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七、長期経営計画

目次

株価が気になりませんよ●

D証券のお手伝いをした時である。初めに社長からお話を伺っているうちに、この会社は長期計画からまず入ったほうがよい、と判断した。これはあまり例がない。大抵の会社は、まず足許を固める必要性の方が遥かに多いのである。

※まずは長期計画から立てる。足許から固める。

それを、長期計画からと判断したのは、社長のお考えが実にしっかりしており、現在の業績と体勢に不安がない、ということと、社長のお話の節々に、我社の未来に対する関心と不安が多く読みとれたからである。

※現在の業績と体制に不安がなかったから長期計画から立てることにした。

私はD社長に、『将来のD社の姿をどうしたいのか、それを社長自身がよく考えて決めることである。その未来像を目標として、それに到達するための、五年間の青図を書くことだ』とお話し申しあげた。

※社長自身が未来像を描き、目標としてその到達するための5年間の青図を描くこと。

D社長は「どんな世の中になってもつぶれない会社」を目指して、まず基本構想の設定に入った。

※どんな世の中になってもつぶれない会社をつくる。

証券業界は、典型的な「市況産業」である。業績の八〇%は市況によって決まってしまうといえる。だから業績評価にはいつも市況がつきまとう。

「先期の実績は極めて良好であった。しかし、これは市況が良好であったことが大いにあずかっている」「今期の業績は思わしくない。しかし、我々の努力不足のみとはいいきれない。市況が悪かったからである」という調子である。何のことはない、よくても悪くても、それは常に市況によるものだ、という結論になってしまう。

D社長は『「すべて市況のせい」では、いつまでたっても「相場師」的な経営から脱皮できない。八〇%市況といっても、残りの二〇%をどう経営するかで、長期的には業績に大きな差ができる。

でなければ、優良証券会社にボロ証券会社ができるわけがない。我社は市況以外の二〇%にどう取組むかを長期的に考えなければならない』というのである。

「証券業界には、「洪水」と「千ばつ」しかない」というのがD社長の見かたであり、それらにどう対処すべきか、を決めるのが社長の役割である。

山に木を植え、ダムを築くことによって洪水に備え、用水路を整備することによって水の有効利用と千ばつに備えなければならないというのである。

まず、植林とダム建設である。これは、「営業資産」を主とし、いろいろな規制はあるが「債券」を副と考えて、これらの充実を積極的に進める。用水路とは「手数料」「金融収入」「売買益」をいい、これを整備してゆく。

そして、手数料収入で総費用を賄えるようにもってゆく。ということは、手数料以外の収入は全額利益にする、ということである。

次は資産関係の目標である。税引利益に対する社外流出の割合と純資産額、増資と払込資本金額などである。

さらに生産性の目標、要員と給与、営業拠点としての店舗の目標である。締めくくりとして、業界のランクと占有率の目標をかかげることとした。

右のような構想と諸目標は、「長期事業構想書」(後述)に、まず粗案が記入され、それが繰り返し検討された。

※長期事業構想書を作り、それを繰り返し検討して書き換えていく。

それはニカ月の間に四回書き換えられた。その間、社長はこれに精魂を注ぎつくした。書き換えるたびに私のところに電話があり、「みてくれ」という。その熱心さには全く頭が下ったのである。

D社長は『社長になってから、こんなに考えたことはない。ホントのところクタクタですよ。とにかく、我社の未来について、この表(長期事業構想書のこと)程社長に「考える、考える」と尻を叩くものはありませんね。

いやが応でも考えさせられてしまうのです。お蔭様で、我社の未来像が立派にでき上りました。その上、事業経営についての自信と意欲が一段と高まりました』と私に語ってくれた。

この長期事業構想書は、D社の短期経営計画の冒頭にかかげられ、全社に公表された。

この長期事業構想書と短期経営計画書は、D社の社員の態度を大きく変えてしまった。意見を求めもしないのに、幹部社員からいろいる前向きの意見がでるようになった。

「この目標を達成するためには、我が部門の組織をこう変えたい」「従来の得意先だけでは目標達成はできない。新たにこのように得意先を開拓したい」というようなことが次々にでてくる。社長は大喜びである。

D社長は、『社員がよくやってくれるので、僕は何もいうことはない。それだけではない。日々の株価の動きが全く気にならなくなりました』という。

社長の頭の中にあるのは、我社の未来像であり、「それを実現するためには社長は何をしなければならないか」を考え、手を打つようになったために、日先の株価などに一喜一憂する必要が全くなくなってしまったのである。

