キャロル・マーティン. [新版]人材を逃さない見抜く面接質問50 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1424). Kindle 版.
はじめに「面接を受けるよりも難しいことが一つだけある。それは面接を行うことだ」。こんなセリフを、よく耳にすることがある。採用担当者の多くは、面接を脅威にすら感じているようだ。その理由の一つとして考えられるのは、採用担当者が面接を効果的に進めるトレーニングをきちんと受けていないということ。なかにはまったく受けていないという人もいるだろう。採用するかどうかは、面接の最初の二分で決まる、という調査結果もあった。もしこれが本当なら、採用の判断が主観的に行われてしまっているのではないだろうか。応募者の外見や態度を見て面接担当者の先入観が働き、採用判断が歪められているのである。応募者はたいてい、面接に不安を抱いているものだ。なかには、自分を売り込むことに気おくれする人もいるだろう。面接担当者がその状況を理解して、意識的に応募者のよい部分を引き出せなければ、売り込みが苦手だというだけで優秀な人材を逃してしまうかもしれない。ここで改めて強調しておこう。面接担当者の任務とは、応募者のスキル、資質、過去の行動を明らかにする質問をして、短い時間に最大限明確に応募者の人物像を把握することである。よく、募集しているポジションに必要なスキルや知識が応募者に備わっているかどうかを、面接担当者があまり深く考慮せずに採用が進んでしまうことがあるが、これは避けるべきだ。重要なスキルを正しく評価できなければ、客観的な採用関連データを集めることができないため、優秀な人材を逃し、会社にとって大きな損失となるリスクがある。さらに言えば、最近の応募者は周到に準備をしてから面接に臨むようになっており、難しい質問を想定して練習を積んでいる。面接に関する本やサイトでは、面接担当者との「対決」に備えるためのノウハウを紹介しているものもある。応募者が面接に備えるためのスキルをこれだけ学んでいるのだから、面接担当者も相応のスキルを学ばなければ太刀打ちできないだろう。本書は、そのような面接担当者のために作られた。面接に臨むにあたってぜひ参考にしてもらいたい。●本書の目的本書では、効果的な質問や的確な返答を選ぶクイズ形式の問題に答えてもらったあとに、それぞれの解答・解説を加えている。それを読めば、応募者からできるだけ多くの情報を引き出し、応募者がそのポジションに適任かどうかを客観的に決定できるようになる
だろう。また本書では、応募者から「練習してきた答え」が返ってきた場合でも、そこから質問を重ねて「真の答え」を探り出す方法についても紹介している。そうして採用ミスによるコストの無駄を減らし、募集職種に最適な人材を見つけられるようになることが本書の目的である。クイズ形式の問題では、あなたが適切な質問をして応募者についての必要な情報を得られるかどうか、面接担当者としての能力をテストしている。質問が適切なら、それに対する返答から応募者の行動パターンを見つけ、警戒すべき「危険信号」を察知することもできるだろう。この問題に必ずしも正解はないが、効果的な質問をすれば多くの情報を聞き出すことができるのに対し、効果の低い質問では得られる情報が少なく、面接は行き詰まってしまうだろう。また、応募者の返答から観察される「危険信号」に目を光らせていると、応募者についてさらに探究してその人物像を判断できるようになる。面接では、単に答えを聞くだけではなく、「何を話しているか、何を話していないか」に注目することも重要である。そこで本書では、応募者の答えから手がかりを得て、質問を重ねてさらなる情報を引き出す方法についても紹介している。応募者が適任かどうかを適切に判断するためには、一つの質問で終わらせずにさらに鋭い質問を投げかけ、できるだけ多くの情報を引き出すことである。一回目のテストの結果がどうであっても、定期的にテストを行い、面接担当者としての自らの適性値が高くなっているかどうかを判断するとよいだろう。実際に面接をする前には、すべての質問に目を通しておくことをおすすめする。面接に対する不安が払拭されるだけでなく、効果的な質問の仕方を再確認でき、限られた面接の時間のなかでできるだけ多くの情報を得ることができるようになる。●テストの手順問題は五十問あり、それぞれにA、B、Cの三つの答えが用意されている。第1部「本音を引き出す質問をする」の問題1~25では、A、B、Cのなかから最も効果的な質問、つまり最も多くの情報が得られると考えられる質問を選び、回答欄に記入しよう。第2部「返答から人材を見抜く」の問題26~50では、応募者が自分のスキルや経験、そして過去の行動について的確に説明していると思われる返答を選び、回答欄に記入しよう。すべてのクイズに答えたら、最後に点数を合計して自分の面接スキルがどのレベルにあるかを確認しよう。
本書は、2008年に小社より刊行した『人材を逃さない見抜く面接質問50』の原稿を一部加筆・修正し、デザインを一新した新装改訂版となります。
はじめに第1部本音を引き出す質問をする1応募者の経歴や経験を知る2ほかの応募者にはない強みを知る3募集職種に生かせる応募者の能力があるかどうかを知る4周囲とのコミュニケーション力を知る5募集職種に意欲的に取り組めるかどうかを知る6職務に影響する可能性のあるネガティブな問題を知る7応募者の積極的なコミュニケーション能力を知る8失敗したときの対応力を知る9ミスから学ぶ能力を知る10応募者が辞職するリスクを知る[面接質問の秘訣①]行動に関する質問をしよう11応募者がどのような成果に満足するかを知る12応募者の長所を知る13リーダーシップの有無を知る14募集職種に就いた場合の応募者の適応力を知る15専門分野を知る16コミュニケーション能力の高さを知る17細かいことに注意を払う能力があるかどうかを知る18プロジェクトマネジメント力の高さを知る19問題解決能力の高さを知る20協調性の有無を知る21職場に求めているものを知る22目標を知る23何年くらい在職するかを判断する24志望動機を知る25なぜ仕事を辞めたのか(辞めようとしているのか)を知る[面接質問の秘訣②]面接担当者が犯しやすい七つのミス第2部返答から人材を見抜く26あなたなりの工夫で問題を解決したときのことを話してください27新しい状況に対応しなければならなかったときのことを話してください28根気強く努力しなければならなかったときのことを、例を挙げて話してください
29文書作成能力が非常に必要とされるプロジェクトに取り組んだときのことを、例を挙げて話してください30戦略的に考えて問題を解決したときのことを説明してください31不満を持った顧客に対応したときのことを話してください32周囲から不評を買うような判断を下さなければならなかったときのことを話してください33実行すべき課題だと判断して、率先して行動に移したときのことを話してください34問題に直面したときのことと、それをどのように乗り越えたのか、例を挙げて説明してください35現在または過去の仕事で、あなたがリーダーシップを発揮したときのことを、例を挙げて説明してください36海外マーケットを対象にしたプロジェクトに取り組んだ経験を、例を挙げて説明してください37上司や同僚と対立したときのことを話してください38最初から最後まで関わった最大のプロジェクトについて話してください[面接質問の秘訣③]応募者の返答に関心を示して耳を傾けよう39気の進まない相手を説得したときのことを話してください40カスタマーサービスの能力がある、とおっしゃいましたね。その能力が役に立ったときのことを話してください41スピーディに仕事を進めなければならない環境で働いた経験について、例を挙げて説明してください42要求以上の成果を挙げたときのことを話してください43同僚や部下にやる気を起こさせたときのことを、例を挙げて説明してください44この業界では日々変化が起こっています。どのようにして最新のニュースやトレンドの情報を得ているのか、例を挙げて説明してください45長所として、最後までやり遂げることを挙げられましたが、それを仕事の場面で発揮したときのことを、例を挙げて説明してください46仕事でミスを犯したときのことを、例を挙げて説明してください47期限に間に合わせるのに苦労したときのことを話してください48仕事上で交渉をしたときのことを話してください49チームで協力して仕事を進めたときのことを話してください50あなたの意見や行動がほかの人の判断を左右したときのことを説明してください採点
第1部本音を引き出す質問をするこの第1部の質問は、あらゆる面接で使える一般的な質問になっている。繰り返しになるが、質問の目的は「応募者についてできるだけ多くの情報を引き出すこと」だ。
1応募者の経歴や経験を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]履歴書にそってあなたの経歴を説明してください。[B]自己紹介をしてください。[C]自分自身をひと言で表現してください。答え:[]
解説◎[B]シンプルに自己紹介を求めることで、応募者は自分がアピールしたいことを中心に話すことができる。面接担当者は、それを具体的に聞いていくとよい。以前に勤めていた会社で経費削減を行ったと言うなら、「そのときのことを詳しく話していただけますか」と問いかけ、さらに情報を引き出すのだ。○[C]応募者が自分を表現するのに使った「ひと言」について、具体的な説明を求める必要がある。応募者が「計画性があります」と言ったなら、計画的にやり遂げた最近のプロジェクトは何か、どれだけ周到に計画を立ててプロジェクトを遂行したのか、さらに質問するとよいだろう。△[A]これでは履歴書を見ればわかる情報しか得られない。履歴書を書くときは誰でも、精一杯努力して素晴らしい書類に仕上げるものだ。もし応募者が履歴書にそって説明するだけでいいのなら、その質問からは情報らしい情報は得られないだろう。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
2ほかの応募者にはない強みを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたのセールスポイントは何ですか。[B]なぜあなたを採用するべきなのか、その理由を挙げてください。[C]ほかの人にはなくてあなたにはある特徴は何ですか。答え:[]
解説◎[A]「セールスポイント」という言葉を用いて質問することで応募者の立場から考えた答えを求めているため、最も効果的である。○[C]Aと同様、応募者の本音を引き出すタイプの質問だ(本当は「あなたの強みは何ですか」とストレートに聞きたいところだが)。この質問に対する答えから、応募者が募集職種についてどのような事前調査を行い、募集要件についてどの程度認識しているか、という情報も得られる。△[B]「なぜ」で始まる質問をしてはいけない。「なぜ」と質問されると、応募者は身構えてしまう。不公平な判断をされるのではないかと考えて、自分の立場を弁護しなければならないと感じ、大事なことを話さない場合もある。「あなたがこのポジションに就いたら、ほかの応募者にはないどんなメリットが会社にありますか」と質問してみるとよいだろう。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
3募集職種に生かせる応募者の能力があるかどうかを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]この仕事に対するあなたの適合度を自己採点するとしたら、何点になりますか。[B]この仕事で求められる最も重要な資質は何だと思いますか。[C]ほかの人にはなくてあなたにはある特徴は何ですか。答え:[]
解説◎[B]応募者が考える「最も重要な資質」についての答えを手がかりにさらに質問を続けることができる。応募者が「問題を解決する能力だと思います」と答えたとすれば、応募者が自分には問題解決能力があると考えていることが推測される。そこで、応募者がその能力を発揮して苦境を乗り越えた具体例を挙げてもらうとよいだろう。○[C]どのようにしたら「付加価値」をもたらすことができるのか、応募者は面接に際して事前調査し、考えておいてほしいものである。この質問に対する答えから、応募者が募集職種と会社についてどの程度認識しているか、という情報も得られる。△[A]点数を答えさせてもそこから情報は得られないので、「この仕事のどのようなところがあなたに合っていると思いますか」あるいは「この仕事のどの場面で、あなたの力を最大限に生かすことができますか」と尋ねるとよいだろう。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
4周囲とのコミュニケーション力を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]今の会社で同僚とどのような関係を築いているか、説明してください。[B]どのようなタイプの人と一緒に働きたいですか。[C]弊社にぜひ採用したいと思わせるあなたの長所を三つ挙げてください。答え:[]
解説◎[A]応募者が自らをアピールしようとして「誰とでもうまくやっていくことができます」と答えたとしても、それが本当に「誰とでも」なのかどうかはわからない。この種の答えが返ってきたら、「ほかの人と意見が対立したときのことを話してください」と、状態ではなく行動に関する質問をするとよい。○[C]望ましくは、「同僚はあなたの長所についてどう思っているでしょうか。三つ挙げて、それぞれについて説明してください」と質問すると、より内容の濃い答えが返ってくるだろう。△[B]たとえば応募者が「手際のよい人」と答えたところで、応募者の価値観も忍耐力もわからない。「バックグラウンドや文化が異なる人たちと一緒に働く場面で、あなたは周囲とどのようにかかわってきましたか」と尋ねると、さまざまな環境でどのような行動をとってきたかがわかる。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
5募集職種に意欲的に取り組めるかどうかを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]仕事で一番充実感を得たときのことを話してください。[B]ルーティンワークは好きですか、嫌いですか。[C]これまでで最もやりがいを感じたことについて話してください。答え:[]
解説◎[A]応募者が仕事で最も満足したときのことを話したら、そのときに最も高いモチベーションを持っていたということがわかる。かつての仕事が募集ポジションと似ていて、しかもそれにモチベーションを感じていたなら、高いモチベーションを持って今度の仕事に臨む可能性が高い。○[C]前向きな意見を得られる可能性があるため、この質問も悪くない。ただし、応募者が返答に困ったら、やりがいのある仕事をした経験がないと考えられる。これは、応募者が今回の仕事にもあまり興味を持っていないかもしれないため、警戒が必要だ。△[B]「はい」か「いいえ」しか返ってこない可能性がある。しかも、ほとんどの応募者はルーティンワークが好きだとは答えないだろう。これでは応募者について得られる情報は限られてしまう。「仕事が面白くなくてもいいですか」と聞いているようなものだ。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
6職務に影響する可能性のあるネガティブな問題を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]前の仕事で、大きなストレスを感じたことはありますか。[B]前の仕事で、否定的な評価を受けたことはありますか。[C]仕事に差し支えるような健康上の問題は何かありますか。答え:[]
解説◎[A]応募者の能力や身体の限界など、微妙な話題について質問するときは慎重にならなければならない。障害のある人に対して差別的な表現にならないように、十分な配慮が必要だ。○[B]答えにくい質問だろう。ネガティブなトーンを抑えて、「過去の人事考課あるいは上司からの評価で、改善すべき点があると指摘されたことがあったら、それについて説明してください」と言ったほうがよい。△[C]効果が低いというより、倫理的にしてはいけない質問である。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
