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ポテンシャルの高い人間を採用 VSヘッドハンティング

ポテンシャルの高い人間を採用 VSヘッドハンティング  これは私見も入ってしまうのですが、私の経験上、ヘッドハンティングされてやってきた人の中で、会社にとって本当に有益になる人を一度も見たことがありません。  以前、顧問をしていた会社が上場するということで、準備のための監査役としてお手伝いをしたことがありました。  その会社には経理が 3名いて、社内の一般的な経理業務をする人が 2名と、会計知識が求められる専門的な仕事をする人が 1名という内訳でした。一般的な経理業務に関してはとくに問題はなかったのですが、専門業務の担当者は驚くほど入れ替わりが激しく、毎月会社に訪問するたびに人が代わっているような状態でした。  さすがにこれでは仕事にならないだろうと思い、役員に事情を聞いてみると、全員がヘッドハンターからの紹介で、専門職を採用しているとのこと。「自社で採用しないのですか?」と聞くと、「ヘッドハンティングのほうが優秀な人が集まるし楽だから」とのことで、ヘッドハンティングを中心とした採用を続けていくと言われたのです。  ただ実際には専門業務の担当者はどんどん辞めているという現実もあるため、「これだけ辞めるのであれば、採用のほうにも問題があると思いますよ」と伝えると、「でしたら、次から一緒に面接していただけませんか」とお願いされ、それ以降の面接は私も同席することになりました。  実際にヘッドハンティングで来た人を面接してみると、「どうしてこんなことを言うんだろう」という人ばかりで、驚きました。たとえば、「今こちらの面接を受けていますが、別で大手商社の〇〇も受けていて、おそらくそちらが決まりそうです」と、面接で平気で言うわけです。  私が思わず「なるほど、ではぜひ〇〇さんに行ってください」と言うと、その人はキョトンとしていました。私からすると「大手商社と天秤にかけて決まりそうなのであれば、商社のほうが絶対にいいのだからそっちに行ってくれ」という意図があったのですが、それが彼らにはまったく伝わらなかったようです。  それはさておき、会計の専門業務担当者を採用するための面接は、難航を極めました。優秀な人材を紹介してもらえるものの、本当に会社にとって有益な人が見つからなかったからです。  基本的に、ヘッドハンティングで来る方のほとんどはお金が目当てです。中には「やりがい」という方もいますが、割合としては、「今の条件よりももっといいところで働きたい」という方が多いです。もちろん、普通の転職でもそういう方はいますが、ヘッドハンティング経由だと、これが非常に顕著です。  お金目当ての人は、お金で動きます。とくにヘッドハンティングのサイトに登録している方は優秀な方が多いので、ヘッドハンターからもっと条件のいいところを紹介されると、会社に居着くことなく、次の職場へすぐに移ってしまうのです。  ヘッドハンターという仕事は、紹介料として紹介した人の年収の何割かを会社からもらう報酬形態のため、優秀で年収が高い人を優先的に紹介する傾向にあります。そのため、彼らが持ってくる案件をそのまま素直に受けて採用すると、すぐに辞めてしまうリスクが生じるのです。  結局、その会社はまたヘッドハンティングを使うという話だったので、私がヘッドハンターに話をし、次のような条件を出すことにしました。「専門的な業務だけれども実務経験ゼロでいいです。その代わり、知識だけはある素直な人を連れてきてください」  もともと、この会社が数人規模のときは、私が顧問として会計税務を担当していました。ですから、ちゃんと会社に居着いてくれれば、私が業務を教えられたのです。だから、即戦力ではなくポテンシャルを重視して、かつしっかりと居着いてくれる人を紹介してもらう、という意図がありました。  すると、その後ヘッドハンターから連絡があり、実務経験はないけれども日商簿記 1級の資格を持った、とっても素直な方が入社することになりました。  ポテンシャル採用とはよく言ったもので、 3カ月ほど実務を教えると、その方はほとんどの業務を一人でできるようになりました。それどころか、監査法人が使うオリジナルのソフトなどの入力もあっという間に覚えて、私のほうが勉強になったと感じるほどでした。  数年後、その会社はうまくいかずに清算する流れになるのですが、その方は清算の最後まで仕事をやり遂げていました。  私のクライアントの中で経理を探している会社がたくさんあったので、どこでも紹介しますよと伝えたのですが、次に働く会社は見つかっているとのことで、ここでの実務経験はすごく大きかったと最後に感謝を伝えられました。  ヘッドハンターから人材を紹介してもらうのは、悪いことではありません。しかし、人を見極めるというのは経営者に求められる能力なので、社長ならば人を見る目をしっかりと養っていかないと、本当に会社にとっていい人材を採用することが難しくなってしまいます。  最近は SNSを利用した採用などもありますから、ヘッドハンターからの紹介一辺倒になるのではなく、自社でしっかりと力を発揮する人材を育てるということも意識しながら、人材採用を行うようにしてください。

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