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会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、売上、経費、利益率など、経営の基本の数字がいつも頭に入っている。

相談にいらした経営者に、「会社の経営状態がわかる帳簿類はおもちですか」というと、平然と「いや、もってきていません」という例はけっして少なくありません。

初めて出会う場合、そこまでの経営資料は必要がない。

あるいは見せたくないと思う気持ちもある程度は理解できます。

しかし、私の講演会を聞きにいらした、その延長線上の相談会ならばともかく、ちゃんと相談の時間のアポをとっていらした場合でも、こういう経営者がいるのです。

経営状態がわかる書類とは、普通、決算書(内訳書も含む)、近々の試算表、借入一覧表、資金繰り表、担保物件の謄本などをいいます。

なかには、「数字のことは全部、経理担当に任せているので、私はよくわからないんです。社長はもっと大きな立場で会社全体を見回しているべきだと思っていますから」と数字を把握していないことを誇らしげに語る社長もいるので、仰天してしまいます。

会社の将来を見通し、 3年後、 5年後、 10年後、会社がどうあるべきか。そのために社長としていま何をすべきかを考え、行動するのが、社長の大きな役割です。

でも、それまでに会社がもたなかったら、どうするのでしょう。いちばん大事なのは、将来計画を立てながら、現在から将来まで会社を継続させていくこと。それ以上に、さらに発展させていく。

そのためには足元の経営をしっかりしたものにし、その状態を継続させていくことが必須です。

お金は会社の血液と同じです。

どんなに優秀な製品があろうと、抜群の販売力があろうと、血液が滞ったら会社は即、死んでしまいます。

そう、倒産です。血液 =お金がいま、どういう状態なのか。経営資金は潤沢なのか。かつかつなのか。足りないのか。お金の現状を示しているのが資金繰り表です。

私のところにくるときにそうした書類を持参しないくらいですから、銀行に融資の交渉に行くときも、おそらく「お陰さまで経営はうまくいっています」ぐらいの話しかしないのでしょう。

もちろん、大まかな話はできるのでしょうが、ちょっと突っ込まれるとおろおろし、立ち往生するに違いありません。細かなお金の出入りは経理任せ。儲かっているかどうかは税理士任せなのでしょう。

こういう社長では安心して融資はできない。

私が銀行員であったとしても、そう判断すると思います。

提出した書類の説明がきちんとできなければ社長の評価もダダ下がりでしょう。

❖売上と利益、資産と負債の数字を頭に入れておくのは社長の基本のキ

といっても、会社のお金は毎日出入りし、毎日動いています。その動きを経営者が毎日、細かくチェックし、把握しているように、というつもりはありません。ただし、週ごと、月ごとなどに数字の報告をきちんと受けて、その動きをしっかり頭に入れておかないようでは、経理担当だって数字の扱いが粗くなるでしょう。

まして税理士、会計士など外部の人間は、会社に対する思い入れも責任感も、経営者に遠くおよびません。会計士や税理士は会計・税務のプロとはいえ、担当しているのはあなたの会社だけではありません。

契約している多数の会社、あなたの会社はそのなかの 1社にすぎない。立場を変えて考えるまでもなく、あなたの会社への思い入れも責任感もそこまで大きくないのは当たり前です。

毎日、血圧などを測ることが健康管理の基本であるように、売上や資金繰りなど経営の指標である数字は定期的にチェックし、だいたいのお金の流れはいつも頭に入れておくこと。

これは社長業の基本です。

中小企業は、資金ショートしたら一巻の終わりだということを肝に銘じて経営するべきです。

❖生きた数字を知っており、分析している社長は経営力が高い

顧問として契約すると、最低月 1回の面談を行い、さまざまな質問をしていきます。また、メール、 LINE、電話などで日々の相談、悩みを聞いています。こうした現況を把握するための努力は、アドバイザーとして欠かせないことだと思っているからです。

たとえば、各店ごとの前年対比や商品ごとの売上構成、目標売上に対する実売比率、商品ごとの原価率・部門ごとの利益・人件費比率・投資効率・顧客構成、リピーター率、クレーム数などおそらく社長が気づいていない数字も多く含まれます。

私が社長だったら、聞かれるまでもなく、どれも気になる数字です。これらの数字を把握していくと、なぜ、売上が上がったのか、反対に下がったのか、を分析できるのです。

「なぜ?」その数字になったかを検証することが大切です。

ところが、数字を尋ねてもすぐに返答できない社長がいるのです。なぜか。こういう社長は毎日、事業の動き、数字を注視していないのです。

部下に命じてやたらに資料は作成しているのでしょうが、数字は記録すればいいというものではありません。

その数字から何を読み取るか。

毎日、数字の動きを注視していると、数字の動きからいま、会社を支える事業に何が起こっているのか、直感的に読み取れるようになるはずです。

数字は市場の動向、お客様の声、自分の会社がどう評価されているか……などを如実に物語っているものです。しかし、数字を比較しているだけでは何の意味もありません。毎日、生きた数字を集め、それを分析して、次の日の経営に反映していくのです。

ある健康食品ビジネスの経営者は、外から帰ると、来客が待っていても、「すみません、ちょっとチェックさせてください」といってパソコンに目をやり、その日の数字の動きを必ずチェックしています。

その会社はいまでは大きく成長し、全国に店舗を広げ、日本の健康食品ビジネスを牽引する企業になっています。

▼会社の状況はすぐに数字に表れる。経営の基本になる数字が頭に入っていないようでは、社長は務まらない。

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