目次
風邪・インフルエンザのリスクを激減させる行動習慣
- ガムや飲み物で常に「のど」を湿らせておく
- 鼻で呼吸する
- 1日11回手を洗う
- 手洗い後はペーパータオルで完全に乾かす
- 乾いた手は「アルコール消毒」をして完全に乾かす
- ワイヤー型のマスクを「1日1パック」使い切る
- 1日3回以上「うがい」をする
- 自分の「平均睡眠時間以上」寝る
- インフルエンザワクチンを接種する
- 無意識に「顔を触るクセ」をチェックして、やめる
- 本やペンなどの物品を「他人と貸し借り」しない
- 飛行機や新幹線は「一番後ろの席」を選ぶ
- 手洗い前に「鼻くそ」をほじらない
手洗いうがいのタイミング
- 次の場所に行った直後、次のモノに触った直後、必ず手洗い・うがいをしましょう。
- 人との距離が近い場所
- 閉鎖された空間
- 風邪をひいた人が身近にいる空間
- 貸し借りした物体
- その他「出っ張っていて、不特定多数の人が触る」モノ
- 病院やクリニックなどの「医療機関」
- 満員の電車やバスの中
- 交通機関や公共施設の「手すり」「吊り革」
- 複数人で行く「カラオケ」の室内
- 乾燥した「会議室」や「教室」
- 書店や図書館に展示された「見本・サンプル」
- 商業施設のキッズフロアなど「子供が多い場所」
- 自販機や電気器具などの「ボタン」「スイッチ」
- 教養の「ドアノブ」「パソコン」「電話」「検索機」「ペン」
- ファミリーレストランや喫茶店
- 「ジェットタオル」が設置されたトイレなど
ウイルスを洗い流す「手洗い10ステップ」
- ①手を水で濡らして石鹸をつける
- ②手のヒラを洗う
- ③手の甲を洗う
- ④指と指の間を洗う
- ⑤指先と常の間を洗う
- ⑥親指を手のひらでねじるように洗う
- ⑦手首を洗う
- ⑧流水ですすぐ
- ⑨ペーパータイルで完全乾燥させる
- ⑩アルコール消毒液をなじませ完全乾燥させる
ウイルスをのどから洗い落とす「うがい3ステップ」
- ①コップに水、もしくはぬるま湯を用意する
- ②口に水を含み、正面を向いて「クチュクチュ」と口の中全体をゆすいで、吐き出す
- ③口に水を含み、顔を上に向けて、「がー」と声を出し、吐き出す(普通のガラガラうがい)
ウイルスを寄せ付けない「マスク着用4ステップ」
- ①ワイヤー型のマスクで鼻まで多い、皮膚との隙間をなくす
- ②場所から別の場所に移動するたびに、取り替える
- ③「耳紐の部分」を触って取り替える
- ④マスクを取り替えたら、上記の方法で手を洗う
書き出し
- 「ビタミン C」の摂取は風邪予防に効果的でない
- 病院に行っても風邪は治せない
- 「うがい薬」は風邪の予防効果が望めない
- 風邪に「抗生物質」は効かない
- 他人にうつしても自分の風邪は治らない
- 飛行機の機内は日常生活の「 100倍」以上風邪のリスクが高い
- バリバリ仕事するビジネスパーソン。学業やスポーツに打ち込む学生。毎日家事をこなす人。誰もが、常に「ベストパフォーマンス」を求められます。
- 風邪は冬のイメージがありますが、「夏風邪」には重い症状を伴うものもあります。私たちは一年中、風邪の脅威にさらされているのです。
- 風邪は誰もが知っている、身近な病気です。しかし、どうすれば風邪を予防できるのか、確かな情報を得ることは難しいものです。
- 風邪は、主にウイルスに感染することを原因とした病気です。風邪の原因となるウイルスは 200種類以上あります。「風邪」とは、1つのウイルスを原因とした特定の病気を指すのではありません。無数にあるウイルスの中の、いくつかが引き起こす症状の「総称」と言えるのです。
- 100人いれば 100通りの風邪があり、原因もそれぞれ、症状もそれぞれです。
- 最先端医学でも明確な原因のメカニズムは解明されておらず、風邪には根治療法や特効薬がいまだに存在しないからです。どんな名医でも、風邪を予防・根治する 100%完璧な方法を知らないのです。
- しかし、風邪は、この EBMにおいても発展途上の病気です。
- 科学的根拠に基づく医療 = EBM(エビデンスベースド・メディシン = evidence-based medicine)
- そうしたことが背景にあるためか、ちまたでは根拠のない「都市伝説」のような対策や「精神論」が語られがちです。
- 「風邪をひいたくらいで会社を休むな」
- 「風邪は気合いで治せる」
- 「漢方は風邪に効かない」
- 「バカは風邪をひかない」
- 「酒は〝アルコール消毒〟だから風邪治療に効果的」
- これらは、すべて根拠のない言説です。
- 風邪をひいたときの対処法についても、ご自身の経験や、インターネットで得た本当に正しいかどうかわからない情報や、親御さんや周囲の方々が教えてくれた方法などを駆使して、「なんとなく」風邪に対処しているのが実態ではないでしょうか。
- 専門家の方から見れば、物足りない内容があるかもしれません。しかし、その物足りなさこそが、私は「わかりやすさ」につながると考えています。
- 風邪は、一番身近にある最大の敵です。風邪をひかなくなるだけで、あなたの生産性は大きく向上するはずです。ウイルスという「目に見えない敵」が相手だからこそ、人はどうしても「なんとなく」風邪対策を実践してしまいます。
- しかし、風邪は、ある程度の知識があれば、「戦略的」に予防できる病気です。
- 人間は、誰でも風邪をひきます。米国の統計調査によれば、人は一生のうちで 200回ほど風邪をひくと言われます。
- ビジネスパーソンが仕事を休む理由の 4割が風邪であるという調査もあります。
- 風邪をひくたびに 1〜 2日欠勤したとすれば、職業人生の丸 1年以上が風邪に潰されます。風邪は、一番身近にある、最大のリスクだと言えます。
- 1日 4回の手術を終え疲れ切って帰宅し、布団をかける力すらなく倒れこんだまま朝まで眠り、「寝冷え」で風邪をひいたことも 1度や 2度ではありません。
- あなたの周りにも、いつもパワフルで全然会社を休まず、ちょっと体調を崩しても、翌日にはピンピンしているような人はいませんか?彼らは、自分の身体の異変に素早く気づき、生活のすべてを「風邪モード」に切り替えて即時対応することで、速攻回復しているのです。本書では、そういう人を「一流」と定義します。
- 普通の人は、富士山のような高い山型をとります。それに対して、一流は、なだらかな丘のようなラインを描きます。一流は、風邪をひかないのではなく、重症化させずに即回復する方法を身につけているために、周囲から風邪をひいているように見えないのです。
- もし、あなたが風邪をひきやすい人なら、本書の内容を実践すれば、「風邪をひく回数」が少なくなるでしょう。また、風邪をひいてしまっても、悪化して長引かせることはなくなるはずです。
- 一般的に知られる風邪対策は、「風邪をひいてからやること」が多いでしょう。熱が出れば解熱剤、のどが痛くなったらのど飴や市販の風邪薬を飲む。あとはしっかり栄養を摂って、よく寝て治るのを待つ……というのが一般的でしょう。
- ただし、風邪をひかない一流の人が最も重視しているのは、「ひく前」です。熱やせきやのどの痛みなど、風邪の代表的な症状が出る前の「ちょっとした違和感」を、本書では「超初期症状」と呼んでいます。超初期症状の段階で手を打ち、風邪をひきそうでひかない状態で踏みとどまるのです。
- そして、たとえ風邪をひいても、正しい対処法を知っていれば最速で回復できる。しっかりと治し切る方法を知っていれば、ぶり返さない。
- この 3段階における風邪対策を身につければ、風邪をひきにくくなるだけでなく、風邪をひいても、すぐに回復できるようになります。
- 人は、似たようなパターンで風邪をひきます。かつての私は、地方出張が週に 2度あると、高い確率で風邪をひいていました。その原因を分解すると、まず、出張前後に睡眠不足が続いていたことがわかりました。そのほか、外食続きになり、栄養バランスが偏っていました。出張先の会議室や寝室の湿度や温度管理が不十分だったことも、共通していました。
