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会社の利益より高い車に乗って
若い経営者を指導していて、よくこんな乱暴な話をすることがある。
「利益を出していない経営者は、舗装の立派な表通りを歩く資格がない。でこぼこ道の裏通りをそっと歩いてほしい」と。
なぜなら、表通りの舗装は、どこでも税金でできている。表通りを大威張りで歩けるのは、それ相応の税金を納めているからだ。
税金も払えない社長は、舗装も十分でない裏通りを歩くべきではないか。もしそれが嫌だったり悔しかったら、何がなんでも会社経営で大きな利益を出して、相応の税金を払い、大通りを大手を振って歩けるようになればいい。
それが社長としての根性であり、誇りであり、「社長の地域社会への役割」なのである。
ところが現実はどうだろう。
会社の社会的責任がどうだこうだと言っている同じ口から、法人税は高いだの、不公平だのと言って、税金をできるだけ払わない工夫に血道を上げている社長も多いようだ。
こういう社長に限って、自分の車にはおかねを惜しまないものだ。
実際には利益が五〇〇万円程度の経営で、七〇〇万円も一〇〇〇万円もする高級自動車を乗り回している社長が少なくないのである。
だれがこんな社長を尊敬することができるのであろう。それでもって「自分は偉い」と思っているのだからどうにもならない。
まして赤字会社のトップが派手な外車に乗っていたら、せめて自分の乗っている自動車と同額の利益ぐらい出してみる、と言ってやりたいと思う。
そんなものにおかねを使うくらいなら、もっと社員の給料を上げたほうがまだよい。
社員からみて、「うちの社長はわれわれのことをよく考えてくれているな」という声が出てくるような努力をしたほうが、どれほど偉いかと思う。
そして、そう言われるようになってはじめて、経営者が、「社員に対する役割」を果たしていると言えるのである。
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