7応募者の積極的なコミュニケーション能力を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]職場の仲間から、あなたはどのような人だと言われていますか。[B]職場でほかの人と意見が対立したときのことを話してください。[C]上司や同僚と意見が食い違った経験はありますか。答え:[]
解説◎[B]ほかの人と意見が「対立したらどうするか」と聞くよりも、「対立したときにどのような行動をとったか」と聞くほうが効果的だ。意見が対立したことはない、と答えたら危険信号だ。この応募者は自分の意見を主張しない消極的な人物なのかどうか、さらに質問を重ねる必要がある。○[A]客観的な答えを期待できるが、やや漠然とした聞き方なため、周りの人からどう思われているか、という推測の情報しか得られない。もっと具体的に「チームへのあなたの貢献について、周りの人は何と言うでしょうか」「チームへの影響力についてはどうでしょうか」などと質問しよう。△[C]得られる情報が少ない。応募者が「ありません」と答えたら、ほかの質問をして応募者の行動パターンを知る必要がある。その場合、応募者は消極的な人物で、自分の意見を主張することができないのではないかとも考えられる。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
8失敗したときの対応力を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]これまでの職歴で最大の挫折は何ですか。[B]職歴を一部リセットできるとしたら、何を変えたいですか。[C]仕事の期限に間に合わなかったことはありますか。答え:[]
解説◎[A]さまざまな答えを得ることができるので、最も効果的だ。問題を乗り越えるプロセスが重要なので、「問題に直面したときに応募者がどのように判断したか」に注意して答えを聞くこと。逆境でも決断力と精神力を発揮できる人材を探しているのだから。○[B]応募者の口調と態度に注意しよう。明るく前向きに話しているか。悔しそうに、しかも少し怒ったように話しているか。そこから、応募者の失敗に対する態度がわかる。その上で、応募者が経験から何を学んだか、そして今度のポジションでそれをどのように生かせるか、質問を続けてさらなる情報を引き出そう。△[C]これでは的が絞れていないうえに、応募者が「はい」「いいえ」で答える可能性がある。効果的な質問にするには、「仕事の期限に間に合わなかったときのことを話してください」と、具体例を求めるとよい。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
9ミスから学ぶ能力を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたがこれまで経験したミスから学んだ最も大切なことは何ですか。[B]あなたのミスなのに、ほかの人が責められそうになったらどうしますか。[C]誰でもミスをするものですよね。最近、仕事でどんなミスをしましたか。答え:[]
解説◎[A]この質問は、ミスそれ自体のマイナス面ではなく、そこから学んだプラスの面を尋ねているため効果的だ。面接でこのような質問をされても困ったりせず、学習したことをきちんと話すことができるのは、自信のある応募者だと考えられる。○[C]誰にでもミスがあることをまず認めているから、応募者は、ミスをしたこと自体を判断されるわけではないと信頼し、ためらいなく答えることができる。応募者が経験から何を学んだかということに注意して話を聞くこと。△[B]「~だとしたら、どうしますか」と架空の状況を想定する質問は、応募者に経験に基づかない作り話をしてほしいと言っているのも同然だ。面接担当者はいつでも事実を引き出す質問をしなければならない。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
10応募者が辞職するリスクを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]自分の欠点について話してください。[B]仕事をしていなかった期間について説明してください。[C]この仕事をするにはもったいないほどの経験をお持ちのようですが、この仕事のどこに魅力を感じましたか。答え:[]
解説◎[C]応募者が前職よりレベルが下がる職に応募したのには、それなりの理由があるだろう。非常に優秀な人材を採用できる可能性もあるが、採用したとしてもこの仕事を退屈に感じ、すぐに辞めてしまうかもしれない。それが気になったら、目標や将来の計画について尋ねよう。○[B]空白の期間があるというのは、仕事をよく変える可能性があることを意味しているか、あるいは、何か正当な理由があるのかもしれない。病気療養による休職の場合もあるだろう。もしそうだった場合は十分に配慮して対応しなければならない。△[A]これはしないほうがいい質問だ。面接担当者にとっても応募者にとっても逆効果になりやすい。質問自体が否定的なものであるため、応募者がどのように答えても具合が悪く、適切な情報を得られないのだ。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
[面接質問の秘訣①]行動に関する質問をしよう応募者の仕事上の過去の行動について明らかにしていくのはとても重要なことだ。過去の行動を知ることで、応募者が将来どのような業績を上げるかを判断することができる。なぜなら、応募者は同じ行動を繰り返す可能性があるからだ。これはプラスの行動にもマイナスの行動にも当てはまる。このタイプの質問は、過去の具体例を詳しく引き出すように工夫しなければならない。基本的には、応募者の成功体験を話してもらうのがいい。たとえば「問題を解決したときのことを話してください」という質問だ。ここでは、「~したときのこと」がキーワードとなる。つまり、特定の出来事の特定の例を答えるように求めるのだ。何かをうまくやり遂げた、と主張することは簡単だ。しかし面接担当者はその出来事の詳細を尋ね、過去の行動の証明、つまり応募者が実際にその行動をとったときの具体例を挙げてもらう必要がある。・どのような問題または状況が起こったか。・問題または状況を解決するにあたってどのような行動をとったか。・どのような結果または成果を得ることができたか。こういった情報を引き出すためには、次のような構成で質問する。「~したときのことを話してください」「どのような問題(状況)だったのか、そしてあなたがどのような行動をとったのか、話してください」「その結果、どうなりましたか」応募者が例を挙げて答えられなければ、さらに質問を続けて話の全体像を把握する必要がある。
11応募者がどのような成果に満足するかを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]表彰されたり特別なインセンティブをもらったりしたことはありますか。[B]これまでの仕事で成功した事例を三つ挙げてください。[C]これまでのキャリアで、一番満足したのはどのような仕事ですか。答え:[]
解説◎[C]「満足」というキーワードで尋ねることで、応募者がモチベーションを感じた仕事のことを話してもらうことができる。さらに詳しく「これまでに一番満足した仕事では、具体的にどんなことをしましたか」と聞くと、より効果的だ。○[B]応募者自身が何をもって「成功」と考えるかがわかる。応募者の答えを聞き、さらに質問を続けるとよい。すると、応募者がかかわった具体的なプロジェクトについて知ることができ、さらにはそのプロジェクトで本人が果たした役割についても知ることができるだろう。△[A]この質問に対する答えからは応募者について判断しづらい。表彰や報酬を与えない会社もあれば、子供にアメを与えるように頻繁に報酬を渡す会社もあるだろう。表彰や報酬が珍しいことなのか、それともよくあることなのかを明らかにして、応募者の答えを判断しなければならない。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
12応募者の長所を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたの同僚に、あなたの長所を尋ねたら、どんな答えが返ってくるでしょうか。その理由は何でしょうか。[B]あなたの長所は何ですか。[C]あなたは会社にどんなメリットをもたらしてくれますか。答え:[]
解説◎[A]基本的にはBの「あなたの長所は何ですか」と同じ内容を問う質問だが、より客観的な答えを得るために周囲の目に映る自分の姿を聞く、というひねりを加えている。○[B]あまりにストレートすぎて、応募者の本音を引き出せない。同じことを聞くにしても工夫が必要だ。「この仕事をするとしたら、あなたのどんな長所を生かせるでしょうか」など、別の聞き方を考えよう。△[C]質問の趣旨がはっきりせず、応募者の答えもあいまいになりかねない。次のように具体的に質問するとよい。・今回の職務内容のなかで、あなたが最も得意な点と苦手な点はどれですか。・募集職種と前の仕事とを比べて、似ている点はありますか。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
13リーダーシップの有無を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]グループで共同作業を進めるために、何かをしたことがありますか。[B]ほかの人にやる気を起こさせた経験はありますか。[C]チーム内で自分の役割を果たさない人と一緒に仕事をした経験はありますか。答え:[]
解説◎[B]リーダーシップにおける重要なポイントを押さえている。応募者が具体的な例を挙げなかったとしたら、ほかの人にやる気を起こさせた経験がないか、あるいはほかの人にやる気を起こさせることの重要性を認識していない、と考えられる。○[C]この質問に対する答えで注意するべき点は、応募者が問題に対してどのように対処したか、ということだ。応募者がチーム内の対立をうまく解決したとしたら、それはどのような方法をとったのだろうか。△[A]漠然としている。「何か」とは、正確にはどんなことを求めているのか。応募者は質問の趣旨がわからず、答えに詰まる可能性がある。たとえば「チームで仕事を進めたときのこと、そしてあなたが果たした役割について話してください」と質問すると、具体的な情報を得ることができる。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
14募集職種に就いた場合の応募者の適応力を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]前の仕事と今回の仕事とでは、どのような違いがありそうですか。[B]新しい環境に置かれたり新しい課題にチャレンジしたりするとき、あなたはどのような行動をとりますか。[C]あなたがこの仕事に就いた場合、最大の課題は何だと思いますか。答え:[]
解説◎[A]前職との違いから、応募者が募集職種にどのような魅力を見い出しているかがわかるため、その答えを注意深く聞けば、応募者がどのような仕事を好んでいるかを知ることができる。さらに、そこで生かされるであろう応募者の能力もわかる。○[C]この質問をしたときは、応募者の答え方やボディランゲージに注目し、態度を観察する。不快な態度を示さなければ、気持ちを切り替えられる人物だと推測できる。また、問題点をすぐに理解する能力があるかどうかもわかる。△[B]架空の状況を想定して尋ねるのではなく、応募者の実際の経験について尋ねるべきだ。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
15専門分野を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]ほかの人よりも自信がある専門分野は何ですか。[B]この仕事に生かすことができるあなたの最大の強みは何ですか。[C]自分の専門分野について、日頃どのようにして最新情報をキャッチしていますか。答え:[]
解説◎[A]その専門分野においてどういった点でほかの人よりも適任なのかを説明するように求めているため、より詳細に応募者の専門性を知ることができる。○[C]情報収集の手法を尋ねることで、応募者の専門性がどのレベルまで磨かれているかを知ることができる。この質問をさらに効果的なものにするには、「この分野の最近の流れや改善点について、どのような意見をお持ちですか」と続けて質問するとよい。応募者が最新の傾向や技術に常に通じているかどうかを知ることが重要だ。△[B]多少表現は違うものの「あなたの強みは何ですか」と聞いているに等しいので、あまり効果的ではない。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
16コミュニケーション能力の高さを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたのコミュニケーション能力を自己採点すると、「非常に優れている」「優れている」「普通」のどれになりますか。[B]以前の仕事のうち、コミュニケーション能力が必要なものは何パーセントですか。また、コミュニケーション能力が必要でない仕事とは、どのようなものですか。[C]あなたの同僚は、あなたのコミュニケーション能力についてどのように表現するでしょうか。答え:[]
解説◎[B]ひと言(数字)で答えられる明確な質問と、その数字の裏づけを求める質問の二つのパートに分かれている点で効果的だ。○[C]他人の意見として自分のことを話すのは比較的容易なため、応募者が自分自身についての考えを述べる場合よりも多くの情報を得ることができるだろう。△[A]この三つの選択肢だったら、自分のことを「普通」と答える人はあまりいないだろう。それより「あなたがコミュニケーション能力を発揮したときの例を挙げてください」と尋ねるほうがより多くの情報を得ることができる。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
17細かいことに注意を払う能力があるかどうかを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]細かい事柄を扱うのは得意ですか。[B]細かい事柄に注意を払う能力について、1から10で自己採点してください。[C]現在の仕事では、どういったタイプの細かい事柄を扱っていますか。また、過去の仕事ではどうでしたか。答え:[]
解説◎[C]このように尋ねると、応募者が過去の仕事について説明する準備をしてきたかどうか、そして自分の言葉できちんと話しているかどうかがよくわかる。また、応募者がどういったタイプの細かい事柄を扱ってきたかを詳しく知ることもできる。○[B]情報を数字で表してもらうのは端的に評価しやすいためよい方法だが、その点数の根拠を尋ねるとさらに効果的な質問になる。△[A]このように聞いても、応募者が「苦手」とか「不得意」と答える可能性は低いからあまり意味のない質問である。「得意」という答えが返ってきたら、「得意だと考える理由は何ですか」「具体的な例を話してください」と質問を続けよう。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
18プロジェクトマネジメント力の高さを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたのプロジェクトマネジメント力について自己採点してください。[B]一度に複数のプロジェクトに取り組まなければならないとしたら、どのように優先順位をつけますか。[C]あなたのプロジェクトマネジメント力について、そのときのメンバーはどのように評価していますか。答え:[]
解説◎[C]応募者以外のメンバーからどのように評価されているかを聞くことで、より客観的な答えが得られる。○[B]プロジェクトマネジメントのセオリーを尋ねる質問だが、架空の状況を仮定して質問しており、応募者は想像で答えることができるため、効果は低い。こういったタイプの質問をすると都合のよい答えしか返ってこないので、事実を知るのは難しい。△[A]自己採点した数字だけを聞いても、比較のしようがない。「その点数にした理由を説明してください」と質問を続けるとよい。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
