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プロローグ「心」と「声」は密接につながっている

はじめに

世の中を見わたすと、スキルや能力はそれほど変わらないのに、契約・商談・プレゼンといった「ここ一番」という場面で成功する人もいれば、そうでない人もいます。就活面接もしかり。

スキルや能力はほとんど同じなのに、面接官に好感を持たれる人とそうでない人がいます。

この差はいったいどこからくるのでしょう?企画力や段取りのわずかな差?説得力や交渉術のわずかな差?就活面接ならば外見でしょうか?学歴でしょうか?数え上げたらキリがありませんが、1つの大きな要因として「声の出し方」、すなわち声が聞き取りやすいか、声が聞き取りにくいかが関係しているというのが私の持論です。

面接を例に出すと、緊張のしっぱなしで早口でしゃべる、無表情でしゃべる、小さな声でモゴモゴとしゃべる、「ブツ、ブツ、ブツ……」と細切れでしゃべるというようなことがあります。

これだと相手への訴求力も半減し、相手からの印象も悪くなります。コミュニケーションにも支障をきたすようになります。

それゆえ「ここ一番」という場面でチャンスを逸してしまうわけです。

そういう人でも、自分にとって一番好ましい声の状態をあらかじめ知っておけば、その声を「本番」で出すことで、緊張感を大幅に緩和することができると同時に、訴求力のある話し方で相手の心を動かすことができるようになります。

しかも、好ましい声がいつも出せるようになれば、自分に自信が持てるようになるため、心の状態もポジティブになり、それが仕事や人間関係にも好影響をおよぼすようになります。

今までわずかな差で失敗をしてしまった人が、大差で勝利をおさめることができるようになります。そのための方法を簡潔・明解に説いたのがこの本です。

まず第1章では、自分の声のどこに問題があるかを知ることで、最良の声を出すためのウォーミングアップ法について解説します。

第2章では、最良の声を出すための発声レッスンについて、かなりのページ数を割いて解説。最短・最速でマスターできるようにしました。

第3章では、第2章で述べたことを踏まえ、最良の声をさまざまなビジネスの場面でどう生かすかについて解説していきます。

第4章では、声が決め手の電話応対で生かす方法についても言及しました。

いずれにしても、この本を最後までお読みいただければ、声に対する悩みやコンプレックスといったものが消えると同時に、トップセールスパーソン、できるビジネスパーソンを目指す人にとって不可欠なスキルが習得できるものと確信しています。

そして、私からあなたにお願いがあります。この本で記してあることを「すなお」に実践してほしいのです。ただ、それは世間一般が言うところの「すなお(素直)」とはちょっと異なります。

私が言う「すなお」とは、「す」……すぐに、「な」……(この本で)習ったことを、「お」……思い切ってやる。という意味です。

「すぐに、習ったことを、思い切ってやる」ことで、いち早く自分の声の素晴らしさに気づき、自信を持って声が出せるようになります。

それによって、これからの人生に勇気と希望が持てるようになります。あなたの「声」は世界で1つしかない自分だけの宝物。これは磨けば磨くほど輝くダイヤモンドの原石とまったく同じ。さぁ、これから私と一緒に声を磨く旅に出かけましょう。

そして、近い将来、仕事で劇的な成果を生み出すきっかけが、この本によってもたらされ、その効果を実感していただければ、筆者にとってこれに勝る喜びはありません。

島田康祐

プロローグ「心」と「声」は密接につながっている

目次

失敗してしまう話し方「エッ?」とよく聞き返されるのはなぜか?

ビジネスシーンにおいて、私たちは大なり小なりいつも誰かと会話をしています。職場の上司・先輩、同僚・後輩・部下、得意先の人、お客様、出入り業者の人……。

そこで、まずはあなたにお尋ねします。

「プレゼンの用意はほぼ完了しました。あとは先方にアポを取るだけです」といったような言葉を上司に告げたとき、上司から「エッ?」と聞き返されることはありませんか。

「この商品は期間限定販売で、在庫はもうここにあるだけなんです」といったような言葉をお客様に伝えようとしたときも、お客様から「エッ?」と聞き返されることはありませんか。

