9.1 モニタリング,測定,分析及び評価
9.1.1 – 般
組織は,次の事項を決定しなければならない。
a)監視(モニタリング)及び測定が必要な対象 b)妥当な結果を確実に得るための,監視(モニタリング),測定,分析及び パフォーマンスの評価の方法 c)監視(モニタリング)及び測定の実施時期 d)監視(モニタリング)及び測定の結果の分析及び評価時期 e)監視(モニタリング)及び測定からの結果を分析及び評価しなければなら ない人 組織は,この結果の証拠として,適切な文書化した情報を保存しなければ ならない。
組織は,食品安全マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を評 価しなければならない。
(箇条8参照)
●規格のポイント・解説
*表題,箇条9「パフォーマンス評価」と箇条9.1頂「モニタリング,測定,分 析及び評価」は,新規の見出しであるが,1日版の箇条8.3項の一部に該当する。
a)食品安全に関して,監視(モニタリング)とは,「プロセスが意図したと おりに運用されているかどうかを評価するための計画に沿った一連の観 察または測定を行うこと」と規定されているので,「監視(モニタリング) 及び測定が必要な対象」を決定するとは,例えば,無加熱摂食冷凍食品 の製造などでは,フライヤーヘ供給するミートボールの形状や重量,フ
ライヤーの各所温度,工程製品の中心温度,フライヤーの油の品質(AV, POVなど)など,組織が決めたモニタリング行為の対象として,決定す べきすべての箇所を指している。
b)妥当な結果を確実に得るために,a)に記述した例であれば,該当プロ セスのそれぞれのプロセス,すなわち,重量測定,形状測定,温度測定, 酸化度測定などの実施方法,並びに分析法などの方法が適切であるか否 かを評価する方法を求めている。
c)a)で定めた対象について,監視(モニタリング)や測定の実施時期を規 定することを求めている。
d)a), b), c)についての結果の分析とその評価の実施時期を規定する ことを求めている。
e)a),b), c)についての結果の分析とその評価を実施する要員を規定す ることを求めている。
ただし,ここで分析とは,得られたデータの分析 とその評価を指している。
また,同時に,結果を分析,評価する人の選 定も同時に求めている。
*さらに,以上の実施の結果は,文書化し,記録として維持することを求めて いる。
*最終的に,これらすべての分析や評価を基にして,組織の食品安全マネジメ ントシステムに基づいたパフォーマンス(活動の経緯と結果)やその有効性(シ ステムに欠陥がなく,組織の目標達成に効果的に機能している)を評価する ことを求めている。
魏審査指摘事例
圏野菜力□工工場では,包装ライン別に,十数台の金属探知機が設置され,モニ タリングが実施されていますが,モニタリング担当者の多くが,金属探知機 に対する基礎的な教育訓練を受けていませんでした。
M鶏卵加工工程では,異物検査を目視検査に限定してチェックしていますが, この工程を監視(モニタリング)と設定しておらず,規格が要求している,評 価に関する手順が確立されていません。
躍即席めん製造プロセスにおいて,CCP/OPRPについては,監視(モニタリング)工程と特定しているが,それ以外の温度管理,官能検査(異物,色調, 風合い,風味など),包装・表示に関する目視検査など各所に監視活動が実施 されているにも関わらず,食品安全マネジメントシステムの中で,監視プロ セスとして,特定さねていません。
9.1.2 分析及び評価
組織は,PRP及びハザード管理計画(8.8及び8.5.4参照),内部監査(9.2 参照)及び外部監査に関する検証活動の結果を含めて,監視(モニタリング) 及び測定からの適切なデータ及び情報を分析及び評価しなければならない。
分析は,次のために実施しなければならない。
a)システムの全体的なパフォーマンスが,計画されている準備及び,組織 が定める食品安全マネジメントシステム要求事項を満たしていることを 確認する。
b)食品安全マネジメントシステムを更新又は改善する必要性を明らかにす る。
