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会社をつぶさずに、お金を回せる社長は、やるべきことをやっていて、赤字 →倒産を避けている。

機械製造の会社の二代目社長が相談にこられました。

父親が雇われ社長から独立を果たした会社で、父親が高齢になったので、やむを得ず息子が経営を手伝うようになったのですが、会社の状態が不安定で、先行きが見えないといいます。

息子さんは父親の仕事に尊敬と強い関心をもっていたので、専門学校に通い、高いスキルを身につけています。

父親のほうは営業からのたたき上げなので営業力はすぐれているのですが、肝心の経営力が劣るのです。

実情をうかがうと、この会社は技術力、営業力はあるのですが経営力がないため、経営は行き当たりばったり。

資金繰り表も作成しておらず、お金が足りなくなると、銀行から短期資金を借りてただお金を回しているだけ、という状態だとわかりました。

こうした〝綱渡り経営〟は遅かれ早かれ行き詰まり、その先に待っているのは赤字の累積、倒産です。

いますぐ、手を打たなければいけません。

❖せっかちで心配性の社長のほうがいい これまで何度も、くどいくらいいってきたように、倒産は企業の死であると同時に、社長の人生の死。

ほとんどの場合、家族も深刻な状況に立たされます。

ところが、多くの社長は信じられないくらい、この自覚が足りません。

がんも経営も同じです。

早期発見ならば助かる確率はぐんと高くなります。

たえず会社の明日のこと、 1か月先のこと、半年先のこと……と会社の将来を見越し、先々を先取りして行動していれば、小さな変化、異常にも早く気づきます。

私はよく、「 1か月先のことをやっている社長は大丈夫だ!」といっています。

先のことをあれこれ考えて、先々のことをやっていないといられない。

そんなせっかちで心配性の社長ならば、むしろ会社は安全です。

危機を察知する力はある意味で感覚です。

時代の吹く風が変わってきた。

お客の反応が微妙に変わってきた。

こうした変化は理屈ではなく、肌感覚で感じるものです。

オーバーではなく 1日 24時間、つまり寝ているときさえも頭のどこかに仕事のこと、会社のことをおいている。

そうした社長ならば、時代の変化を肌で実感でき、ひょんなことから、新規事業へのひらめきを得るなどするはずです。

こちらで紹介した手術用トレーニング器を開発したメーカーはなんと、現在、こんにゃく加工に取り組み、新市場を開拓しています。

医者たちは、実地練習に動物の内臓を使っており、それが高価だと悩んでいることは聞いていました。

ある日、行きつけの焼肉屋で、「最近はこんにゃくをレバ刺しの代わりに出しているが、けっこう人気がある」という店主の言葉が耳に入ってきたその瞬間、こんにゃくで手術の練習ができないだろうか、とひらめいたのです。

金属加工メーカーがこんにゃくで手術の練習用の臓器をつくる。

いったん、異なる進路が拓けると、そこからさらに異なる進路が見えてきて、その結果、大化けすることもあり得るという好例です。

こうなれば、経営者はもちろん、従業員も仕事が面白くてたまらなくなり、そのエキサイトした気持ちがさらに会社を活気づけていくことになるでしょう。

経営の醍醐味、まさにここにあり、といいたくなります。

❖経営改善のタイミング いずれにしても、危機爆発のギリギリまで経営改善に取り組まないようでは、経営者落第。

こうした状態の会社を次世代に継承するならば、次世代こそ気の毒です。

赤字が 2期続きそうなときには、すぐに経営改善を始めてください。

経営改善のポイントは以下です。

◆赤字になったらすぐに経営改善を考え、具体的に行動する。

◆再生に当たり、守るべきものを確保し、会社と社長の防御策を講じる。

◆再生を進めるときは、銀行より先手を打つ(銀行主導にさせない)。

◆再生は時間との戦いであることを自覚する。

◆構造改革を図るときは、時代の変化に即応した経営に転換する。

いま、利益が出ているだけでは意味がありません。

5年、 10年先も存在価値があるビジネスモデルに改革することこそ、大事なのです。

いま、旬のビジネスモデルは改革を終えたころには旬が去っている可能性大。

再生のための予算に加えて、さらに赤字がつのれば、 2次破たんとなることは目に見えています。

▼経営改善は先手必勝。

危機を素早く察知して対策を講じ、健全な経営状態を保っていれば、継承もスムーズにいく。

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