- 風邪をこじらせず、即回復する一流のビジネスパーソンに共通しているのは、この「風邪をひくパターン」を自己分析できていることです。
- 先々のスケジュールを確認し、風邪パターンにハマりそうになったら、即座に本書で紹介するような予防策で先手を打ち、シャットアウトしているのです。
- 生活上のさまざまな悪い習慣が温床となって抵抗力が落ち、ウイルスの侵入を許し、増殖を許し、柔道で「合わせ技一本」を取られるようにして、人は風邪をひきます。
- 超初期症状は、身体からの「ヘルプサイン」です。無理が生じれば、身体は何らかの形で「風邪をひきそうだ」というサインを出します。
- そういう意味では、元来、誰でも「一流の身体」を持っているのです。もちろん、体質には個人差があり、風邪をひきやすい人とひきにくい人がいます。
- しかし、風邪をひかない一流と、風邪をこじらせる人の差は、身体からのサインを素早く察知し、的確な対応ができるかどうかに最大のポイントがあります。
- 「バカは風邪をひかない」ということわざがあります。鈍感な人は、風邪をひいても自覚しないで過ごしている、という意味で使われます。しかし、私の考えは「人は風邪をひくたびに賢くなっていく」です。
- 「主にウイルス感染で上気道に炎症を起こすが、自然に治る」のが風邪です。つまり、風邪は、安静にしていれば自然に治るとわかっている病気なのです。
- 「主にウイルス感染で上気道に炎症を起こすが、自然に治る」のが風邪です。つまり、風邪は、安静にしていれば自然に治るとわかっている病気なのです。
- 後述しますが、現代医学では、風邪を根治する特効薬は開発されていません。医者が処方するのは、あくまで熱や痛みなどを和らげる対症療法としての薬です。風邪の原因となるウイルスを撃退して、根治させるものではありません。患者が一刻も早く治したいと思っていても、医者は根治させることができないのです。
- 個人差はありますが、一度風邪をひくと、完全回復するまでに 7〜 10日かかるというのが医学的な見解です。
- 風邪をひけば、仕事や日常生活に大きな支障をきたします。風邪によって、反応時間が顕著に遅くなるなど仕事のパフォーマンスが低下することは、科学的にも証明されています。1週間もベストパフォーマンスから遠ざかれば、仕事の生産性は大きく下がります。
- 日本のシンクタンクの調査によれば、風邪で仕事がはかどらないことによる生産性低下の社会的損失を金額にすると、平均 4万 4270円に上っています。
- 米国では、風邪の外来治療費、ビジネスパーソンが風邪で欠勤したことによる経済損失と、子どもが風邪をひいてその看病のために欠勤したことによる損失を含めると年間 225億ドルと推定され、実際に大きな社会損失になっています。
- 1人が風邪をひいた悪影響は、玉突き状態でチーム内に伝染します。さらに、風邪はプライベートにも悪影響を及ぼします。余計な仕事が増えて、みんなの信頼を失う
- 医者に頼らず、自己防衛する方法を身につけることが、最大の風邪対策になるのです。
- 医学的に、もっとも代表的な風邪の症状は、次の3つと言われています。
- ①鼻水・鼻づまり
- ②のどの痛み
- ③せき
- 前述のように、風邪は、医学用語で「急性上気道炎」と言います。鼻からのどまでの空気の通り道(上気道)に炎症が起こり、鼻水、のどの痛み、せきやたんという3つの症状が、同時に、同程度存在すると、風邪だと診断されやすくなります。
- 鼻水、のどの痛み、せきが同じ時期に現れれば、高い確率で風邪が疑われます。
- 風邪は、その 80〜 90%がウイルスが原因で発症します。また、風邪の原因となるウイルスは、全部で 200種類以上あります。
- 風邪は一般的に、ウイルスが侵入して 10〜 12時間で症状が出始め、感染 2〜 3日後に症状のピークを迎え、 7〜 10日で消失する、という経過をたどりやすくなります。
- あくまで一般的な例ですが、症状の変化は、次のような過程をたどります。
- ① 微熱やだるさ、鼻の奥からのどの上のあたりのイガイガ感から始まる
- ② 1〜 2日遅れて鼻水や鼻づまりがあり、せきやたんも出てくる
- ③ 3日目前後に症状のピークを迎える(もっとも辛くなる時期)
- ④ 7日以上経ったころ、よくなっていく
- 風邪の原因となるウイルスは、ライノウイルス、コロナウイルス、 RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが知られ、ウイルスによって引き起こされる症状に多少の違いがあります。
- この図表を見ると、「のど」「せき」「鼻」の 3症状は、ほぼすべてのウイルスが高い頻度で引き起こすことがわかります。また、風邪をひいたからといって、必ずしも熱が出るわけではないこともわかります。
- 熱が下がると比較的身体はラクになります。しかし、熱が下がっただけで「風邪が治った」と判断したり、解熱剤で熱を下げただけでバリバリ仕事を再開するのは危険です。
- 熱が下がっても、たとえば鼻水やのどの痛み、せきなどがおさまっていなければ、症状が悪化して風邪を長引かせたり、咳喘息など別の病気を誘発する可能性がありますし、他人に感染させてしまうリスクも高まります。
- ●「頭痛」や「くしゃみ」は初期症状である可能性が高い
- ●「のどの痛み」は 2、 3日目に悪化しやすい
- ●「せき」「鼻水」「鼻づまり」は、治りかけにひどくなることが多い
- ●「鼻水」は 2日目以降続くことが多い
- 風邪がもっとも流行するのは乾燥した冬の季節です。しかし、夏に流行する、いわゆる「夏風邪」があります。ウイルスの適した生存条件はウイルスの種類によって異なり、夏の高温多湿を好むウイルスもいるのです。
- 空調の効いた部屋と、暑い屋外を出入りすることなどによる自律神経の乱れや、食欲不振などによって体力が低下しやすい状況なども、夏に風邪をひく原因の1つです。
- 夏風邪には、次のようなものがあります。
- ・手足口病 →エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが主な病原体。手、足、口を中心に全身に発疹が現われ、発熱も伴う
- ・ヘルパンギーナ →コクサッキーウイルスが主な病原体。39〜 40度の高熱やのどの痛みが出やすいことが特徴的
- ・プール熱(咽頭結膜熱) →アデノウイルスが主な病原体。38〜 39度の高熱が数日続き、強いのどの痛み、結膜炎などを引き起こす
- ちなみに、混同されやすいのですが、「ウイルス」と「細菌」はまったく異なる生物です。風邪との関連が強い違いとしては、抗生物質は細菌を破壊することはできるが、ウイルスには効かないという点です。つまり、風邪に抗生物質は効かないのです。
- しかし、それは間違いです。風邪は、もっとも確定するのが難しい病気の1つです。
- それどころか、ほとんどの場合、医者は風邪の原因を特定できないまま、患者に薬などを処方し、治療行為をしているのが普通です。
- 医者は、複合的な情報と、患者の時系列の症状を見て、重大な別の病気が陰に隠れていないことを判断できた場合に、「おそらく風邪だろう」と、診断します。実は、 100%の自信を持てないときが多いのです。この考え方を「除外診断」といいます。
- しかし、インフルエンザ以外の風邪ウイルスは、種類があまりに多いこと、症状がそれほどひどくないこと、ウイルスを固定する検査に費用がかかることなどから、一般外来では、わざわざ風邪ウイルスを特定しないのが通常です。
- また、先述したように、風邪は基本的に自然に治る病気です。ウイルスを特定するのが困難である。安静にしていれば自然に治るとわかっている。これが、医者が風邪の原因を特定しない(特定できない)理由です。
- 毎年、日本人の 1割以上が、インフルエンザに罹患しているのです。インフルエンザは、毎年 11月下旬から 12月上旬に流行が始まり、翌年の1月から3月の間に患者数が急増し、4月から5月にかけて減少していくパターンを取ります。
- インフルエンザウイルスは A型から C型まであります。人間に流行するのは、主に A型と B型です。インフルエンザウイルスが侵入し、症状が出るまでの潜伏期間はおよそ 1〜 3日。