長期事業構想のために、D社は相場師的経営から脱皮し、長期的展望に立った次元の高い本物の経営へ転換したのである。

二十年の長期計画を●

K開発は貸ビルを事業としている。社長のF氏が、「うちの長期計画があるからみてくれ」という依頼である。

社長がとり出した計画書は何と、A版全紙(新聞紙を広げた大きさ)にビッシリと書きこまれた計画書である。期間を見て三度ビックリした。

そこには二十年間の数字が克明に記入されていたのである。実に見事なものである。

※二十年間の数字が克明に記載されていた。

F氏の言によると、これをつくりあげる間の数力月は、殆んど寝食を忘れる程の努力と苦心の連続だったということである。

計画書に記入する数字をつくるためには、各種の情報の収集、数字の検討など、全く根気のいる作業であった。

検討した数字の一部の資料を拝見したが、そこには計画書の数字の数十倍の数字が並んでいたのである。「労作」とはこのようなものをいうのであろう。

その内容は、まず収入である。数年に一度の、インフレに伴う家賃値上げを織り込んだ数字である。次には経費である。ビル自体の固有経費と本社費に分れている。そして経常利益である。その経常利益から生れる税金。税引利益の処分― 配当金と役員賞与― 。資金関係では固定預金と長期借入金の返済計画。殆んど問然するところはないのである。

F氏は、『これさえあれば私がいなくとも何もかも分る。インフレの度合いなどで、ここにあげた数字と違ってきたら、その分の修正をすればいい。これで私も安心して死ねます』と冗談をいっておられた。

私はただただ頭を下げるばかりであった。いくら典型的な安定事業とはいえ、二十年先までとは全く恐れ入るばかりである。

F氏にとって、現在の事業については、もうやるべきことはあまりないのである。時々、実績を計画と対比してチェックする僅かな軌道修正を行うくらいのものであろう。そしてF氏は、現事業については何の心配もせずに、新たな事業にその精力を注ぐことができる。現に新たな事業と取組んでいるのである。

僅か数力月間を長期計画の樹立に費やしただけで、それ以後において現事業に時間をさく必要がなくなったということは、何と有効な時間の使用法であろうか。

これは、まさに私の主張― 経営計画ほど優れた時間の使用法はない― を地でいったものである。

※経営計画ほど優れた時間の使い方はない。

我社の事業構造を再整備する●

S社の長期的な課題は、事業構造の再整備をどう進めるか、ということであった。

高度成長時代の流行によって、多角化、脱本業というカッコイイ姿をやたらと追ったために、事業は混乱し、業績は低下の一途を辿っていたのである。多角化のハキ違いは、商品構成をメチャメチャなものにしていた。

※多角化の履き違いは、商品構成をめちゃめちゃなものにした。

主力商品群は三つあり、これに関連する「道楽商品」が一つ、あとは流行の省力機器、事務用品、電気製品、レジャー用品、スポーツ用品、厨房器具等々、手当り次第という感じであった。

主力商品群のうち第一の売上げをあげている事業は、売り易い商品だけに偏ってしまい、売上げが伸び悩んで、特に輸出に大きな支障をきたしていた。

※売りやすい商品だけに偏ってしまい、売上が伸び悩んでいた。

主力商品群の第二は、過当競争のために収益性が悪く、将来予測される人件費の増大に耐えられるかどうかが、疑問視されていたのである。

※過当競争のために収益性が低くなり、人件費の増大に耐えられるかわからない。

第三の商品群は、責任者に重荷がかかりすぎていた。商品の性格が受注生産的なために、設計・資材手配・外注管理などに手数がかかるにもかかわらず、管理者不足から、責任者はキリキリ舞いをしていた。それで、何もかも中途半端になっていた。

第四の商品群は、さきに述べた道楽商品であった。ただ、売上高も投入人員も少なく、儲かっても損しても天下の大勢に影響はなかった。その上、特殊でしかも高度な技術を必要とするため、戦前からの技術だけで後継者がなく、自然消滅するかも知れなかった。

しかし、いったんその市場に目を向けた時に、そこには極めて有望な、しかもS社にとっては適当な大きさの市場があった。

※適当な市場を大きさを選択する。

それは、小規模では手が出ず、大企業にとっては小さすぎて妙味がない、というものだった。

市場の強い、しかも増大する需要に対して、特殊で高度な技術を必要とするだけに、それを満たす企業も、力を入れる企業もなかったのである。道楽商品変じて「シンデレラ商品」となるものであった。

その他の商品は、もう全くの「足手まとい」でしかなかった。

S社を建て直すためには、まず事業構造の再整備であり、それなるが故に長期的な計画を必要とした。

※事業構造を考え、長期的な計画を立てる。

その基本構想は、主要商品群3つに、シンデレラを加えた四本柱を整備し、足手まといの商品を切捨てるというものであった。そして、四本柱の一本々々を強くする方針が決められていった。

第一の商品群については、品種構成の充実と、販売体勢の強化による国内・輸出ともの売上増大である。年度毎の品種構成充実の目標が決められ、年度毎の占有率の目標が設定された。

第二の商品群については、かねてよりの懸案である韓国に別会社をつくり、これに移管することとした。

第三の商品群については、品種と得意先を絞るとともに、そこから生れる余力で輸出を増大させることとした。

※オーガニック輸出事業を行う。

第四のシンデレラ商品では、何をおいても後継技術者をつくることであった。まず第一の難関は、名人気質の老齢技術者を説得して、後継者に技術を教える気にさせることであった。