あるいは、同僚と会話したときのことを思い出してください。

「今日は暑いね(寒いね)」「連休はどこかに遊びに行くの?」こういった言葉を何げなく口にしたとき、同じく「エッ?」と聞き返されることはないでしょうか。

いかがですか?思いあたるフシがあるのではありませんか?では、なぜ「エッ?」と聞き返されるのか。それは相手にとって、あなたの声が聞き取りづらいからにほかなりません。

こう言うと、この本を手にしたばかりのあなたは凹んでしまうかもしれませんが、あなたをいじめるつもりでこんな質問をしたのではありません。

逆に言えば、あなただって誰かと会話をしているとき、「エッ?」と聞き返すことがしばしばあるはずです。

それもまた、あなたにとって相手の声が聞き取りづらいからなのです。聞き取りづらいというのは、言い換えると、あなた(相手)の声が本来の声ではないからなのです。つまり、本当の自分らしい〝最良の声〟でしゃべっていないということなのです。

聞き取りづらい声あなたの声が聞き取りづらいのは「心の状態」が関係している

聞き取りづらい声というのは、具体的にどういう声の状態を言うのでしょうか?思いつくままザッと挙げただけでも、こんなにあります。

  • 小さな声
  • か細い声
  • 暗い声
  • 鼻声
  • ダミ声
  • モゴモゴとこもる声
  • 甲高い声
  • うるさい声
  • 息苦しい声
  • かすれた声

実は、これらの声に共通しているものがあります。それは「心の状態」です。そう、あなたの心の状態がそのまま声に反映されているのです。

たとえば、商談で大きな契約をまとめなくてはならないときのことを思い起こしてみてください。そういうときは誰でも緊張します。

「もし、商談がまとまらなかったらどうしよう」という不安でいっぱいになりますよね。とにかく、頭の中はプレッシャーでいっぱい。

そのため、いざ商談を迎えると、言いたいことが頭の中で整理できなくなる……。緊張のあまり、呼吸も浅くなる。早口でしゃべろうとする……。だから、個人差もありますが、おのずと小さな声・か細い声・モゴモゴとこもった声になってしまう……。

結果、相手も聞き取りづらくなり、「エッ?」と聞き返すようになるのです。

声とコミュニケーション声が聞き取りづらいとあなたの印象も悪くなる

相手から聞き返されるのには、次のようなパターンがあります。

「今月は何としてでも営業ノルマを達成しないと、あとがない。この契約をまとめないと……」といったような焦燥感にかられたときがそう。

こういうとき、頭の中はとにもかくにも契約をまとめることしかありません。だから「押せ押せ」の一点張りのトークで、相手を急かそうとします。

すると、どうしても強い口調にならざるを得なくなり、甲高い声やうるさい声になってしまいます。こうした声も考えもので、聞かされる人によっては騒音のように思えてきて、聞き取りづらくなります。

ましてや、相手が契約内容を真剣に検討しているときに、矢継ぎ早にそれをやられようものならどうなるか。たいていの人は、あなたの話を聞く気も起きないかもしれません。

これですと相手に伝わるものも、うまく伝わらなくなります。訴求力も激減し、印象も悪くなります。結果、コミュニケーションは破たんして商談もまとまらなくなってしまうのです。これは何も、商談に限ったことではありません。

プレゼンでいつも失敗する人、営業成績が低迷しているセールスパーソン、面接でいつも落とされる就活生といった人たちも、「自分の声の出し方──声の状態」に問題があり、それは心の状態が反映されたものにほかならないのです。

声の重要性人は「話の内容」よりも、その人の「声」を重視する

ビジネスシーンを見わたすと、同じ商品を売り込もうとしたり、同じサービスを提供しようとして、みるみる営業成績を上げる人もいれば、そうでない人もいます。

この差はいったいどこからくるのでしょうか。実はこれ、声による「ハロー効果」が少なからず関係しています。

ハロー効果とは、人や物事を評価するとき、第一印象がプラス(マイナス)だと、そのほかのことに対してもプラス(マイナス)の評価を抱くようになる、人間独特の心理的な作用のことを言います。

