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ビジネスの王道は「 TTP」

 もう一つ、プロダクトをつくっていくうえで重要なことがあります。  それは「 TTP」。〝徹底的にパクる〟の略称です。「パクる」という言葉にはネガティブなイメージを持つかもしれませんが、うまくいっているビジネスやサービス、製品の要素や構造を参照するという、いまやビジネスの王道の考え方です(* 1)。  ゼロからイチを生み出すのは非常に難しいこと。新しい商品やサービスを山勘で撃ちまくるのは、はっきり言って非効率です。そこで、先人の知恵をうまく利用するわけです。  製造業が、他社の製品を分解して、構造やつくり方を研究するというアプローチは昔からありますが、製造業以外でも、まずは、「なぜこのサービスは流行っているのか」「なぜこのサービスを実現できたのか」と、「 Why」を何度か繰り返しながら、うまくいっている構造を仮説でもいいから細かく分解していくのはとても有効でしょう。  そのうえで「キーとなる構造をパクる」のです。  たとえば、使い勝手が非常に良いと評判のある I Tサービスが流行っているなら、なぜ、最初から使い勝手が良いのか、カスタマーサポートのあり方、デザインはどういう考えで行なわれているのか、カスタマーサポートの質をどう担保しているのかといったところまで踏み込んで分析したうえで「パクる」ことが必要です。  あるソフトウェア製品が流行っているからといって、見た目だけ似せても、本家にはまず勝てません。  個人のニーズに即したレコメンドができる点がウリだとすれば、そのデータ取得やレコメンドの「仕組み」をマネする。価値に差がなくても価格が低いなら、低い原価で生産・提供できる仕組みをマネするといったように構造をマネしないと、うまくいかないのです。  さらに言えば、「 TTP」だけだと先行している企業に勝てませんから、「 TTPS」、〝徹底的にパクったうえで進化させる〟ことが重要です。  常にユーザーが求めているものを意識しながら、自分たちがもともと持っている価値やアセットを活かして、自分たちの色を出していく。そうすれば、競合他社を上回る魅力を打ち出すことができます(* 2)。 *1米大手広告代理店トンプソン社の常任最高顧問だったジェームス・ヤングが名著『アイデアのつくり方』において「新しいアイデアは、既存のアイデアの新しい組み合わせにすぎない」と言ったように、ユニークネスのある商品と言われるものでも、その大半は、既存の何かの要素を違う形で組み合わせたり足したりして生み出されています。同じ業界だけでなく、違う業界にもヒントがたくさんあります。 *2新しいプロダクトを開発しているとき、その業界に詳しい人に話を聞くと、問題がクリアになることも。しかし、たくさんの人に聞くとわけがわからなくなってきます。先輩社長からビジネスアイデアをいただけることもありますが、鵜呑みにせず、きちんと取捨選択しましょう。そのためには、自分なりに仮説を持って聞くことが大切です。

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