c)安全でない可能性がある製品又は,工程逸脱の高い発生率を示す傾向を 明らかにする。
d)監査対象分野の状況及び重要性に関する内部監査プログラムの計画につ いて,情報を定める。
e)実施した修正及び是正処置が効果的であるという証拠を提供する。
分析結果及びすべての結果としての活動は,文書化した情報として保持さ れ, トップマネジメントに報告され,マネジメントレビュー(9.3参照)及び FSMS(10.3参照)へのインプットとして使用されなければならない。
● 規格のポイント・解説
*1日版の箇条8.4.2頂「個々の検証結果の評価」と8.4.3頂「検証活動の結果の 分析」を統合させた要求事項である。
旧版の箇条8.4.3頂の要求事項が主体 であり,基本的な要求事項の変更・追記はない。
*検証活動から得らねたすべてのデータを分析し問題点を発掘, トップマネジ
メントに報告して,マネジメントレビュー(9.3参照)と食品安全マネジメン トシステム(10.3参照)へのインプット情報として活用することを,要求し ているおり,食品安全マネジメントシステムの運用上,重要な活動の一つで ある。
*食品安全チームは,箇条8.8.1項「検証」の要求事項a)~ e)の検証結果につ いて,体系的(手順に従つて)に評価しなければならない。
*これらの評価の結果,適合していない場合は,修正や是正処置が要求され, 食品安全マネジメントシステムのどこに欠陥があるのか追及しなければなら ない。
特に, a)~ d)に対する,適切性,妥当性,有効性については,評価 する必要がある。
【参考解説】 *計画した検証(8.8.1項)の結果は,内部監査を含めて,システム全体として 体系的に評価すること。
*検証結果,計画された要求事項への適合が実証されない場合は,その達成の ために適切な処置をとらなければならない。
【システム構築支援解説】 *検証によって適合性が実証されない場合,検証モニタリング手順の変更の必 要性を判断するため, レビュー(8.5.4及び8.5.4.3)及び妥当性確認の文書 化された情報による検証(8.8.1)を実施すること。
0審査のポイント
*食品安全チームが箇条8.8.1項「検証」の結果を評価した体系的評価の手順と その評価結果の記録,適合が実証されない場合の処置内容が明確になつてい ること。
*組織が設定した,体系的な評価の実施と評価基準に従つた運用が適切に実施 されていること。
● 審査指摘事例
■ カット野菜加工工場では,広範囲にPRP活動が実施され,機械整備記録,清 掃記録などは確認できましたが,多様な顧客クレームの発生原因の分析と PRP活動の分析およその評価が確認できませんでした。
■ 非加熱冷凍カキフライ製造プロセスにおいて,複数の顧客クレームが発生し ていますが,この顧客クレームに関して,検証した結果の分析や評価が確認 できません。
■ 年数回の顧客監査が実施され,指摘改善事項が確認されましたが,この結果 に対する分析や評価の記録が確認できません。
■ 内部監査と外部監査によつて,指摘された事項に是正処置が実施されてい ましたが,そねらのフォローアップによる評価の記録が,マネジメントレ ビューのインプットに確認できませんでした。
食品安全基礎知識
カビ毒(マイコトキシン) マイコトシンは,カビの二次代謝物として産出される毒の総称である。
力 ビの生育には,15~ 16%の水分が必要である。
アフラトキシンは,アス ペルギルスフラバス(麹カビの仲間)が産生し,その発がん性は,ニトロソ ジメチルアミンなどの1000倍といわれる。
熱に安定で,270~280℃ 以 上でしか分解されない。
黄変米毒はぺニシリウム(青カビ)で,赤カビはフ ザリウムである。
麦角アルカロイドは,麦角菌が産生する。
*国内におけるカビ毒事故の発生は,1952(昭和27)年の台湾黄変米事件 から久しいが,油断は大敵である。
9.2 内部監査
9.2.1(内部監査の目的)
9.2.2(内部監査の計画と実施)
●規格のポイント・解説
*1日版の箇条8.4.1頂「内部監査」に該当し,要求事項の基本的内容に大きな変 更はないが,内部監査の実施に関する,詳細な実施基準が,わかりやすく列 記されている。