わかりやすい例を出して説明しましょう。

たとえば、あなたがレストランに行ったとします。まず、乾杯のあと、ワインを口にしたら、とても美味しかった。前菜も申し分のない味。

すると、そのあとに続くスープやメインの料理も美味しく感じ、そのお店の料理全体に好印象を抱くようになった……というような体験はありませんか。

逆に、ワインも前菜の味もイマイチ。そうしたら、そのあとに続くスープやメインの料理もイマイチでさしたる感動はなかった。

だから、レジで会計をすませたあと「また来るのはやめよう」と思った……というような体験はありませんか。同じことは人との会話においても言えます。

車を買い替えようと思っていた矢先、セールスパーソンが訪ねて来たとします。

「はじめまして、□□の田中と申します」という第一声が、明るくハリのある声だったので、自分の心に気持ちよく突き刺さった。

表情もとてもにこやか。そういうときって、とりあえずそのセールスパーソンの話を聞いてみようという気になりますよね。

そして、新車のカタログを受け取ったら、にこやかな表情はそのままで、今度はやわらかな声でとても丁寧に説明を始めてくれた。

ここでも好印象!そうなると、別れ際には「新車を購入するなら、あの人から買おう」という気持ちになってしまいます。

逆に、「はじめまして、□□の田中と申します」という第一声が、小さくこもっていて、表情もどことなく暗かったとしたらどうでしょう。話を聞いてみようという気にはなりませんよね。

百歩譲って、カタログを受け取って話を聞いたとしても、小さくこもった声で説明を受けたら、うんざりしてくるだろうし、「この人から買おう」という気にはならないはずです。

そうです。人は「話の内容」よりも、その人の「声」を重視するのです。

そして、声と表情(心の状態)は相関関係にあり、心がプラスの状態だと人から好かれる声になり、マイナスの状態だと人から敬遠される声になる。

それが仕事の成果にも大きな影響をおよぼすようになる。まずは、このことをしっかり頭の中に入れてほしいのです。ただ、こう言うと、あなたのこんなつぶやきが聞こえてきそうです。

  • 「人は話の内容よりも声を重視するというが、自分の声質は生まれ持って備わったものだから、今さら変えようがない」
  • 「声は心の状態が反映されたものだというが、自分の場合、落ち込んだときなど、そう簡単に心をプラスに切り替えることなんてできない」
  • しかし、心配は無用です。

詳しくは、このあと、順次お話ししていきますが、ほんの少しのトレーニングを行うだけで、あなたは瞬く間に最良の声が出せるようになり、最良の声を出すことで心までプラスの状態に切り替えていくことが可能になるのです。

声の変化今のあなたの声は「本当のあなたの声」ではない

「自分の声質は生まれ持って備わったものだから、今さら変えようがない」こう思っている人は、今、しゃべっている声が本当の自分の声だと勝手に思い込んでいます。でも、それは思い違いもいいところ。今、しゃべっているあなたの声は本当のあなたの声ではない。

あくまで後天的なものであると断言しておきます。考えてもみてください。

私たちは誰もが、この世に生を受けた瞬間、オギャーと病院中に響きわたるような元気な産声を上げて生まれてきました。

純真無垢でハリのある声です。でも、5年、10年と経つにつれ、声の出し方も変化していきます。大きな声でしゃべるようになる人もいれば、小さな声でしゃべるようになる人もいるといったように……。その1つの大きな要因として「生まれ育った環境」が関係しています。

たとえば、広々とした田舎で生まれた人は、お昼時ともなれば「ご飯だよ~」と、屈託もないのびのびとした大声で、農作業をしているおじいちゃんを呼びに行きます。

そういう大きな声が出しやすい環境で育てば、おのずと普段しゃべる声も大きくなります。これに対し、家が密集している都会で生まれた人は「そんな大きな声を出したら近所迷惑でしょう。苦情がきたらどうするの」と家族から言われ続けるため、自然とふだんからしゃべる声も小さく、か細くなります。