19問題解決能力の高さを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]問題に直面したら、どのような行動をとりますか。[B]前職では、どのような問題を解決しましたか。[C]過去の仕事で、重大な問題を解決したことはありますか。答え:[]
解説◎[C]応募者が、問題が生じた具体的な時期や出来事について答えることになるため、最も効果が高い。ただし、答えが「いいえ」の場合、その問題を解決しなければならないとしたらどのような行動をとるか、と次の質問に移らなければならない。○[A]時期や出来事を特定せず「~だったらどうしますか」と状況を仮定して質問しているため、あまり良い質問ではない。ただしこの質問に対する答えからは、問題解決に対する応募者の考え方を知ることができる。問題に直面したとき、応募者は物事を整理して計画的に考えるだろうか、それとも成り行きに任せた対応をとるだろうか。△[B]聞き方があいまいで適切な答えが得られないため、採用判断を下すには不十分だ。自己採点してみよう:[](C…5点/A…3点/B…0点)
20協調性の有無を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたはチームメンバーとしてどのような存在か、あなたの同僚に質問したら、どのような答えが返ってくるでしょうか。[B]過去に、同僚との間に問題が生じたことはありませんか。[C]チームメンバーとしてあなたは同僚からどのように評価されていますか。三つ挙げてください。答え:[]
解説◎[A]自分は他人の目にどのように映っているかを考えたことがない応募者にとってはこの質問に答えるのは非常に難しいだろうが、応募者自身について、そして応募者のチームにおける協調性についての情報を得ることができる。また、このようにすぐには答えづらい質問をすることで、応募者の即答・判断能力を知る手がかりも得られる。○[C]この質問に対する答えから、他人との関係において応募者が重要だと考える資質を知ることができる。△[B]「答えは『いいえ』ですね。次の質問に移りましょう」と言っているのと何ら変わりはない。「実は、いつも同僚と問題を起こします」と答える応募者などいないのだから。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
21職場に求めているものを知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたにとって理想的な職場を説明してください。[B]職場にとって大切だと思う点を四つ挙げてください。[C]今回募集している仕事に関して、あなたにとって最も大きな課題は何だと思いますか。答え:[]
解説◎[C]この質問に対する答えからは、職場に対してだけでなく仕事内容に対しても応募者が何を求めているかがわかる。その上で、応募者が課題だと感じている点が今回の仕事の重要な要素かどうかを考えるとよい。○[B]応募者が重要だと思う点を四つも尋ねているため、十分な情報を得ることができる。答えを注意深く聞き、会社が求めている要素と、応募者の期待や目標が一致するかどうかを判断する。たとえば、応募者が和気あいあいとした職場を求めているが、実際の会社はそうではないとしたら、応募者はこの仕事に就いても満足できず、辞めてしまう可能性があるので注意が必要だ。△[A]「理想」を尋ねると、現実に即した答えを得られなくなってしまう。応募者は空想の話を延々と続けてしまい、しかも面接担当者に受けのよいことを話すかもしれない。どの会社の面接でも少しずつ内容を変えているだけなのかもしれない。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
22目標を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]五年後、あなたは何をしているでしょうか。[B]短期の目標と長期の目標をそれぞれ挙げてください。[C]この仕事は、あなたの長期的な計画とどのような点で一致していますか。答え:[]
解説◎[B]この質問では、応募者の将来の目標と、今回の仕事をするうえでの目標の両面について尋ねている。応募者は「スキルや能力を伸ばし、責任感を身につけ、最終的には経営に参画することが私の目標です」という答えを準備しているかもしれないが、このような一般論はこの質問に対する適切な答えではない。応募者自身の目標をあらためて尋ねるとよいだろう。○[C]より望ましくは、「この仕事は、あなたの目標達成にどのように役立ちますか」のように質問すると、十分な情報を引き出すことができる。△[A]無意味な質問だ。この五年の間にテクノロジーがこれほど進化するとは、誰が予測できただろうか。企業買収も毎日のように起こっている。このようなことを聞いても仕方がない。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
23何年くらい在職するかを判断する最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]弊社の将来について、どのような点に関心がありますか。[B]この業界あるいは弊社の将来は、どのようになると思いますか。[C]弊社で働くことで、どのような目的を達成したいと考えていますか。答え:[]
解説◎[C]応募者が自分のキャリアについてどのように考えているか、そして一定期間以上この会社に勤めるつもりかどうかを知ることができる。たとえば「五年以内に部長になりたい」と具体的な目標が返ってきたら、注意が必要だ。それがもし実現不可能な目標であったら、五年では部長職に昇進することはできないという事実を応募者にあらかじめ伝えておく必要がある。○[A]この会社について応募者が知っているかどうかを判断するのには役立つが、応募者自身が何年勤務するつもりなのかを知ることはできない。△[B]「どのようなことを調べてきたか」ではなく「どう思うか」と尋ねているため、効果が低い。まったく意味がないわけではないが、現時点では、応募者の意見よりも応募者の能力に関する情報を引き出す必要があるのだ。自己採点してみよう:[](C…5点/A…3点/B…0点)
24志望動機を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]この仕事(あるいは会社)のどこに最も関心がありますか。[B]この仕事のどこに魅力を感じましたか。[C]この仕事と前の仕事の違いはどのような点ですか。答え:[]
解説◎[C]応募者が前職のどのような点を気に入っていたか、そして前職と今回募集している仕事をどのように比べているかを知ることができる。「前の仕事で何か一つ変えることができるとしたら、それは何でしょうか」と続けて質問すると、応募者が前職のどこに不満を持っていたのかについて、さらに詳しい情報を得ることができ、今回の募集職種に当てはまるところがないか、判断することができる。○[A]この質問に対する答えから応募者が何に関心を持っているのかを判断し、それに応じてさらに次のように質問を続けることができる。「このポジションで最も難しいと感じているのはどのような点ですか」。その答えから、応募者の適性を知ることができるだろう。△[B]これでは、応募者についての情報はほとんど得られない。「この仕事の募集要項を見たとき、あなたのスキルとどのような点が一致すると思いましたか」と質問すると、詳しい情報を得ることができる。自己採点してみよう:[](C…5点/A…3点/B…0点)
25なぜ仕事を辞めたのか(辞めようとしているのか)を知る最も多くの情報が得られる効果的な質問は次のうちどれか?[A]あなたの現在の仕事の満足度を1から10で表すと、いくつになりますか。[B]この時期に仕事を辞めようと思っているのには、何か具体的な理由がありますか。[C]現在の仕事を辞めようと決めたのは、いつですか。答え:[]
解説◎[B]「この時期に」という表現がポイントだ。応募者はたいてい、「なぜ今の仕事を辞めようと思ったのですか」という質問を予測し、「チャレンジできるものを見つけたいから」といった答えを用意している。しかし「この時期に」とすることで、辞職の背景が浮かび上がり、応募者についての具体的な情報を得ることができるのだ。○[C]応募者が三~四カ月も前から仕事を辞めたいと思っていたとしたら、仕事や上司や同僚に不満を持っているのかもしれないが、その問題を新しい会社にまで引きずらなければ、離職の理由としては問題ない。しかし、最近決めたというのであれば、その問題が未解決である可能性が高いため、注意深く具体的な内容を知る必要がある。△[A]その点数が何を意味するのか、続けて質問する必要がある。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
[面接質問の秘訣②]面接担当者が犯しやすい七つのミス①第一印象に惑わされる偏見のない気持ちで面接に臨まないと、最初の五分の印象で判断が鈍ってしまう。②ぶっつけ本番で面接に臨む十分な準備をせず、履歴書に目も通さないまま面接に臨むようなことをしてはいけない。③面接担当者が話しすぎる一般的には、応募者が八割、面接担当者が二割程度話すのが望ましい。④「好ましい返答」を相手に察知させる面接担当者が求めている返答を、応募者に押しつけないようにしなければならない。誘導的な質問をすると、応募者は真実を語らずに、面接担当者が求めている答えを話して面接担当者の機嫌をとろうとする。⑤「はい」か「いいえ」で答えられる質問をするひとことで答えられる質問では、判断に必要な情報を十分に得られない。⑥応募者を不安にさせる「前の仕事を辞めた本当の理由は何ですか」あるいは「なぜ仕事が長続きしなかったのですか」というタイプの質問は、応募者を不安にさせる。応募者をとがめ、応募者が好ましくない行動をとったと暗に示すと、応募者は身構えてしまう。⑦面接の方向性をコントロールしない面接が好ましい雰囲気で予定時間通りに進むかどうかは、面接担当者にかかっている。応募者を萎縮させたり、面接担当者や会社に悪印象を持たせたりするような面接は好ましくない。
第2部返答から人材を見抜く第2部では、応募者の返答に焦点を当てる。面接担当者からの質問に対して的確に答えていて、しかもその能力や性格のよさを示している返答とはどのようなものなのか。問題に答えながら考えてほしい。
26あなたなりの工夫で問題を解決したときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「ブランドを立ち上げたときのことでしょうか。私たちは製品のブランドイメージを作り上げるために、スター選手を何人か起用しました。ブランド名を売り出し、あらゆる手段を講じて、その名をPRしたのです。私たちは顧客リストを買い入れ、何千通ものDMを送りました。相応の予算をブランド戦略にさきました。すべての活動がブランド確立のために展開され、社員全員がこうしたコンセプトを理解してくれたのです。結果は大成功で、私たちは皆で目標の達成を祝いました」[B]「前の会社で働き始めたとき、その会社には顧客維持力が不足していました。そこで私は自分の部下や関連部署のメンバーと協力して、この問題の解決にあたりました。まず初めに私がしたのは、顧客のもとへ出向いて話を聞くチームを作ることでした。集まったデータを分析し、それを表にまとめて、マーケティング部に提出したのです。マーケティング部と連携して、実行すべき行動のプランを立てました。最終的に、『まずはお客様の声を聞き、ご要望に応じて情報を提供する』という効果的な戦略を立てることができました。成功のカギは、チームの協力を得たことと、私が当初からこの計画を全力でマネジメントしたことにあります」[C]「私は一般市場の動向に常に注意を払っています。市場でシェアを拡大するには、迅速に行動を起こすことが必要な場合もあるからです。めまぐるしく変化する環境のなかで、私たちは注目を集める努力を怠りませんでした。私は日々、運用の効果が最大限になるように、予算のやりくりに尽力しました。プレミアム広告を何本か打って話題を集めたことも評価されています。市況が思わしくないときでも、キャンペーンを何度か成功させています」答え:[]
解説◎[B]特定のプロジェクトについて明確に述べているので、Bが最も的確な返答である。応募者がどのような行動をとったのか順を追って把握できるし、リーダーシップをとれる人物であることもうかがえる。この返答から、細かい仕事をこなしながらも大局を見ることのできる人材であることがわかるだろう。こうした能力をいつでも発揮できるのか確認したい場合は、ほかの例についても説明してもらうとよいだろう。○[A]Aの返答をよく見ると、「私たち」という表現は何度も出てくるが、「私」は一度も出てこないことがわかる。チームの結束が強かったことを示すのも重要であるが、そのなかで自分が果たした役割についても説明するべきである。Aの返答からは、応募者がそのプロジェクトで果たした役割についてわかることは少ない。応募者自身の役割を聞き出し、応募者がリーダーだったのか部下の立場だったのか、プロジェクトの成功にどのような形で貢献したのかを知る必要がある。△[C]Cの返答には警戒すべき点がいくつか見られる。第一に、質問の答えになっていない。特定のプロジェクトに言及していないからである。また一般論に終始しており、応募者自身については何も明らかにされていない。手始めに、応募者に特定の具体例を挙げてもらわなければならない。もし応募者が具体例を挙げられなければ(そういうことはよくある)、次のように詳細にわたってきわめて限定的な質問をする必要があるだろう。・「キャンペーンを何度か成功させた」とは、どういうことですか。・キャンペーンの実例を一つ挙げていただけますか。このような質問をしてようやく、応募者がこれまでにどのように仕事をしてきたかがわかる。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
27新しい状況に対応しなければならなかったときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「IT業界にいたため、新しい状況が起こっても、たいして驚くこともなくなりました。実際、この五年間に二回もリストラされました。ある会社は、私たちがストライキをしても交渉に応じてくれませんでした。このとき、アーリーステージの企業は必ずしもうまくいくわけではない、という事実を受け入れなければなりませんでした」[B]「コンビニエンスストアでの経験は、あらゆる仕事で役に立っています。昼夜を問わずいつでも待機しなければならず、また自分の店舗の安全に責任を負わなければならなかったため、適応性と柔軟性を身につけることができました。柔軟性が必要なのはもちろんですが、それは使命でもありました。この能力と緊張感は、あらゆる仕事に生かせると思います。仕事をやり遂げるためなら、どのようなことでもできます」[C]「私は、二十四時間体制で待機する仕事に従事していました。ある日曜の朝に電話が鳴ったので、何か問題が起こったのだと直感しました。案の定、コンピュータのメインフレームがダウンしたのです。私がまずしたのは、その日の予定をすべてキャンセルすることでした。月曜の朝までにシステムを立て直すため、一時間以内に三人の技術者を集めました。一人ひとりが個別の責任を持って働きつつ、グループとしてこの問題に取り組みました。結局、深夜の二時までかかりましたが、月曜の朝に社員が出社したときには、トラブルがあったことなど誰も気づきませんでした。私たちの迅速な対応は、全員から大変感謝されました」答え:[]