IS09001:2015の内部監査と同様の要求事項となつている。
*内部監査のプロセスは,「文書化された手順」のなかで適切に規定されている かが主たる要素である。
(手引きとしてJISQ1 9011参照) *内部監査の目的は,要求事項のa)~ g)を満たすことを確実にすることであり かつ内部監査の情報は,食品安全マネジメントシステムの有効性をマネジメ ントレビューで評価するための,主要なインプット情報である。
*内部監査員に求められる力量は,食品安全マネジメントシステムの問題点の 検出,不適合の発見,その適切な処置の実施に適用されるものであること。
(JISQ1 9011:2003参照)
●審査のポイント
*監査の範囲と基準が明確であり適切であること。
*経営者の責任や食品安全チームリーダーに関する要求事項などt確実に監 査さねていること。
*内部監査の顧客は「経営層」であると言われるように,食品安全マネジメント システムの有効性に寄与する指摘内容が求めらねる(内部監査員に求められ る力量)。
畿審査指摘事例
腹魚類加工工場では,輸入したタコ,鮭などを解凍し,加工していますが,実 施さねている食品安全マネジメントシステムの内部監査では,PRPに関する 監査に終始しており,システムの有効性を監査した結果が確認できませんで した。
結果として,同マネジメントレビューのアウトプットでも,システム の有効性評価など,適切なトップマネジメントの言及事項は,確認できませ んでした。
■ 規格要求事項には,フードチェーンの供給者に対し,食品安全に関連する問 題を効果的に周知させ,アウトソースしたプロセスの管理を明確化し,文書 化することとあります。
原料の保管をOPRP管理とし,検証プランにも規定 し,「営業冷凍庫」に委託していますが,アウトソースである「営業冷凍庫」 の温度管理について,管理基準の提起やモニタリング記録が確認できません。
鰯「内部監査」規格要求事項は,発見された不適合およびその原因を除去するた めに,「遅滞」なく是正処置を実施すること,組織が要求するその他の手順が 実施され効果的であることの検証活動を求めています。
しかし4か月前に実 施された内部監査指摘事項は,是正処置が進行しておらず,また「内部監査 実施責任者」による進捗状況の監視が困難な複雑な手順となつており,有効 なシステムヘの改善が求めれます。
ほ「内部監査規程」は設定さねていますが,チェックシートの記載内容が規格要 求事項そのものの裏返しであり,実際の組織の食品安全マネジメントシステ ム活動内容と整合していません。
こねでは,有効な内部監査の実施が期待で きません。
■ 内部監査は実施されていますが,再発防止のための根本的な原因の究明にま で至つていない事例が散見されます。
「原因追究」の欄には,指摘事項がその まま記載され,再発防止につながる是正処置が期待できません。
内部監査の 力量向上が望まれます。
翻内部監査指摘事項は,一般的に重大な不適合,軽微な不適合,改善推奨事項 (観察事項)などに識別されますが, これらの指摘事項の取扱いの手順(是正 処置の実施の可否など)が明確に文書化さねていません。
颯内部監査により指摘された不適合に関して「修正処置(応急処置)」及び発見さねた不適合の原因を除去でる是正処置(再発防止策)が実施できる手順になつ ていません。
また,是正処置計画に記入されている内容は,不適合の内容の繰り返しや修 正処置であり,具体性に欠ける対策となっています。
是正処置の内容はすべ て修正処置の内容となっています。
内部監査手順のレビューや内部監査員の力量向上が望まれます。
■ 規格は,内部監査の結果の報告,記録の維持に関する責任や要求事項を,文 書化された手順の中で規定することを要求していますが,内部監査の実施に ついて責任と権限,内部監査員の資格・力量評価などが明確になっておらず, また,是正処置やフォローアップに関する記録も確認できません(すべての 要員が理解できるような監査員の資格要件や内部監査の方法および必要な記 録の明確化などが要求されます)。
■ 内部監査において下記の点について改善の余地があります。
・規格要求事項に偏り過ぎた,ややもすると画―的な内部監査の傾向になつ ており,食品安全マネジメントシステムの改善に有効な指摘事項が見当た りません。