もっと極端に言えば、両親が共働きのため、いつも留守番。友達とほとんど遊ぶことなく、いつも独り部屋で過ごしていたらどうなるか。推して知るべしです。

つまり、生まれた瞬間の産声は同じであっても、生まれ育った環境によって、声の質は良くも悪くも変わっていくのです。

声とストレス今のあなたの声はこれまでの人生によって変わってしまう

声の変化は生まれ育った環境だけにとどまりません。

たとえば、生まれ育った場所が田舎で、大きな声でしゃべる人であっても、中学に進学して、そこでもし、いじめにあったらどうなるでしょう。

おそらく、いじめにあったことがトラウマとなり、声も小さく、暗く、か細くなったりするかもしれません。人によってはモゴモゴとこもるような声の性質になることもあり得ます。

あるいは、学生時代は順風満帆にやってこられたとしても、社会人になったとたん、連日のように上司から「なんだ!この営業成績は!」「きみは会社の役に立っていないな」というような罵声を浴びせられ続けたらどうなるでしょう。

ストレスは溜まりに溜まり、自信も喪失。声のハリはなくなり、これまた小さく、暗く、か細くなり、ついにはストレスで声が出なくなることもあるのです。

もちろん、逆のケースもあります。

どちらかと言うと、暗くて、モゴモゴとこもる声だったのに、少年野球の監督を引き受けたとたん、大きく、ハリのある、トーンの高い声に変わったという人が私の身近にいます。

おしなべて言うと、今あなたが発しているその声は、これまでの人生の現れなのです。

小さな声だとしたら、か細い声だとしたら、暗い声だとしたら、モゴモゴとこもる声だとしたら……それはストレスやトラウマによる〝いたずら〟以外の何ものでもないのです。

そう、今のあなたの声は本当のあなたの声ではない。本当のあなたはもっともっと素晴らしい声をしている。他人を魅了するだけの声質を持って生まれてきた。

しかも、本来の素晴らしい声、他人を魅了する声質は、これから述べるちょっとしたトレーニングで、いとも簡単にフィードバックできるようになる。

まずはそのことに、ぜひとも目覚めてください。

間違った声の出し方「声」にマニュアルは必要ない!

多くの人は、自分の今の声が本当の自分ではないという真実に気づこうとはしません。いや、この真実を惑わそうとするものに妨害されているといったほうが正解でしょうか。

たとえば、就活生を対象にした面接の受け答えのマニュアルがその典型です。

マニュアルの中には、「声のトーンは2音高くしなさい」「3000ヘルツの周波数の音を含む声を出すように努めると、通る声になり、面接官の印象も良くなる」といったように、全員に画一的な指導をしているものもあります。

でも、そんなことをしても、いい声なんか出せるはずがありません。

声帯の長さも、大きさも、骨格も人によってまちまちなので、声のトーンは人それぞれ違うのが当然だからです。

なかには「胸を張って顎を引いて、硬直して真面目そうに話しなさい」とレクチャーするところもあります。

これなどは私に言わせれば言語道断もいいところ。就活生にしてみれば、面接に臨むだけでも緊張します。しかも、面接官に自分をアピールしなければなりません。まさにドキドキの連続。

そんなとき、胸を張って顎を引いて、硬直して真面目そうに話したら、どうなるか。心身ともに硬くなり、声が出づらくなるのは目に見えています。

だから、そういう情報に惑わされている就活生に対して、私は「胸を張って必要以上に顎を引くことなんかありません。

姿勢の重心を足の親指にそれぞれしっかりと乗せて前に置いたほうが自然体でしゃべれるようになりますよ」とアドバイスするようにしています。

つまり、マニュアルに固執することなんかないのです。100人いたら100通りの声の出し方があるのです。だから、極端な話、大きな声であっても、多少口ごもり気味でもいいのです。それも、その人の個性。

個性を生かした形で、自分らしくストレスのない状態で、心のバランスと調整を図りながら、自分にとって一番好ましい声を出すように努める。これがもっとも大切なことなのです。

一般的に好かれる声相手にとって聞きやすく、好かれる声とは?