このような技術者は、自分の技術をなかなか他人に教えようとしないからである。この人々への説得は、「君達の一生をかけて修得した技術を、後の世まで伝えたくないか」ということであった。この説得は成功した。

次は後継者である。これは、社内に希望者を呼びかけたところ、必要な数の希望者が集まったのである。その上に、販売体勢の強化を行うことであつた。

右の四本柱の強化のための人的資源は、足手まといの商品を切捨てることによって浮いた人員を、全社的な配置転換によって充足したのである。

こうして、S社の事業構造の再整備の方針と体勢ができ、これが長期計画として、年度別に目標が設定され、推進されることになったのである。

長期計画とは●

長期経営計画とは普通、「我社の五年後(あるいは十年後)の姿」を決めているものである。つまり「我社の将来に関する決定」である。

長期経営計画とは、我が社の5年後あるいは10年後の姿を決めているものである。我が社の将来に関する決定である。

これは、「我社の将来はこうなるだろう」という予測でもなければ、可能性を示したものでもない。「我社はこのようにならなければならない」という社長の決意を示したものである。

※我が社の将来はこうなるだろうという予測でもなければ可能性を示したものでもない。我が社はこのようにならなければならないという社長の決意を示したものだ。

この社長の決意は、単に決意だけで実現するはずはない。それを目標として設定し、活動が起されなければならない。

※単に決意ではなく、行動に起こさなければならない。

そのためには「優れた我社の未来を築くために、現在何をしなければならないか」という設問がなされ、その答を出さなければならない。

「我社の未来のための現在の決定」こそ、長期計画の真の目的なのである。この意味で、長期計画は我社の将来のためであることはいうまでもないが、「長期計画は我社の今日、只今のためにある」といえるのである。

※長期計画は、我が社の未来のための現在の決定が真の目的である。今日、只今のためにある。

どんなことであれ、会社にとって重要な革新であれば、それを軌道にのせるのに少なくとも二年や二年はかかり、実りあるものにするには五年くらいはかかってしまうのだ。

※会社にとって重要な革新であれば、それを軌道にのせるのに少なくとも2年や3年はかかり、実りあるものにするためには、5年ほどかかる。

だから、五年後にこうなりたい、と決心したならば、それを実現するためには、今、行動を起さなければならないのである。それだけではない。

五年後にこうあるためには、二年後にはどうなっていなければならないか。三年後はここまで進んでいなければならない、という「中間の目標」が必要なのである。

※5年後のために2年後はここまで進んでなければならない、3年後にはここまでと中間目標を設定する。

それらの目標を達成するための様々な活動と、その間のバランスをとらなければならない。このようにして初めて目標が達成されるのである。

そして、それらの活動は社員が行うものである限り、社員がよく理解し、協力してくれなければならない。社員だけではない。外部の人々……特に金融機関の援助が絶対条件である。

※社内、外部の人々に理解し、協力してくれなければならない。

だからこそ、社長の意図とそれを実現するための条件を、長期計画(または構想)に明文化し、それらの人々によくよく説明し、協力や援助を求めなければならないのだ。

※長期計画を明文化する。

そこにある社長の経営理念、構想、目標、決意、執念と、そのための社長自らの協力要請こそ、それらの人々の心を揺り動かし、社長の意図実現のために力をかしてくれるのである。

長期計画の必要性とは、右のようなことなのである。では、長期計画をどのようにして作りあげたらいいのだろうか。それを次に述べることとする。

我社の未来像をつくる●

社長は、「自らの経営理念にもとづく我社の未来像を持たなくてはならない」ということは既に「経営戦略篇」で述べた。

私が過去においてお手伝いした社長は、 一人の例外もなく、「我社の将来をこうしたい」という意思をもっている。

ただ、それがはっきりした像をとっていなかったり、像らしいものはあっても、それを更によりよくするための努力が払われていなかったりである。それというのは、我社の未来像を描いてみても、それが実現できるという保証が何もないために、半ばあきらめているからである。それが将来に対する不安となっているのである。

※我が社の将来をこうしたいという意思を持っているが、言語化できなかったり、実現できる保証が何もないため、半ば諦めている。

ここのところである。未来像が実現するという保証がないからといって「実現しない」という保証もないのだ。それは、やってみなければ分らないのである。

それならば、 一度しかない人生に悔いを残さないためにも、それに挑戦してみることこそ大切なのではないだろうか。

※一度しかない人生で悔いを残さないためにも、それに挑戦してみることこそ大切である。

やってみて出来ない時に、いさぎよくあきらめればいいのであって、やってもみずにあきらめるという手はないはずである。かりにも事業を経営している社長である。

事業経営の気概があるのなら、自らの心にある我社の未来像の実現に執念を燃やして取組むべきである。

※事業経営の気概があるなら、自らの心にある我が社の未来像の実現に執念を燃やして取り組むべきである。

そのための、まず第一は、決意を固めることであり、第二には自らの企業の未来像を明確にすることである。そして第3には、その未来像に向って行動を開始することである。

※第一に決意を固めること、第二には自らの企業の未来像を明確にすること、第三はその未来像に向かって行動すること。

あとは、「人事を尽して天命をまつ」の心境をもつべきである。決意ができたら、我社の未来像を築かなければならない。

この場合に、初めから立派な未来像を築こうとしても、そんなことはできるはずがない。また、そうする必要はないのである。初めは何でもよい、「こういうようになりたい」と思うことをメモすることである。