・組織の食品安全マネジメント活動により有効な内部監査を目指すことの意 識の欠タロが感じらねます。
・食品安全チームによる現場衛生巡視活動も,内部監査の一員としてPRP の改善に役立ちます。
・不適合の原因分析に「なぜ。
なぜ手法」が利用されていないため,恒久的 な是正処置が確認できません。
・内部監査は, トップマネジメントの依頼事項でもあり,また食品安全マネ ジメントシステムを改善するための最大のツールであるという意識の向上 を期待します。
食品安全基礎知識

9.3 マネジメントレビュー
9.3.1 – 般
9.3.2 マネジメントレビューヘのインプット
●規格のポイント・解説
*1日版の箇条5.8項「マネジメントレビュー」に該当するが,新規の要求事項が 追記さね,より具体的な内容となつている。
b)箇条4.1項「組織及びその状況の理解」で要求している各種課題を含め, 食品安全マネジメントシステムに影響を与える組織内外の変化,例えば, 組織の製造工程の大幅な変更,新製品の開発,PB製品の製品仕様の大幅
な変更,関連法令の改定を含む,その他具体的な検討課題などに関する 情報の明確化などを要求している。
c)「食品安全マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情 報」として,新規な用語は下記の項目である。
・「外部提供者のパフォーマンス」における外部提供者には,供給者,販売 業者,専門コンサルタントなどが含まれ,それらの人によるパフォーマ ンス(測定可能な結果)とは,食品安全マネジメントシステムにかかる, すべての有効な指摘事項などを指す。
。
「リスク及び機会並びにこれら対応処置の有効性のレビュー」とは,箇条 6.1項「リスク及び機会への取り組み」に要求されているパフォーマンス についてレビューした情報を指している。
・食品安全リスクとは,健康への悪影響の確率とこの影響の厳しさの関数 であり,食品中のハザードの結果であると定義している。
したがつて,該当するフードチェーンのすべてのリスクについて,可能 な限り検索し,そのリスクに対応するための取り組みを計画し,実施す ることを要求している。
・リスクマネジメントで取り上げている機会は,意図した結果を達成する 好ましい状況,例えば,顧客からみて魅力的な組織であり,新たな製品 やサービスの開発,無駄の削減,生産性の向上などを可能にするより 好ましい状況の集合の結果と定義しているので,可能性のあるリスクを, いかにして好ましい方向に転換させるかの努力を期待している。
・新規格では, リスクに対する取り組みについては,食品安全マネジメン トシステム全体の要求事項,すなわち「組織の計画および管理」のPDCA サイクルと箇条8.1項の「運用計画及び管理」のPDCAサイクルを基本 としている。
d)「資源の妥当性」については,1日版では,マネジメントレビューのアウト プットの要件であったが,新規格では,インプット情報として,経営資 源(人,物,金)に関する妥当性を評価して, トップマネジメントに提供 することを要求しています。
・食品安全マネジメントシステムの運用結果として,人(全従事者の力量 の問題,教育の必要性とその有効性),物(製造に供する原料から製造の
ハード面全般に関する問題点),金(改善や設備全般にわたる投資の必要 性など)などについての具体的な情報の提供を要求している。
e)「発生した緊急事態,インシデント」で考慮すべき情報は,箇条8,4.2頂 の運用結果である。
f)「継続的改善の機会」で考慮すべき情報は,食品安全マネジメントシステ ムの継続的改善活動の結果と,これから取り組もうとしている具体的提 案などの情報である。
【参考解説-1】 マネジメントレビューのインプット情報として,以下の情報を提供すること。
a)前回までのマネジメントレビューの結果であり,前回の結果だけでは不十 分であることに注意。
b)検証活動の結果の分析は,9.1.2項「分析及び評価」に対する情報である。
