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一般的な P/ Lを変動 P/ Lに組み替えるには

一般的な P/ Lを変動 P/ Lに組み替えるには  ここでは、「変動損益計算書」(変動 P/ L)について、さらに理解が進むように、一般的な P/ Lとの違いを図解で見ていきましょう。  左の図は、一般的な月次 P/ L(一番上)から段階的に変動 P/ L(一番下)へ組み替える過程を示したものです。  一番上の一般的な月次 P/ Lは、年度決算で提出する、法律に沿った形のものです。経理担当者や会計事務所に「月次 P/ Lを見せてください」と頼むと、こうした表形式の月次 P/ Lが出てくるのは先に説明した通りです。  そして、この表形式の月次 P/ Lをさらにわかりやすく整理したものが、中央の図形式の月次 P/ Lです。

ここでは、図の高さが金額の大きさを表しています。売上高がいくらで、そのうちの「売上原価」や「販売費及び一般管理費」(販管費)といった費用、そしてその差し引きである利益額がどのくらいか、それぞれの比率もつかみやすくなります。  このように、 P/ Lは図形化するだけで、今月の事業がどうなっているか、どのくらいの売上高に対して、どのくらい利益が出ているのかがある程度、直観的に理解できるようになります。「今月は売上がかなり上がったけれど、利益が薄い」や、「売上が思ったより上がらなかったけれど利益は出た」などという判断が正確にできます。 ●費用を「変動費」と「固定費」に分けて整理する  ここからさらに、変動 P/ Lに組み替えてみます。まず費用を「変動費」と「固定費」に分けます。  左の図を見てください。

 これは、一般的な図形式の月次 P/ Lを、変動 P/ Lに組み替えたものです。「売上原価」「販売費及び一般管理費」、「営業外費用」といった費用をざっくりと「変動費」「固定費」の 2種類に整理し、「ほぼ変動費」、「ほぼ固定費」という感覚で分類します(これを費用の「固変分解」といいます)。「変動費」とは、売上高に比例して増減する費用です。  勘定科目でいうと商品仕入れ、材料費(材料仕入れ)、外注加工費の3つが代表的です。在庫を多く抱える企業では、期首の商品在庫の増減も「変動費」に加えます。  それに対して「固定費」とは、売上高の額に関係なく固定的に発生する費用です。売上高がゼロでも発生し、売上高が大きく増えても変わりません。  この固定費は、次の3つがあります。  1つ目が人件費です。ここには役員報酬や社員の給与・賞与、法定福利費や福利厚生費などが入ります。

2つ目は家賃や減価償却費、広告宣伝費、通信費といった人件費以外の販管費です。  3つ目が営業外費用です。営業外収益がある場合はマイナスの費用としてここに入れます。 ●業種によって異なる「固定費」「変動費」の分け方  一般的な月次 P/ Lを変動 P/ Lに組み替える方法は以上ですが、業種により多少異なる部分もあるので、ポイントを述べておきます。  小売業・卸売業やサービス業はとても簡単です。  毎月の「売上原価」を「変動費」として、その他の費用を「固定費」にするだけで、通常の P/ Lが変動 P/ Lになります。表形式の P/ Lの勘定科目を一つひとつ見て、「変動費」と「固定費」を分類する必要はありません。  小売業・卸売業・サービス業では、「売上原価」は売上高に比例するもので「変動費」そのものです。「販売費及び一般管理費」や「営業外費用」などは、多少変動費的な性格を持っていてもまとめて「固定費」とすればいいのです。  たとえば、小売業でもフランチャイズビジネスであるコンビニエンスストアは、「本部費用」が売上高に比例するケースが多く、この場合は「本部費用」を変動費に入れます。  製造業や建設業の場合は、「製造原価」中の「固定費」を分けるひと手間が必要です。ただこれも厳密にする必要はありません。  売上高比例のものを「変動費」、それ以外を「固定費」とざっくり分けましょう。  商品仕入れ、材料費、外注加工費などは「変動費」になります。人件費や設備や建物の減価償却は「固定費」。在庫が多い会社は、商品仕入れと材料費に在庫の増減分を入れればいいのです。  業態によって、「変動費」にするか、「固定費」にするか、悩むケースもありますから、判断に迷ったら経理担当者や会計事務所と相談して、「売上高に比例するかどうか」を調べて分類するといいでしょう。 ●「月次推移変動 P/ L」を作るポイント  変動 P/ Lに組み替えたあとは、月次推移変動 P/ Lを作ります。  ポイントは、特定の月にまとまって発生する「固定費」(賞与や設備や車両の減価償却費など)を 12で割って、 1カ月分として計上することです。  このように月ごとに固定費を平準化することを、私たちは「固定費をならす」と言います。設備・車両の減価償却費なども同じやり方で「ならし」ます。  こうすると毎月の状況が正しく把握できます。家賃や給与のように、毎月ほぼ一定の金額で発生する「固定費」はそのまま計上します。  賞与の例で見てみましょう。  年 2回、夏(6月末)と冬( 12月末)に賞与を出す会社の場合、賞与を支給月の6月と 12月に割り振ると、6月と 12月だけ「固定費」が大きく膨らみます。  利益率が低い業種では、会社の事業が好調に推移しているにもかかわらず、賞与月は赤字ということにもなりかねません。これでは正確な分析ができません。  ですから、賞与は支払い月の欄に反映させるのではなく、夏と冬の総額を 1年分にまとめて、 12カ月の欄それぞれに均等に割り振ります。  注意したいのは、社会保険料の会社負担分など、毎月月末に引き落とされる「固定費」です。  これらは月末が休日の場合、翌月に引き落とされます。すると、翌月に 2カ月分計上されるので、経営分析をするうえで判断を間違えやすくなります。  ですから、該当月分に計上されるように、未払いであっても計上しておきます。「変動費」は、多くの場合は商品仕入れ、材料費、外注加工費の3つなので、計算は簡単です。そのまま計上すれば問題ありません。

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