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会社経営は社長の仕事では…ない

 そんな社長業だが、「では、社長とは何をする人か」「社長の仕事とは何か」と問われても、多くの人がすぐさま明確には答えられない。なかには、「社長の仕事とは何だと思うか?」と問われて、すぐにこれといった答えを出せない社長もいる。  世の中にはこれだけ多くの社長がいるのに、社長の仕事とは何かが曖昧になっているのだ。  では、「社長」とは、何をする人だろうか?  言い換えると、「社長の仕事」とは何か、という問いになる。まずはこのことについて考えてみよう。  社長とは、「起業・創業する人」だろうか?  「会社を経営・運営する人」だろうか?  「会社のお金を管理する人」だろうか?  それとも、「組織を作る人」が社長だろうか?  会社を設立する人、組織を作る人、売上目標を立てる人、実際に売上を作る人、人気商品を生み出す人、素晴らしい人材をリクルーティングする人、従業員が効率的に働けるようなシステム作りをする人、資金集めが上手な人、うまく資金を管理する人、会社に対して責任を全うする人……。  様々な社長像、「社長の仕事」が考えられるだろう。何でもわかっていて、あらゆる点に目を光らせ、常に気が抜けないのが社長、と思っている人もいるかもしれない。  考えてみていただきたい。会社を設立することや組織を作ること、売上を立てることは、本当に「社長の仕事」だろうか?  会社は、世襲で親から引き継いだり、他人が作った会社を買って建て直したりすることもある。組織作りにしても、人事責任者がいる。また、売上を立てるのは営業担当者や営業責任者の仕事であり、必ずしも社長の仕事ではない。  売上目標ですら銀行や株主総会の意向が強く反映されるし、商品開発はマーケティングリサーチや技術者によって生み出され、優秀な人材を採用するのは人事担当者の仕事だ。システム作りはシステム開発部門の仕事で、資金繰りや経理業務は経理の責任者が担う。  そして、社長の選任権は株主にあるので、最終的な財務リスクを負うのは株主だ。  そう、ここに挙げたような業務内容はすべて、本来的に社長の仕事ではないのである。会社の重要な方針や経営理念でさえ、社内の戦略企画室や外部のコンサルタントが行えば、社長以外の人間でも作ることができる。  あるいは、よくある社長のイメージとして「企業理念を全社員の前で話す」という場面を思い浮かべる人もいるかもしれないが、必ずしも社長が行う必要はない。他の役員などでもその役割を担えるし、その内容さえも、秘書室や経営企画室が作ることがある。リーダーシップを発揮してメンバーを牽引することも、社長以外の人でも可能だ。  もし社長がこれらの業務を行っているとしたら、それは社長業以外の仕事を兼任しているに過ぎない。社長が必要に応じて、ここまでに挙げたような業務を他人に任せず自らが行っているというだけのことだ。

私が考える社長像は、これらの業務をする人たちの役割と全く異なる。社長の仕事とは、これほど様々な言葉で語られるものではなく、実は非常にシンプルなのだ。

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