1)食品安全チームによる内部監査の検証活動は,基本的には,IS09001「内 部監査」と同様であるが,組織が構築した食品安全マネジメントシステムの 監査,CCPの検証を含むHACCPプラン全体の検証,PRPの検証活動など が要求される。
2)したがつて,食品安全に関する多岐にわたる検証活動のため,専門的力量が 要求され,その結果の分析も要求されている。
*a)~ g)頂までのすべての情報のデータは,食品安全マネジメントシステム の継続的な適合性,妥当性,有効性に関連し, しかもトップマネジメントが 判断しやすいようなデータとして提供することが要求されている。
【参考解説-2】 *前回までのマネジメントレビューのフォローアップ 前回までのマネジメントレビューで経営層から指摘さねた指示事項の実施の 効果などの情報を提供し,その適否を仰ぐ重要な要件である。
*検証結果の分析(8.8.2参照) 箇条8.8.2頂「検証活動の結果の分析」で要求さねる箇条9.2頂「内部監査」 など5項目の活動の分析結果を,経営層によるレビューの情報として提供す
ることが要求さねている。
*食品安全に影響を与える可能性のある内部コミュニケーションの情報と対応 状況(7.4.3参照、) 内部コミュニケーシ∃ンの情報に基づく処置が必要な場合もあり,組織内の 変更状況の把握は, トップマネジメントヘの重要なインプット情報となる。
*緊急事態,インデント(8.4参照)および回収(8.9.5参照) 緊急事態,インデントおよび回収に関する情報は, トップマネジメントヘの 主要なインプット情報であり, レビュー事項の一つである。
*食品安全マネジメントシステムの更新(10.3参照) 食品安全マネジメントシステムの更新に関する事項は, トップマネジメント のインプット情報であり,更新後の実施状況もレビュー事項の一つである。
*顧客からのフィードバックを含む外部コミュニケーションのレビュー(7.4.2 参照) 顧客からの苦情などのフィードバックや,FSMSに関する外部コミュニケー ション情報(例えば,供給者,顧客,法令規制当局など)は, トップマネジメ ントのレビュー事項である。
*外部監査または外部査察 自社以外の外部者による食品安全マネジメントシステムに関する評価結果は| システムの改善にもつながる重要なレビュー事項である。
● 審査のポイント
*定例の経営者を交えての会議は,マネジメントレビューに属するので,その 議事録には,要求される情報がわかりやすく網羅されていること。
また,例えば1年以内に特定されたマネジメントレビューは,食品安全マネ ジメントシステムのすべての要求事項がレビユーさねていることが要求さねる。
* トップマネジメントは,マネジメントレビューがFSMSの継続的改善につな がるツールであることを認識していること。
● 審査指摘事例
■ マネジメントレビュー議事録には,「ハザード管理計画」の実施結果に対する 分析とその評価に関する情報が記載されていません。
■ 内部監査の結果や外部監査の結果に対するのインプット情報が,「マネジメン トレビュー議事録」に欠落しており,また改善に関する工場長の指示事項が 実施されていません。
■ マネジメントレビューヘのインプット情報として,組織が特定したリスクや 機会について, レビューした記録が確認できません。
■ マネジメントレビューヘのインプット情報として,外部監査指摘事項に対す る是正処置の有効性評価が確認できません。
食品安全基礎知識
細菌による食中毒の分類 1)毒素型:細菌が食品中で繁殖し,毒素(エンテロトキシン)を産生し, 食中毒を起こす。
黄色ブドウ球菌,ボツリヌス,セレウス 2)感染型:食品とともに摂取された細菌が,腸管内でさらに増殖し,食中 毒を起こす。
サルモネラ菌,腸炎ビブリオ,病原大腸菌,ウェルシュ菌 3)その他:細菌が食品中にアレルギー様中毒を起こさせる化学物質を産生 する。
モルガン菌など 食中毒事例 残りご飯で作るチャーハンなどが原因でセレウス菌中毒を起こすことがある。
この菌の芽胞は,100℃ ,30分の加熱にも耐える毒素生産能を持つている。
学校給食の食中毒などでは,エルシニア・エンテロコリチカ菌がネズミ, イヌなどからの汚染されることが多い。
この細菌は1~ 4℃ でもよく発育 する。