解説◎[C]問題に対応したときの具体例について説明しているため、Cが最も的確な返答である。この答えから、その日の予定をキャンセルして一時間以内に人手を集めた、という柔軟な対応力を知ることができる。さらに、ほかの人と協力して仕事をしているということもわかる。また、深夜二時まで仕事に取り組んだことは、集中して仕事をやり遂げる能力がある人物だという証明にもなる。○[B]この返答は悪くはないが、具体例を挙げていない。この応募者には適応能力があり、予期しない状況に対応した経験があるということはわかるが、具体例を説明してもらい、言葉だけでなく真実であることを確かめる必要がある。この話は実例ではなく、単なる作り話かもしれないからだ。△[A]この返答からでは、応募者が自分の職務範囲内で起こった問題にどのように対処したかがわからない。リストラされても転職できるだけの優れた人材であることがわかるという点では悪い返答ではないが、状況を受け入れてそれを変える行動を起こす、ということはしていない。そもそもこの返答は、状況に適応したというよりは、ただ状況を受け入れて次のキャリアに進んだという説明でしかない。リストラされて給料を受け取ることができない、という状況は誰でも受け入れることはできるだろうが、ここでは、その状況に対してどのような行動をとったのかが重要なのだ。この応募者が新しい状況にどのように適応したのかを詳しく知る必要がある。さらに警戒すべき点は、応募者がリストラされたことではなく、リストラせざるを得なくなるような会社を選んだことである。事前に会社のことを調査しなかったのだろうか。会社の状況を知っていたら、その仕事に就いていなかったかもしれない。応募者が変化を生きがいにして成長しているならまだしも、応募者が単にその状況に甘んじているだけだとしたら、採用しても積極的な働きは期待できないだろう。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
28根気強く努力しなければならなかったときのことを、例を挙げて話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「私は、どんな課題でも同じように集中して進めることができます。仕事をやり遂げるためならどんな努力も惜しみません。就業時間内に終えられなかったら、遅くまで残って最後までやり遂げます。私の誇りは、どんなに大変な仕事でもやり遂げることです」[B]「三日間は要する仕事なのに二日間しか時間がなかったときのことです。まず、すべきことを洗い出して優先順位をつけ、それぞれについてチームメンバーを割り当てました。次に、プロジェクト以外の仕事は断り、すべての時間をプロジェクトに集中させました。そうはいっても、定例業務もこなさなければなりませんでした。残業をして仕事にあたりましたが、それよりも重要なのは、計画を立てて優先順位をつけて仕事を進めたことです。そのおかげで期限に間に合わせることができました」[C]「根気強く努力しなければならなかった仕事は、前の会社でデータベースを作成したことです。単調な仕事でしたが、根気強く取り組まなければやり遂げる気力がわかなかっただろうと思います。課題があれば、集中して仕事をするのは割と得意としています。プロジェクトを完成させて、よい成果を挙げることができましたが、何よりもうれしかったのは、単調な仕事が終わったことです」答え:[]
解説◎[B]Bの返答が的確だと言える理由は、まず、応募者が質問をよく聞いて答えている点。こちらが「~したときのことを、例を挙げて話してください」と質問しているのだから、応募者は例を挙げて答えなければならない。また、計画性、チームワーク、優先順位づけ、という自分の重要な資質を示しているため、応募者についての情報が含まれる的確な返答になっている。さらに、いかなる場合でも仕事をやり遂げようとする姿勢と、手際よく仕事をこなす能力も、この返答から読み取ることができるだろう。○[A]Aの返答は具体性に欠けるが、根気よく仕事に取り組む姿勢があることがうかがえるため、悪くはない。そこで、「仕事をやり遂げるためなら努力を惜しみません」という返答に対して、さらに質問を続けて具体的な証拠を示してもらうとよいだろう。応募者が具体例を挙げることができなければ、その返答には何の意味もなく、真実を述べていないと判断できる。△[C]Cの返答が不的確な理由は、まず、「割と得意」という表現を使用している点。「得意」か「不得意」かが明確でないため、自信のなさがうかがえる。またこの返答からは、精一杯の努力をしなければ単調な仕事を進められない、といったニュアンスが感じられる。面接担当者は、応募者が今回の仕事に就いてもすぐに音を上げてしまわないかどうか、的確に判断しなければならない。さらに、この応募者が常にこういった行動をとっているのか、あるいは特定の仕事だけを退屈だと感じるのか、質問を続ける必要がある。こうした情報を引き出すには「この仕事と同時進行していたほかの仕事については、どのように進めましたか」と尋ねるとよい。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
29文書作成能力が非常に必要とされるプロジェクトに取り組んだときのことを、例を挙げて話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「各部署で発行するニュースレターを書く仕事を任されたことです。発行に伴う作業をすべて一人で進めなければなりませんでした。しかも私にとって初めての経験です。最初にしたことは、同じような経験を持つ人を社内で見つけ、何をすべきか、何をしてはいけないか、アドバイスを受けたことです。次に、サポートスタッフから部長職に至るまで、ほかの社員に簡単なインタビューをしました。皆の意見から、ほかの人たちにも参加してもらう、というアイデアを思いつきました。現在は、文章コンテストを毎月開催し、優秀者の文章をニュースレターで発表しています。部内のほかの人たちにも参加してもらったことは、プロジェクトの成功に大きく影響しました。最近では、『最も独創的なニュースレター』を作成したとして社内で表彰されました」[B]「私の長所は、作文能力に優れていることです。人事考課では、常に文書作成能力を評価されていました。事実を詳しく調べて記事にまとめるのが非常に得意です。直近の仕事では、ウェブサイトのコンテンツ制作にかかわりました。これは非常に有意義な経験でした。デザイナーと協力して、伝えたいメッセージを形にすることができたのです」[C]「仕事としては、文書作成はそれほど重視していませんが、書くこと自体は大好きです。これまでに提案書をいくつか作成しましたが、どれも好評でした。仕事として文書を作成することもありますが、あくまでも本来業務を優先しています。ただし、文書を作成したときには、必ずと言っていいほどその内容を評価してもらっています。実際、あるプロジェクトの一員として文書を作成したときには、表彰されたこともあります。今回応募している仕事は、文書作成能力を身につけ、さらに伸ばすチャンスだととらえています」答え:[]
解説◎[A]ニュースレターという特殊なプロジェクトながら、文書作成能力を生かして成功させたことを具体的に説明している。また、応募者の説明を注意深く聞いていると、文書作成能力以外にも優れた資質を示していることがわかる。過去の成功例や失敗例を調べ、非公式の調査を行っていることから、口頭でのコミュニケーション能力があることがわかる。また応募者は、枠にとらわれない考え方を有しているとみられ、ほかの社員を参加させるというアイデアを思いついている。このことは、協調性とチームスピリットがあることの証左である。○[B]プロジェクトについては触れているが、具体的な内容まではわからない。何より、自分の能力について総体的に説明しているものの、実際にどのような文書を作成したのか、どういった評価を受けたのかについては情報がない。また、会社のウェブ・コンテンツ制作にかかわったことはわかるが、どの程度の量を書いたのか、またその内容がどの程度独創的だったのかについては、何も述べていない。今回の仕事でどの程度の文書作成能力が必要かによって、面接担当者は詳細を探らなければならない。△[C]Cの返答が不的確なのは、文書作成の経験が豊富ではないからではなく、具体的な内容に欠けているからだ。面接担当者は、チームの一員として文書作成の表彰を受けたときのことを詳しく質問する必要がある。応募者は、チームのプロジェクトにどの程度貢献したのだろうか。この返答には警戒すべき点も見られる。応募者は「能力を身につけ、さらに伸ばすチャンスだ」と答えている。文書作成能力をすでに有している人材を探しているのだから、指導を必要とするような人物を採用するのは的確ではない。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
30戦略的に考えて問題を解決したときのことを説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「前の会社では、戦略的な計画を立て、初年度で人件費を八%削減しました。その方法として、研修を計画して実施しました」[B]「締め切りが厳しいプロジェクトのマネジャーとして仕事を任されたときのことです。プロジェクトの途中で、コンピュータ・システムの一つにトラブルが生じてしまったのです。トラブルについて調査し、何が問題なのかを突き止めました。調査結果をIT部門に知らせ、意見を仰ぎ、問題解決のための計画を立案しました。故障の原因をさかのぼって調べ、最小限のダウンタイムで原因を究明して問題解決策を考えることができました。締め切りには間に合いましたが、残業を余儀なくされました」[C]「戦略計画チームのリーダーを任され、四半期で三百万ドルの利益を上げたことがあります。私の任務は、長期の戦略計画を立てることでした。多様なメンバーを集めてチームを作り、計画を策定。最新の情報システムを導入して、メイン業務を自動化しました。結局このプロジェクトは多くの支持を得て、大成功を収めることができました」答え:[]
解説◎[B]Bの返答からは、リーダーシップ、調査、問題解決、コミュニケーション、対人関係、チームワークと協調性、プロジェクトマネジメント、締め切り厳守など、応募者がたくさんのスキルを持っていることがわかる。またBの答え方は、左記の点が明確であり、話の構成という点でも優れている。・問題と状況コンピュータ・システムにトラブルが生じた。・行動問題解決に至るまで、さまざまな措置を講じたり相談したりした。・結果問題の原因を突き止め、それに対処した。○[C]おそらく多くの面接担当者は、「四半期で三百万ドルの利益を上げた」という部分に関心を持つだろう。しかし、これだけでは利益の内容がわからず、何が成功要因なのかが不明である。また「最新の情報システム」というだけでは、そもそもどのようなプロジェクトなのかについても疑問が残る。「多様なメンバー」というのもあいまいだ。具体的にどのようなチームなのか、聞き出す必要がある。△[A]Aの返答は、短いというだけでなく、内容も不十分である。面接担当者はさらに質問を重ねて、より詳細な情報を引き出す必要がある。たとえば、コスト削減という返答は注目に値するかもしれないが、計画の内容や、その金額が会社にとってどの程度のインパクトがあるのかが不明確だ。質問を続けて、コスト削減の方法や成功に導いた戦略的計画のポイントについて探ってみるとよい。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
31不満を持った顧客に対応したときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「私はいつも、お客様のことを第一に考えて働いています。お客様が常に正しく、従業員は問題解決のために最善を尽くすべきだ、と信じています。しかし不満をお持ちのお客様に応対するときは、いやな気分になることもあります。お客様が怒っていらっしゃるのは理解できますが、なぜカスタマーサービスに八つ当たりするのでしょうか。自分がどんなひどい待遇を受けたかを誰かに話したいのでしょうが、私にはどうすることもできません。お客様が理性を失っていることがわかると、自分の上司に電話を回して対応してもらいます」[B]「サービス担当者をたらい回しにされた、と非常に怒ったお客様からの電話を受けました。私のところにたどり着いたときには、すでに冷静さを失っていました。電話口で叫び、私を脅してきたのです。私は、静かに話を聞き、自信を持った声で、問題解決に協力すると言って相手を安心させました。状況を話していただく間もお客様は怒鳴り散らしていましたが、私は、最後まで責任を持って協力するとお約束しました。自分の連絡先を教え、一時間以内に再度連絡すると伝えました。電話を切るとすぐに状況を調べ、問題を特定しました。電話をかけ直し、状況確認のためにいくつか質問しました。そして最終的に、お客様の問題を解決することができました。お客様からは大変感謝されました」[C]「前の会社では、二年連続でカスタマーサービス賞を受賞しました。私は常に、お客様の立場にたって行動することを心がけています。お客様の問題に耳を傾け、事実を明らかにします。詳細がわかるまで何度も質問し、それぞれの情報を結びつけていきます。私は物事を系統立てて考えるタイプなので、事実を収集し解決策を導くのは得意です。お客様から不満の言葉や暴言を投げかけられたことも何度かありましたが、フラストレーションがたまっているので仕方がないと受け止めるようにしています。お客様の問題を解決して感謝の言葉をもらえるのは、とてもうれしいことです」答え:[]
解説◎[B]具体例を挙げて答えているだけでなく、問題のある顧客にも冷静かつ的確に対応する能力があることを示している。ほかの人は対処しきれなかった状況にもうまく対処したという点からは、自信と前向きな態度が感じられる。また、面接担当者はこの返答から、応募者が顧客を満足させるに至ったステップを追うことができる。過去に問題を解決した経験があれば、今度の仕事でもその能力を生かすことが期待できるため、人材価値は高いと言える。さらに言えば、顧客、特に問題を抱えた顧客に対応する際に、常に自信を持って接するという行動パターンがあるかどうかを探ることもできる。○[C]Cの返答には、応募者についての的確な情報が含まれているが、具体性に欠けており、このままでは詳細がわからないため、質問を続けてその主張の裏づけをとる必要がある。この返答で応募者が最も強調しているのは、二年連続でカスタマーサービス賞を受賞していることだ。そこで、いつ受賞したのかを尋ねてみよう。五年以上も前の話よりも、最近の受賞のほうが評価は高い。△[A]Aの返答を聞き終わっても、応募者の人柄も能力もよくわからないだろう。具体的なことは何も説明しておらず、応募者が何を「信じて」いるのかも不明確だ。また、この返答には警戒すべき点も見られる。怒った顧客に応対するといやな気分になると言っている点だ。その問題の種類にもよるが、仕事としてではなく一個人として問題をとらえてしまっている点に注意しなければならない。この応募者は「理想の世界」ではよい仕事をするかもしれないが、「現実の世界」でも同じような行動をとることができるかどうか、不安要素が残る返答である。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
32周囲から不評を買うような判断を下さなければならなかったときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「技術者を集めたチームでプロジェクトマネジャーを任されていました。そのときの私の役割は、コスト削減の方法を見つけることでした。人員削減もその一つでした。客観的な立場から判断を下すように努め、チームメンバーとそれぞれの役割について分析し、スタッフを二割削減することを提案しました。慎重に計画を立て、そのリストを作成しました。人員削減を伝えるのは私の役目です。できるだけ公平な態度で問題に対応したつもりですが、部下に告げるのは本当につらい任務でした」[B]「社内の応募者がいるにもかかわらず、社外の応募者を採用しなければならなかったときのことでしょうか。多くの人が私の判断に反感を覚え、文句を言いに来ました。実際、人事部に直接出向き、差別を受けたと直訴した人もいたほどです。不満を持っている人たちに私の見解を説明し、判断の正当性を理解してもらおうと努めました。部署にとって最大の利益を考えてとった行動だったのに、まるで自分の独断で採用したような気分になってしまいました」[C]「マネジャーは、不評を買うような判断を下さなければならないこともあります。枠にとらわれない見解で決断するために給料をもらっているのですから。これまでのキャリアでは、難しい判断を下さなければならないことも何度かありました。判断が正しかったことも、そうでなかったこともあります。何かよくないことがあれば、上司にすぐに報告します。問題を先送りするのは好きではありません。問題が生じたら、できるだけすぐに行動するように心がけています」答え:[]