※初めから立派な未来像を築こうとしても、そんなことはできるはずがない。そうする必要はない。初めはなんでもよい。こういうようになりたいとメモする。

順序など考える必要はない。「今は借り工場だが、将来は自分の工場をもちたい」「この商品の売上げを、五年後にはここまで持っていきたい」「十年後には我社の総売上げをこれだけにしたい」「業界の占有率を五年後に二〇%、十年後に三〇%にしたい」「五年後には外国に会社をもちたい」「五年後には我社の給与水準を同地区の一〇%高にもっていきたい」「こんな商品を持ちたい」「無借金会社にしたい」「支払手形を零にしたい」「自己資本比率を四〇%以上にしたい」「純資産をいくら以上にしたい」……というようなことでよい。バラバラでいいのだ。

※最初は、業界の占有率を5年後に20%、10年後に30%にしたい。5年後には外国に会社を持ちたい。無借金会社にしたい。自己資本比率を40%にしたいなどバラバラの目標でいい。

右のようなバラバラな目標がある程度になったなら、それらの目標を大まかな分類によって粗い整理をするのである。「これは事業構造」「これは商品構成」「これは新事業」「これは販売」「これは設備」「これは資本」「これは内部体勢」という要領である。

※バラバラな目標を、これは事業構造、これは商品構成、これは新事業、これは販売、これは設備、これは資本、これは内部大勢というように分けていく。

そして、再びバラバラな新規の目標、次に前の大まかな整理にこれを加えてゆく、という繰り返しを行うのである。

※そして新しい目標が出てきたらそれをまた記載していく。

このような過程を経て、次第に構想がまとまってくる。そこで、この構想についての検討を始めるのである。「この構想にどこか誤りはないか。さらに優れた構想はないか」というようなことをである。

※次第に構想がまとまっていき、この構想についての検討を始めるのである。この構想にどこか誤りはないか、さらに優れた構想はないかということをアップデートしていく。

このような構想を練ることは『苦しいというよりは、むしろ楽しくさえある』というのが、これを経験した社長の共通の感想である。

このような検討を加えてゆく時に忘れてならないのは、常に市場と顧客である。たえず外に出て市場と顧客の要求を、自らの目と耳と肌でたしかめ、これで構想をチェックし直すのである。『どこかに一人よがりがないか』と。

※このような検討を加えていくときに、常に市場と顧客の要求を肌で確かめながら、独りよがりになっていないかをチェックする。

もう一つ重要なことは、我社の現状認識である。これは、ここに立脚して物を考えるのではなくて、目標と現状とのギャップを知るということである。このギャップを知って、これをどう埋めるか、という、あくまでも前向きの態度でなければならないのである。

※我が社の目標と現状の認識のぎゃっくを知って、これをどう埋めるのかを前向きな態度で挑む。

「このギャップを埋める具体策は何か」が次にくる設問である。この設問を解く鍵は何であろうか。

その第一は、『我社の特色は何か』である。我社の特色というのは、市場と顧客に対して、他社よりも優れたサービスを行える分野である。必ず顧客の支持を得られるものでなくてはならないのである。

「一人よがり」「自惚」ではないのだ。K社で、ある洋菓子の研究家と自称する先生に、アイスクリームの作り方を指導してもらったところ、甘味が強すぎてどうにも食べられない。

そこで、非常によく売れて評判の高い店へ案内して、そこのアイスクリームを試食していただいた。先生は一口たべて「こんな甘味がうすいものはアイスクリームとはいえない」といって、あとは口をつけなかったという話をきいたことがある。

こうなってしまったら終りである。よくよく気をつけなければならないことである。このような誤りをおかさないためには、常に顧客の立場に立って考えるという態度が必要なのである。我社の特色をどのように生かすか生かさないかを決める人は社長なのである。

第二には、「我社の欠陥は何か』である。この場合に、人材の不足をあげることはいけない。人材待望論の誤り(「経営戦略篇」を参照されたし)を知らなければならない。

欠陥の最大なものは、常に我社の「事業構造」の中にあるのだ。

最も多い例は、単一業界、単一商品、単一得意先という偏りにある。

高度成長時代には、仕事が山のようにあり、座っていても注文が来たために、「やり易い仕事」「儲かる仕事」にのみ偏ってしまった会社は数多い。

高度成長時代が終って、減速経済時代に入って気がついたら、全く片輪な事業構造になってしまっていた、という例は非常に多いのである。

次は「販売力の弱体」である。これも高度成長時代の安易な経営がそうさせたのである。

以上の二つが最も一般的な欠陥である。我社はどうか、と考えてみる必要があるのだ。その他の欠陥は何かないか、と自問してみても、なかなか見つかるものではない。自分のことはなかなか分らないものである。

