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会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、複数の金融機関とつき合う場合のタブーを知っている。

「複数の銀行とつき合うようにしてください」。

私がこうアドバイスすると、「2つも3つもの銀行に交渉していることがバレたら、銀行の印象が悪くなりませんか。

気分を害されるのはマイナスでしょう? それに、いくつかの銀行から融資を受けられるようになり、片方の銀行を断るようなことになったら、もっとまずいことになりませんか?」と心配する社長もよくいます。

結論からいえば、まずいことは1つもありません。

どの会社に、どういう目的のためにいくら融資したかという情報を銀行間で共有することはなく、試算表や決算書を出せば表面化しますが、融資時点ではバレることはないはずです。

ただし、「信用保証協会付融資」( 130ページで詳述)の場合は、情報は共有されているのでバレてしまいます。

しかし、プロパー融資で複数の銀行から借入ができた。

あるいは 1行からプロパー融資、もう 1行から信用保証協会付融資を受けられたとしたら「ラッキー!」と両方から借りておけばいいのです。

現在の金融緩和政策がいつまでも続くとはかぎりません。

借入できるときに借りておき、余剰資金としておけば、いざというときに効力を発揮します。

企業側が借りたい時期と金融機関が貸したい時期にズレがある場合も多いので、資金調達には貸してくれるときには借りておくのが正しい選択です。

いつでも借入は返済できるが、いつでも借入はできないのです。

顧問先の1つである物流会社は、私のアドバイスを聞いてから、取引銀行を数行に増やし、以後は、借入するときには必ず数行に声をかけています。

銀行は横並び意識が強く、他行が融資すると聞くと、自行もなんとか融資したいという意識が芽生え、競争意識をもろ出しにしてくる傾向があります。

この社長は銀行のそうした特性を上手に使って、たんねんに複数の銀行と交渉を進めています。

その結果、より有利な融資条件を引き出し、融資額もたいてい予想以上の数字を得て、有利に、そしてより多額の資金を得られるようになっています。

❖複数の銀行と交渉するときのタブーはこの言葉! 逆に、複数の金融機関と交渉するとき、うっかり口にしがちな言葉、でも、絶対に口にしてはいけない言葉があります。

それは「実は A銀行にもお願いしてみたのですが……」などと、すでにほかの金融機関と交渉したことをいってしまうことです。

これは絶対にタブーです。

銀行側も、さりげない様子で、「どこか、よそも当たっておられますか?」などと探りを入れてくることがあります。

それにのってはいけないのです。

私は、どの銀行にもこういうように、とアドバイスしています。

「まずは、真っ先にお宅にお願いにまいりました。

お宅の銀行はきっとお貸しいただけると考えておりますので……。

ぜひ、なんとかお宅でお借りできるようお計らいいただけませんでしょうか」 ここでひと呼吸おき、「万一、お宅がダメだった場合には、ほかの銀行にお願いに行かなければならないとは考えておりますが……」と続けるのです。

この言葉にはウソはいっさいありません。

「まずは」とか「真っ先に」とはいっていますが、けして「お宅だけしか行っていない」とはいっていないからです。

そして、「お宅がダメだったら他行にも交渉に行く」ことも匂わせています。

❖もっといけないのは「運転資金」という言葉 融資の依頼にいくとき、中小企業の経営者はほぼ 100%、「ちょっと運転資金が厳しくて……」といいます。

しかし、この言葉を聞いた金融機関はどんな印象をもつでしょうか。

経営者自身は、会社を回していくいろいろな経費はすべて「運転資金」だととらえているのでしょう。

しかし、一般に「運転資金」というと使い道がはっきりしない、でも、当面、経営を成り立たせていくために必要なお金、というような曖昧なイメージをもつものです。

そして、そうしたお金が足りない 経営が危うい、あるいは経営者の財務知識が足りないなどとマイナスイメージしかもちません。

そうしたことにならないようにするには、運転資金の内容が明確にわかるような言葉に置き換えればいいのです。

たとえば、「仕入れ資金」でもいいし、「設備投資資金」といってもいいでしょう。

こうすれば担当者は稟議を通しやすくなり、担当者の立場もよくなるものです。

❖借りられるときに借りられるだけ借りておく「複数の銀行に融資を申し入れ、それぞれ満額回答は得られなかったが、結果的には必要な資金以上の融資の申し出を得た。

こうした場合はどうしたらいいか。

必要以上の借入はしないほうがいいのか。

そうであるなら、銀行にどう返事をすればいいのか」 という相談を受けたことがあります。

「借りられるときは借りておきなさい」。

これが私の回答です。

返済はいつでもできますが、借入はそうはいきません。

当面、余分なお金は流動性のよい預金にしておけば、銀行の評価はさらに高くなります。

余剰資金は、普通預金か、ごく短期の定期預金にしておくとよいでしょう。

長期の定期預金にしておいた場合、会社のお金回りがしんどくなり、この預金を解約して運転資金に回そうと考えても、銀行が「定期を解約させない」ことがあるからです。

担保に入っていなくても、です。

これは、会社の運営をあやぶんだ銀行が「定期だけは押さえておこう」とする、ある意味、いやがらせとしかいえないのですが、実際にこういうケース

はあり得ます。

その結果、資金詰まりになってしまったという会社もあるのです。

もちろん、借入金の金利負担はありますが、それは必要経費だと考えればいいのです。

▼融資を依頼するときのタブー語を心得ておくこと。

銀行の担当者の立場がよくなる依頼法があることも心にとめておく。

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