解説◎[A]難しい判断を下したときの例としては、Aの返答は非常に的確である。リストラを伝えるのは誰にとっても決して気が進まない任務だが、応募者はそれを客観的に進めていることがわかる。また応募者の話し方からは、相手を思いやって慎重に進めたこと、そして計画をきちんと立てて実施したこともわかる。この応募者が仕事をやり遂げる能力にたけていることがうかがえるだろう。○[B]Bの返答は、応募者自身について詳しいことを説明していない。応募者が決断したことはわかったが、なぜそのような判断を下さなければならなかったのか、応募者はどういった基準を考え、社外の人材を採用したのかを知ることはできない。また、社員の一人が人事に文句を言いに行ったこと、ほかの社員も反感を抱いたことはわかったが、それ以上の情報は得られない。そこでさらに質問を続ける必要がある。「社外の人材を採用した理由は何ですか」、あるいは「社内の人材を採用しなかった基準は何ですか」と尋ねてみよう。△[C]質問に答えていない。応募者は一般的な見解を述べ、その調子で最後まで続けてしまっている。特に、「判断が正しかったことも、そうでなかったこともあります」という返答には警戒すべき点が見られる。応募者がこのように答えたら、じっくり考え抜いたのに間違った判断を下したのか、あるいは衝動的な判断を下してしまったのかを探る必要がある。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
33実行すべき課題だと判断して、率先して行動に移したときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「店長を務めていたときは、率先して行動する機会がたくさんありました。売り上げにかかわる重大な決断をその場で下さなければならなかったこともあります。本部から、売れるとは思えない商品が大量に送られてきたとき、私は独自に判断して、売場に置いてはいけないという指示を出しました。そのため、私の店は売り上げを落とさずに済んだのです」[B]「私は前もって計画を立てるタイプなので、プロジェクトに取り組むときはたいていスケジュールを組むようにしてきました。あるとき、予期しない出来事が原因で計画が狂い始めたことがありました。そこで、計画を立て直すまですべての活動をストップさせました。このまま進めてしまうと、プロジェクトを完成させることができないと思ったからです。結局、プロジェクトを完成させることができ、私の計画も希望通りに進みました」[C]「前の会社でプロジェクトマネジャーを任されたときのことです。プロジェクトを通して、チームのメンバーをうまく指導する枠組みが必要だと感じました。そこで、まずは原案を作成して上司に提出しました。上司はそのアイデアを認め、改良を加えて枠組みを作成するように後押ししてくれました。メンバーの意見も踏まえ、いくつかの点を改良しました。実際にそれを発表したとき、メンバーは、任務を整理して進められる枠組みができたことを喜んでくれました。上司はそれを経営陣に提出し、現在では全社的に使用されています。時間と費用の削減に結びつく効果的なプロセスを率先して作成したことで、私はのちに表彰を受けました」答え:[]
解説◎[C]いくつかの点で的確な返答だと言える。まず、応募者が率先して行動をとったときの例を挙げ、任務を遂行するために実際に何をしたかを示している。特に最後の部分が素晴らしい。応募者は率先して行動をとったばかりか、時間と費用の削減まで実現している。この応募者に対してさらに質問を続け、ほかにも時間と費用を削減したことがあるかどうかを聞いてみよう。○[A]答えの内容に問題があるのではなく、質問に対する十分な答えになっていないため、Aの返答は可もなく不可もないと言える。迅速な判断と主導力が必要な状況であることはわかったが、その状況下で何があったのかは明らかにされていない。どのような仕事においても、迅速な思考と判断は必要なスキルであるが、それをどのように駆使したかを知る必要がある。この例について深く掘り下げて質問し、何が起こったのかを詳しく聞き出すとよい。△[B]率先して行動をとったという答えになっていない。あまりに漠然としていて、計画を進めること以外に応募者が実際に何をしようとしたのかがわからない。応募者が計画を立てるタイプであることと、その計画に従うのが好きだということのほかには、ほとんど何も情報を得ることができない。また警戒すべきなのは、応募者が柔軟性に欠け、思わぬ方向に進んだときに手法を変える能力がない可能性があるという点だ。面接担当者は、「すべての活動をストップさせ」たことで時間や労力がどの程度犠牲になったのか、またこれほど思い切った行動以外に手段はなかったのかを知る必要がある。自己採点してみよう:[](C…5点/A…3点/B…0点)
34問題に直面したときのことと、それをどのように乗り越えたのか、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「前の職場には、一緒に働きにくいと評判の女性がいました。最初は、この女性と関わらないように努めていました。この女性は問題を抱えているのだと想像し、それが自分に降りかかるのを避けたいと思ったのです。しかし、ほかの同僚やお客様に対するのと同じ態度で接すれば、彼女も不愉快な態度をとらないのではないか、と考えました。最終的に、私たちは何の問題もなく一緒に仕事を進めることができるようになりました」[B]「私は、障害のある子供たちのためのボランティア活動に参加し、バスケットボールを教えています。去年、チームの皆は『チーム』の意味をきちんと理解していないような行動をとりました。そのとき、子供たちに説教をするのではなく、何か楽しいイベントに連れ出そうと考えました。たとえば、皆でピザを食べに行き、テーブルを囲んで座り、経験談を話してお互いを深く知り合おうとしました。コートを離れたらお互いの警戒心も解けたようでした。これをきっかけにして結びつきが強くなり、試合の場面にもそれが表れるようになりました。去年はたくさんのピザを食べ、リーグでもよい成績を収めました。何よりも、私は、メンバーそれぞれが成長するよい経験となったことが大切だと思っています」[C]「大学生のとき、私はあるプロジェクトグループの一員になりました。私を含めてメンバーは六人で、カビとバクテリアの効果についての科学研究を進めました。学期末までにプロジェクトを完成させなければならなかったのですが、全員の時間割がばらばらで、なかなか一緒に集まることができませんでした。しかも科学を専攻しているのは私ともう一人の学生だけで、ほかのメンバーは私たちがプロジェクトを進めるのを見ているだけでした。そこでもう一人の科学専攻のメンバーと話し、ほかのメンバーにも課題を割り当てようと決めました。最終的に素晴らしいプロジェクトを仕上げ、よい成績を収めることもできました」答え:[]
解説◎[B]Bの返答は、具体的な例を挙げており、また話の展開も優れている。応募者は、問題を乗り越えただけでなく、独創的なアイデアを生み出し、チームにやる気を与えたことを説明している。障害のある子供たちのためのボランティア活動に参加しているということは、この応募者が期待以上のことを進んでする可能性があることを示している。また、忍耐力があり、問題を解決できるまで新しいアイデアを進んで試そうとする人物であることもうかがえる。○[A]「一緒に働きにくい同僚」という問題の例を挙げている点で、Aの返答は悪くない。またその問題を解決したという結果を明らかにしているのもよいが、どのようにして解決したのかという具体性に欠けるのが惜しい。面接担当者は次のような補足の質問をして、詳しい情報を引き出し、本当にうまく解決できたのかどうかを確かめる必要がある。・この同僚とうまくやっていくために言いたいことを我慢したのですか。それとも、あなたの接し方が変わったことで相手も態度を変えたのですか。・あなたの特別な対応を見て、ほかの同僚はどのような反応を示しましたか。△[C]プロジェクトと問題については詳しく述べているが、応募者が忙しいスケジュールをやりくりしてどのように優先順位をつけたのかがわからない。重要でないことを応募者がだらだらと話したら、面接担当者はそれをやめさせ、例を挙げてもらうように話の方向を変える必要がある。問題を解決するのに実際にとった行動について、さらに詳しく質問するとよいだろう。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
35現在または過去の仕事で、あなたがリーダーシップを発揮したときのことを、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「私はこれまで、すべての仕事でリーダーの役割を任されてきました。前のポジションは東部地区のゼネラルマネジャーでした。私の長所はコミュニケーション能力に優れていることです。この仕事を始めてすぐに、さまざまなお客様とコミュニケーションを図ることが大切だと学びました。社外のお客様だけでなく、社内のほかのメンバーとのコミュニケーションも重要です。部下を褒め、報酬を与えることは、業績に結びつくと信じています」[B]「国内販売業務の責任者として、私は、二十人の国内販売スタッフによるチームを育成しました。戦略的、ときに戦術的にチームをリードし、私たちのチームは、最新テクノロジーの導入に成功したのです。私がその職に就いている間は、売上高を毎年更新しました。これもチームが一丸となって努力した結果です。チームの皆は、きっといつでも私の下で働きたいと言ってくれるでしょう」[C]「ある小売りチェーンでCEOの職を引き継いだとき、私は戦略的な計画策定と業務遂行に全力を尽くしました。最初にしたことは、スタッフとミーティングの場を設けて、会社の最も優れている点を見つけることでした。そのために、スタッフに自由に意見を述べてもらいました。コミュニケーションを図るには、相手の話を聞くことも重要だと考えているからです。ミーティングのあと、すべての意見を書き出してそれを表にまとめました。二回目のミーティングでは、皆の意見を取り入れた計画を発表しました。正直なところ、部下とこれほどまで強い結束力を持ったことはありません。計画策定にスタッフを関与させたことは、プロジェクトの成功に大きく貢献しました」答え:[]
解説◎[C]リーダーとしての資質を応募者がいくつか兼ね備えていることがわかる。まず、メンバーから話を聞くことの重要性を理解しているという点で、応募者にはコミュニケーション能力がある。また単にプロジェクトを進めるだけでなく、協力して働く能力があることもわかる。そしておそらくこの応募者は、功労を認められたりプロジェクトの成功を評価されたりすることに価値観を置くタイプではないと思われる。こういった人材を採用して、前からいた社員と一緒にうまく協力して仕事を進めることができるかどうかを確かめたいなら、協力してプロジェクトを成功させた例をほかにも挙げてもらう必要がある。その返答から、新しいリーダーを迎えたときにチームが直面するであろう問題について、深く知ることが重要だ。○[B]Bの返答には成功の要素が含まれているが、具体性に欠ける。リーダーシップと責任感については述べているが、その裏づけとなるものがない。この説明通りに成功を収めたのかどうかを探るには、さらに情報を引き出すための質問をする必要がある。特にリーダーシップ能力について知るには「チームのメンバーに対してどのような教育を行いましたか。その例を挙げてください」と尋ねるとよい。△[A]Aの返答からは説明の要点がわからず、しかも質問の答えになっていない。応募者が一般論を述べたら、面接担当者は具体例を求めなければならない。「プロジェクトで部下とどのようにコミュニケーションを図ったのか、具体的に説明してください」と続けてみよう。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
36海外マーケットを対象にしたプロジェクトに取り組んだ経験を、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「どのようなマーケットで働いていても、私は常に、問題解決能力と調整能力を発揮してきました。製造業界では、国内外を問わず厳しい交渉を進められるという評判も得ています。最近手がけた二つのプロジェクトでは、困難な事業取引で交渉をうまく進め、会社の出費を数千ドルも節約することができました」[B]「技術規格を策定するプロジェクトで、海外のチームと協力して働いた経験があります。九時間の時差があったため、まずは、両者が無理なく参加できるように定例会議の時間を決めました。次に、利用可能な技術をすべて活用する、ということで合意しました。たとえば、Eメールやファックス、電話会議やビデオ会議を多用しました。会議では、メッセージがうまく伝わらなかったときのことを考えてさまざまなコミュニケーション・ツールを使いました。実際に海外に足を運ばなくても、バーチャルな会議でプロジェクトを成功させることができたのです。これはコスト削減に大いに貢献し、また複数のプロジェクトを進めることもできました。最終的には、チームの皆が有意義な経験をしたと満足できました」[C]「この業界で十年間の経験があり、知識も豊富です。特にある会社では、同じような顧客層を対象にして長期にわたって働き、貴重な経験を積むことができました。私は経験も専門分野も広く、広範囲の問題を分析して解決することができます。上場企業で働いたことも、小さなベンチャー企業で働いたこともあります。また地域マーケットも海外マーケットも経験してきました。これまでのキャリアを通じて強い関係を築いてきたため、御社でも即戦力として働くことができると思います」答え:[]
解説◎[B]Bの返答は、リーダーシップと協調性のほかに、自らの調整能力についても説明している点で非常に優れている。この応募者は、海外のチームと協力して仕事をする能力にたけているだけでなく、時間や場所といった制約に対応する能力や技術を活用する能力もあることがわかる。さらに、「バーチャルな会議」を開催し、費用の節約にも貢献しているという説明からは、プロジェクトについてあらゆる面から考察する能力があることが明らかだ。○[C]Cは質問に的確に答えていないだけでなく、話にまとまりがなく、主張を裏づける具体例もややあいまいだ。また海外マーケットでの具体的な経験についても触れていない。ただし、少なくとも説明の内容自体は悪くない。長年の幅広い経験、そして業界での豊富な人脈と知識を生かすことができる、とうまくまとめて説明している。△[A]Aの応募者は、とりとめなく話を続けている。内容もあいまいで、具体例も挙げていない。「どのようなマーケットで働いていても、私は常に、問題解決能力と調整能力を発揮してきました」というのは素晴らしいセールスポイントだが、この返答からは応募者の行動を評価することはできない。応募者がこれまで何をしてきたか、そして今度の仕事で何ができるかを明らかにする必要がある。「厳しい交渉を進めたときの具体例を挙げてください」と尋ねると効果的だ。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
37上司や同僚と対立したときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「前の仕事に就いたばかりのとき、ある同僚の女性が私を侮辱するような態度をとり、私の行動を非難しました。ふだん私は、新しい状況にもすぐに対応できるのですが、こういった経験は初めてでした。そこで関係が悪化する前に彼女と話し合おうと考え、彼女にそれを伝えると、積極的ではないながら賛成してくれました。私は、彼女が何年もこの仕事をしているので尊敬していること、そして彼女をお手本にして仕事をしていることを話しましたが、彼女は、新人に仕事を教えるのは自分の役目ではない、と言います。そこで私は、その点については理解できるけれども、私が間違ったことをしたりもっとよい方法があったりしたときに指摘してもらえるだけでも十分助けになる、と伝えました。それ以降は関係もよくなったので、きっと彼女は私のことを好きになってくれたのだと思います」[B]「いつも遅刻する同僚がいたのですが、上司は何の対策もとっていませんでした。そこで私は上司に意見を言おうとしましたが、上司は、部下の管理は自分の役目なので他人のことよりも自らの行動に責任を持て、と言われてしまいました。上司の態度にはびっくりしました。ルールがあれば全員がそれに従うのは当然だと思っていたからです。そこで人事部にこの事実を報告しました。人事部長が関与してきたことを知ると、上司はとても慌てました。社員への対応に一貫性がないことがわかり、結局はこの会社を辞めることにしました」[C]「私は、ほかの人との対立を好まない性格です。誰とでもうまくやっていくことができます。ほかの人がいらいらする態度をとってもそれを無視して、自分の仕事に集中するように努めます。職場でのうわさ話にも加わらないようにしています。腹立たしいことがあっても、休憩したり散歩に出たりして気分を落ち着けます。これまでにいろいろな人と一緒に仕事をしてきて、対立しそうになったことが何度もありましたが、それは無駄なことだと考えるようにしてきました。対立してもいらいらするだけなので、自分の仕事に集中するほうがずっと賢明だと思います」答え:[]