これを知る手掛りは、お客様の意見とクレームである。これに謙虚に耳を傾けることができるかどうかで、我社の事業の将来は大きく違ってくるのである。いつ、いかなる時でも、お客様の意見こそ、何物にも優る忠告なのである。

我社の欠陥を知り、これをなおすことにより、我社の事業はさまざまな危険を回避することができる。

長期事業構想書●

T社の事業は単一業界に偏り、しかも季節変動が大きかった。九月から翌年二月頃までは売上げがガタンと落ち、二月から次第に忙しくなり、六月から八月までの三カ月間はまるで戦場であった。

業績も、繁忙期の収益を閑散期に喰ってしまい、永年の間低業績に泣いていた。

単一業界、季節商品という二重の危険を背負ったT社の構造革新は、現在の事業を他業界に広げることであり、それも閑散期の九月から翌年二月の間に重点をおくことであつた。

※現在の事業を他業界に広げることであり、それも閑散期に重点をおく。

右のような基本方針にもとづき、T社長とともに長期計画の設定に入った。

まず初めに、現在の事業だけの場合を想定して計画してみた。その結果は、売上高の伸びが三年後頃からあまり伸びないことが分った。

マーケットが飽和状態になることが予想されるためである。

※マーケットが飽和状態になる。つまり低収益化し赤字化する。現在というとECかも。

それと同時に、T社は完全に赤字になることが明らかになった。T社長は『これは大変だ。早く新事業をモノにしないと我社はつぶれるぞ』ということになり、新事業の必要性と緊急度がハッキリと社長に理解できたのである。

G工業の商品は家庭雑貨で単品であった。十月から翌年二月までが繁忙期で、二月から九月までは売上げが半減してしまうのであった。

G社長の夢は大きかった。『世界五十力国に我社の商品を行き渡らせたい』というのである。

※世界50カ国以上で我が社の商品を行き渡らせたいという夢がある。

私は『夢は結構であるけれども、何か具体計画はあるのか』ときいてみると、それはないという。『計画もなく、ただ夢だけ見ていたのではダメだから、長期計画をつくって、それをにらみながら作戦を練る』ということになった。

長期計画にまず必要な事業構造の整備は、いうまでもなく季節変動を少なくするものでなければならない。そして、商品構成としては、年間を通して売れる業務用品を、二〜三年内に二つ以上開発する。

※業務用を作る。

また、マーケットとしては南半球を開拓することとした。マーケットは北半球よりかなり小さいが、季節変動をかなリカバーできるからだ。

国内売りは逐次小売店直販に切換え、輸出については、大陸別に進出順を決めることとし、代理店方式をとる、と決めた。

※国内売りは小売店直販に切り替え、輸出については、大陸別に進出順を決めることとし、代理店方式を取る。

その次は供給体勢である。世界的になると、日本だけで製造していてはダメとの判断をもとにし、台湾、南米、メキシコまたは北米に工場を建設する。

※世界的になると、日本だけで製造していてはダメとの判断をもとにし、台湾、南米、メキシコまたは北米に工場を建設する。

別にノック・ダウン工場をヨーロッパに一〜二建設し、機を見て本格的な工場にする、ということになった。社長は、この構想にもとづいて、正月休みをまるまる長期計画の樹立にあてた。

G社長は出来上った計画書を私に示して説明しながら、『こんな楽しいことはなかった。それと同時に、数々の問題点が浮び上ってきて、それをどうするか、全く大変なことですよ』と語ってくれた。

B建材の長期目標は、現在の事業の充実と発展による占有率の向上である。

まず、商品群毎の県内占有率の目標と期限である。次には、三県にまたがる地方経済圏の中での占有率の目標と期限である。

これは、シャニムニ占有率の向上を図るのではなくて、充実した商品と優れた顧客サービスによって手に入れるもの、という方針が決定されている。

L社は、洋菓子と喫茶とラーメン専門店の二つの事業について、それをどのように発展させてゆくか、の長期構想を現在検討中である。

K社は、創業期をやっと通りこして、まだまだ不安定ながら、何とか将来ヘの見通しをつけられるところまで来ている。

同社の工場は、創業当時の借り工場であるだけでなく、手狭になってきた。そこで社長は、三年後に自社工場をもつ、という決意をした。その瞬間に、社長の考え方は全く変ってしまった。

そして、何といっても実現のための最大の鍵は「資金」である。まず欲しい敷地面積を想定し、土地買収資金、工場建設資金、付帯費用などを現在の貨幣価値で見積り、インフレによる三年後の金額も算定した。