自分の本当の声を出すとはいうものの、聞き取りづらい声・好ましくない声があるとしたら、聞き取りやすい声・好ましい声があるのも事実です。

あくまで一般論ですが、聞き取りやすい声・好ましい声というものをいくつか挙げておきましょう。

一般的に言われる「好かれる声」の特徴

  • ■力がある声声量があると、物事の伝わり方が格段と良くなります。
  • ■明るい声性格も明るくなり、他人にパワーや元気を与えます。
  • ■よく通る声呼吸と発声がしっかり連動している証拠です。
  • ■響く声響く声は、相手がうっとりとつい聞き入ってしまうので、説得力や癒される効果もあると言われています。
  • ■やわらかな声やわらかく話すことを意識すると、相手に緊張を与えず、好感が得やすい包容力のある声として、とても有効です。

しかし、繰り返し言うように、100人いたら100通りの声の出し方があるので、これらはあくまで目安・参考として、自分にとって一番好ましい声の状態を知り、それをいつも口に出すように心がければいいのです。

声と私について私がNHK受信料開拓営業で全国トップ3に入った理由

ここで、少しだけ私の話をさせてください。私は中学生のとき、3年間、ずっといじめられていました。

しかし、音楽の先生が私の声や音楽のセンスを褒めてくださり、生きる勇気や自分の存在価値を保つことができました。そういうこともあって、高校卒業後は東京音楽大学(声楽専攻)に入学。

卒業後は聖徳大学大学院へと進みました。声楽の道を極めたかったから?それも少しはありますが、理由はほかにもありました。本当は音楽の教師になりたかったのです。

しかし運が悪いというか、大学の卒業のときに地元北海道での音楽教員採用枠がなかったのです。この状況は大学院の修士課程を修了するころも変わりなく、やはり採用枠はありませんでした。

「それならば……」と、私は海外へ留学することを考え、留学費用を貯めるべく、NHKの新規受信料開拓営業の仕事を始めることにしたのです。

住宅街、工事現場、自衛隊基地の周辺……どれだけいろいろなところを回ったことでしょう。とくに自衛隊基地の周辺を回るときなど、飛行機が行き交うため、大きな声を出さざるを得なくなります。でも、よく通る声が災いすることもあり、アパートなどを訪問して説明していると、ご近所にも内容が筒抜け。

「あっ、NHKの受信料の人が来た。次はウチに来る」と察知されたのか、居留守を使われることもしばしばありました。

しかし、不思議なことに私の成績はうなぎ登りだったのです。「なぜだろう?」自分なりにいろいろ考えるうちに、ある事実に気がつきました。

冒頭でも述べましたが、訪問先の人と会話をしているとき、「エッ?」と聞き返されることが一度もなかったのです。

むしろ、自衛隊基地の周辺を回ったときなど、飛行機の音で「こんなにうるさいのに、あなたの声は聞きやすいね」と言われたこともあるくらいです。

その瞬間、私はこう思いました。訪問先の人から「エッ?」と聞き返されたことが一度もない。騒音極まりない環境の中でも「あなたの声は聞き取りやすい」とも言われる。これは大学で声楽を専攻し、お腹から声を出す訓練をしていたからではないか。

よくよく考えてみると、訪問先でお客様と会話をしているときは、いつも腹式呼吸(この重要性については第2章で解説)を心がけていました。

いや、心がけているというよりも、習慣として染みついていたと言ったほうが正しいでしょうか。

とにかく、これに気を良くした私は、その後も「この(声の)状態にさらに磨きをかけよう」と、なりたい自分、すなわち受信料の新規開拓営業で次々と成果を上げている自分をイメージしながら、自分にとって一番好ましい声を「本番」で出すように努めました。

その結果、NHK新規受信料開拓営業で、全国トップ3を退職まで果たし続けることができたのです。

自信の持てる声あなたの本当の声を知れば、仕事のパフォーマンスも上がる

NHK新規受信料開拓営業のあと、私はプルデンシャル生命保険にヘッドハンティングしていただき、転職を決意して入社しました。そして、フルコミッション営業マンとして働くようになりました。

こうしていつしか海外留学を断念、現在はこれまで約10年間、営業で経験したことを生かして、自分が自分らしく生きるためにヴォイストレーニング事業をメインとして活動するようになりました。

北海道から沖縄まで全国各地の小中高の合唱教育を指導・サポートするほか、経営者やビジネスマンを対象とした話し方やテレアポ・プレゼンスキル、就活生の面接などのヴォイストレーニングする個別指導を始めたのです。

自分自身の体験をもとに、自分の本来の声を知り、心の状態を安定させて、声の出し方を変えるだけで仕事のパフォーマンスが劇的に上がることに確信を抱いた私は、そのことを大勢の人たちに伝えたかったからです。