- 感染経路は、患者のせき、しぶき、くしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」がメインです。
- また、インフルエンザウイルスに感染した 1828人のうち、 1371人が無症状であったことを示す研究があります。つまり、無自覚のうちに感染し、周囲に拡散している可能性もあるということです。
- 11〜4月のインフルエンザの流行期間中、次の4つの項目すべてを満たしていると、医者はインフルエンザだと診断します。
- ① 突然の発症
- ② 高熱( 38 ℃超)
- ③ 上気道の炎症
- ④ 全身倦怠感などの全身症状
- この病原体検査には、 10分ほどで診断結果が出る「インフルエンザ迅速診断キット」が用いられることが多く、クリニックや病院の現場で広く使われています。しかし、この検査の感度は 62・ 3%で、陰性を正しく陰性だと判断する確率(特異度)は 98・ 2%とされ、完璧に間違いなく診断できるわけではないのです。
- さらに、この迅速診断キットは、発症初期のウイルス量が少ない時期では、実際には陽性なのに陰性結果が出てしまう「偽陰性」という現象が起きることがあります。
- 会社や学校で検査結果を報告しなければいけない人が、できる限り正確な診断を求めるならば、高熱が出てから半日ほど経ったあとに検査するとよいでしょう。おおむね、発熱後 12時間後〜 36時間以内に、陽性結果を得られやすいからです。
- インフルエンザウイルスは、発症前日から発症後 3〜 7日間は鼻やのどから排出されるとされ、その期間は、二次感染を引き起こす可能性が高いと言えます。
- 有名なタミフルは、健康な成人であれば、発症 48時間以内に服用すると有症期間を約 1日短縮させることが示されています。
- ワクチンの効果は、健康な 18歳から 64歳に対して、インフルエンザの発症が 59%減少するという検証結果があります。
- 家族や職場の同僚など、周囲の人にインフルエンザを感染させにくくするという社会的な意義を踏まえ、できる限り、ワクチンを接種するようにしてください。
- 「インフルエンザワクチンを打ったことが原因で、インフルエンザになるのか?」そういう質問もよく受けます。これは、明確に「 NO」です。
- 「風邪は万病のもと」は、事実です。風邪をきっかけにして、別の病気を併発することがあるのです。
- 風邪をひくと、人間の身体はウイルスとの消耗戦を強いられます。
- 発汗し、食欲も落ちるため、水分や栄養源、エネルギー源の補給もままならず、身体に蓄えている資源を削りながらウイルスと戦います。
- また、肝臓や腎臓は、薬を分解したり、体外に排出する臓器です。大量の薬を飲めば、肝臓や腎臓にも負担がかかります。そのように身体が弱った状態ですから、新たな病気の温床になりやすいのです。
- ① 症状が 2週間以上続いている
- 前述の通り、風邪は一般的に 7〜 10日で治ります。もし、 2週間以上続いている場合は、慢性疾患に移行している、または別の病気の初期症状である可能性があります。
- ② いつもの風邪と異なる症状がある
- 37ページで、「風邪をひくパターン」の話をしました。いつものパターンと違う症状があれば、別の病気である可能性があると判断できます。私の場合は、毎回、のどの奥の違和感 →寒気 →熱が出るというパターンです。
- ③ 症状が我慢できないくらい悪化している
- たとえば高熱が出てフラフラになっている。頭が割れそうに痛い。声が出ない。そうした尋常でない症状がある場合は、当然、即刻医療機関を受診してください。
- その際は、病院を受診する前に、「救急ダイヤル」「救急電話相談」などの名称で各都道府県や市区町村が提供している電話サービスをネットで検索し、利用しましょう。
- 9風邪を悪化させる人・させない人——「ひく前」にリカバーする方法がある
- しかし、風邪は、ある程度の知識があれば、ロジカルかつ戦略的に対処できるリスクです。
- 一般的に、風邪対策は次の3つに集約されます。
- ① ウイルスに近づかない
- ② ウイルスの感染経路を遮断する
- ③ 身体の抵抗力を高める
- ウィルスが身近になければ、風邪はひきません。ウイルスを身体に入れなければ、風邪はひきません。ウイルスを吸い込んだとしても、身体の抵抗力が高ければ風邪はひきません。風邪から身を守るためには、この3つの要素の組み合わせで考える必要があります。
- 実は「鼻・のど・せき」などの明らかな風邪の症状が出たら、「手遅れ」です。すでに風邪をひいてしまった状態ですから、対症療法で症状を和らげながら、自然に回復するのを待つしかありません。
- あなたの身体は、風邪をひく前のもっと早い段階で、「もうすぐ風邪をひきそうだ」というシグナルを、何らかの形で発しています。このシグナルを、本書では「超初期症状」と呼ぶことにします。
- 多くの人にとっても、「ちょっといつもと違うな」と思うくらいの「違和感」です。だから、ついそのままやり過ごして、そのまま本格的な風邪をひいてしまうのです。
- そもそも、風邪に多様な症状があるのは、ウイルスの種類、かかった人の身体の状態によって、症状に個人差が現れるためです。超初期症状も、人それぞれ異なるものですから、医者は断定的に教えてくれません。
- 風邪を水際で食い止めるためには、「自分だけの超初期症状」を敏感にキャッチするしかありません。そして、即座に対策をとり「風邪をひきそうでひかない」状態でリカバーするのです。
- 超初期症状のしくみは、風邪にかかった際、体内で起こる現象を知るとわかります。まず、ウイルスが鼻やのどから体内に入ると、白血球を中心とした免疫システムがウイルスを排除しようとします。
- 白血球の中の貪食細胞が、ウイルスや細菌を飲み込み、酵素で分解していきます。また、特定の病原体を排除する役割を持つ抗体も、免疫システムとして働きます。体内で白血球などの免疫システムが働くと、その反応として炎症が起こります。
- この炎症が、身体の部位によって、さまざまな風邪の症状として現れるのです。鼻で炎症が起こると鼻水や鼻づまり。のどで炎症が起こると、のどの痛みや、せき。全身で起こると発熱、というイメージです。
- つまり、風邪の症状とは、身体に侵入してきたウイルスに対して、免疫システムが一生懸命に作動している証拠だと言えるでしょう。
- この免疫システムが作動し始めた動きが、何らかの「違和感」を生み、超初期症状として私たちの身体に現れる可能性があるのです。
- 超初期症状は、「全エネルギーをウイルス対策に注ぎ込ませてくれ」という身体からの訴えだと思ってください。
- 具体的な超初期症状は、人によって千差万別です。たとえば、「食べ物の味が変わる」という人がいます。「集中力がいつもより続かなくなる」という人もいます。「まばたきの量が増える」「唇がやたらと乾き、つい舐めてしまう」などもあります。私の同僚は、「本が長時間読めなくなる」と言っていました。
- 繰り返しますが、超初期症状は医学的根拠があるわけではありません。あなたが風邪をひく直前の違和感は、あなたにしかわかりません。
- よく風邪をひく人は、自分の「症状のパターン」は覚えています。でも、「風邪をひく前にどんな行動をしたか」を認識している人は、ほぼいません。
- 風邪は、常に生活習慣の延長線上にあります。
- 睡眠不足が続き、疲れが溜まっているとき。
- 残業が増え、食事を抜きがちになっているとき。
- 出張で、気温差の激しい地域に行ったとき。
- 薄着でうたた寝したとき。
- せきをしている人と一緒に長時間会議したとき。
- 連日の接待で飲酒量が増え、胃腸が弱ったとき。
- 振り返ってみれば、誰にでも「そういえば、こんなときに風邪をひきやすいかも」という、風邪の「前行程のパターン」があるはずです。その前行程の最初のほうに、超初期症状が潜んでいる可能性が高いのです。
- そこで私は、風邪をひく直前 1週間を見える化する「風邪ログ」を活用しています。