解説◎[A]コミュニケーションによって対立を解決した、ということが明確に伝わる素晴らしい返答だ。質問の答えとしても的確であり、応募者の人柄もよくわかる。同僚との会話であっても、相手に敬意を払い、丁寧に接している。きっとその他の仕事の場面でも細かい点をすぐに理解する能力を持っていることだろう。また、経験の浅さを優れた学習能力によってカバーしている。こういった人は、十分な研修機会を与えればすぐに要求水準に達するだろう。○[B]この返答には警戒すべき点がある。あいまいな状況にうまく対応できない可能性があるという点だ。白黒はっきりさせないと気が済まないのだろうか。このケースでは、ルールを破ったということだけに注目し、上司と話したにもかかわらず人事部に苦情を言っている。このような応募者には次のような点で十分警戒しなければならない。ルールをあまりにも厳密に解釈することは、今後問題にならないだろうか。柔軟性の欠如を示しているのではないか。面接担当者は、この応募者が企業文化に合っているかどうか、そしてルールを守ることに関して厳格すぎないかどうかを判断する必要がある。△[C]Cの返答はいくつか不十分な点がある。まず、「ほかの人との対立を好まない性格」「誰とでもうまくやっていく」など、表現が漠然としすぎている。また、素晴らしいセールスポイントを訴えているにもかかわらず、対立しそうになったことが何度もあった、と矛盾した説明を続けている。問題点について論じ合うという積極的な姿勢をとらず、消極的な態度で問題に対応している点にも警戒しなければならない。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
38最初から最後まで関わった最大のプロジェクトについて話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「現在働いている会社で、会社史上最大とも言える注文を受けたことがあります。その注文に社内中が沸き立ち、私たち社員は一丸となってプロジェクトの成功を目指しました。まず私たちは、新たな資材と資源を必要とする新たな設備の設計に取り組みました。何度もミーティングを重ねた結果、クライアントのニーズを考慮しつつ、プロセスを合理化して製品の機能を統合することができました。私たちは時間をかけて協力し、プロジェクトを成功に導きました。結局はクライアントの期待以上の成果を挙げることができました」[B]「会社のウェブサイト制作を任されたときのことです。まず私がしたのは、グラフィックデザインのチームと一緒に、どのようなことができるかアイデアを出し合うことでした。次にマーケティング部門に行き、どのようなメッセージを伝えたいかを話し合いました。どちらの話し合いでも、アイデアがたくさん生まれました。さらに、インターネットで最も効果を挙げているマーケティング原則について調べました。その結果、いくつかのアイデアが浮かび、再度グラフィックとマーケティングの部門に連絡をとりました。どちらの部門も私の方針に大賛成し、全面的に協力してくれました。最終的に、周囲の協力と専門家の助言により、プロジェクトは大成功を収めました。また、私のプロジェクト調整能力も大いに評価されました」[C]「大手スーパーマーケットの目玉商品となる新しい食品の発表を任された経験があります。新製品の発表で重要なのは、タイミングです。ホリデーシーズン直前に発表すると、商品であふれ返った店内で目立つことができません。とは言っても、ホリデーシーズンが過ぎるのを待っていたら、ショッピングのピークが過ぎてしまい、対象顧客をつかみ損ねてしまいます。研究と調査を重ね、気候の変わり目にあたる秋に発表するのがよいだろう、と判断しました。なぜなら、人々が家と台所で過ごす時間が増えるのが秋だからです。秋に向けてキャンペーンの計画を立て、最終的に、期待を上回る売り上げを達成することができました」答え:[]
解説◎[B]チームのメンバーと協力しながら成功を収めた具体例について説明しているため、Bの返答は的確である。応募者は、自らがどんな状況に置かれていたのか、そして自分はプロジェクトでどんな役割を果たしたのか、という流れで答えている。このことで面接担当者は、プロジェクトの開始から完了まで、ステップを追って理解することができる。またBの返答からは、コミュニケーション能力、リサーチ能力、専門家の意見を仰ぐ調整能力、情報を整理する能力、そしてプロジェクトをまとめる能力もあることがわかる。○[A]Aの返答には問題点が一つある。チームが一丸となって問題を解決したサクセスストーリーではあるが、応募者がどのように関わったのかがわからない。まず、「私たち」という表現を何度も使用しているが、自分自身の役割については触れていない。そこで、プロジェクトでの役割と、その成功に応募者がどの程度貢献したのかを知る必要がある。手始めに、「『私たち』とは、具体的に誰のことを指しているのですか」と尋ねてみよう。△[C]Cの返答からは、新製品の発表プロジェクトに成功したことはわかるが、応募者についての情報は何も得られない。自分が何をしたかよりも、プロジェクトの内容にこだわって答える応募者に出会うことはよくあるが、それでは応募者について何か判断することはできない。応募者がチームの一員であったことはわかったとしても、チームでの役割についてさらなる情報を引き出さなければならない。この返答に対しては、誰が決断を下したか、そしてそのことが応募者にどのように影響したのかを質問するとよいだろう。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
[面接質問の秘訣③]応募者の返答に関心を示して耳を傾けよう面接担当者に傾聴力があり、応募者の話に関心を持っていることを示すには、次のようなテクニックが役立つ。①応募者の言葉を繰り返す「その役割で苦労されたわけですね」あるいは「それは非常に大変なプロジェクトだったんですね」などと相手の言葉を繰り返してコメントする。②聞いていると態度で示す椅子から乗り出すような姿勢をとると、関心を示していることが相手に伝わる。逆にふんぞり返っていると、相手を威嚇してしまう。面接中に姿勢を変えてみることも重要だ。③エネルギーを傾ける応募者から感じられる勢いややる気の有無は、面接担当者の態度を反映している。多くの応募者は、面接担当者の姿勢や態度に影響を受けているものである。④積極的な態度を示すなかにはあまり興味のわかない応募者もいるだろう。積極的な態度を示すには努力を要することもある。特に応募者の話が単調で声の調子が沈んでいたりすると、面接担当者が熱意を示すのは難しいかもしれないが、そのときはより意識して積極的になろう。⑤うなずくときどきうなずいたりすると、面接担当者が話を聞いて関心を示しているという合図になる。
39気の進まない相手を説得したときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「新しい手法で製品を売り出そうと考えたことがあります。まず私がしたのは、自分のアイデアをパワーポイントにまとめることでした。次に、それを上司の前で発表しました。上司はあまり気が進まなかったようですが、私の熱意は伝わり、そのアイデアをさらに展開させるように指示してくれました。今度はマーケティング部門でアイデアを発表し、ダイレクトメール・キャンペーンなどの戦略を打ち出しました。私は予算を策定するだけでなく、投資効果についても予測しなければなりませんでした。おそらく私の計画に誰もが驚いたのでしょう。結局ゴーサインをもらい、そのアイデアを市場で公開したときには、自分すら予期しなかったほどの成果を挙げることができました」[B]「上司は私のことを、いつも誰かを説得しようとしている、と評価すると思います。一週間に最低でも一つはアイデアを発表しているからです。もちろんよいアイデアもそうでないものもあります。会社に利益をもたらすかどうかという点で言うと、成功率は八〇%から八五%程度でした。大企業で働いていると、承認を得るのに数週間もかかります。私は『即行動に移す』タイプなので、こういった手順には本当にフラストレーションがたまります」[C]「今の上司は、新しいアイデアをいつも認めてくれるわけではありませんでした。しかし私が取り組んでいるマーケティング計画を紹介したときは、そのアイデアの一つを気に入ってくれ、さらに進めるように後押ししてくれました。実は上司に隠れて、大量のアイデアをまとめ、そのデータを分析していました。大企業で働くことのマイナス面は、返事をもらうのに時間がかかるということです。それが理由で、会社を辞めようと決意しました。こちらのように中堅の会社のほうがアイデアを発表する機会にも恵まれますし、回答をもらうのに何週間も待つことはないと思います」答え:[]
解説◎[A]Aの返答からは、判断を下すまでのプロセス、そしてアイデアを実行に移すまでのステップがよくわかる。また、応募者が枠にとらわれない考え方の持ち主であることもうかがえる。このほかに、パワーポイントでのプレゼンテーション作成能力、上司を説得するプレゼンテーション能力があることも読み取れる。さらに、優れたアイデアだと思ったらそれに情熱を注ぐタイプであることもうかがえる。上司の意見を変えさせるほどのエネルギーの持ち主であり、こういった資質はどのような仕事でもプラスに働くだろう。○[C]Cの返答は、出だしはよいが次第に話の筋がそれてしまっている。初めは上司に認められた具体例を紹介していたが、詳しく説明しないうちに一般論を話し始めている。面接担当者は軌道修正し、応募者がゴーサインをもらったあとに何をしたのかを知る必要がある。この応募者は、次々にアイデアを思いつくが、仕事としてはあまりやる気を感じていないようだ。こういった点は、職務以外のことに熱中している可能性があるため、警戒する必要がある。かつてもこういった問題があったのか、あるいはこのような行動を評価されたことがあるのか、面接担当者はさらに質問を続けなければならない。△[B]Bの返答は、内容は悪くないが具体例を挙げていない。「一週間に最低でも一つはアイデアを発表していた」と述べているが、それが認められたときの説明がない。また「会社に利益をもたらすかどうかという点で言うと、成功率は八〇%から八五%程度」というのは、実際に利益を上げているということなのかどうかがわからない。この成功率の意味について、詳しく質問を続ける必要がある。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
40カスタマーサービスの能力がある、とおっしゃいましたね。その能力が役に立ったときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「会社や業種を問わず、カスタマーサービスはとても重要だと思っています。そのため、カスタマー・リレーションシップ・マネジメントで表彰されたときは、これは自分のキャリアの強みになると思いました。私はもともと対人能力があり、カスタマー・リレーションシップ・マネジメントの研修を受けても単に知識を増やすことにしかつながりませんでした。私と一緒に仕事をしたことがある人なら、誰でも、私には難しい問題を解決する能力があり、お客様からもたくさんの感謝の電話をもらっている、と言うでしょう。社内外を問わず、カスタマーサービスは仕事の原点だと確信しています」[B]「会社のある販売員と顧客企業との橋渡し役となって、問題を解決したことがあります。販売員は、自分がお客様に売った製品に弊社が保証書をつけていないことを知って、とても動揺しました。まず私がしたのは、書類をいくつか作成し、事実に基づいて顧客企業に提案をすることでした。事実を詳しく説明し、交渉に移りました。最終的には販売員にもお客様にも納得してもらいました。その販売員は私に大変感謝し、私が得意先を救った、とまで言ってくれました」[C]「いろいろなお客様と九年間も接してきた経験上、カスタマーサービスの能力に関してたくさんの賛辞をいただいてきました。お客様のところに直接出向くこともあれば、販売員と協力して働くことも、販売員とお客様の橋渡し役になることもあります。私は完全主義の人間なので、いくつもの案件を同時進行させることもできます。お客様には最高のおもてなしをしたいですし、お客様の立場にたってサービスを提供しています」答え:[]
解説◎[B]カスタマーサービスの能力を生かして困難な状況を救った経験について説明している点で、Bの返答は的確である。カスタマーサービスの能力があると履歴書に記載したり面接で述べたりしたら、それは長所として自分の能力を主張しているのであるから、面接担当者はその能力について具体例を挙げるように求め、将来の成功のヒントになりそうな過去の行動を聞き出すとよい。こういったやりとりは非常に効果的である。○[C]Cの返答では、自分の能力についていくつかの例を挙げているが、質問の答えになっていないし、そのスキルを生かした実際の行動についても触れていない。面接担当者はさらに質問を続け、顧客のところに行ったり販売員と協力したりしたときの具体例を説明してもらう必要がある。もし、周りから感謝の言葉や賛辞を受けたときのことを一つ挙げて説明してほしい、と尋ねても具体例を挙げることができなければ、この応募者の主張には何の意味もないことになる。△[A]Aの返答は、質問の内容を的確にとらえていない。たくさんの理論や意見を述べているが、それを裏づける事実については触れていない。研修や表彰を受けた経験も悪くはないが、その知識が能力として生かされていなければ意味はない。この返答から、応募者が知識は豊富であるがそれを現場で試した経験がないことが想像される。適切な経験があるかどうかを調べるには「あなたのサービスに対してお客様からどのような感謝の電話をもらいましたか。あなたは実際にどのようなことをしたのですか」と尋ねてみよう。自己採点してみよう:[](B…5点/C…3点/A…0点)
41スピーディに仕事を進めなければならない環境で働いた経験について、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「法律事務所で働いていたときのことです。当時、事務所はスタッフ不足で、いくつもの案件とその報告書を調整する仕事を任されました。まず、弁護士一人ひとりと話し合い、優先順位を確認しました。次に、スケジュールと期限を表にまとめました。真夜中まで働かなければならないこともありましたが、弁護士たちと協力して、必要な書類を期限までにそろえるように努めました。このときの経験で、私はずいぶん成長したと思います。難題が山積みでも、滞りなく作業が進んだことに全員が驚きました。このときの主導力と効率的な作業の報酬として、ボーナスをいただきました」[B]「私は変化の速い環境を切り抜けてきました。難題があるとやりがいを感じ、厳しい期限に間に合わせようと意欲がわきます。十件ものプロジェクトを同時進行させ、プレッシャーに負けずに成果を挙げたことがあります。このとき私が気づいたのは、自分が手がけたすべてのプロジェクトからたくさんのことを学んでいる、ということでした。プロジェクトマネジメントの達人として、腕を磨き続けたいと思っています。期限に間に合わなかったという経験はありません。仕事の手際がよく、意思決定も早いからです。こういった能力に加えてコンピュータのスキルもあるため、プレッシャーのなかでも優れた成果を挙げることができます」[C]「期限が厳しく常にプレッシャーを感じながら、プロジェクトをいくつも進めてきました。特に大変だった例で思い出すのは、うまくいくと思っていたのにだんだんよくない方向に進み始めたプロジェクトを手がけたときのことです。期限が厳しく、誰もが残業を強いられました。オフィスには緊張感が漂い、座り込んで泣き出したい気分になったこともありましたが、不安と緊張感のなか、ひたすら仕事を進めました。このプロジェクトが成功しなかったら、お客様は怒って注文をキャンセルするかもしれないのです。週末も返上し、夜遅くまで皆が働き、なんとかプロジェクトを間に合わせることができました」答え:[]