すると、これがものすごく好評で、私のもとにはうれしい報告が数多く寄せられるようになりました。

「同業者がひしめく中、プレゼンが一発で通りました」「営業成績最下位だったのが、みるみるアップし、トップに躍り出ることができました」「商談で億の契約をまとめることに成功しました」「お客様から電話の応対が別人のように良くなったと褒められました」「面接で緊張することなく受け答えができるようになり、第一志望の会社から内定の通知をもらうことができました」などなど。

念のために申し上げておくと、私はこの人たちに取り立てて難しいことをレクチャーしたわけではありません。むしろ、いたってシンプル。

自分にとって一番好ましい声の状態を知ってもらい、それを「本番」で口に出せるように指導しただけです。

前にも述べたように、私たちはみんな元気な産声を上げて生まれてきました。

しかし、生まれ育った環境やその後の生活環境など、後天的な影響によって、声の質も変わるようになりました。

聞き取りづらい声、仕事に支障をきたす声を出すとしたら、その際に受けたストレスやトラウマによるもの。それが尾を引き、心の状態として反映されたものにほかなりません。

しかし、自分にとって一番好ましい声の状態を知れば、ストレスやトラウマにブレーキをかけることができます。さらには、緊張感が大幅に緩和します。

緊張感が大幅に緩和すれば、心身ともにリラックスし、自分のペースでしゃべれるようになり、コミュニケーションも円滑に図れるようになります。そして、これがもっとも重要なことですが、自分に自信が持てるようになります。

自分に自信が持てるようになれば、心もそれに同化するようになり、積極的に考え、積極的に行動できるようになります。つまり、プラスの連鎖が起こり、仕事や人間関係全般に好影響をおよぼすようになるのです。

声の考え方声が変われば心が変わり、人生も変わる

私がプルデンシャル生命で教えていただいた大好きな言葉があります。

  • 考えが変われば、行動が変わる。
  • 行動が変われば、習慣が変わる。
  • 習慣が変われば、性格が変わる。
  • 性格が変われば、人格が変わる。
  • 人格が変われば、人生が変わる。

これは名言と言っていいでしょう。

しかし、理屈ではわかっても、最初の一歩、すなわち心を変えることはままなりません。考えてもみてください。

今月も営業ノルマが達成できず、上司から罵声を浴びせられた……。電話営業しても、誰からも相手にされず、すぐにガシャンと切られてしまった……。あれだけ周到に準備したのに、今回もプレゼンが通らなかった……。また、面接の受け答えでとちってしまった……。

そういうとき、瞬時に気持ちをパッとプラスに切り替えられますか。無理ですよね。「どうせ、次もダメに決まっている……」という失望と落胆の気持ち、落ち込んだ気持ちを引きずったままではないでしょうか。

ということは、いつまで経っても、最初の一歩である「心を変える」ことは不可能ということになります。そこであなたに提案します。

「考えが変われば」の前に「声が変われば」というワンセンテンスを加えてみてはどうでしょう。

そうです。

「声が変われば、考えが変わる」をモットーにするのです。

前述したように、自分にとって一番好ましい声の状態を知れば、自分に自信が持てるようになります。自分に自信が持てるようになれば、心もそれに同化するようになり、積極的に考え、積極的に行動できるようになります。

しかも、心を変えることは難しいけれど、声を変えることはけっして難しいことではありません。

詳細はこれからお話ししていきますが、私が独自に編み出した発声調整法を行えば、誰でも最良の声を出すことが可能になります。

それも数日、いや人によっては数時間で……。そして、瞬く間に心に好影響をおよぼしていきます。ウソか本当か、だまされたと思って、とにかくこのあとも読み進めてください。そして、自分にとっての最良の声に気づいてください。それをビジネスの現場で生かしてください。

そうすれば、仕事で劇的な成果を生み出すことができるようになり、意識しなくても、心が変わる自分に気づいていくはずです。いや、心だけではありません。

日が経つにつれ、態度も習慣も行動も変わっていく自分が認識できるようになるはずです。さぁ、あなたの最良の声を出すためのトレーニングの始まりです。

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