さあ、これをどう調達し、どう返済してゆくか、という懸案と取組まなければならない。これは単なる資金調達の問題ではなく、長期事業計画をもたなければできるものではない。あと二年ある。この間に構想に従って行動し、実現しなければならないのである。

社長は自らのもつ我社の未来像を、ただ自らの頭の中だけでつくりあげるのではなくて、「書き表わす」ことを併用して、よりよく、より明らかにしていくことが大切である。

考えては書き、書いては考える。外に出て自らの考えを確かめる、という繰り返しなのだ。長期経営計画は、この「書く」部分である。

※考えては書き、書いては考える。外に出て自らの考えを確かめるという繰り返しを行う。長期経営計画は、この「書く」部分である。

長期計画は、基本方針にもとづき、利益計画、販売計画、要員計画、設備計画、資金運用計画という本格的なものがあればこれにこしたことはない。私も、かつてはこういうものを作っていた。

しかし、最近は必ずしも本格的なものでなくてもよい。それよりも、大づかみでいいから、事業全体を考えるために便利な、一覧性をもった表で十分だ、というふうに思うようになってきた。この表を私は「長期事業構想書」と名づけている。

その基本的なパターンは、二枚の表から成っており、巻末の「第13表」の「長期事業構想書」と「第41表」の「長期資金運用計画書」の二つである

このようなものにしたのは、次のような理由による。

長期事業構想というものは、極めて流動的なものである。その第一は、客観情勢の変化である。現代のような「激変の世代」は、本当のところ五年後がどうなっているか分るものではない。

※長事業構想というものは、極めて流動的なものである。その第一は、客観情勢の変化である。現代のような「激変尾世代」は、本当のところ5年後どうなっているかわからない。

それにもかかわらず、我々が未来を予測するのは、世の中の動きには惰性があるということと、もう一つは必然性があるということを考えて、この二つを合成しているのである。

※それにも関わらず、我々が未来を予測するのは、世の中の動きには惰性があるということと、もう一つは必然性がありあるということを考えて、この2つを合成している。

この二つは、それなりの真理ではあっても、その時々の情勢によって動き方も違うし、加速度まで正確に予測することはできない。

※この2つはそれなりの真理ではあっても、その時々の情勢によって動き方も違うし、加速度まで正確に予測することはできない。

その上、いつ突発的な事態― 石油ショックなどこの好例。その他戦争、気象異変、国際関係の急変など――が起るかも知れないのである。この流動あるいは激変に対処するために、企業自体が変らなければならない。

※突発的な事態などの流動あるいは激変に対処するために、企業自体が変わらなければならない。

もう一つは、社長のもつ未来像の発展である。これは、二年たち三年たてば変るほうが当りまえである。何年たっても少しも変らないとするならば、その未来像は本物ではないといえよう。

※社長の未来像の発展である。これは2年たち3年経てば変わる方があたりまえである。何年経っても少しも変化しないとするならば、その未来像は本物ではないといえる。

右のような二つの要因によって、未来像や方向は変らなければならないのである。しかも非常にしばしば変ることがあるのだ。「それはおかしい。そんなに変るものなら、構想などたててもムダではないか」という疑間が起きる方もおられると思う。

この疑間は誠にもっともである。では、これをどう考えたらいいのだろうか。今、あなたが家を新築する場合を考えてみよう。

初めは頭の中でいろいろ考える。家族とも相談する。ある程度考えがまとまると、平面図を書いてみる。その平面図さえ、原案ともいえるものができるまでに、何回も書き替えられるであろう。

その原案をもとにして、さらにああでもないこうでもないと、いろいろな修正案が浮かぶ。欲も出てくる。こうなると、他人の家が気になって、注意深く観察するようになる。

いろいろ考えた末に、「ここはこうしたほうがいい」と図面を修正する。さらに考えて、また修正を加える。ということが繰り返されて、よりよいものになっていくのである。

※家を建てるときに、まず考えて、ああでもないこうでもないと何回も図面を修正する。さらに考えて、また修正を加える。ということが繰り返されてより良いものになっていく。

もしも、「どうせ何回も修正するのだから、平面図を書くのはムダだ」といって平面図も書かずに、頭の中だけで、「いい家を建てたい」といっていたら、恐らくはいつまでたっても、「いい家」の設計図などできないだろう。優れた家は図面を繰り返し検討し、修正に修正を加えてこそできるのである。

※図面を繰り返し繰り返し検討して修正を加えてこそできる。

我社の未来像とて全く同じことがいえる。まず、「タタキ台」をつくり、これを繰り返し修正することによって、優れたものになっていくのである。

※まず、叩き台をつくり、これを繰り返し修正することによって、優れたものになっていく。

我社の将来の青図があればこそ、さらに優れたものにするためには、どこをどのように修正したらいいか。客観情勢がこう変ったから、我社のここをこう変えればよい、ということが分るのである。

