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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は サービサーヘの対処の仕方を心得ている

金融機関への返済が滞り、返済交渉もうまくいかず、ある日、金融機関から「サービ サーに債権を譲渡する」という連絡が入ったとしましよう。

「サービサー(債権回収会社)」という言葉を聞いただけで驚き、萎縮してしまう経営 者も多いようです。

しかし、サービサーは反社会的勢力が回収を行い、トラブルを起こ すことを防止する目的で創設されたもので、設立には法務大臣の許可が必要であり、恐 れる必要がある組織ではありません。

この処理を行うと債権はどう処理されるのでしょうか。

サービサーは金融機関から相当に安い額で不良債権を買い取ります。

紙面上の解釈で はサービサーは債務者から、不良債権の買い取り金額を上回る金額を回収すれば利益が出るわけです。

一般的には、債権額の5〜15 %ぐらいがその金額の目安だといわれています。

仮に 1億円の債権であった場合、「500万円から1500万円払えばチャラにしてあげる よ」ということになります。

5%か15%か、かなりの幅がありますが、これは債務者の 余力を見て、回収目標や回収額を変えるためです。

いうまでもないことですが、サービ サーがいくらで債権を買い取ったかは極秘事項で、債務者は知ることはできません。

債権がサービサーに売却されたことを知ると、経営者はすっかり気落ちしてしまいま す。しかし、いまさら気落ちしても仕方ありません。

金融機関への返済は滞り、債権も サービサーに譲渡されてしまった段階では、もう失うものは何もない状態にもっていく のが一番正しい処理方法です。もう開き直って、再起に向けて、最善の策を講じていくほかに選択肢はありません。

法的には経営者はサービサーに対して、全額返済する義務はあるのですが、サービサー にも経営効率がありますから、できるだけ早く、取れるだけ取って手じまいしようと考 えるのが普通です。

それを逆手にとって、収入はない、財産もない、会社はあってもお金は入つてこない というボロボロの状況なのだと多少の演技も加えて伝えるのです。

するとサービサーは、 このままでは相手は自己破産するかもしれない、いまのうちに取れるだけ取ったほうが 得策だと考え、安い金額で一括処理しようという方法を選ぶ可能性が出てきます。

140億円の負債から脱却する過程で、私もサービサーとのこうした交渉を何度も経 験しました。

私はかなり巧みに不良債権処理を進められたと自負していますが、その陰 には、まさに演技賞ものの演技力をフルに発揮するという一幕もあったのです。

前に融資を受けるとき、保証協会付融資に頼りきるのは危険だといいましたが、それ はサービサー処理に関係しています。

信用保証協会は信用保証協会サービサーに債権を 移すだけで民間のサービサーに債権を売却しないのです。保証協会のサービサーは法的処理をしないかぎり債権を圧縮せず、債権者に少額返済 を延々と続けさせます。

結果的に、その経営者は一生、再起の機会を得られぬままに終 わる……そんなケースが少なくないことを知っておきましよう。

また、最近ではサービサーの質が低下し、常識外の債権処理費を提示してくることが 多く、債権がサービサーに移った後もなかなか処理できないことが増えています。

もともと、サービサーはバブル経済の破たん時に、経営に行き詰まった企業に再生の 機会を与えること、たとえわずかでも損金を回収することという2つの機能を担い、ま た、債権の回収にあたり、反社会的な勢力の関与などを防止するためにつくられた制度 です。

同時に、金融機関が自行で債権処理をすると税務上損金として認められないため、 サービサーに売却するという、やむを得ない処理法でもあったのです。

しかし、最近のサービサーは回収のみに頭がいってしまい、企業に再生のチャンスを 与えるという本来の機能をまったく理解していないように思えます。

法制度を変えて、銀行自体が不良債権を処理しても損金として認められるようになれ ば、企業再生はもっとスムーズにいくはずです。

中小企業の将来性のためにも、国はで きるだけ早く、制度の見直しを行ってほしいと願うばかりです。

▼演技も加えてサービサーとの交渉を巧みに進め、 再生のチヤンスをつかむ。

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