- 風邪をひかなくなるための最初のステップは、「風邪をひいたときの最初の違和感は何だったか?」と問いかけて、超初期症状を認識することです。
- 風邪のウイルスは非常に小さく、決して肉眼でとらえることはできません。一般的なウイルスの大きさは 1〜 5マイクロメートル( ㎛)。インフルエンザウイルスはさらに小さく、 100ナノメートル( nm)ほどです。
- 肉眼で見えないからこそ、ウイルスが集まりやすい場所を知り、できる限り近づかないことが、風邪予防に直結します。
- そして、風邪ウイルスの増殖の最適温度は 33〜 35 ℃。24〜 37 ℃の環境下で、平均で 2時間程度は生存すると言われています。
- また、インフルエンザの患者によって放出されるウイルス量は、 1回のせきで約 5万個、 1回のくしゃみで約 10万個といわれます。
- ●風邪は「接触感染」と「飛沫感染」でうつる
- 感染症が人間に感染する経路には、大きく3つあります。
- ① 接触感染
- ② 飛沫感染
- ③ 空気感染 (飛沫核感染)
- 風邪の感染経路は、接触感染と飛沫感染がメインです。
- 接触感染とは、皮膚や粘膜同士の接触、物体の表面を介しての間接的な接触によって病原体が付着し、感染する経路です。
- 飛沫感染は、病原体を含んだ患者のせきやくしゃみなどで飛散した体液の粒子を吸い込んだりして、他人の粘膜に付着することで感染する経路です。
- 粒子の大きさが直径 5 ㎛より大きく落下速度が速いため、罹患者の近くにいる人が感染しやすくなります。飛沫感染は、インフルエンザの主要な感染経路と言われます。
- 空気感染は、飛沫感染と同じく患者のせきやくしゃみなどで感染しますが、 5 ㎛以下の粒子で感染するため、ウイルスの落下速度が遅く、長距離をフワフワと移動します。
- はしかや水ぼうそう、結核などが空気感染の代表例です。
- 風邪をひいている Aさんが、鼻や顔の周りを触ることで、手にウイルスが付着します。その手でつかんだものには、ウイルスが付着します。Bさんがそれをつかむことで、 Bさんの手にウイルスが付着します。Bさんが無意識に手で鼻や口の周りをさわり、ウイルスを吸い込んでしまう。これが、接触感染を起こす一般的な過程です。
- 階段の手すり、共用のパソコン、給湯室の蛇口、電話、冷蔵庫の扉なども危険です。
- 人は、無意識のうちに、何度も自分の顔を触っています。
- この研究によれば、 1時間当たりの顔への接触回数は、平均 23回。平均接触時間は口が 2秒、鼻が 1秒、目が 1秒でした。人は、知らず知らずのうちに、想像以上に顔を触っているようです。
- ウイルスが付着した手を顔の粘膜や口の周りに持っていくだけで、接触感染の可能性はグンと上がるのです。
- ウイルスは、自分の力で移動することができません。感染者のくしゃみやせきの飛沫に入りこんだり、モノへの接触を介して移動します。そして、その場でじっと待機し、人の体内に侵入する機会をうかがっているのです。
- いずれ干からびて死にますが、冬の時期に、せきやくしゃみで飛散したウイルスが、約 30分間も空気中に浮遊していることを明らかにした研究があります。
- 湿度が高い環境では水分にウイルスがくっつき、重さで地面に落ちやすくなります。しかし冬の乾燥した時期は、付着する水分が少なく、ウイルスが漂いやすいのです。
- このほか、風邪をひきやすくなる「危険地帯・危険物」の特徴は次の4つです。
- ① 人との距離が近い場所
- ② 閉鎖された空間
- ③ 緊密な関係の人が、風邪をひいている場合
- ④ 貸し借りしたモノ
- 風邪は接触感染と飛沫感染が代表的な経路です。ですから、その経路を生むような空間は、まずいのです。
- とりわけ、冬の満員電車は非常にリスクが高い場所です。
- 混雑していて、隣の人との距離が近く、閉鎖された空間で、つり革などを「貸し借り」していますから、危険地帯・危険物の条件がすべてそろっています。
- 私は、冬の満員電車では必ず、手袋をつけてつり革につかまるようにしています。
- 同じ理由で、同僚などと大人数で行くカラオケも、リスクが高い場所です。
- 風邪っぽい人とのデュエットなどは非常に危険です。
- 風邪をひきたくないのにカラオケが避けられない場合は、誰も触れていない殺菌済みのマイクで積極的に一番手で歌って、あとはみんなの曲を聴くことに徹しましょう。
- 定期的に窓を開けて換気するようにしましょう。
- 子どもは風邪をひきやすいだけでなく、何にでも触りたがりますから、ウイルスを媒介してしまう可能性が高いのです。
- ショッピングモールの中にあるプレイルームなどは、置いてあるおもちゃを乳幼児が舐めることもありますから、非常にリスクが高い場所だと言えます。
- また、子ども連れの多いファミリーレストランなどの飲食店も危険です。
- 絶対に風邪をひけない人は、この項目に挙げた場所はできる限り避けるのが賢明です。
- 冬になると、予防や周囲への配慮のために、マスクを着用する人が激増します。しかし、マスクの正しい着用法を知っている人は、案外少ないようです。
- マスク使用に関して、厳守すべき3つのポイントがあります。
- ①ワイヤー型のマスクで鼻と頬の隙間をなくす
- ②こまめに捨てる
- ③マスクの表面を絶対に触らない
- マスクの機能は、フィット感が生命線です。
- 街中で、鼻を出したままマスクを着用している人を見かけますが、論外です。ワイヤー型のマスクで鼻や頬との隙間を埋め、必ず顔に密着させてください。
- 薬局やコンビニエンスストアで、 5〜 7枚くらい入った使い捨てマスクを買って使用する場合、 1セットを 1日で使い切るくらいの頻度で、マスクを交換してください。
- さらに、着用したマスクの取り外し方によっても、感染リスクが左右されます。マスク表面にウイルスが付着していると、マスクの表面を触りながら取り外したあと、そのまま自分の顔を触ってウイルスを吸入する可能性が高まります。マスクを取り外すときは、耳ヒモの部分を持つようにしてください。さらに、手洗いを済ませたあとで、新しいマスクを着用しましょう。
- 無意識に口や鼻を触ったり、空気中に浮遊するウイルスを知らないうちに吸い込んだりして、私たちの「のど」は、常にウイルスの脅威にさらされています。
- のどを保湿しウイルス感染を防ぐには、何よりもまず、うがいを習慣化することです。
- 定期的にうがいをしてウイルスを洗い出し、常にのどを潤しておくことが、風邪予防に直結します。
- トイレで用を足して手洗いを済ませたら、うがいをすることをセットにしましょう。
- 理想的には、 2時間ごとなど、「ピットイン」するつもりで定期的にうがいします。
- 自宅に、市販のうがい薬を常備している人も少なくないでしょう。結論から言えば、うがい薬に風邪の予防効果は望めません。
- その実験によれば、 1日 3回以上の水うがいで、風邪症状が 36%減少し、うがい薬との差異は確認できなかった、という結果が出ています。
- 逆からいえば、 1日 3回水でうがいするだけで 4割近く風邪予防に効果を発揮できるのです。うがい薬の使用にこだわらず、外出中でもこまめにうがいをすることが有効です。
- うがいの方法を紹介します。
- ①コップに水、もしくはぬるま湯を用意する
- ②口に水を含み、正面を向いたまま「クチュクチュ」と口の中をすすいで吐き出す
- ③また口に水を含み、顔を上に向けて、「が ー」と声を出す(普通のガラガラうがい)
- 満員電車や会議室など、ウイルスが密集しやすい場所を出たあとにいきなり「ガラガラうがい」をすると、ウイルスをのどの奥に押し込む危険性が否定できないのです。
- ランチ後に歯みがきをする人は、歯みがきを終えたあとにうがいをするようにしましょう。
- 「のどを常に保湿する」という意味で、まず意識すべきはうがいの励行ですが、その次に意識しておくとよいことは、当然ながら、「飲み物を飲む」ということです。
- オフィスなどでは、飲み物をデスクに置き、 20分おきなど少しずつこまめに飲むことで、のどは潤いを保ち、ウイルス感染の可能性を下げることにつながります。できれば胃腸に負担がかからないよう、身体を内部から温めることができるよう、温かい飲み物をおすすめします。