以上述べたような修正を繰り返してゆくには、長期事業構想書は非常に便利なのである。

私は、初めには本格的なものを作ったが、この修正に不便を感じたのである。その経験をふまえて工夫したのが長期事業構想書だ。

これを実際に使ってみると、極めて便利なことが分った。どの社長さん方も、『こんなにいいものはない』『全く便利だ』『この構想書で、初めて長期計画に本気で取組める』と素晴らしく好評なのである。

『一倉さん、僕はこの三カ月にもう長期構想書を十五回書きかえました』という社長さんまで現われたのだ。

右のような好評に気をよくして、今はもう長期計画はあまりくわしいものはいらない。くわしい計画は短期計画でやればよい。

※詳しい計画は短期でやって、長期計画はあまりくわしいものはいらない。

長期は長期事業構想書でいい、という考え方になっている。さてこの辺で、長期事業構想書(第13表)の説明に移ろう。

まず、タイトルの右の方に「この構想書は客観情勢の変化と社長のビジョンの発展によって、たえず前向きに修正されなければならない」と明記するのがよい。

※タイトルの右のほうに明記する。

これがあると「社長の構想はくるくる変る」という社員の誤解を防ぎ、理解を深めることができるからだ。

右上の枠外に必ず日付を入れること。

つまり、その日付の時の社長の構想書であることを明らかにするためである。次は枠組の順に枠の左端にある番号を追って説明しよう。

①は基本方針である。ここには箇条書で構想の基本となる方針を書く。それは

一、どのような事業構造にもってゆくか。現在の事業のうち、何を強化し、何を淘汰してゆくか。新たにどんな事業または商品を加えるか、というようなことである。

二、どのような特色を、全体または個々の事業にもたせるか。例えば、高級化するとか、軽量小型化を進めるとか、品質目標というようなこと。

三、販売網の整備をどう進めるか。販売網強化の重点地域はどこか。淘汰する販売網や地域はどこか。新たにどんな市場または地域に販売網を広げるか。新営業所、新店舗やチェーン展開をどうするか。

四、供給体勢の整備をどうするか。設備投資の基本方針、協力工場群整備の目標、配送センターの整備など。

五、内部体勢整備の方向はどうなのか。組織の簡素化や人的資源再配分の方針。福利厚生など。

六、資本充実をどう進めるか。払込資本金の目標、内部留保の基準などである。

大切なことは、単なるスローガンや抽象論であってはならない、ということである。抽象論の典型は総理大臣の施政方針演説である。これ程阿果らしいムダなことはないといつも思う。

しかし、総理大臣を笑ってばかりおられない。「事業構造を充実する」「積極的に新市場を開拓する」「経費節減」「不良撲滅」などは大臣演説と同類である。

※「事業構造を充実する」「積極的に新市場を開拓する」「経費節減」「不良撲滅」などは大臣演説と同類であるため、抽象論になってはいけない。

社長の意図だけは分るけれども、これだけではどうにも行動の基準にはならない。事業構造を充実するといっても、どう充実するかが分らないからである。あくまでも具体的に、方向づけや目標を示すものでなくてはならないのである。

※あくまでも具体的に、方向づけや目標を示すものでなくてはならない。

例えば「季節変動減少のため、閑散期の商品を積極的に開発し、三年後において、閑散期の売上げを繁忙期の半分以上とする」とすれば、誰にもよく分る。このような簡潔な表現がよいのである。

②は販売計画である。事業のところには、事業または商品群を書きこむ。

新事業は、それがまだ何であるかが決まっていなくとも、それが構想書の計画期間― 五年程度がよい――に必要であれば、「新事業A」「新事業B」というような表現をすればよい。

※新事業の場合は、なんであるかが決まっていなくとも、それが構想書の計画期間に必要であれば、「新事業A」「新事業B」というような表現をする。

小売業のチェーン店などでは、事業名の欄に店舗名または店舗群などをあげればよい。

事業方針欄には、個々についての方針を箇条書で簡潔に記入する。「五年後の占有率目標を三〇%以上とする」「三〇%の軽量化を三年で達成する」「関西地区に販路拡大、五年後に年商五億円」「全面的に外注依存」「廃止」……という要領でやる。

年度は、当期を起点として五年間(当期を含んでも含まなくともよい。私は当期を含まぬ五年としている)の売上目標を記入する。単位は百万円で十分である。 一番右の特記事項は備考欄と思えばよい。

③は利益計画である。この売上高は、②の売上高合計と共用すればよい。方針欄には加工高比率の目標。労働分配率の目標、販売促進費大幅増額……というようなことであろう。

④は要員計画である。まず労働分配率、次に一人当り人件費を記入する。利益計画の人件費総額を、一人当り人件費で割れば人員が出る。

この場合には総数だけでよい。内訳を記入しても繁雑になるだけである。

ただ、方針のところに、人員構成比率の目標として、営業部門何%、開発部門何%と書き入れる。(あるいは毎年何名増加、昭和何年度において何名などと表現はいろいろある)