解説◎[A]Aの返答からは、応募者が手際よく仕事を進めた経験の持ち主であることがよくわかる。また、コミュニケーション能力、主導力、調整能力、タイムマネジメント能力などがあることも明らかにしている。それぞれの能力について別な例を挙げてもらうと、さらに情報を引き出すことができる。「あなたの調整能力を最大に発揮できたプロジェクトについて話してください」と尋ねてみるとよい。この返答では、応募者が要求以上の成果を挙げ、仕事をやり遂げるためにあらゆる努力をする、ということがわかる。こういった資質は学習で身につけられるものではないため、大変貴重である。○[C]Cの返答では、具体的な事例については説明しているが、どのようにして自分の能力を生かしたのか、あるいはプロジェクトの成功にどのように貢献したのかを明らかにしていない。この例にそっていくつか質問を続け、必要な情報を引き出す必要がある。「このとき、あなたは具体的に何をしていましたか」あるいは「このプロジェクトではどのような役割を果たしましたか」と尋ねてみよう。△[B]応募者は、自分の素晴らしい能力について説明しているが、いま一つ具体性に欠ける。「十件ものプロジェクトを同時進行させ」た、という資質については、さらに詳しく質問してみる価値がある。また「期限に間に合わなかったという経験はありません」という部分についても詳細を探る必要がある。そこで「プレッシャーのなかでも優秀な成果を挙げた具体例を話してください」と尋ねてみよう。自己採点してみよう:[](A…5点/C…3点/B…0点)
42要求以上の成果を挙げたときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「『時は金なり』といつも教えられてきたので、時間をとても大切にしています。毎日の計画を立て、それぞれの仕事にどのくらいの時間がかかるのかがわかるようにしています。時間をきちんと管理しているので余裕ができることもあり、同僚をサポートしたり次の作業を進めたりできます。時間の使い方がわかっているので不意を突かれるようなこともありません。仕事を進めるためならどんな努力も惜しみません。前の上司は何でも土壇場になって行動するタイプだったので、厳しい状況で上司をサポートしなければならないことが何度もありました」[B]「私は、常に前もって計画を立てるタイプなので、優先順位をつけて仕事を進めています。同僚から支援を求められれば、できるだけ手伝うようにしています。実際、毎日要求以上の成果を挙げていると自負しています。お客様のニーズやトラブルにも敏感で、お客様の期待に応えてきました。人事考課でも常に高い評価を受けてきました。献身的に支援し、誰からも頼りにされ、常に全力投球する、というのが私の特徴です」[C]「保険会社でクレーム処理を担当していましたが、時間がかかるだけで単調な仕事でした。ある日、インターネットでクレームを処理する方法を考えようと思いつきました。そうすれば事務処理の時間を削減できるからです。まずはシステムを整理し、原案をまとめました。それを上司に見せると、素晴らしいアイデアだと認めてくれました。すぐにその上の上司にも伝え、次のステップに進むように指示されました。結局、会社の経費を数百ドル削減でき、事務処理担当者の業務時間も一日あたり二時間短縮できました。新しいアイデアを生み出して要求以上の成果を挙げたことで、表彰も受けました」答え:[]
解説◎[C]Cの返答は、職務要件にはないものの率先して新しいアイデアを思いつき、それを実行に移した、という素晴らしい例について説明している。こういった能力は多くの会社が求めており、どの職場でも生かすことができる。この応募者の能力と職務知識を考慮すると、採用の検討に値すると言える。職務知識が不足していてもこのように柔軟な資質があれば、研修やOJTを通じてさまざまなことを学習できるだろう。○[B]返答に必要な要素はきちんと押さえているのだが、残念ながら具体性に欠ける。計画性があり、相当の作業量をこなせる(どの社員にも必要な能力であり、特にサポートスタッフには欠かせない)ことを主張しているが、その資質を裏づける事実を説明していない。また、顧客のニーズとトラブルに敏感だと述べているが、実際に顧客に対応したときの例も挙げていない。同僚をサポートするというくだりも同様であり、それを裏づける例を挙げてもらう必要がある。△[A]この返答は要点がはっきりしない。応募者の考えが散漫に述べられているだけで、質問の答えになっていない。初めは時間の大切さについて話していたが、やがて同僚をサポートしたという話に移り、「要求以上の成果を挙げた」かどうかが具体的でない。上司が土壇場になって行動するタイプだったためサポートしなければならなかった、と述べている。しかしここでも、上司をサポートして成果を挙げたときの例を説明していない。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
43同僚や部下にやる気を起こさせたときのことを、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「自分の仕事量をうまくこなせなかった同僚がいて、それをサポートしたことがあります。後回しにしている仕事があったら手伝おう、と助け船を出しました。話をしているうちに、彼は新しいコンピュータ・システムの研修に参加していなかったことがわかりました。彼は自力でなんとか解決しようとしていたようですが、昼休みを何回か返上して働けば遅れを取り戻すのに協力できる、と私は提案しました。それから数週間、昼休みに一緒に働き、スピードアップを図ることができ、彼の生産性も上がりました」[B]「カスタマーサービス・チームのマネジャーとして働いていたとき、私は、コンテストを開催して、楽しみながら部下にやる気を起こさせるアイデアを思いつきました。コンテストを何度も開催しましたが、非常に効果がありました。目標基準を達成した部下には、現金でインセンティブを渡します。部内の士気は高まり、仲間意識も生まれました。コンテストは、部下にやる気を起こさせるのに大いに役立っています」[C]「私の長所はコーチング能力があることです。部内外を問わず、多くの部下の指導にあたってきました。そのとき部下に課していたルールは、まずは自分で最大限の努力をして困難を切り抜ける、ということでした。部下が自分の能力の範囲を超えた仕事で挫折しそうになっているのを感じ取ると、その時点で協力することにしています。だからといって、手を貸すわけではなく、自ら進んで挑戦する人をサポートするのです。部下からの質問はいつでも歓迎しているので、皆はいつも私の姿を探しています」答え:[]
解説◎[A]例を挙げて質問に的確に答えている。問題を抱えた同僚をサポートしたプロセスがよくわかる。また、昼休みを返上して同僚を助け、自分の業務以外であっても進んで力を尽くしているという点からは、応募者がチームスピリットにあふれた人物であることがわかる。そして、問題解決のために進んで手を貸しているということからは、周囲を気遣う余裕があるだけでなく、新しいことを教える忍耐力があることもわかる。いつもこのような行動をとっているのか、あるいはこのときが特別だったのか、さらに質問を続けて情報を引き出してみよう。○[B]自分自身のことを説明している点はよいが、質問の答えとしては少し的が外れている。応募者がうまくいった経験からさまざまなことを学んだのであれば、以前の行動を新しい会社でも繰り返すことができるだろう。△[C]Cの返答は、表面上は非常によいが、具体性に欠ける。応募者は、問題を抱えた部下を見つけてそれをサポートするという資質を持っているようだが、この点には警戒が必要だ。部下を支援することがこの応募者の職務に含まれているかどうかがわからない。そうではなかった場合に、本来の職務はどのように行っていたのかを知る必要がある。また、部外の従業員を指導していたというのは行きすぎにはあたらないのだろうか。今回の仕事でコーチングの能力も求められるのであれば、具体的な情報を引き出す必要がある。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
44この業界では日々変化が起こっています。どのようにして最新のニュースやトレンドの情報を得ているのか、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「私は読書量が豊富なのですが、なかでも雑誌の記事をたくさん読むようにしています。戦略的に計画を策定するには、先のことを予測する必要があります。私の主な任務は、製品のクオリティを高めることと事業を拡大することでした。新技術に関する調査では、チームのメンバーに大いに貢献してもらいました。あらゆる部門の専門家になることは不可能なので、自分の知らないことはほかの人から教えてもらう必要があります。一人ひとりが会社の利益に責任を持つことは、収益性のある新しい事業を生み出す大切な要因だと考えています」[B]「私は常に新しいテクノロジーを取り入れており、テクノロジーが社会とビジネスに大きな影響を及ぼしていることを認めています。利用可能なあらゆるアプリケーションを使用し、この業界のテクノロジーについて基本的なことはきちんと理解しています。ミーティングや会議にも定期的に参加し、ほかの会社の動向にも常に注目しています。また業界の協会に所属して月例会議にも出席し、他社の経営陣と交流を図るようにしています。新聞を四紙購読し、インターネットのニュースブログにも登録し、非常に貴重な情報を入手しています。何といっても一番有益な情報源は、社内IT部のメンバーです。IT部のリーダーたちとは、話し合いの場を毎週持つようにしています」[C]「テクノロジーは私の専門外の分野だと考えています。リサーチのためにインターネットやEメールを利用しますが、それ以外は日々の業務で利用することはほとんどありません。最新の管理システム・ソフトウエアについては常に注目していましたが、私の一番の目標は収益予測を上回る業績を挙げることでした。ITのことは専門家に任せています。私は上司を信用しているので、製品のマーケティングや顧客の獲得に集中して取り組むことができます。自分自身と部下には高い目標を課しています。モラルのある行動をとることが人として最も大切な要素だと思っており、その資質を高めるように努力しています」答え:[]
解説◎[B]Bの返答では具体例が述べられており、さらに応募者が現状だけでなく将来も見据えた考え方を持っていることが示されている。また応募者は、技術に詳しい人たちの能力を尊重し、それを利用してより大きな展望を描くことができるとも認めている。この応募者は職業上のつながりを持つコミュニティに参加し、他社やその経営陣とも交流を図っているようだ。明らかに、最新の状況を常に把握する努力をしていることがわかる。○[A]Aの返答では、テクノロジーがビジネスにもたらす役割については理解しているが、やや受動的な感が否めず、広範なビジネスや技術・経済のトレンドに対する洞察力も見られない。しかし、さらに質問を重ねれば、実はこの返答以上に努力していることが明らかになるかもしれない。そこで「読書以外に、どのような方法で現状を理解しようとしていますか。何か役立っていることがあったら具体的に説明してください」と尋ねてみよう。△[C]Cの返答はテーマからそれており、「最新のニュースやトレンドの情報」を得るという質問には答えていない。自分の専門分野に集中するのは大切なことだが、常に変化し続けるテクノロジーについての知識を持ち、それが今後の売り上げにどのように影響するかを考えることも必要である。またこの返答からは、将来に対する展望がわからない。応募者が、最新のニュースやトレンドに関する情報をほかの人からきちんと得ているかどうか、質問を続けて確認する必要がある。募集しているポジションによっては、この部分には警戒が必要だ。業務管理のスタイルにはやや受動的な面が感じられるが、単に無干渉なだけかもしれないため注意を要する。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
45長所として、最後までやり遂げることを挙げられましたが、それを仕事の場面で発揮したときのことを、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「私のモットーは『有言実行』です。それを実現するために、やるべき仕事を常にリストアップしていました。部下を監督してプロジェクトの進行状況を見守りながら自分のプロジェクトも進める、という重責は、このリストなしでは考えられません。仕事を最後までやり遂げられるように、やるべきことをメモに書き表しています。決してスマートな方法ではありませんが、私にはこのやり方が合っています。仕事をやり遂げられなかったときのことは記憶にありません」[B]「人事部の責任者の職に就いていたとき、私は、マネジャーを対象とした多数のプロジェクトの詳細にまで注意を払わなければなりませんでした。業績評価や昇給について検討する必要があったのですが、昨年は会社の命令で休暇をとらなければなりませんでした。そのため、昇給に関する報告書の提出日は例年より二週間早まりました。業績評価をなかなか仕上げない二人のマネジャーには、あらゆる措置を講じましたが、最終的には評価の提出を二回に分けることを許可して折り合いをつけました」[C]「薬品の販売担当者として働いていたとき、ある医者は、弊社との取引でかつて不快な思いをしたことがあったために私に会おうとしてくれませんでした。そこで、まずは事務所のマネジャーに認めてもらう、という作戦に出ました。毎週一回は訪問し、机の上のバスケットにサンプルを入れ、マネジャーを味方につけようとしました。やがて話をするようになり、共通のスポーツチームが好きであることがわかりました。ある日、その医者が事務所に入ってきてマネジャーが私のことを紹介すると、なんと彼も同じチームのファンだと言うのです。話が弾み、気持ちもうまく通じると、最終的にその医者は、製品に関する話も聞いてくれるようになりました。最後までやり遂げるという私の長所のかいあって、四年間のブランクを経て弊社の製品を売ることに成功したのです」答え:[]
解説◎[C]職務の完遂能力がある、という例について詳しく説明しているため、Cの返答は非常に優れている。この種の仕事には忍耐力も必要であり、相手を刺激しないようにうまく任務を遂行しているところも評価できる。もし今回募集しているポジションが販売の仕事であり、しかも完遂能力が問われるような状況であれば、障害を乗り越えて契約を取りつけた例をもっと尋ねるとよいだろう。またこの返答から、コミュニケーション能力と対人能力があることがわかる。どちらも、顧客と向き合うときに欠かせない資質である。○[B]仕事をやり遂げたということよりも、締め切りに間に合わせたということを重視した返答になっている。ほかにもさまざまな能力について述べているため、質問を重ねれば、完遂能力とコミュニケーション能力をどのように生かして締め切りを守ることができたのか、詳しい情報を引き出すことができるかもしれない。そこで「業績評価を締め切りに間に合わせるには、どのような手段をとったのですか。完遂能力は、プロジェクトの成功にどのように役立ったのでしょうか」と尋ねてみよう。△[A]いつも仕事をやり遂げているように聞こえるが、実はリストを中心にして仕事を進めているということ以外には、何も伝わってこない。それでも、応募者のモットーは素晴らしく、確かに有言実行しているようである。そこで、仕事を必ずやり遂げているという主張を裏づける例を聞き出す必要がある。それだけでも、この応募者が今回の仕事に適しているかどうかを見極めるのに役立つだろう。自己採点してみよう:[](C…5点/B…3点/A…0点)
46仕事でミスを犯したときのことを、例を挙げて説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「とても苦い経験をしたことがあります。お客様に値段を間違って伝えてしまったのです。残念なことに、私が提示した値段を変えることはできず、会社に損失を与えてしまいました。解雇は免れましたが、懲戒処分を受けました。それ以来、常にダブルチェックするように心がけているので、このようなミスはしていません」[B]「私は完璧な人間ではないので、何度もミスを犯してきました。しかし、ミスのことをいつまでもくよくよ考えることはありません。その出来事から学び、成長するように努めています。幸いにも、会社に損害を与えるような大きなミスをしたことはありません」[C]「レストランでマネジャーの職に就いていたとき、仕入れの見積もりと注文を任されていました。あるとき、地元の祝賀パーティーがあるのを見落としてしまいました。メインディッシュの材料が足りなくなることに気づき、地元のマーケットに駆け込んで材料を購入しました。優秀なスタッフたちの協力のおかげで、なんとか乗り切ることができました。そのときは疲れ果てましたが、お客様全員にお料理を提供することができました。事前の計画の重要性を学んだ貴重な体験でした」答え:[]