- のどを潤すためには、飲み物を飲むだけでなく、唾液を誘発させることも有効です。唾液には、殺菌成分が含まれています。唾液は、ウイルスなどの侵入者に対する最初のブロック機能の役割を果たします。
- ただし、飴玉を大量に食べると、糖分過多や虫歯などのリスクが伴います。その点、ガムは、キシリトール配合のものなど、砂糖不使用や砂糖含有量の低い商品がたくさん市販されています。
- 味はなくなりますが、噛んでいる間、唾液を常に出し続けることができるということが、のどの保湿効果という点でガムが有効な理由です。
- また、「噛む」という行為には、心身のストレスを解消する効果があることが明らかになっています。よく噛むことで、短期記憶の能力が向上することもわかっています。
- 手を清潔に保つための「手指衛生」は、感染症予防の基本中の基本です。
- 先述した「接触感染」の多くは、人の手を介して起こります。
- 1日に 11回以上手洗いをする人は、風邪のリスクを 50%以下にできることが、複数の研究で示されています。睡眠時間を除けば、 1時間〜 1時間半に 1回、手を洗うくらいの頻度です。
- 手洗いの前提として、爪は常に短く切っておきたいところです。爪の間には雑菌が入りやすく、かつ洗いにくいため、手洗いの効果が十分に発揮されない可能性があるからです。
- 手順は、「ひっこしはおやのくび」(平・甲・指・親指・手首)と覚えておきましょう。特に、指先や指の間、親指は洗い残しが起きやすいので、意識して洗いましょう。
- たとえ潔癖症だと言われても、大切なプレゼン前、受験前や結婚式前など、絶対に風邪をひけないという人は、しつこく手洗いをすることが、風邪予防に直結します。
- アルコール自体にも、インフルエンザウイルスなどに対する抗菌作用がありますが、アルコールが揮発するときの脱水作用を利用した殺菌効果が期待されています。
- ですから、手が濡れたままだと、アルコール濃度が薄まり、殺菌効果が下がります。しっかり手を乾かしたあとでアルコールを使用し、手を振るなどしてしっかり乾かすようにしてください。
- アルコール消毒の仕方は、手洗いの仕方と同じです。爪の間も忘れずに、まんべんなく手に揉み込みましょう。
- ジェット式ドライヤーは、ペーパータオルに比べて 27倍も多く、空気中にウイルスを飛散させたという実証データがあります。
- 使い捨てペーパータオルが圧倒的に清潔である
- 濡れたままの手にはウイルスが残っており、乾燥した手に比べて 100〜 1000倍のウイルスを運ぶ可能性があると言われています。
- 鼻は、超高性能の空気清浄機であり、加湿器であり、異物除去装置です。
- 鼻の最も重要な機能は「加温」と「加湿」です。
- 冷たい外気を鼻で吸入すると、のどに流れていく過程で温度 30 ℃前後、湿度 90%前後にまで加温・加湿されます。
- 鼻で呼吸すれば、潤いがあり、温かい空気が、のどの奥から肺へ流れていきます。
- もう1つの空気の入り口である「口」には、鼻ほどの加温・加湿機能はありません。
- 冷たく乾燥した空気を口から吸い込むと、そのまま直接のどの奥に入りやすく、気管を痛める原因になります。
- また、鼻から吸い込まれたゴミやほこり、細菌、ウイルスなどの異物は、鼻の粘膜で産生される粘液と、鼻の奥の内側を覆っている綿毛の運動によって絡みとられ、鼻の奥に運ばれていきます。
- その結果、たんとして体外に排出されます。
- 鼻水やたんを飲み込んだ場合は、消化管の中で消化液によって分解されますが、異物を体内に取り込むことになりますから、鼻水やたんは、できる限り飲み込まずに体外に排出しましょう。
- さらに、異物、冷気、刺激物質などが鼻粘膜を刺激すると、くしゃみ、鼻汁、鼻粘膜腫脹、声門閉鎖などの反射をひき起こし、のどの奥へ異物が侵入するのを防ぐ働きがあるのです。
- つまり、できる限り鼻呼吸を意識し、鼻の保湿機能や異物除去機能を活用することが、風邪予防につながるのです。
- 鼻の通りが悪いと口呼吸に偏り、のどが渇きやすくなります。
- のどにウイルスが吸着しやすくなり、風邪ウイルスの侵入を許しやすくなるのです。
- 鼻水の色や形状、粘り具合を確認すると、体調悪化のシグナルを察知できます。
- 鼻水は、透明、白、黄色、緑色と色にバリエーションがあります。
- 色だけでなく、サラサラ系からネチョネチョ系、さらには固形状態(いわゆる「鼻くそ」)まで、形状もさまざまです。
- 私たちの鼻の中では、毎日 1〜 2リットルもの鼻水が作られます。
- 健康なときの鼻水は、水のように透明でさらさらとしていて、鼻に入った細菌やウイルス、ほこりなどの異物を体外へ押し出す役目を担っています。
- 白い鼻水は、鼻水の中に風邪の原因となるウイルスや、これらと戦った白血球の死骸が混じることによって発生すると言われています。
- 白っぽい鼻水(一部、透明な鼻水も)は、風邪のひき始めに出ることが多いですから、仕事をセーブして早めに回復モードに切り替えるサインだと言えるでしょう。
- 「黄色っぽい鼻水」は、ウイルス、細菌、白血球の死骸が、白っぽい鼻水よりも増加している状態であることが多くなります。
- 風邪をひくと、白っぽい鼻水から黄色っぽい鼻水へ変化していくことがあるでしょう。
- 黄色い鼻水は、免疫が機能し、ウイルスと戦っているサインと言えます。
- ここで油断して無理すると、風邪をこじらせて肺炎や気管支炎などの他の病気のきっかけになることがあります。
- また、透明な鼻水は、風邪だけでなく、アレルギー性鼻炎の可能性も高いでしょう。
- アレルギー性鼻炎にかかると、鼻の粘膜がアレルギーの物質に反応して鼻水を大量に出します。
- スギなどの花粉、ハウスダスト、ペットのフケなど原因はさまざまですが、細菌やウイルスではないため、鼻水に色が付いたり粘度が増すことは少ないのです。
- また、病原体が鼻の奥の「副鼻腔」という空洞に入って炎症を起こすと、副鼻腔炎(蓄膿症)が発症し、膿の混じった黄色〜緑色の鼻水が出ることがあります。
- ドロッとした粘性の強い鼻水が出るのが特徴です。
- 誰しも、人の見えないところで、こっそり「鼻くそ」を掃除しているでしょう。この「鼻くそほじり」は、理論的に、風邪のリスク要因になりえます。
- ここまで繰り返してきたように、誰かと接したり、何かを触ったり、外に行ったりすると、原則、ウイルスは自分の身体のどこかに付着しているものと考えるべきです。
- さまざまなものに触れる指先には、ウイルスが付着している確率は高くなります。「鼻くそほじり」は、指先のウイルスを鼻の粘膜に刷り込む行為だと言えるのです。
- 鼻の中には鼻毛が生えています。鼻毛は、生理的な「フィルター」です。体外からの埃や細菌、ウイルスを絡めとる役割を果たしています。
- その結果、異物が鼻水に混じって固形化したものが、いわゆる「鼻くそ」です。鼻くそ掃除は、そうしたウイルスなどの異物を鼻の奥へと押し込む可能性があります。
- ●伸びた爪で鼻の中をいじってはいけない
- 爪にある程度の長さがあると、鼻くそを絡め取りやすくなります。しかし、伸びた爪で鼻くそ掃除をすると鼻の内側の粘膜を傷つけ、鼻の中に感染を広げる可能性があります。伸びた爪の間にウイルスや細菌が潜んでいることもあるのです。もちろん、鼻をほじるなとは言いません。
- 93ページの方法でアルコール消毒や手洗いをしてから行なうようにしてください。
- また、鼻の中に指を入れるのではなく、鼻をかむことで鼻掃除をするのも、感染リスクを下げることにつながるでしょう。
- ●「鼻毛」を切りすぎない
- 「鼻毛カッター」などを利用して鼻毛を切ることは、身だしなみには大切なことです。しかし、先述の鼻の「フィルター機能」を低下させるおそれもあります。外から見えない程度にとどめ、鼻の奥の毛まで切りすぎないほうがいいでしょう。