⑤は設備計画である。これも大まかなものでよい。土地、機械装置、工場、倉庫、店舗程度の分類で十分である。

⑥は資本金である。年度別の増資額と払込資本金額を記入する。

以上の外に、特に長期構想として明記しておきたいことがあれば、⑥以降に記入すればよい。

この長期事業構想書には、長期資金運用計画に必要な数字は全部揃っているので、これから、「長期資金運用計画」「長期目標貸借対照表」を作成できる。

右の二つは、固定資産投資があまり多くない場合は無くてもいいが、多額の設備投資や、チェーン店の展開など次々に固定資産投資が必要な業種では、是非作成したいものである。予想外に大きな資金を必要とするかも知れないからである。

右のことについては、次篇「資金運用」で詳述することとする。

長期構想はたえず書き替えられなければならない●

長期事業構想書は、客観情勢の変化と、社長のビジョンの発展によって、たえず書き替えられてゆかなければならないということこそ重要である。

※長期事業構想書は、客観情勢の変化と、社長のビジョンの発展によって、耐えず書き換えられてゆかなければならないということこそ重要である。

ところが、たくさんの会社の長期計画はこうはされない。

※たくさんの会社の長期計画はこうはされない。

まず第一の型が、「棚上げ」である。「長期計画はできた。だからもう我社の将来は安泰である」と思い込むわけでもなさそうであるが、計画書ができると、もうこれを見ようとしない。

※棚上げをしてしまう。計画書ができたら見ようともしない。

会社に長期計画がある、と聞くと、私はそれを見せてくれ、と頼む。その時に『さあ、どこかに入っているわけだが』とくる会社が可成りあるのだ。こんな計画書なんかない方がいい。

もう一つの型は「実績による修正」型である。「実績が計画と違ってきたから、実績にもとづいて計画を変更する」という類である。

※実績による修正型である。

これは、さきにのべた「計画どおり病」である。この病気の特色は、計画達成のための手は何も打たれていない。これでは計画など達成できるはずがない。

※計画どおり病による、後ろ向きの計画修正である。

そのくせ、実績が計画と離れてくると、「この計画は実現不可能だから実際的でない。だから実現可能なものに変更しなければならない」というのである。

計画とは名ばかりで、もともと何も前向きにはやろうとしない、成り行き経営がその実態なのである。ただ格好をつけるためだけに計画書をつくるのである。長期計画の変更というものは、実績に引張られて後ろ向きに修正するのではない。

※もともと何も前向きにはやろうとしない、成り行き経営がその実態である。

我社の未来を築くために、前向きに修正していくものなのだ。その修正は、六カ月に一回程度の修正はあってよい。少なくとも一年に一回の変更は、無いほうがどうかしている。

※我が社の未来を築くために前向きに修正していく。その修正は6ヶ月に1回程度の修正はあって良い。少なくとも1年に1回の変更は無い方がどうかしている。

私はさきに短期計画のところで、計画をやたらに変更してはいけない、と主張している。ここでは長期計画は前向きに変更しなければならない、といっている。いったいどちらが正しいのか、ということになる。

これは、短期計画と長期計画は性格が違うから、これに対する態度が違うのである。

短期計画は、「今日の行動」の基準である。だからこそ、計画と実績の差を読むことによってはじめて正しい態度がとれる。

これに対して長期計画は我社の未来像に関することであって、そこには実績はない。あるのは「将来に関する現在の決定」である。

その決定の当否をたえず検討し、必要な変更を行ってこそ、常に我社の誤りない将来の方向を示すことができるのだ。短期計画は変更せず、長期計画は前向きに変更することこそ、正しい態度である。

※短期計画は変更せず、長期計画は前向きに変更することが正しい態度である。

まとめ

◎ 事業の経営は、社長の経営理念にもとづく我社の未来像を実現するための「目標」が設定されていなければならない。その目標は、事業の存続と発展に必要な様々な活勧に関するものであり、当然のこととして、「実現可能なもの」でも「予測」でもなく、「どうしても実現しなければならないもの」である。

◎ 目標は、「その通りいかない」からこそ必要である。それは、社長の考えと顧客の要求との喰い違いを社長に教えてくれるものだからである。目標と実績との差の意味するものを読みとって、誤りない我社の方向を見つけだすことこそ重要である。

◎ 社長は「目標」を自らの手で「経営計画書」に明文化し、自ら社員によくよく説明して理解させ、協力を求めなければならない。経営計画こそ、社員を動機づける最大の武器である。

◎ 経営計画の「方針書」に盛られた事項は「プロジェクト計画書」に具体化され推進されなければならない。

◎ 経営計画は定期的にチェックされ、全社的な見地から前向きの対策がとられなければならない。チェックに際しては、間違っても原因の探究をしてはならない。原因の探究は、「目標の否定」につながるからである。

◎ 「長期事業構想」をもて。これは、我社の将来のために、今日只今、何をしなければならないか、という「現在の決定」のために必要なものだからである。

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