解説◎[C]Cの返答は、まずは状況を説明し、次に問題解決のためにとった行動について述べている。この行動から、応募者が緊迫した状況でも迅速な行動をとることができ、チームで協力して解決にあたり、問題の原因となった行動に責任を持つ、ということがわかる。すなわち、この応募者はミスから学習する能力があることを意味している。○[A]Aの返答は、具体例を挙げているがあまり詳しくない。会社がその値段を変えることができなかった背景には、何らかの話し合いが行われているはずである。また「解雇は免れました」と言っているが、それ程の処分の可能性があったということは、会社の方針を破ったり無視したりして重大な問題を引き起こしたのではないかどうか、詳しく探る必要がある。そのためには次のような質問をすると効果的だ。・価格を間違えたことに気づいたとき、あなたはどのような行動をとりましたか。・お客様の怒りを抑えるために何か行動を起こす必要はありましたか。・会社の方針や手続きに違反したのですか。△[B]応募者は「ミスのことをいつまでもくよくよ考えることはありません」と述べているが、その具体例については何も説明していない。これではしょっちゅうミスを犯しているのか、またどのようなミスを犯しているのかがわからないため、この返答には警戒が必要だ。そこで「具体的なミスの例とミスの頻度について、話していただけませんか」というように質問を言い換えて、詳しい情報を引き出そう。自己採点してみよう:[](C…5点/A…3点/B…0点)
47期限に間に合わせるのに苦労したときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「大学生のころ、学業のかたわらアルバイトもしていました。学期の終わりには、テストの勉強とレポートの提出が控えていました。そこでまず、あとで埋め合わせをするのでしばらく早退をしたい、とアルバイト先の上司にお願いしました。次に、クラスのほかの学生とグループを組み、一緒に勉強しました。そして一日二時間をレポート作成にあてました。確かにこのときは睡眠時間を削って勉強しなければなりませんでしたが、テストではAの成績をとり、レポートも期限内に提出することができました」[B]「あるプロジェクトのマネジャーになったとき、メンバーの一人が家族の都合で急に職場を離れなければならなくなり、人手不足が生じてしまいました。これはCEOも関係している重要なプロジェクトであり、なんとしてでも作業のテンポを上げなければなりませんでした。夜遅くまで作業をすることもありました。もう少しで期限に遅れそうになりましたが、なんとか間に合わせることができました。CEOは私たち一人ひとりに感謝の言葉をかけてくれました」[C]「今の仕事では、期限が厳しくなかったプロジェクトなどありません。今の会社では、期限が厳しいのは当たり前のことだからです。こういった環境で二年間も仕事をしてきたので、どれだけ厳しくても期限に間に合わせることができると思います」答え:[]
解説◎[A]Aの返答からは、この応募者が期限というプレッシャーにどのように対処したか、どのようにうまく交渉したか、そしてどのように協力して作業し、計画を立て、最後までやり遂げたかがわかる。ただし学生時代の話であるため、面接担当者は、就職後の仕事の場面で計画を立てて期限に間に合わせた経験があるかどうか尋ね、就職後もこういった行動をとっているのかどうかを確かめる必要がある。○[B]ほぼ質問に的確に答えているが、具体例や詳細を述べていない。「私たち」と言っているが、応募者自身の役割については説明していない。プロジェクトにグループで取り組んだときには「私たち」と言うこともあるが、そのなかで応募者が何をしたのかについて詳しい情報を引き出さなければならない。また、プロジェクトのマネジャーだったときの話なのに、リーダーシップや仕事の割り振りについての例を挙げていないため、不十分である。△[C]Cの返答は具体的でないばかりか、警戒すべき点もいくつか見られる。期限に追われる環境に二年間もいたため、この応募者はプレッシャーに押しつぶされてしまい、そのせいで会社を辞めようとしているのかもしれない。プレッシャーから解放されたいというのは仕事を辞める妥当な理由であるが、なぜこの時期に仕事を辞めようとしているのかを詳しく知る必要がある。この返答からは現在の仕事と会社に対して否定的なニュアンスが感じられるため、質問を続けたらもっと不満が出てくるかもしれない。もし応募者が現在の仕事や前の会社に対して否定的な意見を述べたとしたら、慎重さと分別に欠けている可能性がある。このとき面接担当者は、応募者が仕事に対してどれほどの不満を持っているのかを的確に聞き出し、その状況において応募者の述べた意見が的確な意見なのかどうか、判断する必要がある。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
48仕事上で交渉をしたときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「これまでで一番難しかった交渉は、購買を担当していて、運送会社と運送費用について交渉しなければならなかったときのことです。特に弊社が発送している資材とその運送費用が焦点となりました。相手企業の代表とうまく交渉を進め、両社が納得できる条件で合意することができました。割引料金を適用するには発送量がやや足りなかったのですが、あらゆることを考慮してWin︲Winの結果を導きました」[B]「私は秘書の仕事をしていたので、交渉というのは日常的な業務ではありませんでしたが、職場で飲んでいるコーヒーに問題が生じたのに、その納入業者がなかなか要求に応じてくれなかったことがありました。ある日、その業者が売り込みに来たのを見つけ、コーヒーのクオリティにもサービスにも不満を持っていることを伝えました。最初、業者はむきになって反論していましたが、最後には、問題があることを認めてくれました。私は業者の話に耳を傾け、毅然とした態度で接しました。さまざまな問題があることはわかったけれども、事態が改善されない限り別の業者に変更すると告げました。相手も顧客を失うと困るので、私たちはよりよい条件を探って交渉し、最終的に、コーヒーのクオリティを上げることで合意しました。上司は、私の問題解決能力を高く評価してくれました」[C]「仕入れ担当者としての主な任務は、会社の購買価格を決め、最高の条件や取引を探すことでした。同じ製品を格安で提供してくれる業者を見つけ、その年は会社の費用を一万ドル節約しました」答え:[]
解説◎[B]Bの返答は、実際にどのような交渉をしたのかを明確に説明している点で優れている。また、この応募者には行動力があることもわかる。「行動力がある」と主張するのは簡単だが、この返答では具体的な行動についてきちんと例を挙げているため、それが裏付けとなっている。またプロとして毅然とした態度をとり、相手の話に耳を傾けたことから、この応募者の資質もよくわかる。このケースではよい結果を得ることができたが、交渉では常に成功を収められるわけではない。返答内容を評価する際、会社に利益をもたらしたかどうかは必ずしも重要ではなく、応募者の態度と行動に注目しなければならない。○[A]具体的な例とその結果について説明しているが、実際にどのように交渉を進めたかがわからない。詳しい情報を引き出すため、次のように質問してみよう。・あなたが交渉の主導権を握ったのですか。・交渉によって、会社の支出をどの程度削減できましたか。△[C]Cの返答は内容としては興味深いが、もっと詳しい情報が必要だ。質問では交渉の具体例を求めている。一年で一万ドルのコストを削減したことはわかったが、応募者が交渉能力をどのように発揮したのかについて述べていない。これほどの割引を実現するには、会社はほかの条件に合意しなければならなかったかもしれない。購買量に関する合意条件があったのか、それとも単に好条件の価格を提示してくれただけなのだろうか。さらに質問を重ね、応募者から情報を引き出す必要がある。自己採点してみよう:[](B…5点/A…3点/C…0点)
49チームで協力して仕事を進めたときのことを話してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「カスタマーサービスの向上を図るため、私がリーダーとなってプロジェクトを進めたことがあります。まずは、メンバー全員を集めてミーティングを開き、顧客満足度を高めるためのアイデアを出してもらいました。そしてすべての意見を表にまとめ、第二回のミーティングでは、短期と長期の改善目標としてそれぞれ取り入れるべきアイデアについて話し合いました。プロジェクトを円滑に進めるのにはとても努力を要しました。アイデアを行動に移すときは、メンバー一人ひとりが目標達成に貢献するという気持ちを持っていました。最終的に、私はチームをうまくまとめたことで多くの賛辞を受けました」[B]「私が仕事を通して学んだのは、一人ではプロジェクトを成功させることはできない、ということでした。私はプロジェクトのリーダーを何度も任されてきましたが、アイデアを実行に移すのは一人ひとりのメンバーです。私はコミュニケーション能力と統制力をフルに生かして、プロジェクトを正しい方向に導きました。私はプロジェクトを進めることはできますが、チームの協力がなければ成功させることはできません」[C]「プロジェクトを成功させるには、メンバー一人ひとりが重要な役割を果たします。そのためリーダーは、お客様の長期的なニーズは何かという全体像に注目するように、各メンバーを常にサポートしなければなりません。またリーダーは、メンバー一人ひとりの努力を評価しなければなりません。チームをうまくまとめていくには、コミュニケーションの能力が欠かせません。メンバーと常に連絡を取り合うことは、共同作業において最も重要なことだからです」答え:[]
解説◎[A]Aの返答では、この応募者がチームでどのように協力したかを具体的に説明しているので、的確である。またプロジェクトの成功はチームのメンバーのおかげだと述べつつ、自分の役割についても明確にしているのもよい。応募者が共同作業について話すときは、「私たち」と表現するだけでそれぞれの役割を明確にしないことが多い。「私たち」という表現を聞いたら、面接担当者はそれぞれの役割についてさらに詳しい情報を引き出さなければならない。もちろんAの返答ではその必要はない。○[B]BもAと同じような内容であるが、具体的な例を挙げていないのが惜しい。「プロジェクトのリーダーを何度も任されてきました」と主張しているが、実際にどのようなプロジェクトに関わったのかがわからない。「一人ではプロジェクトを成功させることはできない」というのは素晴らしい考えだが、具体的な内容がわからないため心からそう思っているのかどうかも不明だ。そこで「チームとしてほかのメンバーと一緒に働いた具体的なプロジェクトについて説明していただけませんか」と尋ねて情報を引き出そう。△[C]応募者の経験談ではないため、Cの返答は空論でしかない。「私は」と言うべきところを「リーダーは」と言っている。「私は」と言うとあまりに自慢げに聞こえるのではないか、と考える応募者もいるが、これは自信のなさの表れであり、警戒が必要だ。Cの返答をした応募者自身の経験を話してもらうには、「メンバー一人ひとりの努力を評価するとおっしゃいましたが、実際にどのように評価したのか、そのときのことを具体例を挙げて説明してください」と尋ねるとよい。自己採点してみよう:[](A…5点/B…3点/C…0点)
50あなたの意見や行動がほかの人の判断を左右したときのことを説明してくださいこの質問に対して的確に答えているのはどれか?[A]「労働交渉や契約問題では、よく仲介役を引き受けています。私はリーダーとして、相手の言い分をきちんと聞いているということ、そして和解に向けて努力しているということを、相手側に理解してもらうことができます。私が意見に耳を貸すタイプの人間であることがわかれば、両者が納得のいくまで問題について徹底的に論じることができます。コミュニケーションで大切なことは、相手の立場から問題について考えてみることだと思います」[B]「私はプレゼンターとしての経験が豊富で、投資担当者たちを相手によく発表をしています。もちろんプレゼンテーションの能力もあり、意見の述べ方と相手の説得の仕方に関してよい評価をいただいています。私がこれまで成功を収めてきたのは、プレゼンテーションを楽しんできたことと、聞く人たちに気持ちをうまく伝えることができたからだと思います」[C]「ある製品にまったく興味を示さない取引先がありました。しかし私のことは気に入っているので、話だけは聞いてくれると言います。そこでまず、お客様のこれまでの業績と将来の成長計画に関心がある、ということを示しました。よくよく話を聞いてみると、この製品がお客様の将来の目標達成に大いに役立つことがわかりました。お客様のもとを何度も訪ね、お客様のニーズをよく理解しているということをアピールしました。最終的に注文をいただき、その後も良好な関係を築くことができました」答え:[]
解説◎[C]具体的な情報が豊富であるため、Cの返答は最も的確だと言える。この応募者は、相手を説得するために販売スキルと相手の話を聞くスキルを生かした経験を話している。これらは顧客のニーズを把握するうえで非常に重要なスキルだ。このほかにも判断力と的確な対応能力があることがわかる。これらは相手との関係を構築するには欠かせない能力だ。この返答から、応募者が、製品のことは抜きにしても人から好かれるタイプであることがうかがえる。コミュニケーションによって顧客と関係を構築できた例や成功を収めた例についてさらに質問すると、この応募者が常にこのような行動をとっているのか、それともこのときだけだったのかを判断することができる。○[A]Aの返答は、ほかの人を説得するスキルについては述べているが、具体的に何をしたのかについては説明していない。この応募者が口先だけの人物なのかどうかを判断するには、どのようなコミュニケーション能力を持ちあわせているかについてさらに情報を引き出す必要がある。特に、偏見を持たずに両者の意見を聞くことができるかどうか、この人物の行動から探ることが重要である。そのためには、「両者が納得できる妥協案を提示したときのことを話していただけませんか」と質問してみよう。△[B]Bの返答は、内容が問題なのではなく、投資担当者を説得したときの例を挙げていない点に問題がある。「意見の述べ方と相手の説得の仕方」が優れていると主張していて、採用に値する人物かもしれないが、この返答では主張を裏づける事実を述べていない。さらに質問を続けて情報を引き出すことで、今回の仕事で求めている能力があるかどうかを判断することができる。自己採点してみよう:[](C…5点/A…3点/B…0点)
採点1~50の項目の点数を合計しよう
結果点数を合計したら、面接担当者としての適性評価を知ろう。自分の合計点に対する面接能力の総合判断を参照してほしい。●176点~250点→非常に効果的に面接を進めることができるあなたはきちんと要点をつかんでいる。そのスキルを生かして次回の面接の準備をしよう。募集職種に必要な要素と会社で定めた(あるいは独自の)採点制度を考慮して、適切な人材を見つけよう。●101点~175点→効果的に面接を進めることができるどんな人材を求めているのか、そして募集職種に必要な要素は何かをきちんと理解すれば、もっと効果的に面接を進めることができるようになる。面接の前に返答を想定しておくと、たくさんの応募者のなかから最適な人材を見つけるのに必要な知識を深めることができるだろう。●100点以下~→ごく普通に面接を進めることができる面接担当者として不適格ではないが、採用プロセスについてプランを立ててから面接に臨む必要がある。どのような人材が必要なのかをさまざまな角度から分析することで、募集職種に必要な条件をきちんと整理することができ、分野を問わず適切な人材を採用することができるようになるだろう。
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