黄色ブドウ球菌による食中毒は,毒素型で,吐き気,下痢の症状で,潜伏
期間が2~ 6時間と短いのが特徴である。
ボツリヌス菌は,嫌気性であり缶詰,ソーセージ,いずしなど発酵食品に 多い。
耐熱芽胞を持ち,力]熱不足は要注意である。
サルモネラ菌食中毒は,鶏肉,鶏卵が原因となることが多いが,水産加工 食品が原因で広域食中毒を起こした例がある。
カンピロバクター食中毒は,近年多く,動物腸内に生息し,わが国では, 鶏肉の原因が多い。
ウェルシュ菌は,ボツリヌス菌と同じ嫌気性菌で生肉な どの内部などで増殖し,スープ類などが原因の例も多い。
9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット
マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項を含めなければ ならない。
a)継続的な改善の機会に関する決定及び行動,及び b)資源の二■ズ及び食品安全方針並びに食品安全マネジメントシステムの 目標の改訂を含む,食品安全マネジメントシステムの更新及び変更の必 要性 | 組織は,マネジメントレビュ 持しなければならない。
幌規格のポイント・解説
*アウトプットの要求事項は,内容的に旧版のa)~ d)の要件が,新規格のa) とb)にまとめられているが,特に新規の要求事項は見受けらねない。
インプット情報を総合的に勘案した,食品安全マネジメントシステムの継続 的な改善に対する, トップマネジメントの具体的な言及を要求している。
*マネジメントレビューの結果は,文書化した情報を保持すること。
【参考解説l *食品安全マネジメントシステムの「継続的改善」(10.2参照
トップマネジメントは,食品安全マネジメントシステムの有効性の改善のた めに,組織の計画した事項の達成状況を検閲し指示することが求められてい る。
*資源の必要性(7.1参照) トップマネジメントは,箇条7.1項で提供したFSMSの維持および有効性の 改善のための資源について,食品安全チームリーダーにレビューさせ,最終 的なその必要性を明確にすることが要求さねている。
*組織の食品安全方針及び目標の改定(5.2参照) トップマネジメントは,箇条5.2項で設定した食品安全方針に基づく食品安 全目標の達成。
実施状況をレビューし,必要な場合は新たな方針に改定する 必要がある。
a)IS09001と同様の要求事項であること b)組織の「食品安全の保証」は,どのようなものなの机指示事項も含めて 言及すること c)食品安全の維持には,特にハード面での改善が必要な場合,その必要性 を明確にすること d)「食品安全方針」や「目標」について,改訂する必要性に言及すること
● 審査のポイント
* トップマネジメントは,インプット情報に基づき,組織の実態を認識し, FSMSの有効性の改善に対して,具体的にアウトプットとして言及し,改善 について,明確に指示していること。
● 審査指摘事例
■ 食品安全マネジメントシステムの継続的改善の機会について,具体的な方策 に対する言及が確認できません。
こねでは,組織の食品安全マネジメントシ ステム全体のPDCAが機能せず停滞します。
■ 人的資源の二一ズについて,従事者に対する教育・訓練の評価や今後の方針 が確認できません。
人的資源は,経営資源の3要素の一つであり,その◇後
の方針に対する言及は, トップマネジメントの必須要件です。
日組織の食品安全マネジメントシステムの有効性,例えば食品安全保証に対す る評価や今後の方針などが,具体的に言及されていません(トップマネジメ ントに,貴方の組織の食品安全マネジメントシステムを今後どのように運用 したいのか質問しました)。
■ トップマネジメントに,「貴社は,せつかく採用さねた食品安全マネジメント システムの中に,新規格の目玉とも言えるリスクおよび機会に対する具体的 な提示が見当たらないことについて,どう思わねますか?」とお尋ねしました。
残念ながら,「リスクおよび機会」を理解していると思わねる回答を得ること ができませんでした。
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