人間カリーダーシップの発揮
リーダーシップを発揮するために最も重要な才能の一つは、「コミュニケーションスキル」だろう。
メンバーに単に情報を伝えるだけではなく、仕事の使命、「意味」や「感情」を双方向でやり取りすることによつて分かち合い、チームとしての「共通認識」を持つことが肝要だが、そのために必須なのがコミュニケーションの能力だ。
リーダーには、ビジョンや進むべき方向性を自らの言葉でわかりやすくメンバーに語りかけ、伝える力が必要だ。
いわば「話す力」であるが、もう一つが「傾聴力」、すなわち相手の立場に立って話を聞き、気持ちを慮ることが求められる。
この二面がコミュニケーションスキルの基本と言えよう。
コミュニケーションがとれている状態とは、相手が何を望み、何を言いたいのか、相手が今どのような状況にあり、何について悩んでいるかがお互いによくわかり合っている状態だ。
阿昨の呼吸に近い状態になることが重要で、「わかっている=情報として知っている」というだけでは足りない。
リーダーとしてメンバーと信頼関係をつくる基本は、まず「メンバーについて知る」ことだ。
その上で、成果を達成するためにメンバーの強みに基づき、チームにおける「最適な役割」を考え、編成し、実行する。
さらに、チーム全体の「仕事のリズムとスピード」を停滞させないように、メンバーの能力、知識、改善点を理解し、チームで相互に補完するように導くことが求められる。加えて、結果だけではなく、日標達成に向けた個々のプロセスにも関心を持たなければならない。
メンバーの仕事が高度になればなるほど、プロセスにおける問題点や進捗状況、改善点を共有し、メンバーのモチベーションを引き出すマネジメントカが求められる。
マネジメントスキルの幅を広げるためにも、緊急でない業務では、教えるのではなく、本人の中にある「解」に気づかせるように、問いを投げかけ、共感を加速するためにもメンバーの話をよく聞くようにする。
メンバー自らが課題は何かを考え、主体的に行動するようにするためである。相手が話しやすく、相談しやすい雰囲気をつくることが前提になる。そうした環境が醸成されていないと、隠蔽体質が育ってしまう可能性が高まる。
進捗状況がよくわからず、どこに問題があるのかを掘り下げることができないという壁に突き当たってしまうかもしれない。
そうでなくとも、密なコミュニケーションを取ることが難しくなってしまう。
いずれにしても、メンバーの立場に立って状況を理解し、次なる行動をともに考えるために、聞く耳を持つことがコミュニケーションの第一歩だ。
共感の傾聴は、メンバーとの信頼関係を高め、チームのシナジーを創り、チームカを高めることにつながる。
リーダーは、メンバーの強みを引き出し発揮するためにも、状況に応じてリーダーシップスタイルを使い分ける必要がある。
経験、知識のないメンバーに対しては、具体的かつきめ細かく仕事の内容を説明する高指示・低支援の指示型リーダーシップスタイルを行う必要もあるだろう。
質問においては、オープンエンド質問(自由回答の質問)を多用することが求められる。
そうすることによつて、メンバー自身が相手との対話だけではなく、自らとの対話により、新たなアイデア、発想に気づき、モチベーションを高めることにもつながるのだ。
チームカを発揮するためには、チームメンバーが状況を正しく把握し、何をすべきか考え抜くことで、それぞれの役割を認識して、行動する必要がある。
リーダーとメンバーの関係は、いわゆる垂直型の組織の上下関係ではない。リーダーの立ち位置は、チームの真ん中に位置し、いわば「ハブ」のような存在であり、その上でフラットな集団を形成するのが一番だ。
チームは、リーダーとメンバーおよびメンバー間の相互作用により、育まれるものだ。そのため、最強のチームをつくりあげ、維持するために、テームリーダーとして最大限に磨くべきものは、メンバーに共感できる「感受性」だ。
感受性は、状況を的確に認識し、判断し、問題を解決するためのベースとなるものだ。では、いかにしてチームを成長させていくのかというと、さまざまなメカニズムの構築が必要となる。
その中でも根幹となるのが、「ビジョン・方向性・目標の共有」「オープンな議論」「情報の共有」「コミットメント」「PDCAサイクル」を促進するためのメカニズムだ。
2マネジメントに求められるリーダーシップ行動
マネジメントの役割は、突き詰めれば期待される「成果」をきちんと出すことに尽きる。結果の出ない「経営」はありえない。
顧客への貢献の結果として、事業の利益を出すのが「マネジメント」に求められる最大の役割である。
一.我々の「事業の使命」は何かを考えるそもそも私たちは「何の」ために事業を行つているのか、事業の「使命」を考え、組織の一体感を創る必要がある。
事業の使命の視点が等しく高くないと、同じ仕事をしていても「仕事の目的」が大きく異なることになり、責任感や使命感にも差異が生じる。その使命の先にあるのが、社会であり顧客だ。