- 風邪をひいた人がせきをすると、つばやしぶきは 1〜 2メートル前方まで飛散します。目の前にいる人がせきをすれば、明らかに自分の顔にウイルスが届く距離です。ウイルスは閉鎖された室内を浮遊していますから、それを吸い込む恐れがあります。
- ●飛行機は日常生活の「 113倍」風邪をひきやすい
- また、せきによる飛沫は、 45分間ほど空中に残存するとも言われます。
- 地方出張や海外出張から戻ってきた後に風邪をひく人は多いでしょう。出張で風邪をひきやすくなるのには、4つの理由があります。
- ①疲れを溜めやすい
- 遠距離の街から街への移動は、体力を消耗します。慣れない場所で睡眠も浅くなったり、ゆっくり食事ができないこともあるでしょう。疲れによる体力や気力の低下で、風邪をひきやすくなるのです。
- ②密閉した交通手段で移動する
- ウイルスの巣窟になる可能性が高い密室空間に、不特定多数の人と一定時間をともにします。当然、ウイルスにさらされるリスクが増大し、感染リスクが高まります。
- ③地域による寒暖差が大きい場合がある
- 寒暖差の大きい場所を短期間で移動すると、体温調節がうまく機能せず風邪をひくことがあります。出張先が思った以上に寒くて、持ち合わせの服装では肌寒く感じるような場合も、リスクは高くなります。
- ④ホテルや旅館が乾燥している
- ホテルは防音・防湿を目的に気密性の高い構造になっており、乾燥しやすい環境です。翌朝起きたらのどがカラカラだった、という経験をした人も多いでしょう。ホテルは、風邪ウイルスの恰好な生存条件が整っています。
- ホテルなどで宿泊する場合の風邪対策のカギは、「加湿」です。
- 湿度が 40%以下になると、ウイルスを取り囲んでいる水分が蒸発して軽くなり、ウイルスが空気中を漂いやすくなります。
- 浮遊するウイルスがコップや衣類に付着したり、それを手で触って鼻や口に持って行きやすくなるのです。ウイルスを浮遊させず、早く死滅させるために、室内を意識的に加湿することが風邪対策につながります。
- ・加湿器や電気ポットを活用する
- 最近は、ビジネスホテルでも加湿器を設置しているところが増えました。部屋に常備されていなくても、フロントに問い合わせて無料で貸してもらえるところもありますから、積極的に活用しましょう。加湿器がない場合は、電気ポットで湯を沸かすだけでも、湿度は上がります。
- ・バスタブにお湯を張ってドアを開けておく
- 次善の策は、シャワーだけで済ませる場合でも、バスタブに湯を貯めておくことです。できれば熱めの湯を貯めて、風呂のドアを開けておくのです。ただし、ホテルによってはこれを禁止している場合もあるので、注意してください。
- ・枕元に「ぬれタオル」をかけておく
- 部屋が広かったり風呂からベッドまでの距離が遠いと、蒸気が充満しにくくなります。そういうときは、バスタオルやフェイスタオルを濡らしてハンガーなどにかけ、ベッドの近くにおくだけでも効果的です。
- ここでは、風邪をひいたあとの段階を、前期・中期・後期の3つに分けて考えます。これは医学的な定義に基づくものではなく、私の感覚的な分類です。前期はいわゆる「ひき始め」。中期は「症状のピーク」。後期は「治りかけ」です。
- ひき始めは、悪化して長引かせないために、もっとも注力すべき時期です。
- 超初期症状が、一般的な風邪の初期症状に悪化してしまった形です。そうなると私は即刻 2日先までスケジュールを確認し、できる限り内勤に変更します。それと同時に、漢方薬の服用を始めます(漢方薬の紹介は第 4章参照)。
- また、重ね着したり、室内でもセーターを着るなど、あたたかい服装にします。マスクを着用して、のどの加湿にもつとめます。
- さらに水分を意識して多めにとり、早めに帰宅し、いつもより長く寝ます。生活を「風邪モード」にスイッチし、徹底的に早期回復につとめるのです。
- そして、「のどの違和感」から悪化することなく、通常の体調に回復してきたら、少しずつスケジュールを戻していきます。
- のどの痛みだけでおさまらず、鼻水やせき、発熱など次の症状が出てきたら、本格的に回復モードにチェンジします。まず意識するのは、徹底的に寝ることです。厳密にいうと、スキあらば身体を横たえるようにします。
- 立ったり座っているだけで体力を消耗するため、「省エネ」を意識するのです。夜は、枕元に「着替え・スポーツドリンク・タオル」を準備して床に入ります。
- 熱が高くなって汗が出たら、タオルで拭いて、間髪入れず着替え、水分補給します。吸収されやすく栄養分も豊富なスポーツドリンクを、常温で飲みます。
- そして、ひたすら眠り続けます。
- 食事は、水分多めで胃腸に負担をかけないゼリーやプリン、うどんやおかゆなどを食べます。
- どうしても仕事する必要がある場合、メールは打たず、布団の中から電話で対応します。電話では大きい声を出さず、できる限り短い時間で終わらせます。
- この時期の最優先事項は、「治すこと」ではなく「悪化させないこと」です。人間の自然治癒力を最大限に活用できる環境を整えることに、頭を切り替えます。
- 症状のピークを過ぎると、熱は下がり、のどや頭などの痛みも和らいできます。すぐに全開で仕事に復帰したくなる気持ちを抑えて、「ひき始め」と同じような生活を続けます。
- 病み上がりの身体は、修復過程で大忙しで、まだ体力が回復しきっていません。
- 少しラクになったからといって、急にバリバリ仕事をしたり、遊びに行ったりすると、別の風邪ウイルスに感染したり、風邪以外の病原体に感染する可能性もあります。
- また、とくに意識しているのは、家族や同僚など、自分以外の人に風邪をうつさないことです。
- 自分自身から常にウイルスが出ているイメージを持ち、マスクの着用や頻繁な手洗いはもちろん、必要以上に人と近づかないようにします。
- その後、ひき始めから 1週間くらい経ったころ、ようやく全開モードに戻します。
- 実は、風邪をひいても病院に行きたがらない医者は少なくありません。それには、3つの理由があります。●病院で、別の病気をうつされるリスクが高いから ●風邪は自然治癒することを理解しているから ●余分な体力を消耗したくないから
- ●冬の病院は「ウイルスの巣窟」
- 病院内のすべての場所のあらゆるものに、ウイルスが付着していると考えることが基本姿勢です。とくに、風邪のハイシーズンとなる冬の病院は、待合室も満杯です。
- 風邪を治したくて病院に行くのに、他の病気をうつされる可能性が高いのです。
- ①滞在時間を極力短くする
- ②マスクは必須
- ③病院内のものにはできるだけ手で触れない
- ④「 1タッチ 1消毒」を徹底する
- ⑤帰ったらすぐに手洗い・うがい
- 言い方を変えると、超初期症状は、身体からのクレームだとも言えます。
- 病院の滞在時間を極力減らすために、医者がより的確に診療するために、左のようなオリジナルのメモを自分で作成して、医者に渡すことをおすすめします。
- 症状メモのほかにも、痛みや症状の変化を、自分の中で 10段階評価するのも、医者に伝わりやすくする工夫の1つです。「のどの痛みが、昨日は 3くらいだったのが、今日は 8くらいになっているんです」変化率を伝えたいのですから、数値を活用すると有効なのです。
- 医者が診察の現場で「ちょっと様子をみましょう」と言うことがあります。これは医療用語で「経過観察」と言います。経過を注意深く見て、変化があればすぐに対処するという医者の姿勢を示す言葉です。
- あくまで一般論ですが、企業人として働いた経験のある医者はほとんどいません。
- そういう抜き差しならない個別の事情は、医者の頭にはありません。医者は基本的に、「じっとおとなしく家で寝て安静にしている場合に、どれくらいで回復するか」というシナリオを描こうとします。
- 「過去の病気」や「家族の病歴」は、医療機関の問診票でも見かけるでしょう。ここは、「風邪とは関係ないだろう」と思って、詳しく書かない人も多い欄です。しかし、医者にとっては、次のようなことを判断する貴重な情報になります。・遺伝的な病気の可能性がないか?・これから処方する可能性のある薬が、悪影響を及ぼさないか?・大病をしたことで、抵抗力や栄養状態が悪くなっている可能性はないか?
