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会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、支払いの優先順位は得意先・税金、それから銀行への返済だと心得ている。

おしゃれなファッションブティックを展開しており、かなり知名度もある会社の社長が相談にこられました。

創業から 20年、これまでは右肩上がりで成長、銀行も積極的に支援してくれ、支店網は首都圏を中心に 30店以上に拡大。

順調な軌道を描いてきたといいます。

ところが、最近になって競合店が増え、また、若い世代の顧客がネットショッピング中心に移行するなどで売上が陰り出し、最近は赤字店舗も出てきたそうです。

赤字店舗は撤退したほうがいいか。

また、資金繰りが苦しくなっているのだが、打開策は? というのが相談の主旨でした。

うかがうと、衣料品販売店の出店に際して 3 ~ 5年の返済という条件で借入しているのです。

これでは行き詰まるのもムリはありません。

投資金額を 3〜 5年で回収できるほど高収益でなくなっているからです。

私自身、かつて飲食店を何店も経営していたことがあります。

飲食店は必ず客に飽きられるという宿命を背負った業態です。

たえず革新を仕掛けていかないと繁盛し続けることはむずかしいのです。

これは、アパレルだけでなく、販売業すべて、飲食店などにも共通する課題ではないでしょうか。

変革もせず 10年続けられる飲食店、販売店はほとんどないでしょう。

理想をいえば、 2、 3年ごとにリニューアルするなど、店の印象を変えないと、お客の心をつかみ続けることはできないと考えるべきだと思います。

ところが多くの店はメニューなどのリニューアルを考えるよりも、価格を引き下げたり、クーポン、ポイントの導入をしたり、事実上の値下げに走ります。

その結果、利益率が下がり、手元流動性が苦境に陥ってしまうのです。

このブティックの場合も、こうした経緯をたどり、ついに銀行から追加融資を断られてしまったと苦しそうに語ります。

「これまでの利益やストックはどう使っていたの?」と聞いたところ、「銀行の融資を継続してほしいから、とにかく銀行の返済を最優先してきました」といいます。

こうした考え方はこの社長にかぎったことではありません。

多くの社長が、何をさておいても銀行に返済しなければならない、と思い込んでいるのです。

❖税金、社会保険料の滞納は絶対にバツ 税金や従業員の社会保険料を滞納している事実が判明すると、銀行の態度はとたんに冷たくなる、と考えて間違いありません。

新規の融資を申し込んだ場合はもっと望みがないと断言しておきます。

取引先への支払いも滞らせることがないように配慮すべきです。

取引先があるからこそビジネスができるのです。

取引先と自社は「共存共栄の関係」だという揺るぎない認識をもっていなければいけません。

税金や社会保険料の支払いを滞るのは、社会的責任感が希薄なのだと見られてしまう要因になります。

加えて、税金の延滞金は延滞期間などによって違いますが、およその目安は、「本来納付すべき本税額( 1万円未満切り捨て) ×延滞税の割合 ×日数 ÷ 365日( 1円未満切り捨て)」で計算できます。

かなりの高率であることに驚くでしょう。

社会保険料を延滞した場合も、もちろん延滞料が課されます。

❖会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、手元がきついときは、銀行の金利だけ払っている 資金繰りがしんどくなると、多くの企業は、銀行の返済金だけは入金しておかないと、次のお金が借りられなくなるとか、銀行に何をされるかわからないとビビッてしまい、社会保険料や税金を滞納します。

これらは延滞しても、すぐにアレコレいってこないからです。

一方、取引先や銀行はすぐに催促したり、連絡が入ったりします。

それで、つい、すぐに催促がこない社会保険料や税金の支払いを延滞してしまうのでしょう。

最近は社会保険料も非常に厳しくなり、ある期間が過ぎると差し押さえをしてくることもあります。

税金はいうまでもなく、差し押さえを徹底的にしてきます。

税金の未納から倒産に追い込まれていく可能性もあるくらいです。

このため、税金、社会保険料、取引先への支払いを優先した結果、銀行への返済金が不足した場合は、交渉次第で金利だけ支払っておけば当面は乗り切れます。

金利を 3か月以上支払わないと「期限の利益の喪失」といい、借りたお金を自由に使うことができなくなります。

「期限の利益」とは、債権者が「お金を返してくれ」と請求してきても、借りた側は貸した側の事情に縛られず、貸した側の要求に従う必要もない、ことをいいます。

3か月間金利を支払わないと、この「期限の利益」を喪失してしまいます。

「期限の利益の喪失」が起こると、契約にある「残金を一括返済するように」と請求がきます。

金利の支払いにも困っている状態なのですから、「残金の一括返済」などできるはずがありません。

すると銀行は担保資産の差し押さえなどの法的処理ができることになるのです。

こうならないために、金利だけは支払い続けること。

金利さえ支払っていれば、「期限の利益の喪失」に至ることはなく、銀行は何も仕掛けることはできません。

いよいよ追い詰められ、金利の支払いもできなくなっても、打つ手はまだあります。

どんな場合もあきらめず、絶対に会社は倒産させないと決心して、次の策を探すのです。

金利の支払いもつらくなったら、信用保証協会付融資ならば代位弁済を求め、それが実現すると元金だけを、支払える範囲で支払うという交渉ができます。

プロパー融資の場合には債権をサービサー(債権回収会社)に売却して、少額で債務処理を行うなどの、次の一手があります。

すぐにあきらめるのではなく、再起するためにどうすればいいかを考え、実行することです。

▼お金が足りないとき、まず避けるべきは税金や社会保険料の滞納。

銀行には金利だけでも支払い続ける。

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