出ていくお金がそれぞれどれくらいあって、キャッシュが回り出すのはいつぐらいになる見通しなのか。ある程度具体的な「未来」を把握しておくことは大切です。 そして、その前提となるのが、 P/ L上の利益です。 金融機関から借りたお金は、 1年なり 3年なり 5年なりの契約にのっとって返済しなければいけませんが、これは事業上の利益(営業利益)から、利息などの事業外の費用や、税金等を払って残ったお金で返します。 当たり前に聞こえると思いますが、結局のところ、利益を出さないと返す原資がないのです。 しかしそんなに多くの利益を確保するのは容易ではありません。 たとえば、 1億円借りていたとしましょう。 1億円利益が出たので返そうとしても、利益の 30 ~ 35%程度に当たる税金(法人税など)を支払うと、 6000万円強しか残りません。 1億円の借金を返そうとしても返せないのです。 ということは、 1億円の借金を返そうとすると、 1億円以上の利益を出さないといけないわけですね。 そう考えると、少なく見積もっても 1億 5000万円程度の利益を出さなければなりません。そのためには売上をさらに上げないといけません。 仮に営業利益率が 10%だとして、利益を 1億 5000万円残すには、 15億円もの売上を出す必要がある。 借りたお金を返すのがいかに大変か、多少なりともイメージをつかめてもらえたと思います。*与信とは文字通り、取引相手に対して信用を与えることです。この与信を確認し、取引額を管理することを「与信管理」と言います。
3人は簡単にお金を出したがらない。「出資したくなる社長」になれ!
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