私たちは「何を」「誰に」提供するのか、顧客のニーズは何か、顧客起点に立って顧客価値をどのように高めるのかを常に念頭に置く必要がある。
そのためには市場の「変化」を先取りし、絶えず業務を見直し、顧客に正直、誠実に最善を尽くすことが求められる。さらに私たちは、社会。
人に役立つことは何か、また、どのように貢献すべきなのか、仕事の先にあるものは何かを考え、その目標を達成することに生きがいを見出すべきと私は考える。
二.ビジョン、進むべき方向性を明確にし、人・組織に影響を与えるマネジメントとして、中長期に何を実現したいのか、その「ビジョン」を明確にし、組織の将来の「あるべき姿」を明らかにする。
また、ビジョンをなぜ達成したいのか、その目的を熱く語り、部下と共有し、仕事の判断、行動の基準にする。
三.戦略に基づき短中期のゴールロ標を設定し、成果の最大化を図る「着眼大局着手小局」(物事の流れ、大局をつかみ、行動計画は着実、綿密に)の視点から市場、事業環境、顧客の変化を予測し、収益性、将来性を見通し、実行計画に基づき行動する。
マネジメントとして事業環境の変化の激しい中、できる限り客観性を持った判断、意思決定を心掛ける。機を逸することがないようにスピード感のある組織的行動を行う。
効果的な組織運営を行うために計画を立案し、日標とするKPIを共有し、実行に向けてR(リサーチ)十PDCAサイクルを回し、行動を検証し、ギャップを埋める。
また、日標の精度、妥当性を高めるために、なぜこの目標なのか、どういう成果が得られるのか、ハードルは何かを全員に腹落ちさせる。
マネジメントは経営リソースを効果的に管理し、成果を最大化するためにも権限の委譲を積極的に行う必要もある。
事業に対する強い信念に基づき、組織として決定しコミットした数値、定性目標の達成にはこだわりと責任を持つて実行するという心構えも肝要だ。
四.チームメンバーがやりがいを感じる働きやすい環境を創るテームメンバーのやる気を高めるために、事業の運営の透明性、公平性、納得性を高め、彼らがいきいきと働きやすい職場を創る必要がある。
そのためにも常日頃から部下とのコミュニヶlションにより情報やムードを共有し、組織の価値観に基づく行動を展開する。
また、コンプライアンスの遵守については最優先とする判断・行動を組織として徹底する。
五.部下に仕事の権限を委譲し、「人材育成」の責任を担う部下が役割と責任を自覚し、自律的に行動できるように仕事を任せるとともに、部下の強み、やる気に基づき新しい挑戦的な業務に取り組む機会を与え、人材として成長させ、さらなる組織貢献を促す。
マネジメントの重要な役割は、組織ごとの後継人材を計画的に育成し、会社の将来を担う社員を育て、事業を持続的に成長させることである。
3マネジメントとして判断・意思決定の質を高めるマネジメントとして最高の仕事をするにはどうすべきかを、常に考える必要がある。
顧客、上司、部下および関係部署の期待はどのようなものか、事業目線の視点から事業全体の流れを見通し、何をすべきか大局観を持って考え、対応する。
顧客には当然、顧客起点に立った考えをベースに対応する。事業環境の変化に応じて顧客に遅滞なくソリューションを提案し、顧客と共に共創する姿勢が重要だ。
組織全体を俯腋し、何が求められているのかを考え、逃げずに「覚悟」を持って意思決定する。また、部門の最終意思決定者としての責任を自覚し、判断し行動する。
関係部署との調整は、組織連携の質を高めることを意識し、協働行動の関係性を確立し、全社最適を優先させる。部下の仕事が、部門の戦略。
日標とどのように関係しているのかという接点を説明し、理解させる。また、できる限り部下に仕事の権限を委譲し、仕事を任せ、組織全体の業務能力を高める努力をする。
マネジメントの重要な業務の一つが、臨機応変に的確に状況を判断し意思決定を行い、事業の成果を出すことである。
そのためにも、外部要因、ビジネス環境だけに目を向けるのではなく、先述したように、日頃から部下とのコミュニケーションを通じて、足元の変化の兆候をも感じ取り、部下の特性(強み、弱点)を見極め、先見性を持って現在の状況を正しく読みとり、判断する必要がある。
加えて、部下の仕事に対する考え方、癖を見抜き、自分勝手な思い込みを指導する必要がある。
過去の成功体験から抜け出せずに、現在のやり方が正しいと思い込んでしまい、結果的に判断ミスにつながるということは多いものだ。
そうした思い込みや殻を破ってあげるのもリーダーの務めだと心得てほしい。そうした努力をせず、先を読めずに、その場しのぎで対応すると、図2判断。意思決定のようなリスクに遭過することになる。

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