- より正確かつ安全な治療を促すためには、できる限り伝えるべき情報なのです。「こんな些細なことは伝えなくてもいいだろう」と自己判断してはいけません。問診票の質問にきちんと答えることが、あなたのためになるのです。
- 風邪に「抗生物質」は効かない——「不適切な風邪薬」の恐るべき副作用
- 風邪薬を服用するときの注意点は、「薬は毒になりうる」ということです。不要な薬を飲むと、身体にダメージを与えることになります。
- 風邪薬は、風邪を「根治する」ものではなく、「症状を緩和する」だけです。適切な時期、適切な内容、適切な量で使って初めて役に立つものです。
- ●説明なく「抗生物質」を出す医者を信用するな
- 毒になる可能性が高い薬の代表的な存在が「抗生剤」(抗生物質)です。抗生剤を風邪の特効薬だと思っている人がいますが、非常に危険な考え方です。
- そもそも、抗生剤は「細菌」を殺す薬であり、「ウイルス」を殺す薬ではありません。ウイルスを殺す薬は「抗ウイルス剤」です。
- 風邪の原因の 8割以上はウイルスですから、ほとんどの風邪に抗生剤は効きません。「抗生剤でウイルス性の風邪が早く治った」という確かなデータは、世界中どこを探しても見当たりません。
- 抗生剤の副作用として代表的なものが、下痢です。お腹の中にたくさんいる腸内細菌という良性の細菌が抗生剤によって殺され、それが原因で下痢が起こります。そのほか、蕁麻疹や肝機能障害などの副作用もあります。
- さらに怖いのが、耐性菌の出現です。抗生剤を使うほど、薬に負けじと細菌が強くなり、抗生剤は効きにくくなります。抗生剤を飲んだだけ、体内で着実に細菌が強くなっていくのです。現在、世界中で耐性菌が増えて、抗生剤の効き目が相対的に弱くなっていることが社会問題になっています。
- ●症状が消えても細菌は生きている
- 抗生剤が必要なのは、明らかに細菌感染症が疑われるときです。たとえば、のどが真っ赤になり膿がへばりつく細菌性の咽頭炎や扁桃炎は、細菌感染の可能性が高く、抗生剤が必要になります。
- また、のどのさらに奥に細菌が入って気管支炎や肺炎を起こした場合など、風邪から二次的に細菌感染がおこったときに、抗生剤は正しく機能します。
- ●「抗ヒスタミン薬」を飲んだら運転は避けるべき
- 抗生剤だけでなく、風邪薬には副作用があります。たとえば、風邪薬だけでなく、花粉症や鼻炎などのアレルギー治療薬、睡眠改善薬などにも含まれる「抗ヒスタミン薬」は、飲むと眠気が出る場合があります。また、仕事のパフォーマンスを低下させることも、明らかになっています。
- 「無自覚でパフォーマンスが低下する」という意味で「インペアード・パフォーマンス」と呼ばれる現象です。
- 風邪薬を飲んだとき、眠気はないが何か集中できない、ミスが増える、同じことを繰り返してしまうなどの経験がある人は、このインペアード・パフォーマンスが起きている可能性があります。
- 日本全国に薬局はいくつあると思いますか。答えは約 5万 8000軒です。実に、コンビニエンスストアとほぼ同じ数です。
- 薬局は病院よりも空いていることが多くスムーズに対応してくれますし、これまで私が接してきた経験から言えば、薬剤師は、医師よりも親切な人が多い印象があります。
- なお、ジェネリック薬は、基本的に先発薬と同じ効果がありますが、添加物が異なっていたり、普段飲んでいる薬と形状が異なる場合があります。添加物によるアレルギー症状などが心配な方は、「希望しない」と伝えましょう。
- ②は、処方せんをスマートフォンなどで撮影し、その画像をインターネット上で薬局に送付し、薬の準備ができたら連絡が来るシステムです。
- 「おくすり手帳」や「電子お薬手帳」を携帯していると、薬剤師が既往歴や服用歴・副作用歴などを素早く確認できます。お薬手帳も「症状メモ」の一種です。
- 「過去の情報だから必要ないだろう」と自己判断しないでください。とくに、現在飲んでいる薬の情報は、薬の飲み合わせの良し悪しを判断する上でとても大切です。
- アルコールには、中枢神経の抑制作用があり、酩酊状態になり、ぼーっとしてろれつが回らなくなりますが、風邪薬で中枢作用の抑制作用が増強される場合があります。また、普段からアルコールをたくさん飲んでいると、薬が正しく作用しないだけでなく、副作用が強くなる場合もあります。
- また、多くの薬は肝臓で分解されますが、アルコールも肝臓で分解されます。風邪薬とアルコールのダブルパンチが、疲れた肝臓に過度の負担をかけます。
- また、栄養ドリンクにはカフェインが入っているものが多く、睡眠を妨げることになりかねません。気になる人は、「カフェインレス」と表記されているものを選ぶとよいでしょう。
- 他人にうつして、自分の風邪が治ることは絶対にありません。前述の通り、一般的に風邪の症状のピークから回復までは 3日ほどかかります。ピーク時に誰かと接していれば、 3日後以降に自分の風邪が治り、相手が風邪を発症します。
- 結論から言いますと、これは「条件付き OK」です。風邪をひいたときに風呂を「控えるべき」と言われる理由は、「湯冷め問題」に起因すると思われます。体を急激に冷やす環境は、風邪状態の人にとって最悪です。
- 風呂が家庭に普及していなかった時代は、銭湯帰りに湯冷めすることがありました。家の風呂でも、脱衣所が寒かったりドライヤーがないと、湯冷めしやすくなります。入浴自体は、風邪回復に良い効果をもたらすこともあります。のどや鼻の加湿につながり、鼻づまりにも有効です。血行を良くし、身体の新陳代謝も促進します。皮膚を清潔にすることで汗をかきやすくなり、発汗作用もスムーズに機能します。
- なお、銭湯、岩盤浴、サウナなどは、先ほどの「湯冷め」する環境を作りやすいですし、何より周囲の方に迷惑をかけることにもなりますから、避けるのが賢明です。
- 現時点では、医学的には、ビタミン Cの風邪予防・回復に対する効果はないと指摘されています。ビタミン Cを多めに摂取しても、健康への影響はほとんどありません。必要以上に摂取しても、尿と一緒に排出されます。反対に、あまりにも多く摂り過ぎると、下痢や胃腸障害を引き起こすこともあります。
- もちろんビタミン Cは、コラーゲン生成や傷の治癒、免疫系の強化など、身体にとっては必要ですが、わざわざサプリメントを飲まなくても、食事から十分なビタミン Cを摂取できることがほとんどです。
- 風邪をひいたときだけビタミン Cを大量補給するのではなく、日ごろからビタミン Cを含めたバランス良い食事を意識することが、一番の風邪予防につながります。
- ただし、アスリートなど身体的負荷が高い人にはビタミン Cが有益であるという研究があります。激務が続く肉体労働をされている人の風邪予防には検討の価値はあります。
- うがい薬に風邪の予防効果は期待できません。
- 健康な成人 387人を対象に、水とポビドンヨード(うがい薬)のうがいを 60日間比較試験したところ、 1日 3回以上の水うがいにより、風邪症状が 36%減少し、うがい薬との差異は確認できなかったというデータがあります。
- 逆からいえば、水うがいだけで 4割も風邪症状の軽減に効果があるのです。
- 最近発売されている空間除菌グッズなどは、医学的な根拠に乏しく、消費者庁からも公式に警告的な措置命令が出されているものもあります。
- もちろん、寒気がするような時は暖かくしたほうがよいですが、熱が上がって汗が出てきた段階では、過剰な厚着は避けましょう。
- 体は発汗することで熱を下げようとしますから、アクリルなどの熱がこもりやすい服を重ね着などせず、綿素材など通気性の良い服で、こまめに着替えることが大切です。
- 正しい治し方を知ることで、風邪という「倒せない敵」への戦闘体制が整います。
- ●できる限り「身体を横たえる」
- いうまでもありませんが、睡眠は風邪からの回復法の基本中の基本です。寝られるだけ寝ることが、回復への最短距離です。
- ベッドで横になっているだけで、回復効果があるからです。風邪だけでなく、疲れが溜まっているときや体調不良の際は、「横になる」が鉄則です。
- 座位や立位は、それだけで身体への負担が増えます。座ったり立ったりしていると、身体は姿勢を保つために筋肉が緊張します。
