私のところに見える方の 15%ぐらいは「跡継ぎがいない」「子どもが跡を継ぎたがらない」と、いわゆる事業継承についての悩みを抱えています。
中小企業の経営者の年齢は年々高齢化しているといわれます。
高齢化にともない、後継者問題が浮上してくるわけですが、「サラリーマンにはなりたくない」「いずれは起業したい」という若者が増える一方で、「親の会社は継ぎたくない」という若者も増えてきているのです。
酷なようですが、この現実は、親の経営の仕方や会社の将来に対する姿勢に問題があります。
少なくとも、若い世代を引きつけるのには十分ではない、といわざるを得ません。
ちなみに、ちょっと方向性は違いますが、日本生産性本部が 2018年の新入社員 1300人に調査した結果、「将来、社長になりたい」という人は 10・ 3%しかいませんでした。
この数字は過去最低です。
いまや、社長のポストそのものに魅力がない。
というより、確立された企業の社長には魅力を感じない。
社長になりたいなら、自分で起業する、という時代になっているといえるのかもしれません。
❖意外につらい継承者の立場と気持ち。
それを理解しているか 社長側はなぜ、会社を子どもなどに継いでもらいたいと思うのでしょうか。
いうまでもなく、創業からいままでがんばって築き上げてきたビジネスモデルや経営ノウハウ、商圏における存在性、従業員の雇用確保、取引先との信頼関係などを続けていきたいということなどが、社長が会社の継承を望む主な理由でしょう。
しかし、これでは若い世代の気持ちをつかむことはむずかしいといわざるを得ません。
「親が苦労して築き上げた会社を引き継ぐなんて楽でいいなあ」というのが一般的な世間の見方でしょう。
しかし、親が築き上げた事業を受け継ぐ二代目は想像以上に大きなプレッシャーを感じているものです。
創業者は新しい市場を開拓し、長い間に襲ってきた数々の試練を乗り越え、成功を勝ち取ってきただけに圧倒的な自信をもっています。
したがってたいていは、ものすごいワンマンでカリスマ性があります。
私の場合もまさにそのとおりで、父はまだ学生のころから私を事業に引き込んだものの、経営方針などは父流を譲らず、結果的に私は父のいいなりに動かざるを得ませんでした。
次代に継承していきたいならば、継承するほうの立場を理解しなければなりません。
継がせたい子どもがある程度の年齢になったなら、その子も交えて会社の将来像を明るく語り、継承者と夢を共有することはいうまでもなく、社長の座を受け継がせてからは、原則、経営には口を出さない。
次世代も自身の発想ややりたいこと、やりたい方法があるのだと理解し、一歩引いた立場から大きな目で見守る。
そんな姿勢をとれれば理想的です。
ちなみに、私がこれまで受けた後継者側の悩みは次のようなものでした。
・先代の借金を背負わされている。
・先代の意向で赤字事業を切り捨てられない。
・先代の息のかかった従業員が先代になびく。
・銀行は先代に何もいえない。
・高齢なのに社長の座に居座り続けている。
・先代が意に沿わない人間を排除しようとする。
・自分の権力を維持するためには手段を選ばない。
▼継承者不足の陰には、現社長の考え方や行動に問題がある場合がけっこう多い。
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