経営を進めていくなかで最も怖い企業病は老化である。社内に老人が跛雇することである。
この企業病から抜け出すための答えは簡単、 一日でも早く社内から老人を駆逐し、追い出す
ことである。
私も、ようやく老境の仲間入りをする年齢になってきたので、やっとこのようなことが言
えるようになった。しかし、次を見ていただきたい。
二〇〜三〇代社員
●活動的である。
●将来性がある。
●明るく、行動的である。
●未来しか考えないコワイモノ知らずでぶつかっていく。
●学ぼうとする。
●斬新、型にとらわれない。
●新しいことにすぐ取り組める。
●吸収が早い。
ベテラン社員
●経験がある。
●重厚であり、安心感がある。
●対外的に信用される。
●過去のことをよく知っている。
●人脈がある。
●形式、常識、社会的規範をよく知っている。
経営活動というものは、今日現在のお客様が要求する商品を提供し、時代の革新技術を利
用・駆使し、利益(付加価値)をつけて売り、お客様を満足させて代金をいただく行為である。
この活動を展開するうえで、果たしてベテラン社員の特徴、能力が必要であろうか。日本
という島国で、それも特定のある地域内で競争がなく、変化もない安定したなかでの商売で
あったら、ベテラン社員も通用したであろうが、東京―大阪間がわずか一時間で行け、東京
― ニューヨーク間も一一時間、さらに自動翻訳電話やテレビ電話、インターネットなどの普
及により、会話や映像、お金まで含めたすべての情報の伝達手段が飛躍的に発達し、ビジネ
スが文字どおリグローバル化し、世界市場を相手にした商売が日常茶飯事となる二一世紀に
なれば、もはや老人の特技はなんら発揮できなくなることは目に見えている。
「いまや、われわれの業界は激烈なサバイバル(生き残り)を賭けた戦争状況にある」― 毎
年、年頭などの会合で社長さんが講話される常套文句である。だが、このように言われる経
営者ご自身、生死を賭けた戦いをやっていると心からそう思っておられるのだろうか。日常
の企業経営からうかがう限り、どうもそうは思えないのは私一人であろうか。
いま、企業は間違いなく、のるかそるかの経済戦争を展開している。 一つの市場を奪うか、
奪われるか、成長か、衰退。没落かのせめぎ合いにしのぎを削っている。だが、ひるがえっ
てその企業の戦士、戦闘準備、戦闘能力の実態を見ると、きわめてお粗末な軍団ではなかろ
うか。
世界各国の軍隊(日本の自衛隊も含め)の平均年齢は何歳か?。戦闘部隊の中心は、二五歳
から二五歳の、体力があって活きがよく、行動力に富み、カンの優れた若者でなければなら
ない。連日の訓練につぐ訓練、 ハードな行動に耐えられるには、この年代の若者が中心とな
ることが必須条件である。
では四五〜六〇歳の中高年層のおっさんを中心に軍隊が構成されていたらどうなるか。毎
年、入隊してくる多くの新兵が五〇歳まで定着したら軍隊はどうなるか。軍隊では三五歳以
上の歳になれば、少数の秀でた者だけが幹部として残り、部下の統率に当たる。
ここで皆さんにぜひ、考えてもらいたいことがある。
●企業で新人が全員定着してくれたらどうなるか。
●社員が退職していくことは経営にとって果たして悪いことか。
●よい社員が辞めていくことは問題であるが、ダメ社員、企業にとって戦力とはならな
い社員の退職は、むしろ歓迎すべきことではないだろうか。
私が知る限り、低収益で経営環境に対応できない会社は、すべて社員の平均年齢が高い企
業である。「企業は人なり」は事実だ。だが、「企業は人だけではない」ことも、また確かである。
「社員にやさしい会社」は女性好みのやさしいキャッチフレーズで、世の中では歓迎されても、
その会社の寿命は一〇年ともたない場合がほとんどである。
「社員に厳しい会社」こそが「強い会社」である。「よい会社」をつくり上げようと思ったら、
その前に「二五歳前後の鍛え上げた中堅社員で構成されている強い会社」になっておかなけれ
ば、その会社の寿命、存在は保証できない。
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