- その緊張を維持するために筋肉に血流を送らなければならず、回復に集中させるべきエネルギーを消費します。
- 風邪ひきの状態は、身体にとっての非常事態です。財務状況が悪化しているのに、さらなる投資に踏み切れば、経営環境は悪化します。非常事態に貴重なリソースをほかに割くのは、賢明な戦略ではありません。
- 横になって体力やエネルギーの温存を図り、風邪対応に身体を集中させるのです。
- ●1つ仕事をやろうとするだけで回復が遅れる
- 眠たくならなければ、無理に眠ろうとする必要はありません。身体を横たえることで血圧の変動は小さくなり、呼吸も整い、筋肉の緊張もとれていきます。
- 安静にしている身体の中では、一生懸命に免疫システムが作動し、風邪ウイルスを排除する働きをしてくれています。
- 普段の生活では、副交感神経が優位になるとリンパ球が活性化し、身体の抵抗力がより強まるとされています。常にピリピリと緊張しているより、リラックスすることを心がけたほうがよいでしょう。
- 横になっているのが退屈なら、好きな音楽を聴いても良し、本を読んでも良し。時間が経って目や耳が疲れたら、自然と眠りに落ちるでしょう。風邪をできる限り早期に治すことは、今注力すべき最大の仕事です。きちんと風邪を治してから、フルスロットルで追い付けばいいのです。
- そもそも、睡眠不足は、風邪の発症リスクを増加させます。これは、ギリシャやアメリカなど世界中の研究結果として明らかになっています。
- また、人間関係上のストレスを抱えると、風邪の発症リスクを増加させることもまた、複数の研究で示されています。ストレスは睡眠によって解消される部分が非常に大きいため、ストレスと睡眠不足と風邪は、密接な関係にあるのです。
- ●「徹夜」の恐ろしいリスク
- とくに「徹夜」は悪影響のオンパレードです。徹夜は昼間の眠気や全身倦怠感、頭重感、不安など身体・精神に悪影響を及ぼします。
- また、血圧や血糖や中性脂肪の値を上昇させ、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症(高脂血症)などの生活習慣病や、心筋梗塞や脳血管障害のリスクを高めることが明らかにされています。身体の抵抗力を低下させ、インフルエンザなどの感染症、がんの可能性も高まります。
- ほかにも、食欲を抑えるレプチンを減少させる一方で、空腹感を感じ食欲を促進するグレリンを増加させるため、肥満を引き起こすことも知られています。
- おまけに、記憶力や集中力を低下させます。学生であれば成績を下げることに、社会人であれば仕事上の能率や生産性を下げます。交通事故や産業事故のリスクを上げることにもつながるのです。
- 徹夜は何としても避けるようスケジュール管理をしましょう。
- のどの痛みが強いときは、「しゃべらない」が立派な治療になります。口を開けて話をすると、のどが乾燥し、さらに、風邪ウイルスをばらまきます。のどが痛いということは、のどに炎症があるということです。
- 炎症治療の基本は、 Rest(休息)です。
- のどの粘膜が弱っているのに口を開ける回数が増えると、乾燥を助長しかねません。弱っている身体の部位は、病原体の格好の攻撃対象です。風邪に加え、さらに別の病原体を重複感染させてしまうリスクも否定できません。
- ●「刺激物で消毒」は最悪
- のどが痛みが悪化すると、唾を飲むのも辛くなります。水ですら痛みを増幅する可能性がありますから、刺激物は絶対に避けてください。特に、アルコールやタバコ、香辛料は絶対にやめましょう。
- 喫煙者は慢性的に呼吸器系器官に炎症があるため、せきが長引きやすいと言われます。
- 実際、風邪をひいたとき「せきが止まらない」と訴える患者さんは、喫煙者であることが少なくないのです。のどの痛みを感じ始めたら、タバコを控え、会話をできるだけ減らし、刺激物を避けましょう。
- 鼻をかんだあとのティッシュには、膨大な風邪ウイルスが含まれています。ウイルスと戦った白血球等の残骸やウイルスのかけらなども含んでいます。「汚い」という感情的な面だけでなく、実際に感染源の塊のようなものなのです。
- 鼻をかんだティッシュを丸め、ゴミ箱に「シュート」する人がいます。ナイスシュートならまだしも、落ちたり誰かに当たれば、職場でウイルスをばら撒いているようなものです。机の上に放置すれば、乾燥したウイルスが空気中に飛散するリスクも上がります。
- インフルエンザ患者のティッシュの中で、ウイルスが 8〜 12時間生存しているという研究すらあるのです。
- 鼻をかんだティッシュの理想的な捨て方は、まずフタ付きゴミ箱を選ぶことです。ゴミ箱の表面寄りではなく、隙間を見つけて奥の方に捨てましょう。
- フタつきゴミ箱がなければ、ビニール袋に入れて縛ってから捨てるのもいいでしょう。
- ●部屋を分離し、共有物もできる限り分ける
- 風邪をひいた家族から、ウイルスは絶え間なく排出されています。寝ている部屋にはびっしりウイルスは漂い、布団にもウイルスは付着しています。着替えるパジャマにも、汗を拭いたタオルにも、水分補給したコップにもいるのです。
- ウイルスは目に見えないからこそ、「そこにいるかも」という意識で行動をコントロールする姿勢が大切です。まず、風邪をひいた家族は、できるだけ特定の部屋にいてもらうことが大切です。
- 食事も、着替えも、決まった部屋で済ませ、できるだけウイルスの飛散を防ぐのです。
- そして、風邪をひいた家族が使うものは、できるだけ分離してください。手を拭くタオル、歯磨きのコップ、食事のお皿や箸も共有せず、ティッシュを捨てるゴミ箱を隔離した部屋に常設してもいいでしょう。
- そして、風邪ひきの家族と接点を持ったら、その都度、手洗い・うがい・アルコール消毒を徹底しましょう。
- ● 1週間のスケジュールを組み直す
- 潜伏期間から計算して、家族が風邪をひいたときから 1週間はヘビーなタスクを入れないでおこうと決めて、頭の片隅に入れておくのです。
- 確率が見込めるリスクには備えるのが、リスクマネジメントの原則です。「そこまでする必要があるの?」と思う人もいるかもしれません。でも、厳密にすることで風邪を回避できる可能性があるのなら、トライする価値はあると思うのです。
- ●相手に配慮した「風邪ひき相手の対応法」 4原則
- ①接する時間を短くする
- ②物理的な距離をとる
- ③物品の貸し借りはしない
- ④別れたあとはダッシュでトイレへ
- 別れたあとは、できるだけすぐにトイレに行き、うがいと手洗いを徹底しましょう。打ち合わせが長引くときは、途中休憩のトイレでもうがいと手洗いを意識しましょう。
- 日本で漢方を愛用している人は少数派かもしれません。実は、医者の間では、漢方愛用者は少なくありません。
- 漢方を敬遠する人は、漢方薬よりも西洋薬、いわゆる総合感冒薬や解熱鎮痛剤などのほうが効き目が強い、と思っているかもしれません。しかし、漢方薬は、適切なタイミングで、適切な薬剤を使用すると、より早い回復を助けることがあると言われています。
- 古来、人類は世界のいろいろなエリアで風邪と戦ってきました。文化の中心に漢方があった中国をはじめとするアジアはもちろん、日本でも、漢方で風邪と戦ってきた歴史があります。その歴史の中で、東洋医学の漢方は鍛えられてきたのです。
- 東洋医学は、患者の体質に基づいた処方を行うのが基本です。「風邪なら ○ ○を飲め」という単一の答えではなく、「 □ □の体質を持っている人が風邪をひいたら △ △を飲む」といったように、個別の体質に沿った処方が基本姿勢です。体質に合った漢方薬を処方すると、ピタッと効くケースがあるのです。
- ただ、日本には漢方を専門にする医師が少ないのが現状です。現在、 30万人程度の医師数のうち、漢方専門医は 2148人( 2017年 11月現在)しかいません。
- 個人的に、西洋薬はほとんど服用しません。西洋薬を嫌うわけではなく、漢方薬が自分の体質に合っているという経験則があるからです。
- もちろん、漢方薬も薬の一種ですから、効き目と同時に副作用が出る場合もあります。漢方薬を服用する際は、必ず医者の指示に従って飲むようにしましょう。
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