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一つの会社に発注する VS複数の会社に発注する

一つの会社に発注する VS複数の会社に発注する  とあるリフォーム会社の話です。そこの社長が「実は工務店から強気の値下げ交渉をされている」と私に相談をしてきました。  その会社は一人社長なのですが、 50人くらいの大工さんを外注できるほど人脈が豊富で、その工務店にも大工さんを派遣していたそうです。相手の工務店は社長に対して「たくさん仕事を発注してやっているのだから、少しくらい値下げに応じろ」と、その一点張りで、こちらの話を一切聞こうとしないそうです。  さすがにいきなり契約を切られても困るので、要求を呑もうと考えているけど、かなりの値下げを要求されているので困っている……そのような相談でした。  そこで私が「現状でそこの工務店の全体の仕事のうち、どのくらいの割合を御社で受けているの?」と聞いてみると、「 6割くらいの仕事はうちが下請けしています」という答えが。それを聞き、私は「それなら値下げは拒否して大丈夫です」と伝え、安心してくださいと社長に言ったのです。  社長は「どうしてですか?」と不思議そうな表情でしたが、これはとても簡単な話です。なぜなら、 6割も下請けとしてシェアを持っているのであれば「その価格でやれというなら、明日から下請けは一切受けません」と言ってしまえば、その工務店はあっという間につぶれてしまうからです。  そう伝えると、社長は「わかりました」と言って帰り、その後うまく交渉がまとまったと連絡がありました。  以前、 Amazonがヤマト運輸の運賃値上げ要求に応じるというニュースがありましたが、そのニュースを聞いたとき、私はこのリフォーム会社のことを思い出していました。  ヤマトは日本を代表する運送会社ではありますが、それでも GAFAの一角である Amazonという世界的企業に比べると、その規模は見劣りします。しかし、 Amazonはヤマトの運賃値上げ要求に応じました。  もちろんさまざまな理由があるとは思いますが、一番大きな要因として推測できるのが、シェアの理論です。ヤマトは Amazonの配送シェアのうち大部分を占めており、仮にもしヤマトが Amazonの物流を止めてしまったら、 Amazonはすべてのビジネスが止まってしまうのです。   Amazonや先ほどの工務店のように、発注側が常に絶対に強い立場というわけでは決してありません。シェアさえ持っていれば、下請けが逆に強くなるケースも出てくるわけです。自分が下請けなのであれば、自分の会社を使わざるを得ないような状況を作っていくのが重要だと言えます。  ユニ・チャームやドトールコーヒーの創業者などを門下生としていた経営コンサルタントの一倉定さんが言うには、シェア率が 10%以下の会社は「限界生産者」と言って、不況になったらすぐに切られる可能性がある会社なのだそうです。つまり、商売するのに限界があるということ。だから、自分の会社が限界生産者になってはダメだし、限界生産者と付き合うのも連鎖倒産などの影響を受けるため、ダメだと言っています。  一倉さんの経験上、安定的なシェアは大体 35%なのだそう。そのくらいのシェアを持っていれば、不況に陥ったとしても相手は簡単に切れないという話でした。  常に自社の取引先のシェア率はチェックしておくべきです。  自社が発注側であれば、一つの会社に依存しない体制を作る。受注側であれば、取引先でのシェア率を高める。これが大切です。

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